小学生女子「彼氏できた…今度会いに行く!」→えっ、相手は成人男性!? 出会いはネット…危険察知した女性が取った行動とは

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「彼氏ができた…年上なの!」と未成年から嬉しそうに内緒で伝えられたら? しかも、相手が想像以上に年上、しかも一度も会ったことないと聞いたら? 大人としてはどうすればいいのでしょうか。
【調査結果】ネットで初めての性的メッセージを送られたのは…こんな幼い子にも!危険な状況を察知し、未然に防いだ女性たちの経験談を紹介します。強制性交等罪の認知件数(1655件)のうち、被害者が10代以下に限ると4割以上、0~12歳の被害者は2018年から1.4倍に(注1)に。性交を伴う性暴力をおこなった加害者は、学校・大学の関係者(教職員、先輩、同級生、クラブ活動の指導者など)、(元)交際相手、SNSなどインターネット上で知り合った人が多いという結果が出ています。

そんななか、どのように被害に合う可能性をくい止めたのでしょうか。顔見知りの小学生に「カレシに初めて会う」と打ち明けられ…ボランティアで近隣の小学生と関わることの多いK子さん。盗撮など不審者の通報、通学中怪我をした子供の保護、いじめや交通事故などを目の当たりにすることがあり、地域で子供の安全を見守る大人の存在の重要性を感じている日々です。ある日、小学校高学年の女の子から「最近彼氏ができた。家族には話してないけど、おばちゃんには教えるね」と打ち明けられました。聞けば、相手はネットで知り合った成人男性。お互いに名前や年齢などの個人情報を交換して、ふたりきりで会うことも計画しているとのこと。これはちょっと見過ごすわけにはいかないと思ったK子さんですが、女の子とは関わりがあるものの、保護者との接点はなし。その日のうちに学校へ報告し、学校外での行動について具体的な事例を挙げながら、全校生徒に注意を呼びかけることを提案、女の子の保護者への連絡は学校に委ねることにしました。警察との連携は、女の子の保護者と学校に任せることになったそうです。「保護者の方が事実を知り、頭ごなしに怒ったり、ゲームやネットを取り上げたりしては、女の子がますます孤立してしまうのではないか、今後嘘をつくなど本心を大人に語れなくなるのではないか、という心配はあります。これからも引き続きその子との関係を保てるように声かけや目配りをしていくのが私のできること」と話します。今回の件はこの女の子固有のできごとではなく、誰もが遭遇する可能性があるのではないか、とK子さん。「子どもたちと接していると純粋だなと思います。それがゆえに、トラブルや大きな危険に巻き込まれる可能性もないとは言い切れません。また、狙われるのは女の子とは限りません。実際、男の子がネットで知り合った男の家に行ってしまい、警察沙汰になった、など似たような話題は聞きますし、社会全体の問題なのだと感じています。決して他人事ではないことを保護者や教育関係者は知らなければならないと思うのです」。お年玉でまとまったお金を手にする子どもが増える冬休みは要注意。「各家庭で、ネットを通して知り合った人とのルールやリテラシーについて、親子で話し合って欲しいです。また、子どもを1人で出かけさせない(そっと見守る)、子どものネット環境の見直しや定期的な確認も親の役目だと思います」と呼びかけます。「好きだ、会おう」と娘が言われ続けて…大半の保護者は、「わが家は親子のコミュニケーションも取れているから大丈夫」「うちの子に限って」と考えます。実際、娘を持つM子さんもそのように思っていました。「娘が高校生だったときのことです。ネットで知り合った男性から、“好きだ、会おう”と言われていました。最初は娘も断っていたのですが、言われ続けるうちにまんざらでもなくなってしまい…。私たち親は、学生である未成年に対して、明け方まで話やゲームをしていること、会ったこともないのに軽々しく“好きだよ”とメッセージを送っていること、写真を送れと要求していることなどに不信感を抱いていました。たとえ未成年に好意を抱いたとしても、夜中になったら“明日学校なのだから、もう寝た方がいい”とアドバイスするくらいが、まともな大人なのではないかと」。2ヶ月ほど様子を見守っていましたが、直接会おうという話が出たので、父(M子さんの夫)が警視庁に即相談。すぐさま自宅に来た地元の警察署の少年課の警察官から言われたのが、「18歳未満の子どもと誰かが会う時、当人たちがその気でも、保護者が同意してない場合、未成年者略取など即逮捕案件に繋がる可能性があります」。また、「もし、娘さんと相手の男性が直接会う場合は、尾行します」との言葉もありました。 その後、少年課の警察官によって、SNSやゲームの履歴の開示請求(各社)、それを元とした相手の住所などの調査が行われ、警察から電話にて男性へ注意喚起。娘さんに対してもSNSの利用法などの指導が入り、事態は収束しました。「ただし、ログの証拠集めは警察では行わないので、ログが取れる環境を作っておく必要がありました。私達は、やりとりを行っていたサービス「Discord」のスクリーンショットを撮りました。また、日本のゲーム会社は情報開示に積極的ですが、外国のゲーム会社(例:原神など)への情報開示請求は難しいです。そういうことも事前に知っておいた方が良いと思いました」とのこと。