山上徹也被告の父親は会社員時代に過労とアルコール中毒の末、自ら命を絶った。兄も幼少期に抗がん剤治療を始め、片目の光を失った(後に自殺)。身内の不幸に苛まれた母親は宗教にのめりこみ、献金額は1億円を超えたという。事件の鍵を握る母親。一体、何を語ったか。
【画像8枚】自殺した父と兄、宗教に貢ぐ母 山上被告の複雑な家庭環境 山上被告の母親は70歳。奈良県内のアパートで息を潜めるようにして、猫1匹と暮らしている。自転車で近所のスーパーに行き、食材や猫砂などのペット用品を買い求めたりする以外、外出することはほとんどない。
母親が人目を避けて暮らす一方で、拘置所にいる息子には支援者やファンがつき、それが騒ぎに発展することさえある。山上徹也被告 さる6月12日、奈良地裁に不審な段ボール箱が届いた。中身は山上被告の減刑を求める嘆願署名だったことが後にわかるが、なぜか金属探知機が反応。その日は山上被告本人が公判前整理手続きに参加する予定だったところ、直前で急きょ中止された。 これまで山上被告の母親に話を聴いてきた本誌(「週刊新潮」)は改めて彼女に接触。いま何を思っているのか。映画は「観ていない」――近く公判前整理手続きが始まることはご存じか。「そうみたいですね」――ご子息から連絡があったのですか?「そうじゃなくて。ネットニュースかなんかでね」 わが子に関するニュースはやはり気になっているらしい。実際、山上被告をモデルにした映画「REVOLUTION+1」(足立正生監督)が公開されたことについて水を向けると、こんなふうに答えた。買い物はいつも自転車で「ネットニュースでは見たことありますけどね。(作品は)観てはいないです」 山上被告が一部でヒーロー視されていることについても聞いた。息子さんのもとには、全国からファンレターが届いているそうだと。すると、母親は平静を装うように、こう口にした。「そういうことは、聞いていますけどね」「そういうことは代理人のかたに」――本人は喜んでいるのでしょうか。「いや、わかりませんよ」――現在、接見禁止は解除されていますが、連絡手段はお手紙で?「……そうですね」 約5カ月半の鑑定留置を経て奈良地検が殺人と銃刀法違反の罪で起訴したのは今年1月。今や接見も可能だというのに、会えない事情でもあるのだろうか。――会いには行かれない?「……」 実は今年4月、母親は接見のため大阪拘置所を訪れている。しかし、山上から面会を断られていたという事実が報じられた。教団が依然正しいと考える母親を遠ざけたと見られる。――事件への思いは? どう受け止めておられますか。「ごめんなさいね」 母親はまず謝って、「そういうことは代理人のかたにね……」 代理人。それは他ならぬ、統一教会の幹部である。依然として教団の影響下にある彼女は、内容次第では今も返答を拒む。「私も証人をやらないといけない」――ご遺族である安倍昭恵夫人に伝えたいことは?「それも……代理人さんに聞いてください」 一方、息子への思いは時に言葉の端ににじむ。――1年もの間、会えないと心配では?「……前からね」 長らく息子を案じていたことは否定しなかった。――では、公判が始まれば、見に行かれますか?「なんか被害者の席はあるそうだけど、加害者のほうは普通の人と一緒で、抽選じゃないといけないらしいの」 残念そうな口ぶりだ。「被害者のかたは優先的に座れるんだけど、加害者の家族はダメなんだって。でも仕方ないんでしょうね」 そして、何かを明かすような声音でこんな話をした。「私も……証人をやらないといけないんですよね」 来年にも始まる山上被告の裁判員裁判。母親の出廷は何より大きな注目を集めようが、その時の山上被告は一体、どんな表情を見せるだろう。 ジャーナリストの鈴木エイト氏が明かした、山上被告の知られざる肉声については前編を読む。「週刊新潮」2023年7月13日号 掲載
山上被告の母親は70歳。奈良県内のアパートで息を潜めるようにして、猫1匹と暮らしている。自転車で近所のスーパーに行き、食材や猫砂などのペット用品を買い求めたりする以外、外出することはほとんどない。
母親が人目を避けて暮らす一方で、拘置所にいる息子には支援者やファンがつき、それが騒ぎに発展することさえある。
さる6月12日、奈良地裁に不審な段ボール箱が届いた。中身は山上被告の減刑を求める嘆願署名だったことが後にわかるが、なぜか金属探知機が反応。その日は山上被告本人が公判前整理手続きに参加する予定だったところ、直前で急きょ中止された。
これまで山上被告の母親に話を聴いてきた本誌(「週刊新潮」)は改めて彼女に接触。いま何を思っているのか。
――近く公判前整理手続きが始まることはご存じか。
「そうみたいですね」
――ご子息から連絡があったのですか?
「そうじゃなくて。ネットニュースかなんかでね」
わが子に関するニュースはやはり気になっているらしい。実際、山上被告をモデルにした映画「REVOLUTION+1」(足立正生監督)が公開されたことについて水を向けると、こんなふうに答えた。
「ネットニュースでは見たことありますけどね。(作品は)観てはいないです」
山上被告が一部でヒーロー視されていることについても聞いた。息子さんのもとには、全国からファンレターが届いているそうだと。すると、母親は平静を装うように、こう口にした。
「そういうことは、聞いていますけどね」
――本人は喜んでいるのでしょうか。
「いや、わかりませんよ」
――現在、接見禁止は解除されていますが、連絡手段はお手紙で?
「……そうですね」
約5カ月半の鑑定留置を経て奈良地検が殺人と銃刀法違反の罪で起訴したのは今年1月。今や接見も可能だというのに、会えない事情でもあるのだろうか。
――会いには行かれない?
「……」
実は今年4月、母親は接見のため大阪拘置所を訪れている。しかし、山上から面会を断られていたという事実が報じられた。教団が依然正しいと考える母親を遠ざけたと見られる。
――事件への思いは? どう受け止めておられますか。
「ごめんなさいね」
母親はまず謝って、
「そういうことは代理人のかたにね……」
代理人。それは他ならぬ、統一教会の幹部である。依然として教団の影響下にある彼女は、内容次第では今も返答を拒む。
――ご遺族である安倍昭恵夫人に伝えたいことは?
「それも……代理人さんに聞いてください」
一方、息子への思いは時に言葉の端ににじむ。
――1年もの間、会えないと心配では?
「……前からね」
長らく息子を案じていたことは否定しなかった。
――では、公判が始まれば、見に行かれますか?
「なんか被害者の席はあるそうだけど、加害者のほうは普通の人と一緒で、抽選じゃないといけないらしいの」
残念そうな口ぶりだ。
「被害者のかたは優先的に座れるんだけど、加害者の家族はダメなんだって。でも仕方ないんでしょうね」
そして、何かを明かすような声音でこんな話をした。
「私も……証人をやらないといけないんですよね」
来年にも始まる山上被告の裁判員裁判。母親の出廷は何より大きな注目を集めようが、その時の山上被告は一体、どんな表情を見せるだろう。
ジャーナリストの鈴木エイト氏が明かした、山上被告の知られざる肉声については前編を読む。
「週刊新潮」2023年7月13日号 掲載