夫に「更年期だろ」と決めつけられてモヤッ。受診してわかった“本当の病名”にびっくり

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「四十にして惑わず」と言われる40代。
しかし、実際には仕事では責任ある立場を任されたり、子どもの育児真っただ中だったり、高齢の親の介護が始まったりと、目の前のことでてんてこまいな毎日を送っている女性も多いのではないでしょうか。
◆子どもの受験、親の介護、仕事のトリプルで疲れが取れない
陽子さん(仮名・47歳)もまさにその一人。
小学6年生になる息子の中学受験の準備や、80代になる母親の様子を見るために数カ月に一回、実家に帰る生活をしています。「なんとなく身体の不調を感じる……」と思うようになったのは、1年前からでした。しかし、疲れが取れにくく、休日は9時間ほど寝てしまう日々が続いたそうです。
「45歳になってから、なんとなく疲れやすくなったんです。仕事は自転車で通えるところにあるリフォームの会社で、事務をしています。たまに土曜日出勤もありますが、基本的には定時で帰られるので、そこまでハードワークではなかったんです。疲れているから早く寝ようと思って22時半くらいに寝ても、起きたら7時を過ぎていてびっくりしたことがあります」
さらに、梅雨や気温が下がり始める11月頃などに、原因不明の体調不良に悩まされるようになってきます。
「朝と日中の寒暖差が激しい時は、起き上がる時にめまいがするようになったんです。立ちくらみかなと思ってゆっくり起き上がっても、しばらく経ってからクラっと目の前が暗くなることもありました。
心配になって耳鼻科で見てもらったのですが、疲れなどから三半規管が正常に働かなくなっているのではと言われて、血行がよくなる薬を処方されました」
◆朝が起きられず、頭もぼんやりでうつ気味に
しかし、体調は良くなるどころか次第に悪化していきます。
「朝が起きられなくなると、夫から『だらしがない』と言われて落ち込みました。これまでやってきた家事もやる気が起きないし、頭の中がぼんやりして集中力がなく、データ入力の仕事もミスするようになりました。すべてが思ったようにできなくて、自分はダメな人間じゃないのかって落ち込むようになっていました」
体調不良の原因がわからなかったため、周りから怠けていると思われるのがツラかったと言います。
「動悸も感じていたので、少し早いけれど更年期かと思って婦人科に行ったんです。そうしたら、女医さんが『あなたくらいの年齢になればみんな不調はあるもの』と言って、取り合ってくれませんでした。仕方なく、自分で漢方薬を買って飲んだりしていました」
◆肩の凝りを直したくて整形外科に行った結果……
陽子さんは肩の凝りが酷く、今度は整形外科を受診します。
「ある時、洗濯物を物干しに干そうとしたら、腕は上がるけれど痛い。整形外科で首のMRI検査をすることになりました。すると、先生から『頸椎は正常だけれど、甲状腺が腫れているから念のために専門の病院で診てもらってください』と言われて紹介状を渡されたんです」
そこで、初めて甲状腺の病気が判明します。
「なかなか治らなかっためまいや更年期だと思っていた症状は、実は甲状腺の病気が原因とわかったんです。詳しく検査をしたら自己免疫疾患の症状で橋本病でした。症状の中には、首が腫れる以外にも、眠気が出たり身体がむくみやすくなったり、イライラするなど更年期の症状と似ていました」
◆更年期でも耳鼻科でもなかった不調の原因
陽子さんは自分の病名が判明すると、安心できたと言います。
「もしかしたら治らないかもと心配になっていたので、検査や経過観察をすることで症状とも向かい合うことができました。思い返すと体調不良からイライラしてしまったのを、夫から“更年期だろ”と言われたのも腹が立ちます。
女性は40代になるといろいろと不調が出てくるけれど、面倒でもいくつかの病院で診てもらったほうが良いなって思いました」

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