夫婦間でも絶対に「言ってはいけない言葉」だった…夫を家から追い出した40歳妻の深い後悔

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夫婦の間に不信感が積み重なり、どちらかが出ていく、あるいはどちらかが相手を追い出すというケースはときどき見聞きする。ただ、その後は、どうなることが多いのだろうか。
建設的な別居なのか、離婚につながる別居なのか。お互いに誤解が生じて、離婚するつもりもないのに別居したために離婚へと発展してしまうケースもあるようだ。
夫の浮気を疑い出すとキリがない夫の浮気を疑ってケンカが絶えなくなり、子どもたちが怯えるようになったので、とりあえず夫を追い出してしまったと言うのは、ミナさん(40歳)だ。
「結婚したのが35歳のときで、子どもたちは4歳と2歳。夫は6歳年下で、学生時代のサークルの後輩なんです。当時は知らなかったんですが、33歳のころ、サークルの同窓会で初めて出会って。つかず離れずで友だち付き合いをしていて、ある日突然、結婚してほしいと言われて。電撃結婚と周りには言われました」
結婚してからも、彼女が生活の主導権を握っていたが、夫は素直で彼女の頼みを何でも聞いてくれた。出産についてもまじめに勉強して万全なフォローをしてくれたという。
「ずっと愛されていると思っていたし、彼を大事にしたいと思っていた。でも私、そこにあぐらをかいていたのかもしれません。昨年の年末に、些細なことからケンカになって、なんだかムカつくので、夫の携帯を見たんですよ。何かが怪しいと思ったわけじゃなくて、ちょっと弱みを握ってやろうかという冗談半分、興味半分だった」
だが、彼と女性とのLINEのやりとりを見て、ミナさんは不倫を疑った。決定的な文言はなかったが、お互いを信頼しあっている雰囲気が伝わってきたのだ。
「これはいったい誰なのと、夫にいきなり携帯を突きつけました。夫は『中途入社で入ってきた新人で、指導社員としてめんどうをみてる。いろいろ苦労してきた人だから、ちょっと繊細すぎて大変なんだ』と言うんです。いや違う、浮気してるでしょと言ったら、今度は夫が怒り出した。
そんなに信用できないのか、今までのふたりの時間をどう思ってるんだ、そもそもなんで携帯を見るんだと。夫があんな大きな声を出したのは初めてでした。子どもたちが泣き出して、夫はあわてて『ごめんごめん、何でもないよ』と言ったけど、私は怪しいと思い込んだんです」
その後も折に触れてケンカが勃発。下の子がひきつけてしまったこともある。いいかげんにしろよと夫は呆れたように言った。
売り言葉に買い言葉で夫を追い出した「売り言葉に買い言葉だったんですよね。夫が『もうケンカはやめよう。不毛だよ』というので、『疑惑を追及されると困るんでしょ』と言ってしまった。私は不安だったんです。夫を失いたくなかった。
それなのに夫が『家族4人で楽しく暮らそうよ』と諭すように言ったとき、『そうやって私を丸め込もうとするのね』と叫んでしまった。どうしたらいいんだと言う夫に『出て行って』と言いました」
彼女は無意識のうちに夫を試してしまったのかもしれない。彼女が愛想を尽かしても、夫が自分を見捨てることなどあるはずがないと思っていたのだ。
「そうしたら夫、本当に出て行っちゃったんです。一瞬、焦ったけど、どうせすぐ戻ってくるだろうと思っていた。そうしたらその晩、帰ってこなかった。あわてて携帯に電話したけどつながらない。
その日は子どもたちを保育園に送って、私は出社して。夕方になって、夫にいつものように『今日は私が迎えに行くね。何時頃帰る?』とメッセージを送ったんだけど返事がない。電話しても出ない」
その晩も夫は帰ってこなかった。警察に連絡しようと思ったが、ひとまず夫の実家に連絡をとってみた。だが、夫は行っていなかった。
「夫の留守電に、警察に行方不明だと届け出る。それが嫌なら電話してとメッセージを残したら、電話がかかってきました。『きみが出て行けと言ったんだよ』って。『戻ってきて』と言ったら、『オレをおもちゃにするなよな』と」
その結果、夫はアパートを借りて本格的な別居となってしまった。先のことはまだ話し合っていないが、ミナさんは「どうしてこんなことになったのか」と嘆く。共通の友人によれば、夫に女性などいない、それどころか以前から家族のことばかり話していたそうだ。
「ときどき子どもたちには会いに来ます。ふたりを連れ出して遊んで送ってくると、私がご飯食べていってと言っても頑なに帰ってしまう。私が謝ればいいのかもしれないけど、今さらどうやって謝ったらいいのか。しかも疑いをもつようなやりとりをしていたのは夫のほうだし」
中途入社の社員の不安をなだめていたらしいメッセージのやりとりに、そこまで怒らなくてもよかったのではないだろうか。
「ずっと不安だったんです。年下の夫がいつか私のもとを去っていくのではないか、と。そんな不安を見せたことはないし、いつも強気に振る舞っていたけど、実は私はそんなに強くない。彼にそれをわかってほしかったのかもしれない……」
そんなことで別居生活が当たり前になってしまったら、もうふたりの関係は再構築できなくなる恐れもある。早く向き合って話したほうがいいし、彼女自身、それはわかっているのだろうが、ことの展開が早すぎて気持ちがついていかないとつぶやいた。
「別居なんかしないほうがいい。勢いで出て行ってなんて言わないほうがいい。夫婦どちらも、出て行けという言葉だけは言ってはいけない。今になるとそう思います」
愛されていることに自信があっただけに、この落差がきつい。彼女はげっそりした表情でそう言った。

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