〈神戸・6歳男児遺棄〉「ホスト遊びにハマってキャバクラで働くようになった」「彼氏を奪われた」高校で“一軍女子”だった沙喜容疑者(34)の光と影。タカラれた同級生の母親がそれでも“同情”する理由とは…

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「運動神経抜群の美人で、みんなの憧れだったのに……」神戸市西区のアパートで監禁されていた母親(57)が逃げ出して保護され、きょうだい4人が監禁容疑などで兵庫県警に逮捕されてから10日が経った。長女の沙喜容疑者(34)の長男・修くん(6)の変死体が自宅近くの草むらで見つかり、被害者である母親の虐待疑惑も浮上するなど、一連の事件は複雑な様相を呈している。事件の主導的役割は次男の大地容疑者(32)が担っていたとみられるが、子供時代から人あたりのよかった沙喜容疑者が「一家」の中心だったとも言われる。徹底した周辺取材で、沙喜容疑者の人物像を探った。

「古着あげたんやから、このペンダント買って」 神戸市垂水区の公営団地で育った沙喜容疑者は学習障害の傾向があり、地元の中学に進むとそこの支援学級で学び、高校は神戸市立の支援学校に通った。冒頭はその支援学校時代の同級生の母親のコメントだ。高校時代の沙喜容疑者は、輝いていたようだ。 移送される大地容疑者(写真/共同通信社) 「沙喜ちゃんはハーフ系の美人さんで、背も高いしスタイルもよくて、クラスの人気者でした。いわゆる“1軍女子”って感じの女の子で、部活もサッカー部に所属していて、運動神経もバツグン。毎年神戸で行われる『障碍者のじぎくスポーツ大会』にも、陸上の部門で出場していました。それだけ活発な生徒だったので、50~60人ほどの同級生は軽作業などが多い『B型作業所』に就職するなか、沙喜ちゃんだけはアパレル会社に就職したんですよ。だから同級生の間では憧れの的で、ウチの娘も『沙喜ちゃんは可愛いくてうらやましい』とよく話題にしていました。ほかの親御さんに聞いても、同じようなことを口にする方が多かったですね」(支援学校時代の同級生の母親) 沙喜容疑者の母親は保護者会などにも一切参加しなかったため、ママ友的なつながりは全くなかったが、地下鉄の車内で一度だけ顔をあわせたことがあったという。その印象が強烈だった。 「異様な雰囲気をまとっていました。神戸市営地下鉄で乗り合わせたんですが、沙喜ちゃんと妹さん2人だけを連れて座席に座っていました。お遍路さんのような真っ白な袈裟を着て、化粧っ気もまったくなくて、髪の毛も白髪交じりでボサボサでした。当時はまだ30代だったはずですけど、60歳ぐらいにしか見えないし、浮世離れしている感じがしました。あちらも私を同級生の母親と認識していたようで、なぜかニヤニヤとした視線を向けてくるので、ビックリして思わず目を逸らしてしまいました」(前同) 中学時代の沙喜容疑者(知人提供) 「一軍女子」は高校時代に、何かトラブルを起こしたことはなかったのだろうか。 「沙喜ちゃんは、表向きは先生ウケもいい子だったと思いますけど、実は何度かウチの子からお金をだまし取ったことがありました。ある日、娘が『これ沙喜ちゃんのお母さんからもらった』と古着のようなモノが入った紙袋を持って帰ってきたことがありました。その数日後、もしものためにと娘の財布に入れていた8千円のうち、5千円札がなくなっていたんです。そんなことが何度か続いたころに、娘の携帯に沙喜ちゃんから電話がかかってきたので、問い質してみたら、金づるみたいにされていたことがわかったんです。『この前、アレ渡したんやから、お金ちょうだい』とか『古着あげたんやから、このペンダント買って』みたいなことがそれまでに何度かあったそうで、ショックでした」 「○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…」 この女性は娘を通じて、沙喜容疑者が高校卒業後、ホスト遊びにハマってキャバクラで働くようになったことなども知っていた。 「娘と沙喜ちゃんはLINEでやり取りしたり、電話する仲が続いていました。沙喜ちゃんはアパレルブランドで働いていましたが、そのころにホストにハマって借金を作って、三ノ宮のキャバクラやガールズバーで働くようになったそうです。ちょうどそのころに一人暮らしを始めたそうで、ウチの娘も一度だけ遊びに行って『沙喜ちゃんがつくった手料理を食べた』と帰ってきたことがありました。最後に沙喜ちゃんと連絡を取ったのは、今から7~8年前くらい。そのころ、出会った男との間にお子さんを授かったそうですがうまくいかなかったようで『シングルマザーでもなんとか頑張っていく』と話していたそうです」 まもなく生まれた子が、修くんだった。