部屋中にびっしりとカビ、隣の女子大生の“最中の声”が丸聞こえ…本当にあった「ヤバい隣人トラブル」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

“ご近所付き合い”が希薄といわれる現代。「隣に住む人の顔も知らない」という人も多いだろう。しかし、まったく予想もしない形で近隣住民との接点ができてしまうケースは少なくない。今回は、隣人に迷惑をかけられた人々のエピソードを紹介する。
【画像】フローリングがカビだらけに…実際に“隣人トラブル”が起きた物件の写真をみる※写真はイメージです AFLO◆ ◆ ◆ 大学への進学を機に秋田から上京した畑中実咲さん(仮名・26歳)は、初めてひとり暮らしをした家でトラブルに巻き込まれたという。当時、彼女が住んでいたのは3階建ての1Kマンションの1階で、間取りは7.5畳。家賃5万5000円の賃貸物件だった。

「物件の3階には大家さんが住んでいて、時折お菓子をもらったり、世間話をしたりしてよく顔を合わせていました。大家さんも優しいし、部屋もキレイ。とくに不満もありませんでした」 そんな折、畑中さんは約8ヶ月間、アメリカに短期留学をすることが決まった。留学中はトランクルームに荷物を移す等の方法も考えたが、引っ越しの手間や費用との兼ね合いから、留学中も部屋を借り続けることに。「大家さんも住んでいる物件だし、大きな事件は起きないはず。そう考えて日本を発ちました」 しかし、短期留学を終えて日本行きの飛行機を待つ空港で、母親から送られてきたのは「実咲の部屋が大変なことになっている」という写真付きのメッセージだった。「母は、私の帰国に合わせて秋田から上京し、そのまま私の部屋に泊まる予定でした。しかし、送られてきた写真を見ると、照明カバーは床に落ちて割れ、床や壁に黒いカビがびっしり生えていて、泊まれる状態じゃなかったんです……」 空港で部屋の惨状を知らされた畑中さん。空の上では連絡も取れないため詳細が分からず、不安を抱えたまま帰国したという。カビの原因は上階の住人の“水漏れ”「日本に着いてすぐに母に電話をしたところ、上の階からの漏水がカビの原因だったそうです。私の部屋の真上に住んでいる人が、キッチンの排水口の詰まりを自力で直そうと試行錯誤した結果、漏水してしまったとか。私が部屋を空けている間に壁を伝って大量の排水が染み出てしまったのでは、と大家さんに言われました」 長旅で疲れているのに、自分の部屋で休めないのはつらかったと畑中さんは振り返る。洋服、家具、家電もすべて使用できない状態に「カビ対策として冷蔵庫の電源を切って出国したのですが、何も意味がなかったですね(笑)。部屋中がカビだらけでした。マスクをしていても悪臭がひどく、長時間の滞在は困難。母は『もう思い出したくもない』と話しています」 クローゼットの中にあった洋服や家具、家電もすべて使用できない状態に。そこで急遽、管理会社が用意してくれた部屋に一時的に避難。留学先から持ち帰ってきたトランクひとつでの生活がスタートしたという。「元の家の大家さんは、お見舞金として10万円に加えて新居の初期費用も払ってくれて、上の部屋に住んでいた人からはお詫びの品としてタオルセットをもらいました。タオルなどの生活用品もすべて使えなくなっていたので助かりましたが、漏水事故のお詫びにタオルをもらうなんて、あまりに皮肉だなと思いました」 他の住戸で起きた水漏れの影響を受けた人は、その被害内容をまとめて、加害者に請求する。畑中さんは母親と一緒に、使えなくなった物品とその値段をリストアップする作業に追われた。被害総額は200万円「損害を一つひとつ記入していったら、総額が200万円近くになってしまったんです。この金額を上の階の人に払わせるのは酷かも、と母と話し合い、少しだけ請求金額を少なくしました。でも、あとになって当時加害者が加入していた火災保険で全額補償できたと知り、今は『全部請求すればよかった』と後悔しています(笑)。 金銭面の負担がなかったのは不幸中の幸いでしたが、上京するときに持ってきた高校の卒業アルバムにもカビのニオイがついてしまったのは、とてもショックでした……」 思い出ばかりは保険ではどうにもできない。