海の家でアルバイトした大学生が「モテる」ようになっても全然嬉しくないワケ

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7月も半ばを過ぎて、SNSでは「海に行った!」「久々の海の家!」などという投稿を目にする。海といえば、男女の“出会い”というイメージだが、むしろ海をキッカケに恋人を失ってしまった人もいる。◆夏休みの悲劇「2年ぶりに彼女ができて浮かれていたら…」 現役大学生の平野謙さん(21歳・仮名)は夏休みの真っ最中にフラれてしまったようだ。 「去年、2年ぶりに彼女ができて浮かれていたんですよ。コロナ禍で大学はリモートが多かったし、バイトもリモートの家庭教師だったので出会いがなかった。やっとできた彼女だったのに~」 彼女は平野さんの1歳年下の専門学生。2人はマッチングアプリで出会った。 「もうプロフィールの時点でめっちゃ可愛くて、実際に会ってみてもぜんぜん写真詐欺じゃなかったのでグイグイ押して押して(笑)。向こうも2週間くらいで『負けた~』と笑いながらOKしてくれました」
◆彼女は「“細マッチョで健康的な色黒”が好き」 平野さんが色白インテリ系の見た目なのに対して、彼女はみちょぱのようなギャル系。
「見た目は気にしないとは言われましたが、ギャル男とまではいかなくても“細マッチョで健康的な色黒”が好きって話していたので、僕は彼女のためにイメチェンを決意しました」 だが、日焼けサロンに通うのは抵抗があり、自身の服装にもあまりお金をかけたくなかったという。 「彼女は海が好きだというので、海外はきついけど沖縄くらいは連れていってあげたいな、と思ったんです。だから、彼女好みにはなりたいけど、旅費を貯めたいから出費は抑えたくて」 そこで平野さんは、友人と住み込みで海の家でアルバイトをすることにした。 「時給は微妙だけど、住み込みで3食つくので出費が少ない。それに、自然に日焼けができるし、積極的に重たいものを持つようにしたら、細マッチョはいけるかもしれない。まさに一石二鳥だな、と」
◆「海の家で住み込みのバイトって、すごい怪しい」
彼女好みの見た目になって、さらにお金を貯めて旅行というサプライズ。確かにいい考えではあったが–。 「海の家のバイトは朝から晩まで予想以上にハードでした。仕事が終わったら即寝だし、朝くらいしかまともにLINEが返せなかった。ボーナスに釣られて、働きまくっていたら『バイトという口実でチャラつきたいだけでしょ』と、急にフラレてしまいました」 とにかく彼女を驚かせたい一心でバイトに明け暮れていたが、完全に裏目に出てしまったのだ。 もちろん、サプライズしたかったことや、見た目も変えてもっと好かれたかったという弁明はしたようだが、「信用できない」と言われてしまったんだとか。 「付き合って2か月なのに連絡はまちまちでデートもお預けで、海の家で住み込みのバイトって、すごい怪しいって繰り返し言われてしまいました(苦笑)。サプライズ旅行よりも一緒にいてくれた方がよかったと言われてしまい……」 結局、彼女はいなくなり、貯金と筋肉だけが増えたという平野さん。 「正直モテるようになりました。でも全然嬉しくないっす」 ◆チャラい友人たちと海へ

◆みんなといるのが楽しいから参加
毎年みんなで海に行くのが恒例行事。ここ数年はコロナ禍で行けなかったぶん、全員のテンションはマックスだったんだとか。 「海に行ってナンパして、誰がいちばんいい女を落とせるか~みたいなのを毎年やっていたんです。僕はナンパはせずに、お酒の買い出しをしたり、あぶれた女の子と話す係ですね(笑)。でも今年は彼女もいるし、不参加でもいいかなぁと思っていたんですが」 しかし、友人からは「友情より女を取るなんてサイテーだ」と散々ののしられたという。 「行っても僕はナンパしないし、恒例行事でみんなといるのが楽しいから、まぁいっかと結局は参加したんです」
◆海に男だけで行くのは怪しすぎる? 事前段階で彼女には伝えていたというが、後日、ものすごい形相の彼女に問い詰められたとか。 「『話が違うんだけど?』と、友人の1人のSNSを見せつけられました。それには、僕も一緒になってナンパしていたように見える写真や、女の子とのツーショットが載っていました。彼女が別れようと言ってきたので、事情を説明したのですが、彼女としては、もう僕がナンパをしてようがしてなかろうが、こんな低俗な友人とつるんでいること自体が無理って言われてしまいました(苦笑)。海に男だけで行くのはどうしても怪しいんでしょうね」 近藤さんは「友情をとって損しました」と言いながら「来年もみんなで海に行きたい。年に1回だし、それを許してくれる子と付き合いたいです」と笑っていた。 <取材・文/吉沢さりぃ>
―[シリーズ・夏の悲惨な思い出]―

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