リニア巡り川勝静岡県知事が中谷経産副大臣に直接面談を申し入れ 対立先鋭化

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

リニア中央新幹線建設工事を巡り、中谷真一経済産業副大臣が静岡県の対応を批判し、その後、静岡県の川勝平太知事側から、直接の面談を申し込まれたことを、中谷氏が明らかにした。
すでに川勝氏が「副大臣閣下のご意見を承りたい」と中谷氏への対決姿勢を示している中で、中谷氏も川勝氏の言動を「反対のための反対」と新たに言及するなど、対立が先鋭化する展開となっている。
「何を怒っているのか」
中谷氏は25日、甲府市内で行われた山梨県のリニア建設推進の経済団体会合で、静岡県の対応を「自分のところに駅ができないからといって反対するのはとんでもない話」と発言。さらに、この日に山梨県北杜市で開かれていた全国知事会議に行き、「(川勝知事に)文句を言おうと思った」と話した。
これに対し、川勝氏は26日の全国知事会議の会場で報道陣の取材に応じ、「(駅ができないから反対なんて)言っていない」と、中谷氏の発言を否定。「南アルプスの自然環境と水の保全と、リニアを両立させることに取り組んでいる」と語り、これが認可していない理由と説明した。
中谷氏が「(全国知事会議)乗り込んでこなかったので、何を怒っているのか、正確に直接伺いたい」とも話していた。
県職員が日程調整を打診
28日に山梨県昭和町で行われた自民党山梨県連の会合に出席した中谷氏は報道陣に対し、静岡県職員が中谷氏の東京の事務所に来て、川勝知事との面談について、日程調整を含めた打診があったことを明かした。そのうえで、中谷氏は「(川勝氏が)従来の主張を繰り返されるのであれば、それは会っても意味がない。建設的な話し合いをしてくれるならと、(静岡県側に)伝えているところだ」と説明した。
さらに川勝氏に対し、「私に言わせれば(工事を着工させないため)ゴールポストを動かしている。反対のための反対に見える」と、改めて批判。25日の発言についても、「経産副大臣として川勝氏に意見したわけではなく、山梨1区選出の衆議院議員として、県民の意見を咀嚼(そしゃく)した私の意見を発言したまで」と説明した。
中谷、川勝両氏ともに対決姿勢を強めている状況で直接面談が実現するか、注目が集まる。(平尾孝)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。