何度か卒業アルバムの脱臭を試みたものの、やはりニオイは残ってしまったという。失ったものもあったが「上の階の人も災難ですよね」と、畑中さんは話す。「もし、私が部屋に住んでいれば、初期の段階で漏水に気づけたはずなのに、誰もいなかったために発覚が遅れてしまったんですよね。この経験から、誰しもが加害者になりうるという意識を持つようになりました。もしも部屋の排水口が詰まったら、自力で直そうとせず、絶対に業者を呼びます」 畑中さんが言うように、たとえ故意でなくとも、ほかの入居者に迷惑をかける可能性がある。とくに、居住スペースが隣接している集合住宅で暮らしている人は、心に留めておいたほうがよさそうだ。隣室がホストの寮。朝方の騒音に悩まされた マンションやアパートなどの集合住宅では、しばしばトラブルの火種となる“騒音”。実際に集合住宅に住んでいる人たちに話を聞くと、大なり小なり隣人が立てる音に悩んだ経験がある、と答えた。「上の部屋には3人家族が住んでいるのですが、ときどき、子どもの大きな声に驚かされます。子どもですから『仕方ない、元気がある証拠』とは思いつつも、『早く成長してもう少し落ち着いてくれないかな』と思ってしまうことも」(30代・飲食業・女性)「若い頃に住んでいたマンションの隣室が、ホストの寮になっていました。女性を連れ込む様子などはありませんでしたが、いつも夜明け頃に帰宅するので物音で起こされるのがキツかったですね」(40代・出版業・男性)毎晩、隣の部屋から“最中の声”が丸聞こえ 戸田達也さん(仮名・56歳)も、過去に住んでいた集合住宅で隣人の“とある騒音”に悩まされたひとり。「当時住んでいた部屋の隣には女子大生が住んでいました。日中は問題ありませんでしたが、毎晩毎晩、恋人らしき男性がやって来てはセックスをするのが彼女の生活スタイルだったんです。アパートの壁が薄いうえに、壁を隔てて自分のベッドと隣室のベッドが隣り合っていたらしく“最中の声”も丸聞こえ。自分が眠りに就く2時頃にソレがはじまるので、睡眠が妨害されてかなり迷惑でしたね」 戸田さん自身、とても困っていたが「こんなこと、大家にどう説明したらいいんだ……」と悩んでいるうちに1カ月が経過。自室にいても休まらない日々が続いたという。玄関を開けると女性が申し訳なさそうに立っていた「隣の扉が閉まり、彼氏の声が聞こえると『また始まるのか……』とゲンナリ。日中、うとうとしているときに隣から声が聞こえて『昼もやるのか!?』と驚いて飛び起きると、隣室のテレビの音だった、なんてこともありました。当時は少し神経質気味だったかもしれません」 そんな戸田さんの苦悩は、ある日を境に終わりを告げる。「休日の昼間に呼び鈴が鳴り、玄関を開けると、そこには隣の部屋の女性が申し訳なさそうに立っていました。菓子折りを渡してきて『いつもうるさくしてすみません……』と、謝りに来たんです。聞けば、同じ建物に住んでいる大家から“騒音”に関する厳重注意を受けて、ほかの住人にも謝罪しているとのことでした。自分も困ってはいたけれど、咎めるのも気が引けて『ああ、はい……』とだけ返しました」「そんなイイもんじゃないですよ」 以来、深夜の“騒音”は止んだものの、2カ月もすると引っ越していったという。「さすがに居づらかったんでしょうね」と、戸田さん。「もう10年以上も前の話ですが、いまだに忘れられない出来事です。昔はドラマなんかで、壁に耳を当てて隣の部屋にいるカップルの声に耳を澄ませる、なんてシーンもありましたけど、そんなイイもんじゃないですよ」 隣人トラブルの多くは、実際に住みはじめてから発覚するため未然に防ぐのは難しい。誰もが平穏な生活を送れるように願うばかりだ。(清談社)
※写真はイメージです AFLO
◆ ◆ ◆
大学への進学を機に秋田から上京した畑中実咲さん(仮名・26歳)は、初めてひとり暮らしをした家でトラブルに巻き込まれたという。当時、彼女が住んでいたのは3階建ての1Kマンションの1階で、間取りは7.5畳。家賃5万5000円の賃貸物件だった。
「物件の3階には大家さんが住んでいて、時折お菓子をもらったり、世間話をしたりしてよく顔を合わせていました。大家さんも優しいし、部屋もキレイ。とくに不満もありませんでした」
