来年110年を迎える宝塚歌劇団。その劇団に所属する女性が死亡したことを受け、歌劇団側は14日の会見で「いじめやハラスメントは確認できなかった」と述べました。元タカラジェンヌが内情を明かしました。【写真を見る】“パワハラ”“長時間労働” 宝塚歌劇団女性死亡 元タカラジェンヌが語る内情とは【news23】宝塚歌劇団側「いじめやハラスメントは確認できなかった」宝塚歌劇団木場健之理事長「宝塚歌劇は109年に渡って、ずっと出演者が代々、上級生から下級生に、芸・伝統の継承を行ってきた伝統がある。我々事務サイドとしては、詳細な内容までは承知しておりませんでした」
来年(2024年)、110周年を迎える宝塚歌劇団。その伝統が揺らいでいます。2023年9月に、自宅マンションから転落し亡くなった、宙組所属の25歳の女性。自殺とみられていますが、遺族側はこう訴えていました。遺族代理人川人博弁護士(11月10日)「ヘアアイロンを(女性の)額に当て、やけどを負うという事件があった。上級生から『下級生の失敗はすべてあなたのせい』、『マインドが足りない・ないのか』、『嘘つき野郎』などの暴言を受けた」遺族側によると、上級生からのハラスメントのほか、女性が亡くなる直前の1か月間の労働時間は400時間以上。睡眠時間は、3時間程度という過重労働があったといいます。宝塚劇団側は、外部の弁護士による調査チームを設置。宙組の劇団員や理事長などあわせて70名以上に、ヒアリングを行ったとしてます。ハラスメントについては…宝塚歌劇団井塲睦之理事「ヘアアイロンの件を目撃した他の劇団員はいなかった。当時のヒアリング報告メモによれば、両人とも少しやけどをしたことがあったが、故意ではない旨を答えたと記載。指導内容・方法については、社会通念に照らして、不当とは言えないという評価がこちらの出来事についてはされている」宝塚歌劇団木場健之理事長「故人に対するいじめやハラスメントは確認できなかったとされており、『嘘つき野郎』『やる気がない』といった発言の有無については、すべて伝聞情報であり、実際にそのような発言があったことは確認されていない」いじめやハラスメントはなかったとしています。睡眠時間3時間だったという労働環境については…宝塚歌劇団木場健之理事長「稽古終盤の過密なスケジュールをこなしながら、新人公演の稽古も予定されているなかで、『長の期』(下級生のまとめ役)としての役割・活動に、(女性含む)2人のみであったことが、故人にとって大きな負荷になったと判断。そのような状況や問題を劇団側が十分に把握できず、対処できなかったことに責任を痛感している」木場理事長12月1日付で辞任を表明一方で、亡くなった女性と同じ宙組の劇団員62名に調査を行ったとしていますが…Q.全生徒ではないと思うが、拒否された方もいる?宝塚歌劇団木場健之理事長「4名がヒアリングを辞退しました」Q.その理由は?宝塚歌劇団木場健之理事長「理由はご容赦ください」過密な公演スケジュールを見直すなどの対応策を発表した宝塚歌劇団。今回の問題を受けて、木場健之理事長が12月1日付で辞任すると明かしました。遺族側「(古い)価値観による思考と言わざるを得ない」劇団側の会見を受け、遺族の代理人弁護士が会見を開きました。上級生からのパワハラは確認できなかったという調査報告書の内容について…遺族代理人川人博弁護士「劇団と上級生の責任を否定する方向に誘導している。この報告書の内容は失当である。間違いであると。遺族側は納得することはできず、劇団側がこのような調査報告書の内容の認定を前提とせずに、事実関係を再度検証し直すべきである」劇団側がハラスメントを否定する背景には、上級生との縦の関係を重視する風潮を容認しているためだと訴えました。遺族代理人川人博弁護士「上級生のパワハラ行為を認定しないのは、一時代前、二時代前と言ってもいいかもしれない。(古い)価値観による思考と言わざるを得ない」また、遺族側は、長時間労働についても、報告書が認定した時間は実態よりも少ないと指摘。劇団側に対して引き続き、事実に基づく謝罪を求めていくとしています。娘が歌劇団だった母親「生徒、生徒とか言うけど駒でしょ」劇団内でのハラスメント行為は本当に行われていたのか。数年前まで娘が劇団員だった母親が取材に応じ、内部の実態を語りました。娘が歌劇団だった母親「上級生が言うことは絶対。嫌でも『はい』って言わないとだめです。私はもっとひどいことやられたから、これくらいで許してあげようという感じ。(パワハラは)宝塚の世界では指導。『清く、正しく、美しく』とか言うけど、全然そんなことは夢のまた夢で」亡くなった劇団員の労働時間を確認してもらうと…娘が歌劇団だった母親「びっくりじゃないですよ。全然。(当時は)深夜2時、3時までは当たり前」Q.朝はもっと早い?娘が歌劇団だった母親「もっと早い。6時とかもあります。生徒、生徒とか言うけど駒でしょ。吹けば飛ぶような駒ですよ。愛はない」俳優で、芸能界の労働環境の改善を訴える森崎さんは、閉鎖的になりやすい演劇の現場は、ハラスメントが起こりやすい環境にあると話します。日本芸能従事者協会森崎めぐみ代表理事「共同生活とか寝食を共にするような稽古場体制とか、そういったものはよほど気をつけないと、ハラスメントが起きやすい。この業界全体に徒弟制度とか、伝承が口伝えだったりとか、そういうことがありますので、人と人との関係が密になりやすい。そういった弊害ももちろんあったと思う」元タカラジェンヌ東小雪さん「今後起こらないように、しっかり検証を」小川彩佳キャスター:スタジオには、元タカラジェンヌの東小雪さんにもお越しいただいております。早速伺っていきますが、会見をご覧になって率直にどんなことを感じましたか。元タカラジェンヌ東小雪さん:今もすごく胸が痛い。もう、とってもつらい。劇団に対して失望した思いと、後輩が1人亡くなっている。命が失われていることなので、本当にもっと真剣に向き合ってほしいですし。上下関係といっても、一般的に礼儀正しくする、敬語を使うなど、そういったことではないんですね。そうした点ももっと広く知られてほしいです。亡くなった方がいて、遅すぎますけれども、もう今後起こらないように、今こそしっかり検証してほしい。すべてをつまびらかにしてほしいという思いでいっぱいです。元タカラジェンヌ東小雪さん「“厳しい”ではなく、“おかしい”じゃないかと疑問をずっと持っていた」藤森祥平キャスター:なぜ女性が亡くなってしまったのかという一番大事な部分を考えながら進めていきます。