現役政治家が「ごぼうの党」奥野卓志氏を斬る 炎上商法なら失敗…賛同した山田孝之らの顔に泥を塗った

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25日の格闘技イベント「超(スーパー)RIZIN」(さいたま市)での非常識な行動によって炎上を招いた奥野卓志氏は、政治団体「ごぼうの党」代表を務めている。同党は“謎の政党”として参院選で話題に。俳優の山田孝之らが賛同し、演説では格闘家ボブ・サップも登場していた。現役政治家は「奥野氏は山田さんらの顔に泥を塗りました」と指摘。炎上商法なら失敗だという。
フロイド・メイウェザーと朝倉未来のエキシビションマッチ開始前、メイウェザーに花束を贈呈する役だった奥野氏は、なんと花束を手渡しせずにリングに投げ捨てた。花束はメイウェザー自身が拾い上げた。ネット上では「失礼すぎる」「日本人として恥ずかしい」などと批判一色に。奥野氏による「売名」や「炎上商法」を疑う意見もあった。
ごぼうの党は7月の参院選で本格的に政界に挑戦。奥野氏は「みんなが笑顔になれることを目指して政治を行っていきたい」と訴え、芸能界から山田や「ONE OK ROCK」のTakaらが賛同を表明。ユーチューバーのヒカルや宮迫博之もSNSに「ごぼう」関連の投稿をしていた。また、演説ではサップとピーター・アーツが奥野氏の隣に陣取った。こうしたインフルエンサーの影響もあり、同党はダークホース的な扱いをされていた。結局、参院選では比例で約19万票にとどまり、議席は逃した。
ただ、政界関係者は「ごぼうの党は既存政党に投票したくない人や政治に興味ない人から支持を受けていました。他党にとって刺激となっており、次も選挙に出てくるなら怖いなと思われていました」。もっとも「今回のことでごぼうが躍進することはなくなったでしょうね」と断言した。
国政選挙の予定は当面ないが、来春には統一地方選がある。仮に参院選時の状況で同党が参戦してくればどうなるか分からなかったというのだ。
「超RIZIN」で奥野氏は420万円のデジタルチケットを購入し、花束贈呈の権利を取得していた。騒動の影響で同党や奥野氏の名前が検索ランキング上位になるなど、売名という意味では大成功している。だからといって政治家としてプラスなのかというと、そうとは限らない。
現役政治家は「政治において炎上商法は成り立たないのではないか」とみている。「奥野氏は今回の行動で賛同してくれた山田さんやボブ・サップさんの顔に泥を塗ったことになります。山田さんらの評判にも間接的に傷をつけていますからね。政治家は応援してくれる人のことを考慮しないといけない。自分への批判は支援者への批判でもあります。次は応援してもらえないのでは?」
政界に炎上がないわけではない。「例えばNHK党も炎上が多いですが、根本に『NHKをぶっ壊す』があって、そこに支持者がいるんですよね。でも、ごぼうの党にはそれがない。唯一あった『笑顔』も自身で否定してしまいました」(同)
笑えない花束贈呈になってしまった。

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