M子さんは、「親は大事にしたくないと考えがちですが、警察には対応策があるようです。おかしいなと感じたら警察に相談することをおすすめします。子どもに、スマホやゲームを与える時には、位置情報の共有や使用するゲームの制限はあった方が良いことを痛感しました。とにかく、親はゲームの使用時間ばかりに気がいきます。でも、子どものスマホを親が見ることができる・ゲームの種類を制限するなど、是非この機会に、親子で話し合って欲しいです。それが、いざという時に子どもを守ることになります。17歳までに、そういうネットリテラシーを身につけないと、親も警察も一気に守る範囲が狭まることをわかって欲しいです」◇ ◇10歳未満にも性的メッセージが…小学生や中学生、高校生たちの長期休暇では、子どもたちだけでの遊び、あるいは単独での行動、遠方への外出などふだんの生活ではできないことをする子も増えます。また、家庭内で過ごすものの、ゲームやネットなどで自室にこもり、見ず知らずの人とオンラインでの交流を深める子もいるでしょう。今や、ネットを通じて、知らない人とつながることは簡単です。そのなかには、最初から悪巧みを考え、言葉たくみに子どもたちと親密になる大人もいて、略取誘拐や性被害に遭うことがあります。また、実際に会うことはなくても裸の写真を要求され、脅されることやだまされることもあるのです。また子どもの年齢から安心しているかもしれませんが、「ネットで知らない人と性的なやりとりをした最初の年齢」(注2)の調査から、10歳未満が6.8%、10~12歳は15.9%、13~15歳は27.3%、16~18歳は29.3%。何歳であっても性的な被害にさらされていることがわかります。警察庁では、「なくそう、子供の性被害。」サイト内で、「子供を性被害から守るのは、保護者を含めた大人の責任です」と明言しています。コミュニティサイトを通じ、知らない大人から被害を受けることが増加傾向にあり、対策のための啓発資料も提示しています。2023年7月の刑法改正で、16歳未満に対して、甘い言葉で誘ったり、うそをついたりして面会要求した場合は「面会要求等の罪」となるということを知っておくだけでも、警察に相談しやすくなるのではないでしょうか。性暴力を受けた被害者は、「異性と会うのが怖くなった」「誰のことも信じられなくなった」「夜眠れなくなった」「生きているのが嫌になった」(注1の調査より)など、心身ともに傷つけられます。会いに行くのを止めて子どもから憎まれたとしても、被害にあってからの後悔とは比べものになりません。(注1)「若年層の性暴力被害の実態に関するオンラインアンケート及びヒアリング結果」報告書(令和4年3月) 内閣府男女共同参画局(注2)ネット性被害に関するアンケート、調査期間:2023年8月25日~10月12日、有効回答数:109名、ベジベジ株式会社による調査(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・宮前 晶子)
危険な状況を察知し、未然に防いだ女性たちの経験談を紹介します。
強制性交等罪の認知件数(1655件)のうち、被害者が10代以下に限ると4割以上、0~12歳の被害者は2018年から1.4倍に(注1)に。性交を伴う性暴力をおこなった加害者は、学校・大学の関係者(教職員、先輩、同級生、クラブ活動の指導者など)、(元)交際相手、SNSなどインターネット上で知り合った人が多いという結果が出ています。
そんななか、どのように被害に合う可能性をくい止めたのでしょうか。
ボランティアで近隣の小学生と関わることの多いK子さん。盗撮など不審者の通報、通学中怪我をした子供の保護、いじめや交通事故などを目の当たりにすることがあり、地域で子供の安全を見守る大人の存在の重要性を感じている日々です。
ある日、小学校高学年の女の子から「最近彼氏ができた。家族には話してないけど、おばちゃんには教えるね」と打ち明けられました。聞けば、相手はネットで知り合った成人男性。お互いに名前や年齢などの個人情報を交換して、ふたりきりで会うことも計画しているとのこと。これはちょっと見過ごすわけにはいかないと思ったK子さんですが、女の子とは関わりがあるものの、保護者との接点はなし。
その日のうちに学校へ報告し、学校外での行動について具体的な事例を挙げながら、全校生徒に注意を呼びかけることを提案、女の子の保護者への連絡は学校に委ねることにしました。警察との連携は、女の子の保護者と学校に任せることになったそうです。
「保護者の方が事実を知り、頭ごなしに怒ったり、ゲームやネットを取り上げたりしては、女の子がますます孤立してしまうのではないか、今後嘘をつくなど本心を大人に語れなくなるのではないか、という心配はあります。これからも引き続きその子との関係を保てるように声かけや目配りをしていくのが私のできること」と話します。
今回の件はこの女の子固有のできごとではなく、誰もが遭遇する可能性があるのではないか、とK子さん。「子どもたちと接していると純粋だなと思います。それがゆえに、トラブルや大きな危険に巻き込まれる可能性もないとは言い切れません。また、狙われるのは女の子とは限りません。実際、男の子がネットで知り合った男の家に行ってしまい、警察沙汰になった、など似たような話題は聞きますし、社会全体の問題なのだと感じています。決して他人事ではないことを保護者や教育関係者は知らなければならないと思うのです」。
