知らぬ間の119番にご注意!=スマホで衝撃検知、夏の行楽でも―誤通報、都内で7割超・東京消防庁

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知らぬ間に119番し、銭湯や遊園地に救急隊が駆け付ける―。
衝撃を検知し自動的に通報するスマートフォンなどの機能により、こうした問題が相次いでいる。昨冬はスキー場で多くみられたが、夏休みシーズンも増加が懸念される。東京都内では7割超が誤通報とされ、熱中症の救急要請が増える中、消防当局は注意を呼び掛けている。
自動通報機能は、昨年9月発売の「iPhone(アイフォーン)14」などに新たに搭載された。スマホやスマートウオッチが衝撃を検知すると警告音が鳴り、20秒以内に取り消さなければ自動で119番する。消防当局は状況確認のため折り返しの電話をかけ、反応がない場合は位置情報を分析して駆け付ける。
東京消防庁では、昨秋ごろから自動通報による誤通報が相次いだ。今年1~6月は、自動通報の7割超に当たる204件が誤りだったとみられ、うち86件で救急隊が出動した。同庁の担当者は「通報があれば倒れていると想定して態勢を取る。救急車到着まで電話で呼び掛けも続ける。多くの人員と時間が割かれ、他の119番への対応が遅れる可能性がある」と苦悩をにじませる。
原因で多いのは、酒に酔った人が端末を落としたり、放り投げたりするケースだ。その後寝てしまうと、警告音や呼び掛けにも気付かない。銭湯の脱衣所でロッカーに投げ入れたり、ジェットコースターに乗ったりした際の衝撃を検知したほか、リフトに乗った登山客がスマホを落とし、山岳救助隊が駆け付ける事態になったこともあるという。
同庁によると、アイフォーンでは購入時の初期設定で、自動通報機能がオンになっている。担当者は「新たにスマホを購入したら機能があるか確認してほしい」と話し、「誤通報の場合は慌てずに電話に出て、間違えた旨を伝えて」としている。

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