「外で性犯罪を起こすよりは…」と自身の胸を触らせる母親も 障害のある子どもの性欲とどう向き合う? 当事者家族の悩み

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先週SNSに投稿され議論が交わされている、ある性の問題。
「自閉症の男児あるあるで、性欲が強くなって母親が性欲処理に頭を悩ます。『人前でやらず自分の部屋で処理する』と教える」(Xより、現在は削除)
【映像】「母親が自らの体をさしだす例も」 障害児の性欲 家族の声 あまり表面に出てこない知的障害、発達障害がある子どもの性。7月には看護師の投稿が話題になった。「男の知的障害児の性欲が気持ち悪い。利用者の女の子に掴みかかったり、舐めようとしたり。止めるけど理解してないからまたやる」(Xより)

場合によっては性加害や性的暴行にもつながりかねない問題。男性ばかりでなく、女性でも生理や性行為の教育など大きな懸念になっているとの投稿もある。障害がある子どもの性とどう向き合うのか。『ABEMA Prime』で当事者とともに考えた。■「健常者が持つ性欲とは違うのでは」 知的障害のある高校生の息子(16)が性に目覚めることを心配しているうーちゃんパパさんは、「お友達の延長線上で“仲良くなりたい”といった気持ちなのではないか。女性の方からするともちろん怖いというのはわかるが、健常者が持つ性欲とは違うと思っている」とコメント。 特別支援学校に通ううーちゃんは、最重度の知的障害と診断され、心の年齢は3歳ほど。ひらがなの読み書きやジェスチャーなどでのコミュニケーションはできるという。 うーちゃんパパさんは今後の心配として、「今すぐ性欲に目覚めるとはとても思えないが、服の上からちょっと触るということは家ではある。それがエスカレートしていった時に、彼の中で何か変わるのか?という不安はある」と明かす。 知的障害の子どもへの性教育の難しさとして、「大切な人とする」「愛情」など抽象的な表現、頻度やTPOなどモラルやルール、恋愛・結婚・妊娠などプロセスへの理解が難しいこと、男女の体の違いがわからないこと、友人同士で性について語ることが少ないことなどがある。 うーちゃんパパさんは現状として、「強く叱ることはしない。他のことに気をそらしたり、あんまり触ると取れちゃうよと言ったり、小さい子を諭すように接している」と語った。■「外で性犯罪を起こすよりは…」と自身の胸を触らせる母親も 当事者の家族らの悩みとして、人前でも構わず自分の性器を触る、屋外で異性を見ながら自慰行為にふける、勝手に服を脱いでしまう、異性の教師や職員に抱きつく、自慰行為がやめられずケガや病気になる、射精や生理に驚きパニックになる、といった声がある。 日本発達障害連盟理事の斎藤利之氏は「なぜ触るのかはまず1つポイントになると思う。逆にそこがわかれば、対処方法が考えられるからだ。性に関しては、知的障害を持っていてもいなくても、第二次性徴、男性は喉仏が出て声が変わったり、女性は胸が大きくなったりするタイミングで、しっかりと性教育をしていくことはとても重要だ」と説明。 一方、教育の難しさについて、「特別支援学校の先生は大変頑張っているが、どういう教え方をするかは非常に悩まれている。ただ、本人が加害者になってしまう可能性があるので、“ルールを守ろうね”ということは言ったほうがいい。いきなり叱ったり注意するのではなく、“みんながいるところでは触らない。部屋で触ると約束したよね。それを守らなかったら駄目だよね”と言うのはありだと思う。そうしないと本人の気づきも遅れていくので、大事にしたい部分だ」と述べる。 また、情報が蓄積されていかない問題があるとも指摘。「熱心な先生から変わってしまうと教えないとか、一生懸命頑張っている所とそうでない所があったりする。イギリスなんかでは、ドラマのコーディネートをしていた方が学校を回り、知的障害の子には難しい距離感やパーソナルスペースの話を、“ここまで近づいちゃ駄目だよ”とドラマ仕立てでやったりする。情報が蓄積されていくので、困った時はそこに相談すればいいとなる。こうしたシステムが日本にもあれば、特にシングルで頑張っている親への対応が広がっていくと考えている」との見方を示した。 中には、息子が性犯罪を犯さないよう、母親が自らの体を差し出す例もあるという。「外でそういう気持ちになって加害者になってしまうのであれば、お母さんが自分の胸を触らせて、満足させてあげる。こうしたことはよくあると言っていいと思う」。 親の負担が大きく、相談先もない中で、矛先が家庭内暴力などに向かってしまわないか。斎藤氏は「それらはDV、ネグレクトとも言えるが、そう簡単に片付けられないところにこの問題の深さがある」とした上で、「今まで性教育に蓋をしてきた歴史があるので、なかなか打破していくのが難しい。こうした議論はされてこなかったので、今回の話がその一助になればと思う」と訴えた。(『ABEMA Prime』より)