お年玉でまとまったお金を手にする子どもが増える冬休みは要注意。「各家庭で、ネットを通して知り合った人とのルールやリテラシーについて、親子で話し合って欲しいです。また、子どもを1人で出かけさせない(そっと見守る)、子どものネット環境の見直しや定期的な確認も親の役目だと思います」と呼びかけます。
大半の保護者は、「わが家は親子のコミュニケーションも取れているから大丈夫」「うちの子に限って」と考えます。実際、娘を持つM子さんもそのように思っていました。
「娘が高校生だったときのことです。ネットで知り合った男性から、“好きだ、会おう”と言われていました。最初は娘も断っていたのですが、言われ続けるうちにまんざらでもなくなってしまい…。私たち親は、学生である未成年に対して、明け方まで話やゲームをしていること、会ったこともないのに軽々しく“好きだよ”とメッセージを送っていること、写真を送れと要求していることなどに不信感を抱いていました。たとえ未成年に好意を抱いたとしても、夜中になったら“明日学校なのだから、もう寝た方がいい”とアドバイスするくらいが、まともな大人なのではないかと」。
2ヶ月ほど様子を見守っていましたが、直接会おうという話が出たので、父(M子さんの夫)が警視庁に即相談。
すぐさま自宅に来た地元の警察署の少年課の警察官から言われたのが、「18歳未満の子どもと誰かが会う時、当人たちがその気でも、保護者が同意してない場合、未成年者略取など即逮捕案件に繋がる可能性があります」。
また、「もし、娘さんと相手の男性が直接会う場合は、尾行します」との言葉もありました。 その後、少年課の警察官によって、SNSやゲームの履歴の開示請求(各社)、それを元とした相手の住所などの調査が行われ、警察から電話にて男性へ注意喚起。娘さんに対してもSNSの利用法などの指導が入り、事態は収束しました。
「ただし、ログの証拠集めは警察では行わないので、ログが取れる環境を作っておく必要がありました。私達は、やりとりを行っていたサービス「Discord」のスクリーンショットを撮りました。また、日本のゲーム会社は情報開示に積極的ですが、外国のゲーム会社(例:原神など)への情報開示請求は難しいです。そういうことも事前に知っておいた方が良いと思いました」とのこと。
M子さんは、「親は大事にしたくないと考えがちですが、警察には対応策があるようです。おかしいなと感じたら警察に相談することをおすすめします。子どもに、スマホやゲームを与える時には、位置情報の共有や使用するゲームの制限はあった方が良いことを痛感しました。
とにかく、親はゲームの使用時間ばかりに気がいきます。でも、子どものスマホを親が見ることができる・ゲームの種類を制限するなど、是非この機会に、親子で話し合って欲しいです。それが、いざという時に子どもを守ることになります。17歳までに、そういうネットリテラシーを身につけないと、親も警察も一気に守る範囲が狭まることをわかって欲しいです」
◇ ◇
小学生や中学生、高校生たちの長期休暇では、子どもたちだけでの遊び、あるいは単独での行動、遠方への外出などふだんの生活ではできないことをする子も増えます。また、家庭内で過ごすものの、ゲームやネットなどで自室にこもり、見ず知らずの人とオンラインでの交流を深める子もいるでしょう。今や、ネットを通じて、知らない人とつながることは簡単です。
そのなかには、最初から悪巧みを考え、言葉たくみに子どもたちと親密になる大人もいて、略取誘拐や性被害に遭うことがあります。また、実際に会うことはなくても裸の写真を要求され、脅されることやだまされることもあるのです。また子どもの年齢から安心しているかもしれませんが、「ネットで知らない人と性的なやりとりをした最初の年齢」(注2)の調査から、10歳未満が6.8%、10~12歳は15.9%、13~15歳は27.3%、16~18歳は29.3%。何歳であっても性的な被害にさらされていることがわかります。
警察庁では、「なくそう、子供の性被害。」サイト内で、「子供を性被害から守るのは、保護者を含めた大人の責任です」と明言しています。コミュニティサイトを通じ、知らない大人から被害を受けることが増加傾向にあり、対策のための啓発資料も提示しています。
2023年7月の刑法改正で、16歳未満に対して、甘い言葉で誘ったり、うそをついたりして面会要求した場合は「面会要求等の罪」となるということを知っておくだけでも、警察に相談しやすくなるのではないでしょうか。
性暴力を受けた被害者は、「異性と会うのが怖くなった」「誰のことも信じられなくなった」「夜眠れなくなった」「生きているのが嫌になった」(注1の調査より)など、心身ともに傷つけられます。会いに行くのを止めて子どもから憎まれたとしても、被害にあってからの後悔とは比べものになりません。
(注1)「若年層の性暴力被害の実態に関するオンラインアンケート及びヒアリング結果」報告書(令和4年3月) 内閣府男女共同参画局(注2)ネット性被害に関するアンケート、調査期間:2023年8月25日~10月12日、有効回答数:109名、ベジベジ株式会社による調査
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・宮前 晶子)

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