「泡がブクブクと異臭がして」「クラスをまとめきれずストレスが」給食カレー漂白剤混入 「大好きな」先生は“なぜ”犯行に・・・ 埼玉・富士見市

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給食のカレーに漂白剤を混入させた疑いで、教師の女が逮捕された事件。人事に対する不満から犯行に及んだとされているが、教師特有の”ストレス”が背景にあることも分かってきた。未だに「なぜ?」という不可解さがつきまとう。
威力業務妨害の疑いで逮捕されたのは、埼玉県の富士見市立水谷東小学校の教師・半沢彩奈容疑者・24歳。今月15日、配膳前の20人分の給食のカレーに、塩素系漂白剤を混入させた疑いが持たれている。
配膳の際に、6年生の児童が異臭に気づいたため、カレーには手を付けず、健康被害はなかった。半沢容疑者は、昨年度まで受け持っていたクラスの担任を、今年度は受け持たず、別の学年のクラス担任をしていた。
今年度も、同じクラスに「持ち上がる」ことを希望していたものの、それがかなわなかったという。動機について半沢容疑者は、「担任を外されて悔しかったからやった」と供述しているそうだ。
人事への不満が児童の安全を脅かしたこの事件。半沢容疑者は一体どのような人物だったのだろうか。
記者会見を開いた富士見市の教育委員会によると、半沢容疑者は、採用されて3年目の若手だったという。会見で、山口武士教育長は、「これまでの勤務ぶりも、研究熱心で、子どもたちとの関係もよく、何か問題があったわけではない」と明らかにした。
しかし、半沢容疑者が動機として挙げた”人事”については、「学年が変わるごとに、担任が変わることは一般的。何か問題があったわけではなく、当該教諭だけが持ち上がらなかった訳ではない」などと困惑した様子だった。
一方で、保護者を取材すると、半沢容疑者の評判は、多くが好意的なものだった。「大好きな先生だった。大変ショックで、子どもには、まだ言えていない」などと涙ながらに話す保護者もいた。
教師になって3年目。学校からも、保護者からも、評価は上々だった半沢容疑者。しかし、同僚たちには、上記の通り、今年度も、同じクラスを「持ち上がりたかった」と漏らしていたそうだ。
ただ、捜査関係者によると、半沢容疑者が、新たに受け持つことになったクラスについて、「うまくまとめることができず、ストレスがあった」という趣旨の話をしていることも明らかになっているという。
事件当時の状況について、半沢容疑者は、「漂白剤を少量入れたら、ブクブクと泡がたち、異臭がして我に返った。容器にあった全部(の漂白剤)を入れて、気づいてもらおうと思った。」などと話しているそうだ。
実際には、児童が異臭に気づいて、健康上の被害は免れはしたが、6年生が予定していた修学旅行は延期になったという。半沢容疑者の児童に対する”想い”は、逆に、傷をつけてしまったと言ってもいいだろう。
「大好きだった」先生は、なぜ、驚きの犯行にに及んだのか。教育委員会は、今後、児童たちへのケアと再発防止にむけ取り組んでいくとしている。
(フジテレビ社会部・埼玉県警担当 大久保裕)

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