14日、宝塚歌劇団側の外部調査チームによる調査報告書が公表されました。焦点になったのはパワハラ・いじめについてです。亡くなった女性(25)は、▼上級生からヘアアイロンを故意に当てられ火傷を負ったり、▼「嘘つき野郎」「マインドがないのか」などの暴言を受けていたと、遺族側が訴えていました。ところが、14日、宝塚歌劇団の外部調査チームは、▼上級生からのいじめやハラスメントは確認できなかったと結論づけました。これについて遺族の代理人弁護士は、▼事実関係を再度検証し直すべきだとしています。小川キャスター:この会見の中で、宝塚歌劇団側はハラスメント・いじめはなかったと、そうした認識だという結論になりましたね。元タカラジェンヌ東小雪さん:宝塚の中には、もともと厳しい上下関係と言われている中で、ただ厳しいわけではなくて、私は(宝塚)音楽学校であったり、(宝塚歌)劇団に在団しているときに、「これは“厳しい”ではなく、“おかしい”んじゃないか」という疑問をずっと持っていました。それが今の言葉に当てはめると、パワーハラスメントであったり、まさに暴力の構造が残っていたんですね。私がいた17年前から、声を上げ始めたのが十数年前なんですけれども、そこから形は変わったり、寮の設備が変わったり、劇団の設備が変わったり、多少の変更はあっても、本質的には変わらなかったことが今回の件に繋がってしまったのではないか。私は、そういうことが背景にあると思うので、もう本当につらいです。藤森キャスター:14日の会見でいじめ・パワハラはなかったと言っている一方で、発表された報告書では、ヒアリングの結果、亡くなった女性(25)は、▼親しいメンバーに対し、「上級生についていけない、叱られるのが嫌だ」と述べていた。さらには、▼家族に対し、「とにかくずっと怒られているから、何で怒られているのか分からない」と語っていた。そういう事実は確認できたと言っているんです。つまり、上級生からの指導・責が大きな負担に感じていたことは、認めているということなんです。小川キャスター:これは報告書に入っている内容ですよね。ただパワハラではないというのは、斎藤さん、ちょっと釈然としないところではあるんですよね。東京大学准教授斎藤幸平さん:(釈然と)しないですね。これを読んで私が最初に思い出したのが、ビッグモーターの(当時の)副社長の「死刑、死刑、死刑」というパワハラLINE。あのようなよくわからない怒り方をして相手を追い詰めていくという手法ですよね。もう1個思い出したのは、やはりジャニーズ問題。若い子たちを最初から社会から隔離された世界の中で訓練・教育をしていくという中で、若い人に「それが当たり前、これを受け入れなきゃいけない」という環境を作り出すことが、場合によってはいじめ・パワハラの温床になっていたのではないかということ。なので、今年(2023年)だけで、こんなに3つも4つもあるわけで、やはり日本全体の人権問題としても考える必要があると思います。「先輩が夜中にドアを殴りに」元タカラジェンヌ東小雪さんが語る宝塚の“上下関係”小川キャスター:そこにも繋がってくるかもしれませんが、東さん、この報告書に入っている内容をご覧になって在籍当時のことを思い出すことというのはありますか。元タカラジェンヌ東小雪さん:たくさんあります。本当に遺族の方の訴えを拝読して、本当にその通り、どんなことがあったのか、もう思い浮かぶ気持ちでいます。(宝塚)音楽学校に入ると、1年目が予科生(=下級生)、2年目が本科生(=上級生)という上下関係なんですけれども、予科生に入ると本当に寝られない、お風呂にも入れない、食事もとれない。そんな状態で寮の一室の小部屋、お話部屋というところにずっと軟禁状態で集められて、先輩が夜中にどんどんとドアを殴りに来るんです。呼び出されて廊下で立膝をして「すみませんでした。すみませんでした。すみませんでした」と謝り続けたりします。藤森キャスター:何に対して謝らなければいけないんですか?元タカラジェンヌ東小雪さん:それは失敗だというふうに本科生(=上級生)から指摘されたことです。「名札が曲がっている」「態度が悪い」「靴下の上下のラインが揃っていない」「笑顔が見られた」「口角が上がっていて笑い顔だ」。何でもいいんです。予科のルールができていないと、その反省文を作って夜通し暗唱しなければならなかったり、謝り続けるようなことがあって、そもそも予科生(=下級生)は、「はい」(しか言えない)。「いいえ」はほとんど使いません。「ありがとうございました」「すみませんでした」「お疲れ様でした」「おはようございます」。この予科語と言われる言葉以外は、1年間話せないんです。なので、礼儀正しく本科生に接するといった次元の問題ではなくて、ずっと責、厳しい指導、廊下に呼び出されて怒鳴られるなど、そうした厳しい指導が(宝塚)音楽学校ではずっと続いている。そこでもう一つ大切なのは、私も本科生(=上級生)になっているんです。1年経ったら、みんな本科を経験して、今度は加害側に回って、そのとき「自分たちは厳しい“指導”をしているんだから大丈夫」というか、それは必要なことなんだと。小川キャスター:加害という意識はない?元タカラジェンヌ東小雪さん:ないです。悪いことだと思えなくなってしまうんですね。そういう経験をした人たちが劇団に入ってる。これは残念ですが、スターさんも、卒業生も、役がついた人も、つかなかった人も、どの人も全員本科生で、「指導」をする経験をして、入団をしているんです。「相談するという発想自体が持てない」阪急電車にお辞儀をし続けるルールが廃止になっても…小川キャスター:今お話になったことは、年々と続いていて、今も変わらないのでしょうか。元タカラジェンヌ東小雪さん:基本的に、本質的には変わらないと思います。ただ少しお風呂に入れるようになったり、例えば3年前に阪急電車にお辞儀をし続けるというルールが廃止になりました。でもそれはお辞儀をし続けることが問題だったのではなく、「あなた、お辞儀してなかったでしょ」と言われたら反省をし続けなければならない。「いいえ、していました」と言えないような環境が問題なので、お辞儀は別に枝葉末節といいますか、そこが変わっても改革・改善にはなっていないと思います。藤森キャスター:そういう現状を劇団の中で誰かに相談したり、声をかけてみるということはできないんですか。