「偏差値70でも志望校“全落ち”」「偏差値50台のまま合格」…医学部入試で起こる〈大番狂わせ〉の正体【元医学生講師が解説】

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医学部受験では、模試の偏差値が70取れていてもすべての医学部に不合格になってしまう人もいれば、直前の模試の偏差値50台から医学部に合格する人もいます。特に、模試の偏差値が70以上あってもどこの医学部にも合格できない、というケースは決して珍しくありません。なぜ、このような「番狂わせ」が起こるのでしょうか? 医学部医学科卒・綿谷もも氏の著書『医学部受験バイブル 現役医大生からの贈り物』(監修:高梨裕介氏)より一部を抜粋し、見ていきましょう。
「試験本番のパフォーマンス」が合否をわける医学部受験において最後の最後に重要になるのは「試験本番のパフォーマンス」です。どんなに勉強して成績を伸ばしても、本番に力を出すことができなければ医学部に合格することはできません。スポーツで考えてみましょう。野球においてバッティングやキャッチボールなどの普段の練習も重要ですが、それだけでは試合に勝つことはできません。試合中の動きやチームプレーなど、試合本番に向けた練習をする必要があります。そして、「練習で身につけたことを本番でしっかりと発揮する」というのは簡単なことではありません。バッティング練習で打てていても、試合で打てなければ得点にはなりません。キャッチボール練習で正確に送球できていても、試合でエラーを連発するようでは評価はされません。練習ではメニューが決まっていて、馴染みの練習メンバーと行うからできていたことも、知らない選手と対峙すると急にできなくなったりします。何より、試合本番は予想しない出来事がよく起こります。事前に試合の流れを予測しておくことはできず、その場のとっさの判断が勝敗を分けることもあります。スポーツの場合、試合でうまくいかなかった場合には振り返りを行い、本番で実力を発揮するためにはどんな練習をしたらよいかを考えると思います。パフォーマンスの振り返りと本番に向けた練習が大切なのは、スポーツの世界では当たり前だと言えるでしょう。医学部受験においても同じように考えることができます。問題集演習を通して「1問を解く力」を鍛えることは重要ですが、それができるだけでは不十分です。試験を解くスピードやケアレスミス対策をはじめ、試験本番に向けた練習をする必要があります。普段どれだけ問題をすらすら解いていても試験本番で解けなければ合格できませんし、ケアレスミスが多いために不合格となる受験生はたくさんいます。また、はじめて見る問題を解く訳ですから、普段使い慣れた問題集とは違って予期できないことも出てきます。受験本番は誰もアドバイスをくれないので、その場で自分で考え、瞬時に判断する必要があります。厳しい時間制限があり、独特の緊張感がある入試本番で、実力を発揮するのは簡単なことではありません。普段から試験本番に向けた練習を行い、本番のパフォーマンスを鍛えておくことが大切です。「模試の成績」と「本番での合否」は一致しない今まで多くの医学部受験生を指導した経験から、「模試の成績と医学部の合否は単純に比例しない」ということがわかっています。具体的には、模試の偏差値が70取れていてもすべての医学部に不合格になってしまう人もいれば、直前の模試の偏差値50台から医学部に合格する人もいます。特に、模試の偏差値が70以上あってもどこの医学部にも合格できない、というケースは決して珍しくありません。模試の偏差値は絶対的な指標ではなく、偏差値が高ければ必ず医学部に合格できる訳ではないのです。合格するのは「本番も普段通りのパフォーマンスを出せる人」模試の成績と合否が一致しない理由として、「試験本番のパフォーマンス力の違い」が挙げられます。いわゆる本番に弱い受験生に話を聞くと、緊張によりケアレスミスを連発したり、試験中に頭が真っ白になってしまって文章が読めなくなったり、いつもは解けるはずの問題も難しく感じて解けなくなる、という傾向があります。模試の結果を見ると十分学力はあるのに、本番で実力を発揮できない人は、試験本番のパフォーマンス力に原因があると言えます。その一方で、本番に強い受験生もいます。これは決して「本番でいきなり頭が良くなって、普段は解けない問題もすらすら解けるようになる」という訳ではありません。本番に強い人とは、「試験本番でもいつもと同じパフォーマンスを発揮できる人」を指すと考えています。【執筆】綿谷 もも医学部医学科卒。数学が大の苦手で、高3の冬に受けた模試では偏差値39を取ってしまうほど。エースアカデミーで1年間浪人し、センター試験本番で90%以上を達成、関東の難関国立医学部、難関私立医学部に合格。医学部入学後はエースアカデミーの医学生講師として6年間受験生を指導し300人以上の医学部合格に貢献。その経験をもとに、医学部在学中に書籍『医学部受験バイブル 現役医大生からの贈り物』を執筆、出版。将来の夢は小児科医。アイドルと猫が好き。【監修】高梨 裕介医学部予備校エースアカデミー 塾長、医師医師/大阪医科大学卒、初期研修修了後に創業。中学受験経験(灘、東大寺、洛南、洛星中学に合格)。自身の医学部受験の反省を活かし、350名以上の医学部合格者を指導。医学部合格のためのよりよい指導をより安く提供することを理念としてエースアカデミーを設立。