そんな折、畑中さんは約8ヶ月間、アメリカに短期留学をすることが決まった。留学中はトランクルームに荷物を移す等の方法も考えたが、引っ越しの手間や費用との兼ね合いから、留学中も部屋を借り続けることに。
「大家さんも住んでいる物件だし、大きな事件は起きないはず。そう考えて日本を発ちました」
しかし、短期留学を終えて日本行きの飛行機を待つ空港で、母親から送られてきたのは「実咲の部屋が大変なことになっている」という写真付きのメッセージだった。
「母は、私の帰国に合わせて秋田から上京し、そのまま私の部屋に泊まる予定でした。しかし、送られてきた写真を見ると、照明カバーは床に落ちて割れ、床や壁に黒いカビがびっしり生えていて、泊まれる状態じゃなかったんです……」
空港で部屋の惨状を知らされた畑中さん。空の上では連絡も取れないため詳細が分からず、不安を抱えたまま帰国したという。カビの原因は上階の住人の“水漏れ”「日本に着いてすぐに母に電話をしたところ、上の階からの漏水がカビの原因だったそうです。私の部屋の真上に住んでいる人が、キッチンの排水口の詰まりを自力で直そうと試行錯誤した結果、漏水してしまったとか。私が部屋を空けている間に壁を伝って大量の排水が染み出てしまったのでは、と大家さんに言われました」 長旅で疲れているのに、自分の部屋で休めないのはつらかったと畑中さんは振り返る。洋服、家具、家電もすべて使用できない状態に「カビ対策として冷蔵庫の電源を切って出国したのですが、何も意味がなかったですね(笑)。部屋中がカビだらけでした。マスクをしていても悪臭がひどく、長時間の滞在は困難。母は『もう思い出したくもない』と話しています」 クローゼットの中にあった洋服や家具、家電もすべて使用できない状態に。そこで急遽、管理会社が用意してくれた部屋に一時的に避難。留学先から持ち帰ってきたトランクひとつでの生活がスタートしたという。「元の家の大家さんは、お見舞金として10万円に加えて新居の初期費用も払ってくれて、上の部屋に住んでいた人からはお詫びの品としてタオルセットをもらいました。タオルなどの生活用品もすべて使えなくなっていたので助かりましたが、漏水事故のお詫びにタオルをもらうなんて、あまりに皮肉だなと思いました」 他の住戸で起きた水漏れの影響を受けた人は、その被害内容をまとめて、加害者に請求する。畑中さんは母親と一緒に、使えなくなった物品とその値段をリストアップする作業に追われた。被害総額は200万円「損害を一つひとつ記入していったら、総額が200万円近くになってしまったんです。この金額を上の階の人に払わせるのは酷かも、と母と話し合い、少しだけ請求金額を少なくしました。でも、あとになって当時加害者が加入していた火災保険で全額補償できたと知り、今は『全部請求すればよかった』と後悔しています(笑)。 金銭面の負担がなかったのは不幸中の幸いでしたが、上京するときに持ってきた高校の卒業アルバムにもカビのニオイがついてしまったのは、とてもショックでした……」 思い出ばかりは保険ではどうにもできない。何度か卒業アルバムの脱臭を試みたものの、やはりニオイは残ってしまったという。失ったものもあったが「上の階の人も災難ですよね」と、畑中さんは話す。「もし、私が部屋に住んでいれば、初期の段階で漏水に気づけたはずなのに、誰もいなかったために発覚が遅れてしまったんですよね。この経験から、誰しもが加害者になりうるという意識を持つようになりました。もしも部屋の排水口が詰まったら、自力で直そうとせず、絶対に業者を呼びます」 畑中さんが言うように、たとえ故意でなくとも、ほかの入居者に迷惑をかける可能性がある。とくに、居住スペースが隣接している集合住宅で暮らしている人は、心に留めておいたほうがよさそうだ。隣室がホストの寮。朝方の騒音に悩まされた マンションやアパートなどの集合住宅では、しばしばトラブルの火種となる“騒音”。実際に集合住宅に住んでいる人たちに話を聞くと、大なり小なり隣人が立てる音に悩んだ経験がある、と答えた。「上の部屋には3人家族が住んでいるのですが、ときどき、子どもの大きな声に驚かされます。