元タカラジェンヌ東小雪さん:そもそも相談するという発想自体が持てないです。藤森キャスター:そうですか。元タカラジェンヌ東小雪さん:相談窓口もないということも問題になっていましたけれども、そもそも「これは相談していいことなんだ」と思えないんですよね。元タカラジェンヌ東小雪さん「『自分も加害をしてしまったんだ』と反省しないと連鎖を止めることはできない」東京大学准教授斎藤幸平さん:卒業してから、東さんみたいにもっとみんな言ったらいいんじゃないですか。なんで誰もやらないんですか。元タカラジェンヌ東小雪さん:私も、私以外の人が声を上げてくれたらいいなと思います。証言することを強制することはできないですけれども、でも「これはやはりおかしなことだったんだ」「駄目なことだったんだ」ということ、「自分も加害をしてしまったんだ」ということを反省しないと、そこに立ち返らないと、この連鎖を止めることはできないと私は思うんです。なので、今、本当に誰も何もおっしゃらないですけれども、「これはやはり、あってはならないことなんだ」「後輩が亡くなってしまって悲しい」「こんなことを止めなければいけない」ということを、誰か声を上げてくれたらと本当に思っています。「外部漏らし」という概念があって、外部漏らしをするとすごく怒られて、同期全体が締められることがあって、すごく口汚いことを「お前、何やってんだ」みたいなこと。小川キャスター:外部漏らしというのは?元タカラジェンヌ東小雪さん:宝塚の中のことを親にも言ってはいけない。藤森キャスター:親にも言えない。元タカラジェンヌ東小雪さん:(親などに)言ったことがバレると、すごく責というか、暴言を受ける。同期も全体で締められてしまうので言えないという感覚が、私の中にも少し残っている感じがいたします。小川キャスター:そうすると今回ヒアリングに答えられなかった、辞退したという4人の方がいらっしゃるということですけれども、どれだけの方が調査に答えられたのかというふうにも感じてしまいます。元タカラジェンヌ東小雪さん:そのフェアな話せる環境での調査だったのかというのはすごく疑問だと思います。稽古約15時間睡眠約3時間死亡女性(25)の一日のスケジュールとは藤森キャスター:もう一つの焦点は過酷な労働時間についてです。14日の会見で宝塚歌劇団は、▼過重労働を認め、安全配慮義務を果たせなかったと深く反省しているという結論です。小川キャスター:今回亡くなった方は、下級生のまとめ役で、遺族側の方によると、一日の稽古時間は約15時間、睡眠時間は約3時間だったと。大変過密なスケジュールがあったということなんです。〈死亡した劇団員の一日〉・午前6時、起床・午前8時、自宅出・午前8時半、劇団入り・午前9時~午後1時、下級生のみの稽古・午後1時~午後10時、全体稽古・午後10時~午前0時、下級生のみの稽古・午前0時、劇団出・午前0時半、帰宅(書面作成など業務)・午前3時~午前6時、睡眠※代理人弁護士より元タカラジェンヌ東小雪さん:この通りだと思います。誇張があるなど、そんなことは一切なく、本当にこの通りだったと思います。稽古期間中と、公演期間中で生活は違いますけれども、例えば娘役のアクセサリーが手作りなのはすごく有名ですけれども、本当に家に帰ったり、寮に帰ってから、夜を徹して手作りしているんですね。なので、(午前0時半~午前3時に)書面作成などの業務というのもありますけれども、稽古だけでもすごくハード・大変なのに、様々な業務が重なっていると、もう本当に寝られない状況だと思います。藤森キャスター:夜中の時間帯ですね。小川キャスター:遺族の方は事実に即した謝罪というのを求めているわけですけれども、東さん、今、劇団に望むことというのはどんなことでしょうか。元タカラジェンヌ東小雪さん:この一部だけ公演の回数を減らすなど、改善していくことはもちろん必要ですけれども、もっと本質的に、これまで行われてきた暴力と、きちんと向き合っていくこと。その姿勢が大切だと、問われていると思います。<相談窓口>【日本いのちの電話】・フリーダイヤル 0120-783-556 毎日:午後4時~午後9時 毎月10日:午前8時~翌日午前8時・ナビダイヤル 0570-783-556 午前10時~午後10時
来年110年を迎える宝塚歌劇団。その劇団に所属する女性が死亡したことを受け、歌劇団側は14日の会見で「いじめやハラスメントは確認できなかった」と述べました。元タカラジェンヌが内情を明かしました。
【写真を見る】“パワハラ”“長時間労働” 宝塚歌劇団女性死亡 元タカラジェンヌが語る内情とは【news23】宝塚歌劇団側「いじめやハラスメントは確認できなかった」宝塚歌劇団木場健之理事長「宝塚歌劇は109年に渡って、ずっと出演者が代々、上級生から下級生に、芸・伝統の継承を行ってきた伝統がある。我々事務サイドとしては、詳細な内容までは承知しておりませんでした」
来年(2024年)、110周年を迎える宝塚歌劇団。その伝統が揺らいでいます。2023年9月に、自宅マンションから転落し亡くなった、宙組所属の25歳の女性。自殺とみられていますが、遺族側はこう訴えていました。遺族代理人川人博弁護士(11月10日)「ヘアアイロンを(女性の)額に当て、やけどを負うという事件があった。上級生から『下級生の失敗はすべてあなたのせい』、『マインドが足りない・ないのか』、『嘘つき野郎』などの暴言を受けた」遺族側によると、上級生からのハラスメントのほか、女性が亡くなる直前の1か月間の労働時間は400時間以上。睡眠時間は、3時間程度という過重労働があったといいます。宝塚劇団側は、外部の弁護士による調査チームを設置。宙組の劇団員や理事長などあわせて70名以上に、ヒアリングを行ったとしてます。ハラスメントについては…宝塚歌劇団井塲睦之理事「ヘアアイロンの件を目撃した他の劇団員はいなかった。当時のヒアリング報告メモによれば、両人とも少しやけどをしたことがあったが、故意ではない旨を答えたと記載。指導内容・方法については、社会通念に照らして、不当とは言えないという評価がこちらの出来事についてはされている」宝塚歌劇団木場健之理事長「故人に対するいじめやハラスメントは確認できなかったとされており、『嘘つき野郎』『やる気がない』といった発言の有無については、すべて伝聞情報であり、実際にそのような発言があったことは確認されていない」いじめやハラスメントはなかったとしています。