初公判の傍聴席に高齢男性たちが殺到…「頂き女子」りりちゃんの『マニュアル』に客が群がった特殊事情

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「バタバタバタ……」
11月2日、開廷直後、名古屋地裁の第2号法廷は異様な空気に包まれた。
法廷に姿を現したのは、詐欺および詐欺ほう助の罪に問われている「頂き女子」の“りりちゃん”こと渡邊真衣被告(25)だ。開廷直前に渡邊被告が入廷すると、彼女の顔を一目見ようと傍聴席にいた数名の男性が傍聴席の前方に駆け寄った。
今年8月以降、2度の逮捕と起訴されている住所不定・無職の渡邊被告は、‘23年4月から4ヵ月間にわたって茨城県の50歳の男性から現金3846万1000円をだまし取った詐欺の罪に問われている。渡邊被告は男性からお金を受け取ることを「頂き」と表現し、自らを「頂き女子」と名乗っていた。
さらに、渡邊被告がネット上で販売していた、男性から現金をだまし取るためのマニュアル『1ヵ月1000万円頂く頂き女子りりちゃんの【みんなを稼がせるマニュアル】』を購入した名古屋市の21歳の女が、二人の男性から計1062万円をだまし取ったとして詐欺罪に問われたことで、渡邊被告は詐欺ほう助の罪にも問われている。
「渡邊被告は高校を卒業後、専門学校を中退して風俗店に勤務していました。5年前くらいからホストに入れあげるようになって、次第にホストクラブの売掛け(月末に払うツケ払い)の支払いに困窮するようになったようです。風俗店のお客に不幸な身の上を話したらお金がもらえたのが、“頂き女子”になったきっかけだそうです」(地方紙記者)
初公判のこの日は、渡邊被告の詐欺ほう助に焦点が当てられた。裁判官から詐欺ほう助罪について間違いがないか問われると、渡邊被告は「いや、ないです」と起訴内容を認めた。
「りりちゃんは1年半から2年でお気に入りの担当ホストを変えていました。最初にマニュアルを販売したのは’20年8月20日。ネット上で『りりちゃん魔法完全攻略マニュアル』というPDFデータが1万円で売られていました。りりちゃんの周辺では、当時の担当ホストからすすめられてマニュアルを作成したのではと噂になっていたんです」(りりちゃんの知人)
渡邊被告は初公判で、販売していたマニュアルは、当時の担当ホストのPCでPDF化していたと認めた。
「実は、ここ数年の間に歌舞伎町ではこういった『裏引きマニュアル』や『パパ活の金額交渉マニュアル』などの情報商材を売買する“マニュアルビジネス”が急増しています。ただ、りりちゃんはかなり珍しいケースです。販売者にしては珍しく顔出ししていたから、女の子たちは他の販売者から買うよりも安心感がありました。さらに、りりちゃんの見た目が普通の女の子だから『私にもできるかも!』と買う女の子が多かったと思います。また、マニュアルを購入した後も、買った人の“頂き相談”に乗ったり、マメにアフターケアしていました」(同前)
この日、渡邊被告を一目見ようと集まった傍聴希望者は100名以上。そのうち半数ほどが、一般の50~80歳ほどの男性たちだった。逮捕されてもなお、高齢男性たちを惹きつける“りりちゃん”。二度と同じことが起きないよう、いち早い全貌の解明が待たれる。

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