管制官「進入に気づかなかった」 機長と管制官で“食い違う認識” 日航機・海保機衝突

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日本航空と海上保安庁の航空機が羽田空港で衝突した事故で、管制官が「海保機の進入に気づかなかった」との説明をしていることがわかりました。指示とは違う海保機の動き、機長が管制官の指示をどう捉えていたかが焦点となりそうです。 ◇東京・羽田空港に残された両翼や尾翼など一部分を残して黒焦げとなった日本航空の旅客機。近くには多くの警視庁の捜査員の姿がありました。4日も現場検証が行われました。

2日に羽田空港で起きた日本航空の旅客機と海上保安庁の航空機の衝突事故。海上保安庁の5人の乗組員が亡くなりました。激しく燃え上がった機体には前方部分に大きな損傷があり、事故の衝撃を物語っていました。乗客「家族で旅行してたんですけど、正直に言うと、もしかしたら助からないのかなと」見えてきたのは“緊迫の一部始終”です。 ◇日本航空516便が新千歳空港を飛び立ったのは、2日の午後4時半前です。その約1時間半後、羽田空港のC滑走路に着陸し、滑走路上で海上保安庁の航空機に衝突しました。その直前を捉えた映像には、滑走路に向かって進むライトが映っていて、海上保安庁の航空機だとみられています。その後、ライトは滑走路のあたりで停止しました。そして約40秒後の午後5時47分ごろ、事故はおきました。煙が立ちこめた機内は混乱状態になりましたが、午後6時5分には乗客乗員379人全員が脱出を終えたということです。わずか18分の脱出劇。大きかったのは、客室乗務員の存在でした。日本航空によると、衝突直後、客室乗務員らは8か所ある脱出口をすぐに確認し、使用可能な3か所から脱出を決めたといいます。機体後部では 機長からの指示が届かない状況になっていましたが、客室乗務員が自らの判断で脱出用シューターを出したということです。迅速な脱出劇に、海外メディアからは称賛の声が上がり、“奇跡を目の当たりにした”などと報じられています。 ◇なぜ事故は起きたのか。国土交通省が公開したのは、航空機と管制官との事故4分前からの交信記録です。管制官と日航機との交信記録では、“着陸の許可”が出ていました。管制官「滑走路34R(C滑走路)着陸支障なし。風310度8ノット」JAL516便「滑走路34R(C滑走路)着陸支障なし」その直後、管制官と海上保安庁との交信記録では…管制官「こんばんは。1番目、C5上の滑走路停止位置まで地上走行してください」海上保安庁の航空機「滑走路停止位置C5に向かいます。1番目ありがとう」停止位置への移動のやりとりのみで、滑走路に入る許可はありませんでした。だた、海上保安庁によると、航空機の機長は「滑走路の進入許可を受けた上で進入した」と話しているほか、捜査関係者によると、警視庁に対し「機体の後ろがいきなり燃えた」などと話していたといいます。 ◇なぜ食い違いが起きているのか。日本航空の元機長が指摘したのは、交信記録の「1番目」という言葉です。航空評論家 日本航空元機長・山田不二昭氏「『あなた1番です』と言って『ありがとう』と言っているのは、“1番に離陸可能である”と、思い込みか誤認した可能性がある。被災地に救援物資を送るので急がなければいけないという自分の責務があったのかもわかりません」また、関係者によると、管制官らは国交省への聞き取りに「海保機の進入に気づいてなかった」という説明をしているということです。運輸安全委員会は3日、日航機からフライトレコーダーを回収しました。乗務員への聞き取りをし、事故原因の究明を進めています。
日本航空と海上保安庁の航空機が羽田空港で衝突した事故で、管制官が「海保機の進入に気づかなかった」との説明をしていることがわかりました。指示とは違う海保機の動き、機長が管制官の指示をどう捉えていたかが焦点となりそうです。

東京・羽田空港に残された両翼や尾翼など一部分を残して黒焦げとなった日本航空の旅客機。近くには多くの警視庁の捜査員の姿がありました。4日も現場検証が行われました。
2日に羽田空港で起きた日本航空の旅客機と海上保安庁の航空機の衝突事故。海上保安庁の5人の乗組員が亡くなりました。激しく燃え上がった機体には前方部分に大きな損傷があり、事故の衝撃を物語っていました。
乗客「家族で旅行してたんですけど、正直に言うと、もしかしたら助からないのかなと」
見えてきたのは“緊迫の一部始終”です。

日本航空516便が新千歳空港を飛び立ったのは、2日の午後4時半前です。その約1時間半後、羽田空港のC滑走路に着陸し、滑走路上で海上保安庁の航空機に衝突しました。
その直前を捉えた映像には、滑走路に向かって進むライトが映っていて、海上保安庁の航空機だとみられています。その後、ライトは滑走路のあたりで停止しました。そして約40秒後の午後5時47分ごろ、事故はおきました。
煙が立ちこめた機内は混乱状態になりましたが、午後6時5分には乗客乗員379人全員が脱出を終えたということです。
わずか18分の脱出劇。大きかったのは、客室乗務員の存在でした。日本航空によると、衝突直後、客室乗務員らは8か所ある脱出口をすぐに確認し、使用可能な3か所から脱出を決めたといいます。
機体後部では 機長からの指示が届かない状況になっていましたが、客室乗務員が自らの判断で脱出用シューターを出したということです。
迅速な脱出劇に、海外メディアからは称賛の声が上がり、“奇跡を目の当たりにした”などと報じられています。

なぜ事故は起きたのか。
国土交通省が公開したのは、航空機と管制官との事故4分前からの交信記録です。管制官と日航機との交信記録では、“着陸の許可”が出ていました。
管制官「滑走路34R(C滑走路)着陸支障なし。風310度8ノット」
JAL516便「滑走路34R(C滑走路)着陸支障なし」
その直後、管制官と海上保安庁との交信記録では…
管制官「こんばんは。1番目、C5上の滑走路停止位置まで地上走行してください」
海上保安庁の航空機「滑走路停止位置C5に向かいます。1番目ありがとう」
停止位置への移動のやりとりのみで、滑走路に入る許可はありませんでした。
だた、海上保安庁によると、航空機の機長は「滑走路の進入許可を受けた上で進入した」と話しているほか、捜査関係者によると、警視庁に対し「機体の後ろがいきなり燃えた」などと話していたといいます。

なぜ食い違いが起きているのか。日本航空の元機長が指摘したのは、交信記録の「1番目」という言葉です。
航空評論家 日本航空元機長・山田不二昭氏「『あなた1番です』と言って『ありがとう』と言っているのは、“1番に離陸可能である”と、思い込みか誤認した可能性がある。被災地に救援物資を送るので急がなければいけないという自分の責務があったのかもわかりません」
また、関係者によると、管制官らは国交省への聞き取りに「海保機の進入に気づいてなかった」という説明をしているということです。

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