あまり表面に出てこない知的障害、発達障害がある子どもの性。7月には看護師の投稿が話題になった。
「男の知的障害児の性欲が気持ち悪い。利用者の女の子に掴みかかったり、舐めようとしたり。止めるけど理解してないからまたやる」(Xより)
場合によっては性加害や性的暴行にもつながりかねない問題。男性ばかりでなく、女性でも生理や性行為の教育など大きな懸念になっているとの投稿もある。障害がある子どもの性とどう向き合うのか。『ABEMA Prime』で当事者とともに考えた。
■「健常者が持つ性欲とは違うのでは」
知的障害のある高校生の息子(16)が性に目覚めることを心配しているうーちゃんパパさんは、「お友達の延長線上で“仲良くなりたい”といった気持ちなのではないか。女性の方からするともちろん怖いというのはわかるが、健常者が持つ性欲とは違うと思っている」とコメント。
特別支援学校に通ううーちゃんは、最重度の知的障害と診断され、心の年齢は3歳ほど。ひらがなの読み書きやジェスチャーなどでのコミュニケーションはできるという。
うーちゃんパパさんは今後の心配として、「今すぐ性欲に目覚めるとはとても思えないが、服の上からちょっと触るということは家ではある。それがエスカレートしていった時に、彼の中で何か変わるのか?という不安はある」と明かす。
知的障害の子どもへの性教育の難しさとして、「大切な人とする」「愛情」など抽象的な表現、頻度やTPOなどモラルやルール、恋愛・結婚・妊娠などプロセスへの理解が難しいこと、男女の体の違いがわからないこと、友人同士で性について語ることが少ないことなどがある。
うーちゃんパパさんは現状として、「強く叱ることはしない。他のことに気をそらしたり、あんまり触ると取れちゃうよと言ったり、小さい子を諭すように接している」と語った。
■「外で性犯罪を起こすよりは…」と自身の胸を触らせる母親も
当事者の家族らの悩みとして、人前でも構わず自分の性器を触る、屋外で異性を見ながら自慰行為にふける、勝手に服を脱いでしまう、異性の教師や職員に抱きつく、自慰行為がやめられずケガや病気になる、射精や生理に驚きパニックになる、といった声がある。
日本発達障害連盟理事の斎藤利之氏は「なぜ触るのかはまず1つポイントになると思う。逆にそこがわかれば、対処方法が考えられるからだ。性に関しては、知的障害を持っていてもいなくても、第二次性徴、男性は喉仏が出て声が変わったり、女性は胸が大きくなったりするタイミングで、しっかりと性教育をしていくことはとても重要だ」と説明。
一方、教育の難しさについて、「特別支援学校の先生は大変頑張っているが、どういう教え方をするかは非常に悩まれている。ただ、本人が加害者になってしまう可能性があるので、“ルールを守ろうね”ということは言ったほうがいい。いきなり叱ったり注意するのではなく、“みんながいるところでは触らない。部屋で触ると約束したよね。それを守らなかったら駄目だよね”と言うのはありだと思う。そうしないと本人の気づきも遅れていくので、大事にしたい部分だ」と述べる。
また、情報が蓄積されていかない問題があるとも指摘。「熱心な先生から変わってしまうと教えないとか、一生懸命頑張っている所とそうでない所があったりする。イギリスなんかでは、ドラマのコーディネートをしていた方が学校を回り、知的障害の子には難しい距離感やパーソナルスペースの話を、“ここまで近づいちゃ駄目だよ”とドラマ仕立てでやったりする。情報が蓄積されていくので、困った時はそこに相談すればいいとなる。こうしたシステムが日本にもあれば、特にシングルで頑張っている親への対応が広がっていくと考えている」との見方を示した。
中には、息子が性犯罪を犯さないよう、母親が自らの体を差し出す例もあるという。「外でそういう気持ちになって加害者になってしまうのであれば、お母さんが自分の胸を触らせて、満足させてあげる。こうしたことはよくあると言っていいと思う」。
親の負担が大きく、相談先もない中で、矛先が家庭内暴力などに向かってしまわないか。斎藤氏は「それらはDV、ネグレクトとも言えるが、そう簡単に片付けられないところにこの問題の深さがある」とした上で、「今まで性教育に蓋をしてきた歴史があるので、なかなか打破していくのが難しい。こうした議論はされてこなかったので、今回の話がその一助になればと思う」と訴えた。(『ABEMA Prime』より)

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