睡眠時間3時間だったという労働環境については…宝塚歌劇団木場健之理事長「稽古終盤の過密なスケジュールをこなしながら、新人公演の稽古も予定されているなかで、『長の期』(下級生のまとめ役)としての役割・活動に、(女性含む)2人のみであったことが、故人にとって大きな負荷になったと判断。そのような状況や問題を劇団側が十分に把握できず、対処できなかったことに責任を痛感している」木場理事長12月1日付で辞任を表明一方で、亡くなった女性と同じ宙組の劇団員62名に調査を行ったとしていますが…Q.全生徒ではないと思うが、拒否された方もいる?宝塚歌劇団木場健之理事長「4名がヒアリングを辞退しました」Q.その理由は?宝塚歌劇団木場健之理事長「理由はご容赦ください」過密な公演スケジュールを見直すなどの対応策を発表した宝塚歌劇団。今回の問題を受けて、木場健之理事長が12月1日付で辞任すると明かしました。遺族側「(古い)価値観による思考と言わざるを得ない」劇団側の会見を受け、遺族の代理人弁護士が会見を開きました。上級生からのパワハラは確認できなかったという調査報告書の内容について…遺族代理人川人博弁護士「劇団と上級生の責任を否定する方向に誘導している。この報告書の内容は失当である。間違いであると。遺族側は納得することはできず、劇団側がこのような調査報告書の内容の認定を前提とせずに、事実関係を再度検証し直すべきである」劇団側がハラスメントを否定する背景には、上級生との縦の関係を重視する風潮を容認しているためだと訴えました。遺族代理人川人博弁護士「上級生のパワハラ行為を認定しないのは、一時代前、二時代前と言ってもいいかもしれない。(古い)価値観による思考と言わざるを得ない」また、遺族側は、長時間労働についても、報告書が認定した時間は実態よりも少ないと指摘。劇団側に対して引き続き、事実に基づく謝罪を求めていくとしています。娘が歌劇団だった母親「生徒、生徒とか言うけど駒でしょ」劇団内でのハラスメント行為は本当に行われていたのか。数年前まで娘が劇団員だった母親が取材に応じ、内部の実態を語りました。娘が歌劇団だった母親「上級生が言うことは絶対。嫌でも『はい』って言わないとだめです。私はもっとひどいことやられたから、これくらいで許してあげようという感じ。(パワハラは)宝塚の世界では指導。『清く、正しく、美しく』とか言うけど、全然そんなことは夢のまた夢で」亡くなった劇団員の労働時間を確認してもらうと…娘が歌劇団だった母親「びっくりじゃないですよ。全然。(当時は)深夜2時、3時までは当たり前」Q.朝はもっと早い?娘が歌劇団だった母親「もっと早い。6時とかもあります。生徒、生徒とか言うけど駒でしょ。吹けば飛ぶような駒ですよ。愛はない」俳優で、芸能界の労働環境の改善を訴える森崎さんは、閉鎖的になりやすい演劇の現場は、ハラスメントが起こりやすい環境にあると話します。日本芸能従事者協会森崎めぐみ代表理事「共同生活とか寝食を共にするような稽古場体制とか、そういったものはよほど気をつけないと、ハラスメントが起きやすい。この業界全体に徒弟制度とか、伝承が口伝えだったりとか、そういうことがありますので、人と人との関係が密になりやすい。そういった弊害ももちろんあったと思う」元タカラジェンヌ東小雪さん「今後起こらないように、しっかり検証を」小川彩佳キャスター:スタジオには、元タカラジェンヌの東小雪さんにもお越しいただいております。早速伺っていきますが、会見をご覧になって率直にどんなことを感じましたか。元タカラジェンヌ東小雪さん:今もすごく胸が痛い。もう、とってもつらい。劇団に対して失望した思いと、後輩が1人亡くなっている。命が失われていることなので、本当にもっと真剣に向き合ってほしいですし。上下関係といっても、一般的に礼儀正しくする、敬語を使うなど、そういったことではないんですね。そうした点ももっと広く知られてほしいです。亡くなった方がいて、遅すぎますけれども、もう今後起こらないように、今こそしっかり検証してほしい。すべてをつまびらかにしてほしいという思いでいっぱいです。元タカラジェンヌ東小雪さん「“厳しい”ではなく、“おかしい”じゃないかと疑問をずっと持っていた」藤森祥平キャスター:なぜ女性が亡くなってしまったのかという一番大事な部分を考えながら進めていきます。14日、宝塚歌劇団側の外部調査チームによる調査報告書が公表されました。焦点になったのはパワハラ・いじめについてです。亡くなった女性(25)は、▼上級生からヘアアイロンを故意に当てられ火傷を負ったり、▼「嘘つき野郎」「マインドがないのか」などの暴言を受けていたと、遺族側が訴えていました。ところが、14日、宝塚歌劇団の外部調査チームは、▼上級生からのいじめやハラスメントは確認できなかったと結論づけました。これについて遺族の代理人弁護士は、▼事実関係を再度検証し直すべきだとしています。小川キャスター:この会見の中で、宝塚歌劇団側はハラスメント・いじめはなかったと、そうした認識だという結論になりましたね。元タカラジェンヌ東小雪さん:宝塚の中には、もともと厳しい上下関係と言われている中で、ただ厳しいわけではなくて、私は(宝塚)音楽学校であったり、(宝塚歌)劇団に在団しているときに、「これは“厳しい”ではなく、“おかしい”んじゃないか」という疑問をずっと持っていました。それが今の言葉に当てはめると、パワーハラスメントであったり、まさに暴力の構造が残っていたんですね。私がいた17年前から、声を上げ始めたのが十数年前なんですけれども、そこから形は変わったり、寮の設備が変わったり、劇団の設備が変わったり、多少の変更はあっても、本質的には変わらなかったことが今回の件に繋がってしまったのではないか。私は、そういうことが背景にあると思うので、もう本当につらいです。藤森キャスター:14日の会見でいじめ・パワハラはなかったと言っている一方で、発表された報告書では、ヒアリングの結果、亡くなった女性(25)は、▼親しいメンバーに対し、「上級生についていけない、叱られるのが嫌だ」と述べていた。さらには、▼家族に対し、「とにかくずっと怒られているから、何で怒られているのか分からない」と語っていた。そういう事実は確認できたと言っているんです。つまり、上級生からの指導・責が大きな負担に感じていたことは、認めているということなんです。