「日本で有名な薬」として韓国国内で話題になっているという薬の紹介動画が波紋を広げています。動画に出てきた薬局に聞くと「売っていない」といいます。どういうことなのか、取材しました。 ◇14日、韓国から日本にやってきた女性2人。韓国から来た女性(東京・新大久保)「動画を見て買おうと思って、日本に来ました」韓国のネットで“ある動画”が話題になっていて、これから、日本の店に買いに行こうとしていたといいます。
韓国から来た女性「日本の薬はいいと有名だし」「私はダンスをするので、関節が少し弱くて」いま、SNS上で拡散され、女性たちも見た“ある動画”に映る商品が物議を醸しています。先週、韓国で暮らす日本人のSNSに上がってきたという動画に映っていたのは、日本の薬局とみられる場所です。関節痛などの薬が置かれた棚には、「かんせ」と書かれた商品が。値札の表示は、真っ白になっています。男性の顔のイラストと、上(じょう)と書かれた赤の「かんせ」。さらに、下(げ)と書かれた青の「かんせ」を買い物かごに入れ、レジへ。レジの店員の胸元を見ると、ドラッグストア大手「スギ薬局」のスギグループと書かれています。これと似た商品は、SNS上でほかにも拡散されていて、ビックカメラの店内とみられる写真には、「かんせ」上(じょう)・下(げ)と書かれた商品画像と共に、今度は英語で「かんせつ」と書かれたポスターも写っています。その下には、日本語で「日本一の関節製品」と説明されています。こうした「かんせ」という商品の動画を、今年に入って、SNSで見かけるようになったという、韓国在住の日本人。韓国の友人からは…。韓国の友人「この薬、日本で大人気なんでしょ?」韓国内では、“日本で有名な薬”になっているというのです。 ◇「かんせ」は、本当に、日本で売られている関節痛の薬なのか…。動画に映っていたスギ薬局に聞いてみました。すると…スギ薬局「商品自体の取り扱いはなく、過去にも販売したことがない」あの動画については、先週、拡散されていることを把握。ただ、スギ薬局としては、これまで販売したことのない商品で、YouTubeで広告動画として上がっていることを確認したといいます。スギ薬局「(サイト運営側に)抗議をして、動画の掲載をやめてほしいと働きかけています」また、ビックカメラも「かんせ」は、店で販売していないと話しました。 ◇ITジャーナリストが、指摘したのは…フェイク動画などに詳しい ITジャーナリスト・井上トシユキさん「これはAIが作った動画ではないかと。“フェイク(動画)”かなと思いました」まるで「かんせ」を、日本の店で販売しているかのように見せかける、“フェイク動画”ではないか、というのです。この映像は顔を隠す加工をしていますが、元々の動画で専門家が見たところ、後ろにいる男性の目のあたりにはかげがありますが、歩く女性にはそれがなく、不自然だと指摘。さらに、薬局「マツモトキヨシ」の店内で撮影されたとみられる写真については…。棚の仕切りに注目すると、右側は、透明な仕切り部分に商品が透けていますが…ITジャーナリスト・井上トシユキさん「『かんせ』の方は透けて見えてこない。AIに作らせたそのままを流している」マツモトキヨシは、販売もしていないし、商品の存在すらも知らないとしています。また、別の専門家は、こうした“フェイク動画”を作る目的について「社会的信頼のおける日本の大手企業や店舗などを利用し、その動画を見た人に商品を信用させる狙いがあるのではないか」と、指摘しています。実態のない“フェイク動画”。薬は、健康被害が出るおそれもあるため、怪しいものには手を出さないなどの注意が必要です。
「日本で有名な薬」として韓国国内で話題になっているという薬の紹介動画が波紋を広げています。動画に出てきた薬局に聞くと「売っていない」といいます。どういうことなのか、取材しました。
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14日、韓国から日本にやってきた女性2人。
韓国から来た女性(東京・新大久保)「動画を見て買おうと思って、日本に来ました」
韓国のネットで“ある動画”が話題になっていて、これから、日本の店に買いに行こうとしていたといいます。
韓国から来た女性「日本の薬はいいと有名だし」「私はダンスをするので、関節が少し弱くて」
いま、SNS上で拡散され、女性たちも見た“ある動画”に映る商品が物議を醸しています。
先週、韓国で暮らす日本人のSNSに上がってきたという動画に映っていたのは、日本の薬局とみられる場所です。関節痛などの薬が置かれた棚には、「かんせ」と書かれた商品が。値札の表示は、真っ白になっています。
男性の顔のイラストと、上(じょう)と書かれた赤の「かんせ」。さらに、下(げ)と書かれた青の「かんせ」を買い物かごに入れ、レジへ。
レジの店員の胸元を見ると、ドラッグストア大手「スギ薬局」のスギグループと書かれています。
これと似た商品は、SNS上でほかにも拡散されていて、ビックカメラの店内とみられる写真には、「かんせ」上(じょう)・下(げ)と書かれた商品画像と共に、今度は英語で「かんせつ」と書かれたポスターも写っています。その下には、日本語で「日本一の関節製品」と説明されています。
こうした「かんせ」という商品の動画を、今年に入って、SNSで見かけるようになったという、韓国在住の日本人。韓国の友人からは…。
韓国の友人「この薬、日本で大人気なんでしょ?」
韓国内では、“日本で有名な薬”になっているというのです。
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「かんせ」は、本当に、日本で売られている関節痛の薬なのか…。動画に映っていたスギ薬局に聞いてみました。すると…
スギ薬局「商品自体の取り扱いはなく、過去にも販売したことがない」
あの動画については、先週、拡散されていることを把握。ただ、スギ薬局としては、これまで販売したことのない商品で、YouTubeで広告動画として上がっていることを確認したといいます。
スギ薬局「(サイト運営側に)抗議をして、動画の掲載をやめてほしいと働きかけています」
また、ビックカメラも「かんせ」は、店で販売していないと話しました。
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ITジャーナリストが、指摘したのは…
フェイク動画などに詳しい ITジャーナリスト・井上トシユキさん「これはAIが作った動画ではないかと。“フェイク(動画)”かなと思いました」
まるで「かんせ」を、日本の店で販売しているかのように見せかける、“フェイク動画”ではないか、というのです。
この映像は顔を隠す加工をしていますが、元々の動画で専門家が見たところ、後ろにいる男性の目のあたりにはかげがありますが、歩く女性にはそれがなく、不自然だと指摘。
さらに、薬局「マツモトキヨシ」の店内で撮影されたとみられる写真については…。棚の仕切りに注目すると、右側は、透明な仕切り部分に商品が透けていますが…
ITジャーナリスト・井上トシユキさん「『かんせ』の方は透けて見えてこない。AIに作らせたそのままを流している」
マツモトキヨシは、販売もしていないし、商品の存在すらも知らないとしています。
また、別の専門家は、こうした“フェイク動画”を作る目的について「社会的信頼のおける日本の大手企業や店舗などを利用し、その動画を見た人に商品を信用させる狙いがあるのではないか」と、指摘しています。