市販薬を過剰に摂取する「オーバードーズ」により、若年層の救急搬送などが相次ぐ中、武見敬三厚生労働相は19日の記者会見で、「さらに若者の間で広がっていく深刻な問題と受け止めている」との認識を示した。
厚労省の検討会は18日、乱用される恐れがある一般用医薬品(市販薬)について、20歳未満には複数個の販売を禁止するなどの制度の案をまとめた。
対象は、「乱用の恐れのある医薬品」に指定されている6成分を含むもので、1500品目以上あるとされる。成分の指定範囲ついて、武見氏は「指定範囲の見直しのための実態把握は常に努めていきたい」と述べた。
同省などの調査によると、医薬品の過剰摂取が原因と疑われる救急搬送が、昨年は10代が1494人で同2年と比べ約1・5倍、20代は3295人と同2年比で約1・2倍と急増している。
同省は、制度の案を審議した上で、令和7年以降に医薬品医療機器法(薬機法)の改正を目指すとしているが、武見氏は「現状の法制でできる規制は確実に進める」としている。