「胸大きいね」とNGワードを叩き込み…ホストたちがキャバ嬢を 「歌舞伎町セクハラ講座」の中身

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ジャニーズ事務所の性加害問題が明るみとなったが、歌舞伎町ではホストに性的サービスを要求する客が増えているという。
「いや~……ジャニーズの性加害の具体的な報道を見ていて、正直他人事とは思えないですね」
そう答えるミナト(仮名・24)はホスト1年目。初対面の女性客との接客中、性的サービスをせざるを得ない空気になることが多いという。
「知らない人に触られたくないので、初回ではテンション高くしてボディタッチされるのを避けてますね。そういう子ってイチャイチャできれば誰でもいいから、次指名してくれる可能性が低いんですよ」
初対面にもかかわらず、「今日枕できるなら指名してあげる」「私の指名しているホストと3Pできる男の子を探している」「ホテル行ける?」そうしたストレートな言葉を受けることもあるという。
「前にいたお店で、VIPルームに初回で入ったお客様が、他のホストに『アンタ、ここでどこまでできるの?』って財布の札束を見せながら煽(あお)ったことがあって。そしたら、彼はVIPルームを二人きりにして……。さすがに最後までやっちゃうことはなかったそうですが、『ちょっと手で遊んであげたら40万円くれた』って言ってました」(同前)
実は、こういった枕営業は、ホストクラブ特有。同じ水商売でも、接待や気軽な飲みの場にも使われるキャバクラに比べると、ホストクラブの方が圧倒的にガチ恋のおひとり様客が多いためだ。
「アイドル売りをしているようなホストの中にはなかなか枕をしない売れっ子もいるけど、たいていが色恋の延長線上に枕営業を取り入れてますよ。枕営業の目的は、客の性欲を満たすよりも、『あなたは性的に魅力がある』と客の承認欲求を満たすことですから」(同前)
相手を褒(ほ)めるために、相手の性的な魅力を賞賛しなければいけない商売。客からの要求は黙認されているが、ホストから客へのセクハラは厳禁だ。最近、店舗によっては、ホストたちにセクハラ講習を行うところもあるという。
「私の担当が働いてる店でやってたよ。″初回講習″って名前だったかな」
そう語るエリカ(仮名・21)は、ホストクラブに通うキャバ嬢だ。
「若い子でも、普通に『胸大きいね?』とか、バストサイズとか聞いてきますよ。マジで褒め言葉だと思ってるヤツもいてタチが悪い。ホストの客って大半がキャバとか風俗嬢だから、お金を払ってるホストに、普段接客してる客たちと同レベルのセクハラをされると余計に腹が立つんですよ。
とくに、ホストは、自らが外見の良さで売ってる人が多いから、客の外見も褒めてくる。喜ぶ子もいるけど、日々、見た目で比べられて疲弊してる女にしてみたら、それ普通に不愉快だから」
そうしたセクハラ接客で喜ぶかどうかを見極めることができるのが売れっ子の技なのだが、まだ未熟な新人たちは店舗で接客講習を受ける。講習では、売れっ子ホストや店と信頼関係のある女性客などが講師となり、「見た目ではなく、センスを褒めろ」と教えたり、「胸大きいね」「お尻エロいね」「性欲強そう」などのNGワードを叩き込むという。
セクハラはしないように気を使いつつ、相手の承認欲求を満たし、時には枕営業も辞さないホストたち。無法地帯に見える歌舞伎町でも、コンプライアンスが芽生えつつある。

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