小川キャスター:これは報告書に入っている内容ですよね。ただパワハラではないというのは、斎藤さん、ちょっと釈然としないところではあるんですよね。東京大学准教授斎藤幸平さん:(釈然と)しないですね。これを読んで私が最初に思い出したのが、ビッグモーターの(当時の)副社長の「死刑、死刑、死刑」というパワハラLINE。あのようなよくわからない怒り方をして相手を追い詰めていくという手法ですよね。もう1個思い出したのは、やはりジャニーズ問題。若い子たちを最初から社会から隔離された世界の中で訓練・教育をしていくという中で、若い人に「それが当たり前、これを受け入れなきゃいけない」という環境を作り出すことが、場合によってはいじめ・パワハラの温床になっていたのではないかということ。なので、今年(2023年)だけで、こんなに3つも4つもあるわけで、やはり日本全体の人権問題としても考える必要があると思います。「先輩が夜中にドアを殴りに」元タカラジェンヌ東小雪さんが語る宝塚の“上下関係”小川キャスター:そこにも繋がってくるかもしれませんが、東さん、この報告書に入っている内容をご覧になって在籍当時のことを思い出すことというのはありますか。元タカラジェンヌ東小雪さん:たくさんあります。本当に遺族の方の訴えを拝読して、本当にその通り、どんなことがあったのか、もう思い浮かぶ気持ちでいます。(宝塚)音楽学校に入ると、1年目が予科生(=下級生)、2年目が本科生(=上級生)という上下関係なんですけれども、予科生に入ると本当に寝られない、お風呂にも入れない、食事もとれない。そんな状態で寮の一室の小部屋、お話部屋というところにずっと軟禁状態で集められて、先輩が夜中にどんどんとドアを殴りに来るんです。呼び出されて廊下で立膝をして「すみませんでした。すみませんでした。すみませんでした」と謝り続けたりします。藤森キャスター:何に対して謝らなければいけないんですか?元タカラジェンヌ東小雪さん:それは失敗だというふうに本科生(=上級生)から指摘されたことです。「名札が曲がっている」「態度が悪い」「靴下の上下のラインが揃っていない」「笑顔が見られた」「口角が上がっていて笑い顔だ」。何でもいいんです。予科のルールができていないと、その反省文を作って夜通し暗唱しなければならなかったり、謝り続けるようなことがあって、そもそも予科生(=下級生)は、「はい」(しか言えない)。「いいえ」はほとんど使いません。「ありがとうございました」「すみませんでした」「お疲れ様でした」「おはようございます」。この予科語と言われる言葉以外は、1年間話せないんです。なので、礼儀正しく本科生に接するといった次元の問題ではなくて、ずっと責、厳しい指導、廊下に呼び出されて怒鳴られるなど、そうした厳しい指導が(宝塚)音楽学校ではずっと続いている。そこでもう一つ大切なのは、私も本科生(=上級生)になっているんです。1年経ったら、みんな本科を経験して、今度は加害側に回って、そのとき「自分たちは厳しい“指導”をしているんだから大丈夫」というか、それは必要なことなんだと。小川キャスター:加害という意識はない?元タカラジェンヌ東小雪さん:ないです。悪いことだと思えなくなってしまうんですね。そういう経験をした人たちが劇団に入ってる。これは残念ですが、スターさんも、卒業生も、役がついた人も、つかなかった人も、どの人も全員本科生で、「指導」をする経験をして、入団をしているんです。「相談するという発想自体が持てない」阪急電車にお辞儀をし続けるルールが廃止になっても…小川キャスター:今お話になったことは、年々と続いていて、今も変わらないのでしょうか。元タカラジェンヌ東小雪さん:基本的に、本質的には変わらないと思います。ただ少しお風呂に入れるようになったり、例えば3年前に阪急電車にお辞儀をし続けるというルールが廃止になりました。でもそれはお辞儀をし続けることが問題だったのではなく、「あなた、お辞儀してなかったでしょ」と言われたら反省をし続けなければならない。「いいえ、していました」と言えないような環境が問題なので、お辞儀は別に枝葉末節といいますか、そこが変わっても改革・改善にはなっていないと思います。藤森キャスター:そういう現状を劇団の中で誰かに相談したり、声をかけてみるということはできないんですか。元タカラジェンヌ東小雪さん:そもそも相談するという発想自体が持てないです。藤森キャスター:そうですか。元タカラジェンヌ東小雪さん:相談窓口もないということも問題になっていましたけれども、そもそも「これは相談していいことなんだ」と思えないんですよね。元タカラジェンヌ東小雪さん「『自分も加害をしてしまったんだ』と反省しないと連鎖を止めることはできない」東京大学准教授斎藤幸平さん:卒業してから、東さんみたいにもっとみんな言ったらいいんじゃないですか。なんで誰もやらないんですか。元タカラジェンヌ東小雪さん:私も、私以外の人が声を上げてくれたらいいなと思います。証言することを強制することはできないですけれども、でも「これはやはりおかしなことだったんだ」「駄目なことだったんだ」ということ、「自分も加害をしてしまったんだ」ということを反省しないと、そこに立ち返らないと、この連鎖を止めることはできないと私は思うんです。なので、今、本当に誰も何もおっしゃらないですけれども、「これはやはり、あってはならないことなんだ」「後輩が亡くなってしまって悲しい」「こんなことを止めなければいけない」ということを、誰か声を上げてくれたらと本当に思っています。「外部漏らし」という概念があって、外部漏らしをするとすごく怒られて、同期全体が締められることがあって、すごく口汚いことを「お前、何やってんだ」みたいなこと。小川キャスター:外部漏らしというのは?元タカラジェンヌ東小雪さん:宝塚の中のことを親にも言ってはいけない。藤森キャスター:親にも言えない。元タカラジェンヌ東小雪さん:(親などに)言ったことがバレると、すごく責というか、暴言を受ける。同期も全体で締められてしまうので言えないという感覚が、私の中にも少し残っている感じがいたします。小川キャスター:そうすると今回ヒアリングに答えられなかった、辞退したという4人の方がいらっしゃるということですけれども、どれだけの方が調査に答えられたのかというふうにも感じてしまいます。元タカラジェンヌ東小雪さん:そのフェアな話せる環境での調査だったのかというのはすごく疑問だと思います。