体長80センチ巨大トカゲどこに潜伏? 滋賀・大津で脱走「野生動物をなめてはいけない」

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滋賀県大津市で体長約80センチのサバンナオオトカゲ(生後2年程度)が27日に脱走し、警察が周辺を巡回して住民に注意を呼びかけるなど、物々しい状況となっている。室内で放し飼いの状態だった。聞きなれないトカゲだが、危険はあるのか。
このサバンナオオトカゲは市の住民にペットとして飼われており、肉食で4日に1回のペースでひよこを餌に与えられていた。オオトカゲ類としては小さい部類だが、それでも最大120センチに成長する可能性があり、野外で見かけたら腰を抜かす大きさだ。
実はこのサバンナオオトカゲ、7月にも脱走していた。当時は近所の庭に潜んでいるところを捕獲されている。この酷暑の日本の野外では、どんなところに潜んでいる可能性が高いのか? 動物ジャーナリストの佐藤栄記氏はこう解説する。
「本能的に道路沿いの側溝やブッシュの中、住宅密集地なら住宅と住宅の間、また廃屋などを隠れ場所にするのではないか。餌が見つけられなければ餓死するので、土や砂を掘って地中にもぐって休眠状態になることも考えられる。ただ、休眠した場合、冬には低温に耐えられず死んでしまう」
サバンナオオトカゲは初心者でも扱いやすいと言われるほど、比較的おとなしいトカゲだ。しかし、普段屋内で飼われている個体にとって野外は緊張を強いられるだけに、危険を感じるとイレギュラーな行動に出る可能性があるという。
「温厚、温厚と言われていますが、野生動物をなめてはいけない。例えば話題だからと素人のユーチューバーが近づいた場合、不測の事態は起こりえる。肉食性で歯は鋭いので、かまれたら結構なケガを負います。特にオオトカゲ類は臆病な種類が多く、臆病ゆえに恐怖を感じると防衛本能で凶暴化することはよくある」
こうした外来種の動物は絶対に野外に出してはいけないし、ましてや逃がすなどもってのほかだ。その理由は生息環境がかけ離れすぎていて生き残ることが難しく、また、生き残れても在来種を餌にして強い捕食圧がかかってしまうからだ。こうなると、外来種にとっても在来種にとっても不幸でしかない。
しかし、直近だけでも2021年にはアルゼンチンテグーとナイルオオトカゲ、22年もミズオオトカゲが脱走し、警察が出動する事態となっている。どうしてこんなにトカゲの脱走が多いのか?
「油断、そのひと言に尽きるのかもしれない。ちゃんと飼ってるオーナーなら、脱走させたくて脱走させる人はいない。ただ、トカゲはそんな器用に窓を開けられる動物ではなく、脱走事案のほとんどはオーナーの気の緩みによる施錠忘れ、窓の閉め忘れが多いようです」(同)
大事な“家族”ならば、責任と緊張感をもって終生飼育してほしいところだ。

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