シングルマザーを決意した沙喜容疑者だが、友人に父親への憧れを口にしたこともあったという。 「沙喜ちゃんが家庭の事情について話すことはほとんどありませんでしたが、何度か『ウチ、小学校1年生のころから家事やらされてるねん』と不満を漏らしたことがあったそうです。同時に『○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…』とため息をつくようなこともあったようです。 あと、ウチの娘はたまに『沙喜ちゃんの腕は、どうして白いの?』と言っていました。どうやら皮膚が白く変色している部分があったようで、今思えば打撲傷の跡だったのかもしれません。当時は、沙喜ちゃんがお母さんから暴行を受けているとまでは知らなかったので、事件後の報道に考えさせられることはあります」 虐待事件の現場となった集合住宅(撮影/集英社オンライン) そして女性は、こう続けた。 「沙喜ちゃんが犯した罪は決して許されることではないけど、同じ障がい者の子を持つ親としては、少し同情してしまいます。障がい児やハンデを抱えている子は、普通の子よりも親の影響を受けやすいんじゃないかと思うんです。小さいころから虐待を受け、暴力で押さえつけられてきたから、自分のお子さんにも同じことを繰り返してしまったのかもしれないですよね。だとしたらこの事件の責任は、沙喜ちゃんよりもお母さんの方が重いんじゃないかと思ってしまいました」 「私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない?」 一方、沙喜容疑者の高校時代の1学年上だった先輩女性は「あいつはとんでもない女やった」と一刀両断した。付き合っていた彼氏を奪われたというのだ。 「もともと中学時代からお互い『共同作業所』に通っていたし、家も近かったから、話したことはないけど沙喜とは顔なじみでした。高校に沙喜が後輩として入学してくると、美人でスタイルもいいから、私の学年でも彼女の存在はすぐに有名になりましたね。それこそ廊下ですれ違っても、いつも両隣には友達らしき女の子がいるような感じで…。いわゆる”人気者”って感じで、ちょっとうらやましく感じていました」 かつて一家が住んでいた集合住宅(撮影/集英社オンライン) ところが入学からしばらく経ったある日、異変が起きる。 「沙喜が私のクラスにいきなりやってきて『私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない』とケンカを売ってきたんです。『はぁ、何言ってんだコイツ?』と、その場で言い合いになりましたけど、結局、美人でスタイルのいい沙喜に彼氏を取られてしまって……。その一件以来、彼女のことは大嫌いになったんですけど、また半年後ぐらいにその男が『沙喜に捨てられたからもう一度付き合ってくれ』と言ってきて、ヨリを戻すことになりました。ところがそのまた1年後くらいに『彼氏と別れてくれない?』と沙喜がまたケンカを売ってきて。あの女は本当に付き合う気があるんじゃなくて、『ただ他人のモノを欲しかった』だけなんじゃないかと思います。私の他にも、似たような被害にあってる子もいましたし……」 「とんでもない女」に引っかき回された高校時代を思い出し、この「先輩」の声は怒気をはらんできた。 「とにかく沙喜は『都合がいいように使えるやつは使う』という態度で、人によってキャラを使い分ける子でした。同じクラスの友達とは仲良く接していたけど、私にはこんなひどいことをして……二度と関わりたくないです」 感情も欲望もコントロールできないまま、親になってしまったのだろうか。被虐と加虐の連鎖はいつ始まり、いつ終わるのか。取材を進めるほどに深い沼にハマっていくような感覚はおいそれとは消えない。 修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン) ※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
「運動神経抜群の美人で、みんなの憧れだったのに……」神戸市西区のアパートで監禁されていた母親(57)が逃げ出して保護され、きょうだい4人が監禁容疑などで兵庫県警に逮捕されてから10日が経った。長女の沙喜容疑者(34)の長男・修くん(6)の変死体が自宅近くの草むらで見つかり、被害者である母親の虐待疑惑も浮上するなど、一連の事件は複雑な様相を呈している。事件の主導的役割は次男の大地容疑者(32)が担っていたとみられるが、子供時代から人あたりのよかった沙喜容疑者が「一家」の中心だったとも言われる。徹底した周辺取材で、沙喜容疑者の人物像を探った。