稽古約15時間睡眠約3時間死亡女性(25)の一日のスケジュールとは藤森キャスター:もう一つの焦点は過酷な労働時間についてです。14日の会見で宝塚歌劇団は、▼過重労働を認め、安全配慮義務を果たせなかったと深く反省しているという結論です。小川キャスター:今回亡くなった方は、下級生のまとめ役で、遺族側の方によると、一日の稽古時間は約15時間、睡眠時間は約3時間だったと。大変過密なスケジュールがあったということなんです。〈死亡した劇団員の一日〉・午前6時、起床・午前8時、自宅出・午前8時半、劇団入り・午前9時~午後1時、下級生のみの稽古・午後1時~午後10時、全体稽古・午後10時~午前0時、下級生のみの稽古・午前0時、劇団出・午前0時半、帰宅(書面作成など業務)・午前3時~午前6時、睡眠※代理人弁護士より元タカラジェンヌ東小雪さん:この通りだと思います。誇張があるなど、そんなことは一切なく、本当にこの通りだったと思います。稽古期間中と、公演期間中で生活は違いますけれども、例えば娘役のアクセサリーが手作りなのはすごく有名ですけれども、本当に家に帰ったり、寮に帰ってから、夜を徹して手作りしているんですね。なので、(午前0時半~午前3時に)書面作成などの業務というのもありますけれども、稽古だけでもすごくハード・大変なのに、様々な業務が重なっていると、もう本当に寝られない状況だと思います。藤森キャスター:夜中の時間帯ですね。小川キャスター:遺族の方は事実に即した謝罪というのを求めているわけですけれども、東さん、今、劇団に望むことというのはどんなことでしょうか。元タカラジェンヌ東小雪さん:この一部だけ公演の回数を減らすなど、改善していくことはもちろん必要ですけれども、もっと本質的に、これまで行われてきた暴力と、きちんと向き合っていくこと。その姿勢が大切だと、問われていると思います。<相談窓口>【日本いのちの電話】・フリーダイヤル 0120-783-556 毎日:午後4時~午後9時 毎月10日:午前8時~翌日午前8時・ナビダイヤル 0570-783-556 午前10時~午後10時
宝塚歌劇団木場健之理事長「宝塚歌劇は109年に渡って、ずっと出演者が代々、上級生から下級生に、芸・伝統の継承を行ってきた伝統がある。我々事務サイドとしては、詳細な内容までは承知しておりませんでした」
来年(2024年)、110周年を迎える宝塚歌劇団。その伝統が揺らいでいます。
2023年9月に、自宅マンションから転落し亡くなった、宙組所属の25歳の女性。自殺とみられていますが、遺族側はこう訴えていました。
遺族代理人川人博弁護士(11月10日)「ヘアアイロンを(女性の)額に当て、やけどを負うという事件があった。上級生から『下級生の失敗はすべてあなたのせい』、『マインドが足りない・ないのか』、『嘘つき野郎』などの暴言を受けた」
遺族側によると、上級生からのハラスメントのほか、女性が亡くなる直前の1か月間の労働時間は400時間以上。睡眠時間は、3時間程度という過重労働があったといいます。
宝塚劇団側は、外部の弁護士による調査チームを設置。宙組の劇団員や理事長などあわせて70名以上に、ヒアリングを行ったとしてます。ハラスメントについては…
宝塚歌劇団井塲睦之理事「ヘアアイロンの件を目撃した他の劇団員はいなかった。当時のヒアリング報告メモによれば、両人とも少しやけどをしたことがあったが、故意ではない旨を答えたと記載。指導内容・方法については、社会通念に照らして、不当とは言えないという評価がこちらの出来事についてはされている」
宝塚歌劇団木場健之理事長「故人に対するいじめやハラスメントは確認できなかったとされており、『嘘つき野郎』『やる気がない』といった発言の有無については、すべて伝聞情報であり、実際にそのような発言があったことは確認されていない」
いじめやハラスメントはなかったとしています。睡眠時間3時間だったという労働環境については…
宝塚歌劇団木場健之理事長「稽古終盤の過密なスケジュールをこなしながら、新人公演の稽古も予定されているなかで、『長の期』(下級生のまとめ役)としての役割・活動に、(女性含む)2人のみであったことが、故人にとって大きな負荷になったと判断。そのような状況や問題を劇団側が十分に把握できず、対処できなかったことに責任を痛感している」
一方で、亡くなった女性と同じ宙組の劇団員62名に調査を行ったとしていますが…
Q.全生徒ではないと思うが、拒否された方もいる?
宝塚歌劇団木場健之理事長「4名がヒアリングを辞退しました」
Q.その理由は?
宝塚歌劇団木場健之理事長「理由はご容赦ください」
過密な公演スケジュールを見直すなどの対応策を発表した宝塚歌劇団。今回の問題を受けて、木場健之理事長が12月1日付で辞任すると明かしました。
劇団側の会見を受け、遺族の代理人弁護士が会見を開きました。上級生からのパワハラは確認できなかったという調査報告書の内容について…
遺族代理人川人博弁護士「劇団と上級生の責任を否定する方向に誘導している。この報告書の内容は失当である。間違いであると。遺族側は納得することはできず、劇団側がこのような調査報告書の内容の認定を前提とせずに、事実関係を再度検証し直すべきである」
劇団側がハラスメントを否定する背景には、上級生との縦の関係を重視する風潮を容認しているためだと訴えました。
遺族代理人川人博弁護士「上級生のパワハラ行為を認定しないのは、一時代前、二時代前と言ってもいいかもしれない。(古い)価値観による思考と言わざるを得ない」
また、遺族側は、長時間労働についても、報告書が認定した時間は実態よりも少ないと指摘。劇団側に対して引き続き、事実に基づく謝罪を求めていくとしています。
劇団内でのハラスメント行為は本当に行われていたのか。数年前まで娘が劇団員だった母親が取材に応じ、内部の実態を語りました。
娘が歌劇団だった母親「上級生が言うことは絶対。嫌でも『はい』って言わないとだめです。私はもっとひどいことやられたから、これくらいで許してあげようという感じ。(パワハラは)宝塚の世界では指導。『清く、正しく、美しく』とか言うけど、全然そんなことは夢のまた夢で」
亡くなった劇団員の労働時間を確認してもらうと…
娘が歌劇団だった母親「びっくりじゃないですよ。全然。(当時は)深夜2時、3時までは当たり前」
Q.朝はもっと早い?