医学部受験において最後の最後に重要になるのは「試験本番のパフォーマンス」です。どんなに勉強して成績を伸ばしても、本番に力を出すことができなければ医学部に合格することはできません。
スポーツで考えてみましょう。
野球においてバッティングやキャッチボールなどの普段の練習も重要ですが、それだけでは試合に勝つことはできません。試合中の動きやチームプレーなど、試合本番に向けた練習をする必要があります。
そして、「練習で身につけたことを本番でしっかりと発揮する」というのは簡単なことではありません。
バッティング練習で打てていても、試合で打てなければ得点にはなりません。キャッチボール練習で正確に送球できていても、試合でエラーを連発するようでは評価はされません。
練習ではメニューが決まっていて、馴染みの練習メンバーと行うからできていたことも、知らない選手と対峙すると急にできなくなったりします。
何より、試合本番は予想しない出来事がよく起こります。事前に試合の流れを予測しておくことはできず、その場のとっさの判断が勝敗を分けることもあります。
スポーツの場合、試合でうまくいかなかった場合には振り返りを行い、本番で実力を発揮するためにはどんな練習をしたらよいかを考えると思います。パフォーマンスの振り返りと本番に向けた練習が大切なのは、スポーツの世界では当たり前だと言えるでしょう。
医学部受験においても同じように考えることができます。
問題集演習を通して「1問を解く力」を鍛えることは重要ですが、それができるだけでは不十分です。試験を解くスピードやケアレスミス対策をはじめ、試験本番に向けた練習をする必要があります。
普段どれだけ問題をすらすら解いていても試験本番で解けなければ合格できませんし、ケアレスミスが多いために不合格となる受験生はたくさんいます。
また、はじめて見る問題を解く訳ですから、普段使い慣れた問題集とは違って予期できないことも出てきます。受験本番は誰もアドバイスをくれないので、その場で自分で考え、瞬時に判断する必要があります。
厳しい時間制限があり、独特の緊張感がある入試本番で、実力を発揮するのは簡単なことではありません。普段から試験本番に向けた練習を行い、本番のパフォーマンスを鍛えておくことが大切です。
今まで多くの医学部受験生を指導した経験から、「模試の成績と医学部の合否は単純に比例しない」ということがわかっています。
具体的には、模試の偏差値が70取れていてもすべての医学部に不合格になってしまう人もいれば、直前の模試の偏差値50台から医学部に合格する人もいます。
特に、模試の偏差値が70以上あってもどこの医学部にも合格できない、というケースは決して珍しくありません。模試の偏差値は絶対的な指標ではなく、偏差値が高ければ必ず医学部に合格できる訳ではないのです。
模試の成績と合否が一致しない理由として、「試験本番のパフォーマンス力の違い」が挙げられます。
いわゆる本番に弱い受験生に話を聞くと、緊張によりケアレスミスを連発したり、試験中に頭が真っ白になってしまって文章が読めなくなったり、いつもは解けるはずの問題も難しく感じて解けなくなる、という傾向があります。
模試の結果を見ると十分学力はあるのに、本番で実力を発揮できない人は、試験本番のパフォーマンス力に原因があると言えます。
その一方で、本番に強い受験生もいます。
これは決して「本番でいきなり頭が良くなって、普段は解けない問題もすらすら解けるようになる」という訳ではありません。本番に強い人とは、「試験本番でもいつもと同じパフォーマンスを発揮できる人」を指すと考えています。
【執筆】綿谷 もも医学部医学科卒。数学が大の苦手で、高3の冬に受けた模試では偏差値39を取ってしまうほど。エースアカデミーで1年間浪人し、センター試験本番で90%以上を達成、関東の難関国立医学部、難関私立医学部に合格。医学部入学後はエースアカデミーの医学生講師として6年間受験生を指導し300人以上の医学部合格に貢献。その経験をもとに、医学部在学中に書籍『医学部受験バイブル 現役医大生からの贈り物』を執筆、出版。将来の夢は小児科医。アイドルと猫が好き。【監修】高梨 裕介医学部予備校エースアカデミー 塾長、医師医師/大阪医科大学卒、初期研修修了後に創業。中学受験経験(灘、東大寺、洛南、洛星中学に合格)。自身の医学部受験の反省を活かし、350名以上の医学部合格者を指導。医学部合格のためのよりよい指導をより安く提供することを理念としてエースアカデミーを設立。
【執筆】綿谷 もも
医学部医学科卒。数学が大の苦手で、高3の冬に受けた模試では偏差値39を取ってしまうほど。エースアカデミーで1年間浪人し、センター試験本番で90%以上を達成、関東の難関国立医学部、難関私立医学部に合格。
医学部入学後はエースアカデミーの医学生講師として6年間受験生を指導し300人以上の医学部合格に貢献。その経験をもとに、医学部在学中に書籍『医学部受験バイブル 現役医大生からの贈り物』を執筆、出版。将来の夢は小児科医。アイドルと猫が好き。
【監修】高梨 裕介
医学部予備校エースアカデミー 塾長、医師
医師/大阪医科大学卒、初期研修修了後に創業。
中学受験経験(灘、東大寺、洛南、洛星中学に合格)。
自身の医学部受験の反省を活かし、350名以上の医学部合格者を指導。医学部合格のためのよりよい指導をより安く提供することを理念としてエースアカデミーを設立。

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