【セブン 太郎】記者がセブンイレブンでバイトをしてみたら…レジで覚えた「強烈な違和感」 記者のセブンバイト日誌#1 前編

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今年で50周年を迎えるセブンーイレブン・ジャパン。コンビニが好きすぎるフリーの記者が、好奇心からアルバイトをしてみたら? 消費者の立場ではなかなか見えてこない、意外な一面が次々と見えてきた。
私は2日に1回はコンビニに寄ってしまうコンビニ人間。セブンーイレブンの運営会社が発足して2023年11月で50周年と聞いてバイトに応募してみた。2024年4月には一号店が営業を開始して50年になる。次の50年も繁栄は続くのか。愛好者として現場から考えた。
やはり人手不足なのだろう、東京都の北西部の私鉄沿線、駅から10分ほど先のセブンーイレブンになんなく採用された。
※画像はイメージです/photo by iStock
レジに立ってみて思うのは、現金払いの客が意外に少ないことだ。一度、2時間きっちり数えてみたら、ほぼ50人のお客が来て、現金はぴったり半分だった。ペイペイなどバーコード決済が15%、クレジットカードが15%、そしてnanacoというセブンイレブンの電子マネーなど電子マネーが20%だ。どの電子決済もポイント還元があり、1~2%だが事実上の値引きがされているから、どうせ払うなら現金以外でということだ。支払いが簡単なこともあるのだろうが、ポイント社会なのだと実感した。
セブンーイレブンの特徴は、現金をお客に入れさせること。入金口はお客側にある。ローソンやファミリーマートは店員が受け取り、入金して出てくるお釣りを渡している。入金口は店員側だ。セブンではよく釣銭の取り忘れで、ビービーブザーがなり、お客を追いかけてお釣りを渡している。
高齢者には現金入金がやっかい。けっこうな常連でも、お札を入れる場所をいつも探すし、入金後に画面のOKボタンを押すことになっているが(端数を入れたがるお客があるから、購入額を入金が上回ってもボタンを押さないと決済されない)、ボタンを押してくれないので決済が済まない。
ある同僚は、ぐぐーと手を伸ばして、客の目を見ながらOKボタンを押していた。親切心もあるだろうが、もたもたされると列ができる。他のコンビニのようにすればいいと思うが、現金をやめさせる「高等テク」なのかもしれない。
実はレジで一番やっかいなのはセブンの電子マネーnanacoだ。半分以上のひとが支払おうとすると残高不足になる。その場でいったんnanacoカードへの入金に切り替えて、現金を入れ入金額を押し、カードをかざして入金してからもういちど支払い画面に戻ってにnanacoカードで支払う。
だいたい、クレジットカードやバーコード決済の人に比べると3倍は時間がかかる。だから忙しい時間帯だと、nanaco払いの人が来ると、たちまち列ができてしまう。順番にレジ待ちしているお客からクレームを言われるたことはないが、顔には「早くしろよ」と書いてある。
渋滞のもうひとつの原因は、スマホのセブン・アプリを使っている「会員」だ。かならずその日の値引きクーポンを見せてくる。慣れているお客さんは用意していて見せてくれるので問題ないが、該当商品が見当たらず、あれこれ探し出す人がいる。そうなると待つしかない。
ちょっとスマホをいじりだすともうどんどん時間がたつ。いじっている方には短時間だが、列の次に並んでいる人はイライラしているのが伝わってくる。
photo by iStock
要するに、セブン本部が作った仕組みはたいてい現場のお客のことを考えていない。渋滞の原因はだいたいセブン本部の作った仕組みだ。多少待たせたって、nanacoを使ってもらえればいいじゃんと考えているのだろう。だが、とにかくぎりぎりの金額しかお客はいれていないのだから、金利収入もわずか。nanacoって本部にとってもなにかいいことあるのだろうか。
手数料のかかるクレジットカードを使われるよりいいということなのか。でもnanacoもポイントをつけている。休日の多い年末年始はポイント倍増キャンペーンで普段は200円買い上げで1ポイントのところ、100円ごとに1ポイントつく。つまり2倍の1%還元キャンペーンということだ。
店員になる前はnanacoで特定顧客の一カ月の買い物傾向とかがわかるのだろうと思っていた。だが、私もnanacoを使っているが、なにか販促宣伝みたいなアプローチを受けたことはない。店にもそんな分析情報が届いている節はない。
記事後半は「記者がセブンイレブンでバイトをして目撃した…実は『店員に嫌われている』商品」から。

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