元ラブホ従業員が“命の危機を感じた現場”「全裸の男女が狂乱状態で…」

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若者の街渋谷。道玄坂から一本入ると、風俗店やラブホテルが林立する猥雑なエリアが広がる。その地域のラブホテルで清掃スタッフとして働いていたのが、稲川淳二のモノマネでおなじみの芸人「BBゴロー」氏だ。勤務していたのは、界隈で最も古いラブホテルだったため、他の選択肢がない際に仕方なく利用する客が多かったと言う。
男女の情念が渦巻く、いかにも怪異が発生しそうな場所で、彼は一体どんな経験をしたのだろうか。BBゴロー氏が実際に見た欲望の痕跡や迷惑行為の実情、さらには、ほんとにあった怖い話を振り返ってもらった。
◆「プレイが想像できない」忘れ物が…
――忘れものを見つけることも多々あると思いますが、どうでした?
BBゴロー:コスプレ衣装の忘れ物はよくありますね。中でも、セーラー服が一番多かったかな。二人で燃え上がり終わって疲れ切ってかえるからか、あえて置いていってるという感じがします。
――プレイが想像できない忘れ物はありましたか?
BBゴロー:雪山で背負う、蓑がドサっと置いてあったときは「どんなプレイなんだよ!」と思いましたよ(笑)。
――蓑の何に興奮するんでしょうね。
BBゴロー:あるマニアの方に聞いたら、どんなに狭い嗜好でもそれを好きなマニアが2万人はいるそうです。蓑を見た時にはその言葉が脳裏をよぎりました。
◆「一番嫌なもの」はやはり…
――清掃で、嫌だったものはなんですか?
BBゴロー:排泄物を超えるものはありませんよ。「爆弾部屋」と呼んでいたくらい、誰もが避けたいものですね。ただし、デリヘル嬢などプロの方は最低限の片付けはして帰ってくれるんですよ。
――最低限というと?
BBゴロー:プロの方は基本的にベッドではなくお風呂場でそういったプレイをするみたいなんですね。清掃に入ると、浴室に置いてあるアメニティのコンディショナーをすべて排水口に出してくれているんですよ。
――どういうことですか?
BBゴロー:飛び散った排泄物を排水口に流しているんだと思うんですが、そこに大量のコンディショナーを流すことで、ニオイがやや抑えられるんですよね。だから、部屋に入った時はニオイはしなくて、浴室に行くと、コンディショナーのボトルが空っぽで逆さまに置いてあるので、そこで「ここ爆弾部屋だったんだ!」と気づくような感じです。
◆マッチ一本でニオイが「意外と消える」
――プロではない、素人のカップルはそんなことはないんですよね。
BBゴロー:片付けもしませんし、布団やカーペットの上やそこら中に排泄物が散らばっていることも……。掃除しても匂いが消えないので少なくともその日は部屋を貸せなくなってしまいます。
――ファブリーズのような消臭スプレーを大量に噴霧するんですか?
BBゴロー:いや、マッチを一本擦るんです。そして、火がついたらすぐ消すと、蚊取り線香のような煙が出ますよね。これで意外とニオイが消えるんです。どうにもならない場合は何本もマッチを擦って回っていました。
◆「個人情報を隠したい」場所なのに…
――清掃をしていて、珍しいものを見つけたことはありますか?
BBゴロー:年配でお金持ち風の男性と若い女性が使った部屋を掃除した時に、学校の名前も入ったPTAの書類が忘れられていました。人妻が、息子さんの不祥事を揉み消すためにそういうことをやっているのかなと……、スタッフ同士で噂してました(笑)。
――学校名まで入っていると、誰だかわかってしまいそうですね。

