流行語トップ10選出 「蛙化現象」の由来とは? 若者の間で流行…コロナ禍&SNS世代の人間関係が影響

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年末恒例の「2023ユーキャン新語・流行語大賞」(現代用語の基礎知識選)の発表・表彰式が1日、都内で行われ、年間大賞にプロ野球・阪神の岡田彰布監督(66)による「アレ(A.R.E.)」が選ばれたほか、ノミネート30語の中からトップ10が発表された。「蛙化現象」「闇バイト」など、ネットで話題となったワードが選出。若者で大流行した「蛙化現象」について、実際に体験した現役大学生2人が会場に登場し、エピソードを明かした。
「蛙化現象」とは、「好意を持っている相手のことがふとしたきっかけで嫌になってしまう」現象のこと。事務局は、「“急に冷めちゃう”現象は、ままあることだ。今年若者はこの現象を“蛙化”するという言葉で表し共感し合った」と説明した。
「蛙化」の例として、「好きな人から告白された瞬間に、なんか違うと思ってしまう」「ペットボトルの飲み方が嫌」「店員さんをよんでも気づかれない」「自動改札で引っかかる」などを上げ、「2023年はマスクの着用が個人の判断となり、新型コロナウイルスも5類感染症に移行され行動制限もなくなった。人とはマスク越し、非接触で過ごしたこの4年余り、SNSでのコミュニケーションで膨らんだ妄想とリアルな生身の人間との触れ合いへのとまどいが、グリム童話『かえるの王さま』をたとえに広がったといえる。それにしても“冷める”のは自分ごとであるが、“蛙化”は、相手が勝手に蛙になっちゃったんだもーん、という突き放し力がすごい。SNSで簡単にブロックをかけてしまう今風の人間関係が映し出された言葉ともいえる」と説明した。
事務局の説明通り、「蛙化」の起源はグリム童話「かえるの王さま」が由来とされている。1812年にドイツで出版された「グリム童話集」の初版から収録されている、歴史ある物語。ある日、わがままな王女が池に金のまりを落としてしまい、カエルがとってあげる代わりに自分を王女の友達にしてくれとお願いする。王女は承諾するも、まりを取り返したとたんに約束を反故。しかしカエルは、実は魔法で変身させられた王子様だった…という内容。物語では「嫌だったものが好きになる」という展開だが、定義がずれた形で広く浸透した。
この日は、会場に「好きな相手のささいな行動を見て気持ちが冷めた」という現役大学生の瀬間琴美さんと板倉香音さんが登場。自身が体験した「蛙化現象」を語った。
瀬間さんは、「飲食店など食に関係する場面では、店員に話しかけても声が届かない。周りがうるさいなかで、焼き鳥を頼みたい時、店員を“すみません”と呼んでも店員に声が届かない。そのときに彼氏に冷めてしまった」と振り返り、板倉さんは「段差に脚をかけて靴紐をむすんでいる姿に一瞬で冷めて、別れてしまった」と、独自のエピソードを打ち明けた。
「新語・流行語大賞」は84年にスタート。ユーキャンとの提携で04年から現在の名称に改称された。選考は「現代用語の基礎知識」編集部の調査による30のノミネートから、選考委員会が10語を選んだ。選考委員は、金田一秀穂氏(杏林大学教授)、辛酸なめ子氏(漫画家・コラムリスト)、パトリック・ハーラン(お笑い芸人)、室井滋(女優・エッセイスト)、やくみつる氏(漫画家)、大塚陽子氏(「現代用語の基礎知識」編集長)。
トップ10は以下の通り(順位なし、並びは五十音順)
◆新しい学校のリーダーズ/首振りダンス
◆アレ(A.R.E.)【年間大賞】
◆OSO18/アーバンベア
◆蛙化現象
◆生成AI
◆地球沸騰化
◆ペッパーミル・パフォーマンス
◆観る将
◆闇バイト
◆4年ぶり/声出し応援
【選考委員特別賞】
◆I’m wearing pants!(アイム・ウェアリング・パンツ)

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