与党に危機感「捜査長引くほどダメージ」「解散なんてとても」…安倍派数十人規模に事情聴取か

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自民党派閥による政治資金パーティー収入の過少記載疑惑を巡り、与党は東京地検特捜部による捜査が近く本格化するとみて危機感を強めている。
疑惑の実態が明らかになれば、支持率のさらなる低下は避けられないためだ。
「国民から厳しい目が向けられ、疑念が広がっていることを大変重く受け止めている」
自民の茂木幹事長は13日の臨時国会閉会後、党本部で記者団にこう語った。
自民は特捜部の動向に戦々恐々としている。最大派閥・安倍派(99人)は裏金作りが計5億円規模に上るとされ、数十人規模の所属議員が事情聴取されるとの情報もある。過少記載疑惑は二階派(40人)や岸田派(46人)でも判明しており、両派への捜査も進められるとみられる。
読売新聞の11月の世論調査では、自民の支持率は28%と、内閣支持率の下落に合わせて低下傾向にある。今後、自民議員の事情聴取が相次ぎ、立件などに至れば、大幅な下落が避けられない。自民内には「捜査が長引くほどダメージは大きくなる」(ベテラン)と懸念する声がある。
公明党の石井幹事長は13日の党会合で「政党や政治家のパーティーに厳しい目が向けられ、(批判は)年明け(以降)もさらに厳しくなる」との考えを示した。同党は当面の間、政治資金パーティーの中止を決めた。
岸田首相(党総裁)は14日、松野官房長官ら安倍派4閣僚と副大臣らを交代させる方針だが、事態の沈静化につながるかどうかは見通せない。
逆風が収まる見込みのない中で、与党内では岸田首相の下での衆院解散・総選挙は難しいとの声が出始めた。
公明の山口代表は13日のラジオ番組で「(解散なんて)とても、とてもできない。政治の信頼をとり戻す努力をしない限り、問うべき『信』がない」と語った。
自民幹部は「党に対する信頼を回復しない限り、岸田首相どころか他の首相に『顔』を替えても、選挙は厳しい結果に終わる」と指摘する。

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