性的暴行で辞任 ENEOS元会長「女性にうぶだった」意外な素顔

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「一身上の都合で」
8月12日に明確な説明もなく突然辞任した、石油元売り最大手ENEOSホールディングスの元会長・杉森務氏(66)。6月の株主総会で再任されたばかりにもかかわらず、経団連の審議員会副議長や石油連盟会長の職も退いた。経済界では辞任理由について、さまざまな憶測が流れたが……。真実は『週刊新潮』(9月29日号)により明らかになる。
「女性への性的暴行です。『週刊新潮』によると、7月1日に沖縄県那覇市の高級クラブで30代のホステスのドレスの中に手を入れ、下着をまさぐり胸を揉んだとされます。さらに女性の肩に手を回しキスを強要。強引にドレスを脱がせ、上半身を裸にしました。
杉森氏は『銀座では普通だよ』『いいから乳首を触らせろ』などと発言したとか。抵抗した女性は、肋骨を折るなど全治2週間のケガを負ったとされます。女性は、杉森氏に謝罪と治療費などを求めて被害申告をしていたそうです」(全国紙社会部記者)
女性の弁護士からの連絡を受け、ENEOSは調査を実施。杉森氏に会長職を退くよう求めたというのだ。『週刊新潮』の取材に対しENEOS広報部は、辞任理由を明かさなかった事情について「(被害女性の)プライバシーに関わる恐れがある情報発信は厳に控えておりました」と回答している。
常軌を逸したセクハラによって、辞任に追い込まれた杉森氏。取材を進めると、意外な素顔が明らかになった。石油業界に詳しい、経済ジャーナリストの松崎隆司氏が語る。
「杉森氏は、石川県随一の進学校の出身です。当初は医学部を目指していたそうですが、物理が苦手だったため文系に転向。『文系なら一橋だ』という父親の勧めもあり、一橋大学商学部に進学します。
高校時代までは女性と接する機会が少なく、うぶだったとか。女性との交流の場を持とうとしたのか、大学では女子学生も多くいた社交舞踏会に所属。当時は石炭から石油へのエネルギー転換期で将来性を期待し、79年にENEOSの前身・日本石油に入社しました」
働き方は、昭和の「猛烈サラリーマン」そのものだったようだ。松崎氏が続ける。
「全国のガソリンスタンドを回り、オーナーと明け方まで酒を飲んだり麻雀をして交流。時には意見が対立し、大ゲンカになることもあったそうです。本社の人事部に在籍時は3000人ほどいた社員すべてと酒を飲み、顔や名前、性格を覚えたという逸話があります。取引先と一緒にゴルフや釣りと、休日も仕事に捧げていました」
あまり良くない話も伝わってくるという。
「今、石油業界は岐路に立っています。二酸化炭素の排出量が抑えられ、車は電気自動車が主流になりつつある。杉森さんは社員に対し意識改革を求め、新しいビジネスを考え出すよう常にハッパをかけていたそうです。社内は緊張した雰囲気だったとか。
一方で、役員になってからの酒グセは相当悪かったそうです。飲むピッチが早く、酔うと態度が大きくなり不遜になる。社員に対しては『社会の一員として高い倫理観を持て』と命じておきながら、酒席での傲慢な言動を危ぶむ声は以前からありました」(松崎氏)
周囲の不安が現実となってしまった今回の辞任劇。杉森氏は、取り返しのつかない罪を負うことになった。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。