コロナ禍明けで大にぎわいの花火大会 その裏では子供たちがごみ拾いするケースも

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新型コロナウイルス禍で制限を受けてきた花火大会が通常開催され、各地の夜空を彩った。
一方で、来場者による大量のごみは主催者や地域の負担となっており、ボランティアや地域の子供たちの手も借りながら対応に追われる自治体も少なくない。
東京都江戸川区の江戸川河川敷で8月5日、4年ぶりに行われた江戸川花火大会。千葉県市川市側も含めて139万人もの来場者が約1万4000発の花火に酔いしれた。主催者側は、会場の河川敷内に可燃、不燃、ビン・カンに分別されたごみ箱43セットを設置。ただ、放置されたごみが散乱。翌朝、委託事業者の塵芥車(ごみ収集車)や約600人のボランティアが出動し、ごみ拾いや収集に汗を流した。担当者は、「ボランティアとして、近隣のロータリークラブや江戸川河川敷で練習をしている少年野球チームが朝7時から2時間ほどごみ拾いを行った」と話す。
ただ、区によると、ごみの量は17日時点(速報値)で、約13トン600キログラム。前回の令和元年度の約21トン870キログラムより減少した。花火大会当日にごみ袋を4万セット来場者に配付し、ごみの持ち帰りを呼びかけたことが理由の一つとして考えられるという。
日本三大花火大会の一つとして知られ、11月4日に茨城県土浦市で開催される「土浦全国花火競技大会」は、コロナ前は約75万人が来場し、30トンものごみを回収してきた。
市商工観光課花火対策室によると、ごみの持ち帰りを呼びかけたこともあった。だが、駅周辺での不法投棄が問題となったこともあり、会場内などに設けた数十カ所のごみ置き場に捨てるよう呼びかけているという。一方、ごみの収集はボランティアや、地元の小中学生の協力も得ており、菊田雄彦室長は「ごみ拾いは、人海戦術でやらないと難しく、清掃業者だけでは人数の確保が難しい」と話す。
マナーを守らない大人のごみを子供が拾わなければならない点に賛否が寄せられるというが、「地元の大会の自分たちの地域をきれいにする学習活動という捉え方で学校に依頼し、協力していただいている」とし、「近隣住民などさまざまな方の協力を得て成り立っている大会。ごみは決められた場所に捨ててほしい」と呼びかけている。

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