子どもですから『仕方ない、元気がある証拠』とは思いつつも、『早く成長してもう少し落ち着いてくれないかな』と思ってしまうことも」(30代・飲食業・女性)「若い頃に住んでいたマンションの隣室が、ホストの寮になっていました。女性を連れ込む様子などはありませんでしたが、いつも夜明け頃に帰宅するので物音で起こされるのがキツかったですね」(40代・出版業・男性)毎晩、隣の部屋から“最中の声”が丸聞こえ 戸田達也さん(仮名・56歳)も、過去に住んでいた集合住宅で隣人の“とある騒音”に悩まされたひとり。「当時住んでいた部屋の隣には女子大生が住んでいました。日中は問題ありませんでしたが、毎晩毎晩、恋人らしき男性がやって来てはセックスをするのが彼女の生活スタイルだったんです。アパートの壁が薄いうえに、壁を隔てて自分のベッドと隣室のベッドが隣り合っていたらしく“最中の声”も丸聞こえ。自分が眠りに就く2時頃にソレがはじまるので、睡眠が妨害されてかなり迷惑でしたね」 戸田さん自身、とても困っていたが「こんなこと、大家にどう説明したらいいんだ……」と悩んでいるうちに1カ月が経過。自室にいても休まらない日々が続いたという。玄関を開けると女性が申し訳なさそうに立っていた「隣の扉が閉まり、彼氏の声が聞こえると『また始まるのか……』とゲンナリ。日中、うとうとしているときに隣から声が聞こえて『昼もやるのか!?』と驚いて飛び起きると、隣室のテレビの音だった、なんてこともありました。当時は少し神経質気味だったかもしれません」 そんな戸田さんの苦悩は、ある日を境に終わりを告げる。「休日の昼間に呼び鈴が鳴り、玄関を開けると、そこには隣の部屋の女性が申し訳なさそうに立っていました。菓子折りを渡してきて『いつもうるさくしてすみません……』と、謝りに来たんです。聞けば、同じ建物に住んでいる大家から“騒音”に関する厳重注意を受けて、ほかの住人にも謝罪しているとのことでした。自分も困ってはいたけれど、咎めるのも気が引けて『ああ、はい……』とだけ返しました」「そんなイイもんじゃないですよ」 以来、深夜の“騒音”は止んだものの、2カ月もすると引っ越していったという。「さすがに居づらかったんでしょうね」と、戸田さん。「もう10年以上も前の話ですが、いまだに忘れられない出来事です。昔はドラマなんかで、壁に耳を当てて隣の部屋にいるカップルの声に耳を澄ませる、なんてシーンもありましたけど、そんなイイもんじゃないですよ」 隣人トラブルの多くは、実際に住みはじめてから発覚するため未然に防ぐのは難しい。誰もが平穏な生活を送れるように願うばかりだ。(清談社)
空港で部屋の惨状を知らされた畑中さん。空の上では連絡も取れないため詳細が分からず、不安を抱えたまま帰国したという。
「日本に着いてすぐに母に電話をしたところ、上の階からの漏水がカビの原因だったそうです。私の部屋の真上に住んでいる人が、キッチンの排水口の詰まりを自力で直そうと試行錯誤した結果、漏水してしまったとか。私が部屋を空けている間に壁を伝って大量の排水が染み出てしまったのでは、と大家さんに言われました」
長旅で疲れているのに、自分の部屋で休めないのはつらかったと畑中さんは振り返る。
「カビ対策として冷蔵庫の電源を切って出国したのですが、何も意味がなかったですね(笑)。部屋中がカビだらけでした。マスクをしていても悪臭がひどく、長時間の滞在は困難。母は『もう思い出したくもない』と話しています」
クローゼットの中にあった洋服や家具、家電もすべて使用できない状態に。そこで急遽、管理会社が用意してくれた部屋に一時的に避難。留学先から持ち帰ってきたトランクひとつでの生活がスタートしたという。
「元の家の大家さんは、お見舞金として10万円に加えて新居の初期費用も払ってくれて、上の部屋に住んでいた人からはお詫びの品としてタオルセットをもらいました。タオルなどの生活用品もすべて使えなくなっていたので助かりましたが、漏水事故のお詫びにタオルをもらうなんて、あまりに皮肉だなと思いました」
他の住戸で起きた水漏れの影響を受けた人は、その被害内容をまとめて、加害者に請求する。畑中さんは母親と一緒に、使えなくなった物品とその値段をリストアップする作業に追われた。
