栃木女子高生殺害、被害者が語っていた“家庭内トラブル” 容疑者は「中学生の時ヒステリーを」

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栃木県上三川町(かみのかわまち)で10月19日、レンタカーの車内に遺体を遺棄した疑いで、埼玉県熊谷市の無職・安栖(やすずみ)達也容疑者(28)が現行犯逮捕された。警察は21日、遺体の身元が千葉県柏市の女子高校生・坂巻杏月(あづき)さん(15)だと発表。住まいも年齢もかけ離れた二人はどこで出会い、なぜ事件は起きたのか。
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【写真を見る】ヒステリーを起こすこともあったという安栖達也容疑者 10月の初旬、坂巻さんは周囲にこんな身の上話を打ち明けていた。

「杏月と会った人によれば、“新しく20代の彼氏ができた”と言っていたそうです。どうやってそんな年上と知り合ったのでしょうか。ファッションも以前はおとなしめだったのが、小悪魔的なかわいさをアピールする“地雷系女子”のような服装に変わっていたとか」(坂巻さんの友人) 社会部記者に聞くと、「遺体で発見された19日の数日前に、坂巻さんは安栖容疑者とマッチングアプリを通じて出会ったとみられています。いつからかこの手のSNSを使うことに抵抗がなくなっていたのかもしれません」安栖達也容疑者「とにかく明るい子」 彼女の15年という短き生涯は、どのようなものだったのか。小中学校時代の同級生はこう語る。「杏月は小学校ではダンスクラブに所属していて、とにかく明るい子でした。卒業アルバムに“気が利く人”として名前が挙がったように、優しい性格でもありました。ただ、高学年の頃、家庭内のトラブルが原因で施設に入り、小学校に来なかった時期があったことを覚えています」 中学校に上がって以降は陰を感じるようになったとも。「体育祭や合唱コンクールなどの学校行事に参加しなくなり、卒業前の数カ月間、休みが続いたこともありました」(同) 坂巻さんは母とその再婚相手の義父、兄の4人家族だった。50歳手前と思しき母に比べて義父は若く、20歳ほど年下だ。柏市の近所の住人が言うには、「5~6年前、いまのご家族でこちらのアパートに引っ越してきました。お母様が日勤でお父様が夜勤をしていて、ご両親は交互で入れ替わるように働いていました。4人そろってお出かけすることもあり、特に変わったご家族ではなかったと思いますが……」“殺人容疑で再逮捕” 一方の安栖容疑者は父と母、祖母の4人で暮らす。航空自衛隊員だった祖父はすでに他界し、パソコン関係の仕事に就く兄は熊谷市の実家を出ている。「達也君はコミュニケーションが苦手なタイプでした。中学生の時、他の小学校から来たやんちゃな子たちにからかわれ、“窓から飛び降りてやる”とヒステリーを起こしたことも。その時は皆で必死に止めたりで大変だったと聞きます」 とは、小中学校時代の同級生の母親。そんなエキセントリックな安栖容疑者は20歳の時にも、ある事件を起こしていた。「2015年、神奈川県横浜市で小学6年生の女児を車で連れ去ったとして、未成年者誘拐と強制わいせつの罪で起訴されたのです。安栖容疑者には翌16年、横浜地裁で懲役2年、保護観察付きの執行猶予4年、という判決が下っています」(前出の社会部記者) この時、裁判官は「被害女児が11歳だと認識していたことが推認され、卑劣で悪質だ」と述べたという。しかし、危険人物はしばらくして何事もなかったかのように野に放たれた。「栃木県警は安栖容疑者が坂巻さんの死に深く関与したとして、殺人容疑で再逮捕することを視野に捜査を進めています」(同) こうなる前に悲劇を防ぐ手立てはなかったか。「週刊新潮」2023年11月2日号 掲載
10月の初旬、坂巻さんは周囲にこんな身の上話を打ち明けていた。
「杏月と会った人によれば、“新しく20代の彼氏ができた”と言っていたそうです。どうやってそんな年上と知り合ったのでしょうか。ファッションも以前はおとなしめだったのが、小悪魔的なかわいさをアピールする“地雷系女子”のような服装に変わっていたとか」(坂巻さんの友人)
社会部記者に聞くと、
「遺体で発見された19日の数日前に、坂巻さんは安栖容疑者とマッチングアプリを通じて出会ったとみられています。いつからかこの手のSNSを使うことに抵抗がなくなっていたのかもしれません」
彼女の15年という短き生涯は、どのようなものだったのか。小中学校時代の同級生はこう語る。
「杏月は小学校ではダンスクラブに所属していて、とにかく明るい子でした。卒業アルバムに“気が利く人”として名前が挙がったように、優しい性格でもありました。ただ、高学年の頃、家庭内のトラブルが原因で施設に入り、小学校に来なかった時期があったことを覚えています」
中学校に上がって以降は陰を感じるようになったとも。
「体育祭や合唱コンクールなどの学校行事に参加しなくなり、卒業前の数カ月間、休みが続いたこともありました」(同)
坂巻さんは母とその再婚相手の義父、兄の4人家族だった。50歳手前と思しき母に比べて義父は若く、20歳ほど年下だ。柏市の近所の住人が言うには、
「5~6年前、いまのご家族でこちらのアパートに引っ越してきました。お母様が日勤でお父様が夜勤をしていて、ご両親は交互で入れ替わるように働いていました。4人そろってお出かけすることもあり、特に変わったご家族ではなかったと思いますが……」
一方の安栖容疑者は父と母、祖母の4人で暮らす。航空自衛隊員だった祖父はすでに他界し、パソコン関係の仕事に就く兄は熊谷市の実家を出ている。
「達也君はコミュニケーションが苦手なタイプでした。中学生の時、他の小学校から来たやんちゃな子たちにからかわれ、“窓から飛び降りてやる”とヒステリーを起こしたことも。その時は皆で必死に止めたりで大変だったと聞きます」
とは、小中学校時代の同級生の母親。そんなエキセントリックな安栖容疑者は20歳の時にも、ある事件を起こしていた。
「2015年、神奈川県横浜市で小学6年生の女児を車で連れ去ったとして、未成年者誘拐と強制わいせつの罪で起訴されたのです。安栖容疑者には翌16年、横浜地裁で懲役2年、保護観察付きの執行猶予4年、という判決が下っています」(前出の社会部記者)
この時、裁判官は「被害女児が11歳だと認識していたことが推認され、卑劣で悪質だ」と述べたという。しかし、危険人物はしばらくして何事もなかったかのように野に放たれた。
「栃木県警は安栖容疑者が坂巻さんの死に深く関与したとして、殺人容疑で再逮捕することを視野に捜査を進めています」(同)
こうなる前に悲劇を防ぐ手立てはなかったか。
「週刊新潮」2023年11月2日号 掲載

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