娘が歌劇団だった母親「もっと早い。6時とかもあります。生徒、生徒とか言うけど駒でしょ。吹けば飛ぶような駒ですよ。愛はない」
俳優で、芸能界の労働環境の改善を訴える森崎さんは、閉鎖的になりやすい演劇の現場は、ハラスメントが起こりやすい環境にあると話します。
日本芸能従事者協会森崎めぐみ代表理事「共同生活とか寝食を共にするような稽古場体制とか、そういったものはよほど気をつけないと、ハラスメントが起きやすい。この業界全体に徒弟制度とか、伝承が口伝えだったりとか、そういうことがありますので、人と人との関係が密になりやすい。そういった弊害ももちろんあったと思う」
小川彩佳キャスター:スタジオには、元タカラジェンヌの東小雪さんにもお越しいただいております。早速伺っていきますが、会見をご覧になって率直にどんなことを感じましたか。
元タカラジェンヌ東小雪さん:今もすごく胸が痛い。もう、とってもつらい。劇団に対して失望した思いと、後輩が1人亡くなっている。命が失われていることなので、本当にもっと真剣に向き合ってほしいですし。
上下関係といっても、一般的に礼儀正しくする、敬語を使うなど、そういったことではないんですね。そうした点ももっと広く知られてほしいです。
亡くなった方がいて、遅すぎますけれども、もう今後起こらないように、今こそしっかり検証してほしい。すべてをつまびらかにしてほしいという思いでいっぱいです。
藤森祥平キャスター:なぜ女性が亡くなってしまったのかという一番大事な部分を考えながら進めていきます。14日、宝塚歌劇団側の外部調査チームによる調査報告書が公表されました。焦点になったのはパワハラ・いじめについてです。
亡くなった女性(25)は、▼上級生からヘアアイロンを故意に当てられ火傷を負ったり、▼「嘘つき野郎」「マインドがないのか」などの暴言を受けていたと、遺族側が訴えていました。
ところが、14日、宝塚歌劇団の外部調査チームは、▼上級生からのいじめやハラスメントは確認できなかったと結論づけました。
これについて遺族の代理人弁護士は、▼事実関係を再度検証し直すべきだとしています。
小川キャスター:この会見の中で、宝塚歌劇団側はハラスメント・いじめはなかったと、そうした認識だという結論になりましたね。
元タカラジェンヌ東小雪さん:宝塚の中には、もともと厳しい上下関係と言われている中で、ただ厳しいわけではなくて、私は(宝塚)音楽学校であったり、(宝塚歌)劇団に在団しているときに、「これは“厳しい”ではなく、“おかしい”んじゃないか」という疑問をずっと持っていました。
それが今の言葉に当てはめると、パワーハラスメントであったり、まさに暴力の構造が残っていたんですね。私がいた17年前から、声を上げ始めたのが十数年前なんですけれども、そこから形は変わったり、寮の設備が変わったり、劇団の設備が変わったり、多少の変更はあっても、本質的には変わらなかったことが今回の件に繋がってしまったのではないか。私は、そういうことが背景にあると思うので、もう本当につらいです。
藤森キャスター:14日の会見でいじめ・パワハラはなかったと言っている一方で、発表された報告書では、ヒアリングの結果、亡くなった女性(25)は、▼親しいメンバーに対し、「上級生についていけない、叱られるのが嫌だ」と述べていた。
さらには、▼家族に対し、「とにかくずっと怒られているから、何で怒られているのか分からない」と語っていた。そういう事実は確認できたと言っているんです。
つまり、上級生からの指導・責が大きな負担に感じていたことは、認めているということなんです。
小川キャスター:これは報告書に入っている内容ですよね。ただパワハラではないというのは、斎藤さん、ちょっと釈然としないところではあるんですよね。
東京大学准教授斎藤幸平さん:(釈然と)しないですね。これを読んで私が最初に思い出したのが、ビッグモーターの(当時の)副社長の「死刑、死刑、死刑」というパワハラLINE。あのようなよくわからない怒り方をして相手を追い詰めていくという手法ですよね。
もう1個思い出したのは、やはりジャニーズ問題。若い子たちを最初から社会から隔離された世界の中で訓練・教育をしていくという中で、若い人に「それが当たり前、これを受け入れなきゃいけない」という環境を作り出すことが、場合によってはいじめ・パワハラの温床になっていたのではないかということ。
なので、今年(2023年)だけで、こんなに3つも4つもあるわけで、やはり日本全体の人権問題としても考える必要があると思います。
小川キャスター:そこにも繋がってくるかもしれませんが、東さん、この報告書に入っている内容をご覧になって在籍当時のことを思い出すことというのはありますか。
元タカラジェンヌ東小雪さん:たくさんあります。本当に遺族の方の訴えを拝読して、本当にその通り、どんなことがあったのか、もう思い浮かぶ気持ちでいます。
(宝塚)音楽学校に入ると、1年目が予科生(=下級生)、2年目が本科生(=上級生)という上下関係なんですけれども、予科生に入ると本当に寝られない、お風呂にも入れない、食事もとれない。
そんな状態で寮の一室の小部屋、お話部屋というところにずっと軟禁状態で集められて、先輩が夜中にどんどんとドアを殴りに来るんです。呼び出されて廊下で立膝をして「すみませんでした。すみませんでした。すみませんでした」と謝り続けたりします。
藤森キャスター:何に対して謝らなければいけないんですか?