被害総額は200万円「損害を一つひとつ記入していったら、総額が200万円近くになってしまったんです。この金額を上の階の人に払わせるのは酷かも、と母と話し合い、少しだけ請求金額を少なくしました。でも、あとになって当時加害者が加入していた火災保険で全額補償できたと知り、今は『全部請求すればよかった』と後悔しています(笑)。 金銭面の負担がなかったのは不幸中の幸いでしたが、上京するときに持ってきた高校の卒業アルバムにもカビのニオイがついてしまったのは、とてもショックでした……」 思い出ばかりは保険ではどうにもできない。何度か卒業アルバムの脱臭を試みたものの、やはりニオイは残ってしまったという。失ったものもあったが「上の階の人も災難ですよね」と、畑中さんは話す。「もし、私が部屋に住んでいれば、初期の段階で漏水に気づけたはずなのに、誰もいなかったために発覚が遅れてしまったんですよね。この経験から、誰しもが加害者になりうるという意識を持つようになりました。もしも部屋の排水口が詰まったら、自力で直そうとせず、絶対に業者を呼びます」 畑中さんが言うように、たとえ故意でなくとも、ほかの入居者に迷惑をかける可能性がある。とくに、居住スペースが隣接している集合住宅で暮らしている人は、心に留めておいたほうがよさそうだ。隣室がホストの寮。朝方の騒音に悩まされた マンションやアパートなどの集合住宅では、しばしばトラブルの火種となる“騒音”。実際に集合住宅に住んでいる人たちに話を聞くと、大なり小なり隣人が立てる音に悩んだ経験がある、と答えた。「上の部屋には3人家族が住んでいるのですが、ときどき、子どもの大きな声に驚かされます。子どもですから『仕方ない、元気がある証拠』とは思いつつも、『早く成長してもう少し落ち着いてくれないかな』と思ってしまうことも」(30代・飲食業・女性)「若い頃に住んでいたマンションの隣室が、ホストの寮になっていました。女性を連れ込む様子などはありませんでしたが、いつも夜明け頃に帰宅するので物音で起こされるのがキツかったですね」(40代・出版業・男性)毎晩、隣の部屋から“最中の声”が丸聞こえ 戸田達也さん(仮名・56歳)も、過去に住んでいた集合住宅で隣人の“とある騒音”に悩まされたひとり。「当時住んでいた部屋の隣には女子大生が住んでいました。日中は問題ありませんでしたが、毎晩毎晩、恋人らしき男性がやって来てはセックスをするのが彼女の生活スタイルだったんです。アパートの壁が薄いうえに、壁を隔てて自分のベッドと隣室のベッドが隣り合っていたらしく“最中の声”も丸聞こえ。自分が眠りに就く2時頃にソレがはじまるので、睡眠が妨害されてかなり迷惑でしたね」 戸田さん自身、とても困っていたが「こんなこと、大家にどう説明したらいいんだ……」と悩んでいるうちに1カ月が経過。自室にいても休まらない日々が続いたという。玄関を開けると女性が申し訳なさそうに立っていた「隣の扉が閉まり、彼氏の声が聞こえると『また始まるのか……』とゲンナリ。日中、うとうとしているときに隣から声が聞こえて『昼もやるのか!?』と驚いて飛び起きると、隣室のテレビの音だった、なんてこともありました。当時は少し神経質気味だったかもしれません」 そんな戸田さんの苦悩は、ある日を境に終わりを告げる。「休日の昼間に呼び鈴が鳴り、玄関を開けると、そこには隣の部屋の女性が申し訳なさそうに立っていました。菓子折りを渡してきて『いつもうるさくしてすみません……』と、謝りに来たんです。聞けば、同じ建物に住んでいる大家から“騒音”に関する厳重注意を受けて、ほかの住人にも謝罪しているとのことでした。自分も困ってはいたけれど、咎めるのも気が引けて『ああ、はい……』とだけ返しました」「そんなイイもんじゃないですよ」 以来、深夜の“騒音”は止んだものの、2カ月もすると引っ越していったという。「さすがに居づらかったんでしょうね」と、戸田さん。「もう10年以上も前の話ですが、いまだに忘れられない出来事です。昔はドラマなんかで、壁に耳を当てて隣の部屋にいるカップルの声に耳を澄ませる、なんてシーンもありましたけど、そんなイイもんじゃないですよ」 隣人トラブルの多くは、実際に住みはじめてから発覚するため未然に防ぐのは難しい。誰もが平穏な生活を送れるように願うばかりだ。(清談社)