――テレビでも見かけるような芸人さんですか?
BBゴロー:はい、もうゴールデンにもたくさん出ている超有名芸人です。抱かれたくない芸人ランキングにも入るような人だったので「売れていれば、顔が悪くてもこういう女性がつくんだなぁ」と思いましたね。
◆力士は「音でわかってしまう」
――ラブホテルで顔が割れるのは嫌ですね。
BBゴロー:でも、隠しきれない職業の人もいますよね。清掃中は、換気のためにドアを開けているんですが、お客さんが通るときはプライバシーのために閉めます。なので、顔をしっかり見ることはほとんどないんですが、顔を見なくても全身の姿でわかるのが、力士です。
――和装と髪型、そして巨体ですぐにわかりますよね。
BBゴロー:力士が入った部屋の隣で清掃をしていたら、ペチンペチン音が聞こえて来るんですよ。だから、女性が叩かれるプレイが好きなんだなと思っていたら、男性の声で「あ~!もっと強くぅ!」って男性の声が聞こえてきたので、力士の方がやられていたんでしょうね。
◆命の危機を感じる現場も…
――警察沙汰が起きたことはありますか?
BBゴロー:クスリで狂乱状態になったカップルがいました。隣の部屋からフロントにまずクレームが来るんです。それから、フロントが問題の部屋に電話をかけるんですが、騒ぎが止まないと、われわれ従業員が部屋に行かないといけないんです。
――何されるかわかりませんね。
BBゴロー:なので、背表紙が無駄に豪華で分厚い、卒業アルバムのようなメニュー表をお腹に入れて、万が一刺されても大丈夫なようにして入っていきます。
――めちゃくちゃインスタントな防御ですね。実際に入ったらどうなっていたんですか?
BBゴロー:全裸の男女が、物を破壊しながら暴れまわってるんですよ。なんとか男性を羽交い締めにして押さえつけたんですが、女性の方は我関せずで暴れまわっていて埒があかないんで警察を呼びました。
◆「額縁を外してくれ」という謎の指令
――ラブホテルでの恐怖体験もありますか?
BBゴロー:411号室という部屋は、霊感がある人が入るとすぐに「部屋を変えてくれ」と言われることがよくあったんです。見える人には見える部屋だったみたいですね。ある時は、411に入ったお客さんからすぐにフロントに電話がかかって来て「壁の額縁を外してくれ」と言われたそうです。
――ホテルなどの壁によくある絵画の額縁ですね。
BBゴロー:電話を取ったフロントの人が、笑いながら「ゴローちゃん出番だよ」と言うので行ったんです。部屋に行ってみると、その人は「あの額縁、気持ち悪いんだよ!早く外してくれよ!」と、正気を失ったような様子で……。
――どんな絵画の入った額縁なんですか?
BBゴロー:いや、その部屋に額縁なんてないんですよ。
――え?どう言うことですか!?
BBゴロー:その人にだけ、何かが見えてるんですよ。どこに掛かっているか聞いたら、大声をあげながら指をさすので、仕方なくパントマイムで額縁を外すふりをして、なんとか収まったんです……。
◆「清掃が完了していないのに」入室してきたカップル
――お客さんがすぐに出て行った場合は、清掃はしないんですか?
BBゴロー:シーツだけは必ず替えますし、お風呂やトイレも毛や水滴がないか確認します。それからフロントに「清掃完了しました」と報告すると、空室になるんですよ。
――そういう仕組みになっていたんですね。

――完了報告をしていないのに?
BBゴロー:だから「あれ?」と思って部屋を間違えていないか聞いたんですが、カップルが持っている鍵は間違いなく411だったんです。清掃も終わっていたので、お客様に謝って私は部屋を出たんです。
◆「電話がかかってきた」と言い張るフロント
――どういう手違いだったんですか?
BBゴロー:フロントに降りて「なんでお客さんを通すんですか!」と言ったら、フロントの人が「だって、電話して来たじゃん。なんかずっとふざけた声で。だから通したのよ」と言うんです。
――電話していませんよね?
BBゴロー:してないんです。どんな電話だったか聞いたら「電話の向こうで、わーわー騒いでるから、ふざけて完了報告をしてるんだなと思って通したのよ」と言われました。フロントの人は、僕が芸人なのを知っていたので、電話の最後の言葉で僕がふざけて怖がらせようとしていると確信して、お客さんを入れたらしいんです。
――電話の最後、どんな言葉が入っていたんですか?
BBゴロー:騒ぐ音声の最後に、電話口のそばでかすれた声で「邪魔しやがって」と言う声が聞こえたそうなんですよ。僕が電話をしていないことは、一緒に清掃に入っていたもう一人も確実に知っているので、間違いなく電話はしていないんですけどね。
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話を聞けば聞くほど、想像以上にハードな仕事であることが伝わってきた。ただし、そこでしか経験できないことがあるのも事実。BBゴロー氏のようにネタとして昇華できるのであれば、1度経験してみるのも悪くないのかもしれない。
<取材・文/Mr.tsubaking>

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