「ヤクザの運転手をしている」…「人生に嫌気」とネカフェ立てこもり女性を性的暴行「男の戦慄虚言」

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「刃物を事前に購入するなど犯行は計画的で悪質」
検察側は被告の犯行をこう断罪した。
12月1日、さいたま地裁で逮捕監禁致傷などの罪に問われている長久保浩二被告(43)の初公判が行われた。長久保被告は’22年6月、埼玉県川越市内のインターネットカフェで女性従業員をカッターナイフで脅し、5時間にわたり個室へこもる。「服を脱げ」などと要求し、性的暴行を加えようとしてケガを負わせたという。
「長久保被告が当時22歳の女性アルバイトを人質に、個室に立てこもったのは’22年6月21日の夜10時ごろです。長久保被告はインターフォン越しに警察から人質の安否を問われても、『うるせぇ、コノヤロー!』などと声を荒らげていたとか。事件発生から約5時間後に警察の説得に応じ、現行犯逮捕されました。調べに対し『人生に嫌気がさした』『刑務所に戻りたかった』と話していたそうです。
長久保被告は、’12年11月にも愛知県豊川市で立てこもり事件を起こしています。豊川信用金庫の店舗で、客や職員を人質に長時間にわたり籠城。当時の野田佳彦首相の退陣を要求していたのです。逮捕された後、’13年4月に懲役9年の実刑判決を受けます。出所したのは’22年4月のことです」(同前)
『FRIDAY』は’12年12月14日号で、長久保被告が起こした豊川市の立てこもり事件について詳しく報じている。再録して長久保被告の虚言癖やトラブルの詳しい経緯を振り返りたい(内容は一部修正しています)ーー。
「ATMの前に並んでいたら、カウンター付近をフラフラ行き来する怪しい男がいたんです」
豊川市で起きた事件で、現場にいた女性客はこう話していた。
’12年11月22日、長久保被告がサバイバルナイフを持って豊川信用金庫蔵子支店に立てこもった。客と職員計5人を人質に13時間にわたり籠城。明け方になって愛知県警の特殊捜査班が店内へ突入し、現行犯逮捕となり人質は無事に救出された。
当時から問題視されていたのが長久保被告の言動だ。事件を取材した全国紙社会部記者が語る。
「長久保被告は各地の更生施設を転々としていたようで、『自分は幼い頃に両親に捨てられた』『貧しかった』などと話していたようです。その話が流れ、当時はワイドショーなどでコメンテーターが『家庭環境が事件の原因ではないか』などと話していました」
だが、事実は違う。当時、本誌記者が実際に長久保被告の地元である山梨県北杜市を訪れると、彼の発言がウソであることが判明する。実家は多少古びているものの、広い庭もある大きな2階建ての家だった。近隣住民はこう語っていた。
「浩二君はあの家で生まれ、学校を卒業するまで住んでいました。なんら変わったところのない、普通の子どもでしたよ。ご両親も真面目そうな方で、お父さんは地元の製作所に勤めていました。4人兄弟で浩二君は一番上。おじいさんも一緒に住んでいました」
長久保被告は農業高校に進学。卒業アルバムを見ると「ボクのポルシェ」というおどけたキャッチコピーをつけて、トラクターに乗る長久保被告の写真が載っている。ソフトテニス部にも所属していたようで、当時の写真からは、近隣住民が語る「なんら変わったところのない普通の子ども」という言葉通りの印象に映る。
転機は県内の大学に進学した直後にあったようだ。当時、長久保被告の知人はこう語っていた。
「大学の同級生と19歳でデキ婚したんですよ。中退しアパートで新婚生活を送っていたんですが、ほどなくして離婚しました」
その後は、地元の友人とも疎遠になったという。しかし、「虚言癖」は相変わらずだったようだ。知人の言葉を続ける。
「(豊川市の事件から)10年前に町で会った時には『ヤクザの運転手をしている』と吹聴していました。本当なら地元で話題にのぼるはずなんですが、他の人から聞いたことがありません」
豊川市の事件の数年前から窃盗や詐欺事件を起こし、服役と出所をくり返していたという長久保被告。’22年4月に出所したにもかかわらず、直後に再び立てこもり事件を起こしたのだ。
「刑務所に戻りたかった」という言葉は本音なのかもしれない。しかし、その身勝手な動機で一般の人を巻き込むなど言語道断だろう。

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