「損害を一つひとつ記入していったら、総額が200万円近くになってしまったんです。この金額を上の階の人に払わせるのは酷かも、と母と話し合い、少しだけ請求金額を少なくしました。でも、あとになって当時加害者が加入していた火災保険で全額補償できたと知り、今は『全部請求すればよかった』と後悔しています(笑)。
金銭面の負担がなかったのは不幸中の幸いでしたが、上京するときに持ってきた高校の卒業アルバムにもカビのニオイがついてしまったのは、とてもショックでした……」
思い出ばかりは保険ではどうにもできない。何度か卒業アルバムの脱臭を試みたものの、やはりニオイは残ってしまったという。失ったものもあったが「上の階の人も災難ですよね」と、畑中さんは話す。
「もし、私が部屋に住んでいれば、初期の段階で漏水に気づけたはずなのに、誰もいなかったために発覚が遅れてしまったんですよね。この経験から、誰しもが加害者になりうるという意識を持つようになりました。もしも部屋の排水口が詰まったら、自力で直そうとせず、絶対に業者を呼びます」
畑中さんが言うように、たとえ故意でなくとも、ほかの入居者に迷惑をかける可能性がある。とくに、居住スペースが隣接している集合住宅で暮らしている人は、心に留めておいたほうがよさそうだ。
マンションやアパートなどの集合住宅では、しばしばトラブルの火種となる“騒音”。実際に集合住宅に住んでいる人たちに話を聞くと、大なり小なり隣人が立てる音に悩んだ経験がある、と答えた。
「上の部屋には3人家族が住んでいるのですが、ときどき、子どもの大きな声に驚かされます。子どもですから『仕方ない、元気がある証拠』とは思いつつも、『早く成長してもう少し落ち着いてくれないかな』と思ってしまうことも」(30代・飲食業・女性)
「若い頃に住んでいたマンションの隣室が、ホストの寮になっていました。女性を連れ込む様子などはありませんでしたが、いつも夜明け頃に帰宅するので物音で起こされるのがキツかったですね」(40代・出版業・男性)
戸田達也さん(仮名・56歳)も、過去に住んでいた集合住宅で隣人の“とある騒音”に悩まされたひとり。
「当時住んでいた部屋の隣には女子大生が住んでいました。日中は問題ありませんでしたが、毎晩毎晩、恋人らしき男性がやって来てはセックスをするのが彼女の生活スタイルだったんです。アパートの壁が薄いうえに、壁を隔てて自分のベッドと隣室のベッドが隣り合っていたらしく“最中の声”も丸聞こえ。自分が眠りに就く2時頃にソレがはじまるので、睡眠が妨害されてかなり迷惑でしたね」
戸田さん自身、とても困っていたが「こんなこと、大家にどう説明したらいいんだ……」と悩んでいるうちに1カ月が経過。自室にいても休まらない日々が続いたという。
「隣の扉が閉まり、彼氏の声が聞こえると『また始まるのか……』とゲンナリ。日中、うとうとしているときに隣から声が聞こえて『昼もやるのか!?』と驚いて飛び起きると、隣室のテレビの音だった、なんてこともありました。当時は少し神経質気味だったかもしれません」
そんな戸田さんの苦悩は、ある日を境に終わりを告げる。
「休日の昼間に呼び鈴が鳴り、玄関を開けると、そこには隣の部屋の女性が申し訳なさそうに立っていました。菓子折りを渡してきて『いつもうるさくしてすみません……』と、謝りに来たんです。聞けば、同じ建物に住んでいる大家から“騒音”に関する厳重注意を受けて、ほかの住人にも謝罪しているとのことでした。自分も困ってはいたけれど、咎めるのも気が引けて『ああ、はい……』とだけ返しました」
以来、深夜の“騒音”は止んだものの、2カ月もすると引っ越していったという。「さすがに居づらかったんでしょうね」と、戸田さん。
「もう10年以上も前の話ですが、いまだに忘れられない出来事です。昔はドラマなんかで、壁に耳を当てて隣の部屋にいるカップルの声に耳を澄ませる、なんてシーンもありましたけど、そんなイイもんじゃないですよ」
隣人トラブルの多くは、実際に住みはじめてから発覚するため未然に防ぐのは難しい。誰もが平穏な生活を送れるように願うばかりだ。
(清談社)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。