御嶽山の行方不明者捜索、初日に遺留品9点発見…8年ぶりに実施

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死者58人、行方不明者5人を出した2014年9月の御嶽山(長野・岐阜県境、3067メートル)噴火災害で、長野県などによる行方不明者の捜索活動が24日、始まった。
初日は犠牲者のものとみられる遺留品9点が見つかった。活動は25日も行われる。
捜索は多くの犠牲者が出た王滝頂上から山頂・剣ヶ峰をつなぐ尾根「八丁ダルミ」などについて、今月29日にも規制が解除されるのに合わせて実施された。県が捜索に関わるのは15年に大規模捜索を打ち切って以来、8年ぶり。
この日は県や地元の木曽町、王滝村の職員や山岳関係者ら50人態勢で行われ、大規模捜索の打ち切り後も独自に許可を得て八丁ダルミ周辺に足を運び続けてきた行方不明者の野村亮太さん(当時19歳)(愛知県刈谷市)の家族も参加した。
捜索隊は午前9時50分に王滝頂上から規制区域に入り、八丁ダルミ東側の斜面と野村さんが逃げ込んだとみられる「二ノ池トラバース」下の尾根を重点的に確認した。二ノ池トラバース下の尾根では、噴火後に捜索されていない標高約200メートル下った地点まで目視やドローンの映像で手がかりを探したという。
午後2時までの捜索活動で行方不明者につながる手がかりは得られなかったが、火山灰にまみれたサングラスやストック、手袋などが新たに見つかった。今後、木曽署に届けられる。
遺族らでつくる「山びこの会」のシャーロック英子事務局代表(64)は、遺留品が犠牲者の持ち物だった可能性が高いとし、「会としても持ち主を見つけられるよう、噴火直前の写真などを確認したい」と話した。
一方、野村さんの父、敏明さん(63)は「実施した捜索の範囲に手がかりがないのだと行けたことで分かった」と振り返り、叔父の正則さん(60)は「翌日以降の捜索で、とにかくどんな形でも手がかりを見つけたい」と期待を込めた。
25日の捜索は午前8時から午後2時までの予定。

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