元タカラジェンヌ東小雪さん:それは失敗だというふうに本科生(=上級生)から指摘されたことです。「名札が曲がっている」「態度が悪い」「靴下の上下のラインが揃っていない」「笑顔が見られた」「口角が上がっていて笑い顔だ」。何でもいいんです。
予科のルールができていないと、その反省文を作って夜通し暗唱しなければならなかったり、謝り続けるようなことがあって、そもそも予科生(=下級生)は、「はい」(しか言えない)。「いいえ」はほとんど使いません。「ありがとうございました」「すみませんでした」「お疲れ様でした」「おはようございます」。この予科語と言われる言葉以外は、1年間話せないんです。
なので、礼儀正しく本科生に接するといった次元の問題ではなくて、ずっと責、厳しい指導、廊下に呼び出されて怒鳴られるなど、そうした厳しい指導が(宝塚)音楽学校ではずっと続いている。
そこでもう一つ大切なのは、私も本科生(=上級生)になっているんです。1年経ったら、みんな本科を経験して、今度は加害側に回って、そのとき「自分たちは厳しい“指導”をしているんだから大丈夫」というか、それは必要なことなんだと。
小川キャスター:加害という意識はない?
元タカラジェンヌ東小雪さん:ないです。悪いことだと思えなくなってしまうんですね。そういう経験をした人たちが劇団に入ってる。これは残念ですが、スターさんも、卒業生も、役がついた人も、つかなかった人も、どの人も全員本科生で、「指導」をする経験をして、入団をしているんです。
小川キャスター:今お話になったことは、年々と続いていて、今も変わらないのでしょうか。
元タカラジェンヌ東小雪さん:基本的に、本質的には変わらないと思います。ただ少しお風呂に入れるようになったり、例えば3年前に阪急電車にお辞儀をし続けるというルールが廃止になりました。でもそれはお辞儀をし続けることが問題だったのではなく、「あなた、お辞儀してなかったでしょ」と言われたら反省をし続けなければならない。「いいえ、していました」と言えないような環境が問題なので、お辞儀は別に枝葉末節といいますか、そこが変わっても改革・改善にはなっていないと思います。
藤森キャスター:そういう現状を劇団の中で誰かに相談したり、声をかけてみるということはできないんですか。
元タカラジェンヌ東小雪さん:そもそも相談するという発想自体が持てないです。
藤森キャスター:そうですか。
元タカラジェンヌ東小雪さん:相談窓口もないということも問題になっていましたけれども、そもそも「これは相談していいことなんだ」と思えないんですよね。
東京大学准教授斎藤幸平さん:卒業してから、東さんみたいにもっとみんな言ったらいいんじゃないですか。なんで誰もやらないんですか。
元タカラジェンヌ東小雪さん:私も、私以外の人が声を上げてくれたらいいなと思います。証言することを強制することはできないですけれども、でも「これはやはりおかしなことだったんだ」「駄目なことだったんだ」ということ、「自分も加害をしてしまったんだ」ということを反省しないと、そこに立ち返らないと、この連鎖を止めることはできないと私は思うんです。
なので、今、本当に誰も何もおっしゃらないですけれども、「これはやはり、あってはならないことなんだ」「後輩が亡くなってしまって悲しい」「こんなことを止めなければいけない」ということを、誰か声を上げてくれたらと本当に思っています。
「外部漏らし」という概念があって、外部漏らしをするとすごく怒られて、同期全体が締められることがあって、すごく口汚いことを「お前、何やってんだ」みたいなこと。
小川キャスター:外部漏らしというのは?
元タカラジェンヌ東小雪さん:宝塚の中のことを親にも言ってはいけない。
藤森キャスター:親にも言えない。
元タカラジェンヌ東小雪さん:(親などに)言ったことがバレると、すごく責というか、暴言を受ける。同期も全体で締められてしまうので言えないという感覚が、私の中にも少し残っている感じがいたします。
小川キャスター:そうすると今回ヒアリングに答えられなかった、辞退したという4人の方がいらっしゃるということですけれども、どれだけの方が調査に答えられたのかというふうにも感じてしまいます。
元タカラジェンヌ東小雪さん:そのフェアな話せる環境での調査だったのかというのはすごく疑問だと思います。
藤森キャスター:もう一つの焦点は過酷な労働時間についてです。14日の会見で宝塚歌劇団は、▼過重労働を認め、安全配慮義務を果たせなかったと深く反省しているという結論です。
小川キャスター:今回亡くなった方は、下級生のまとめ役で、遺族側の方によると、一日の稽古時間は約15時間、睡眠時間は約3時間だったと。大変過密なスケジュールがあったということなんです。
〈死亡した劇団員の一日〉・午前6時、起床・午前8時、自宅出・午前8時半、劇団入り・午前9時~午後1時、下級生のみの稽古・午後1時~午後10時、全体稽古・午後10時~午前0時、下級生のみの稽古・午前0時、劇団出・午前0時半、帰宅(書面作成など業務)・午前3時~午前6時、睡眠※代理人弁護士より
元タカラジェンヌ東小雪さん:この通りだと思います。誇張があるなど、そんなことは一切なく、本当にこの通りだったと思います。
稽古期間中と、公演期間中で生活は違いますけれども、例えば娘役のアクセサリーが手作りなのはすごく有名ですけれども、本当に家に帰ったり、寮に帰ってから、夜を徹して手作りしているんですね。
なので、(午前0時半~午前3時に)書面作成などの業務というのもありますけれども、稽古だけでもすごくハード・大変なのに、様々な業務が重なっていると、もう本当に寝られない状況だと思います。
藤森キャスター:夜中の時間帯ですね。
小川キャスター:遺族の方は事実に即した謝罪というのを求めているわけですけれども、東さん、今、劇団に望むことというのはどんなことでしょうか。
元タカラジェンヌ東小雪さん:この一部だけ公演の回数を減らすなど、改善していくことはもちろん必要ですけれども、もっと本質的に、これまで行われてきた暴力と、きちんと向き合っていくこと。その姿勢が大切だと、問われていると思います。
<相談窓口>【日本いのちの電話】・フリーダイヤル 0120-783-556 毎日:午後4時~午後9時 毎月10日:午前8時~翌日午前8時