「古着あげたんやから、このペンダント買って」 神戸市垂水区の公営団地で育った沙喜容疑者は学習障害の傾向があり、地元の中学に進むとそこの支援学級で学び、高校は神戸市立の支援学校に通った。冒頭はその支援学校時代の同級生の母親のコメントだ。高校時代の沙喜容疑者は、輝いていたようだ。 移送される大地容疑者(写真/共同通信社) 「沙喜ちゃんはハーフ系の美人さんで、背も高いしスタイルもよくて、クラスの人気者でした。いわゆる“1軍女子”って感じの女の子で、部活もサッカー部に所属していて、運動神経もバツグン。毎年神戸で行われる『障碍者のじぎくスポーツ大会』にも、陸上の部門で出場していました。それだけ活発な生徒だったので、50~60人ほどの同級生は軽作業などが多い『B型作業所』に就職するなか、沙喜ちゃんだけはアパレル会社に就職したんですよ。だから同級生の間では憧れの的で、ウチの娘も『沙喜ちゃんは可愛いくてうらやましい』とよく話題にしていました。ほかの親御さんに聞いても、同じようなことを口にする方が多かったですね」(支援学校時代の同級生の母親) 沙喜容疑者の母親は保護者会などにも一切参加しなかったため、ママ友的なつながりは全くなかったが、地下鉄の車内で一度だけ顔をあわせたことがあったという。その印象が強烈だった。 「異様な雰囲気をまとっていました。神戸市営地下鉄で乗り合わせたんですが、沙喜ちゃんと妹さん2人だけを連れて座席に座っていました。お遍路さんのような真っ白な袈裟を着て、化粧っ気もまったくなくて、髪の毛も白髪交じりでボサボサでした。当時はまだ30代だったはずですけど、60歳ぐらいにしか見えないし、浮世離れしている感じがしました。あちらも私を同級生の母親と認識していたようで、なぜかニヤニヤとした視線を向けてくるので、ビックリして思わず目を逸らしてしまいました」(前同) 中学時代の沙喜容疑者(知人提供) 「一軍女子」は高校時代に、何かトラブルを起こしたことはなかったのだろうか。 「沙喜ちゃんは、表向きは先生ウケもいい子だったと思いますけど、実は何度かウチの子からお金をだまし取ったことがありました。ある日、娘が『これ沙喜ちゃんのお母さんからもらった』と古着のようなモノが入った紙袋を持って帰ってきたことがありました。その数日後、もしものためにと娘の財布に入れていた8千円のうち、5千円札がなくなっていたんです。そんなことが何度か続いたころに、娘の携帯に沙喜ちゃんから電話がかかってきたので、問い質してみたら、金づるみたいにされていたことがわかったんです。『この前、アレ渡したんやから、お金ちょうだい』とか『古着あげたんやから、このペンダント買って』みたいなことがそれまでに何度かあったそうで、ショックでした」 「○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…」 この女性は娘を通じて、沙喜容疑者が高校卒業後、ホスト遊びにハマってキャバクラで働くようになったことなども知っていた。 「娘と沙喜ちゃんはLINEでやり取りしたり、電話する仲が続いていました。沙喜ちゃんはアパレルブランドで働いていましたが、そのころにホストにハマって借金を作って、三ノ宮のキャバクラやガールズバーで働くようになったそうです。ちょうどそのころに一人暮らしを始めたそうで、ウチの娘も一度だけ遊びに行って『沙喜ちゃんがつくった手料理を食べた』と帰ってきたことがありました。最後に沙喜ちゃんと連絡を取ったのは、今から7~8年前くらい。そのころ、出会った男との間にお子さんを授かったそうですがうまくいかなかったようで『シングルマザーでもなんとか頑張っていく』と話していたそうです」 まもなく生まれた子が、修くんだった。シングルマザーを決意した沙喜容疑者だが、友人に父親への憧れを口にしたこともあったという。 「沙喜ちゃんが家庭の事情について話すことはほとんどありませんでしたが、何度か『ウチ、小学校1年生のころから家事やらされてるねん』と不満を漏らしたことがあったそうです。同時に『○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…』とため息をつくようなこともあったようです。 あと、ウチの娘はたまに『沙喜ちゃんの腕は、どうして白いの?』と言っていました。どうやら皮膚が白く変色している部分があったようで、今思えば打撲傷の跡だったのかもしれません。当時は、沙喜ちゃんがお母さんから暴行を受けているとまでは知らなかったので、事件後の報道に考えさせられることはあります」 虐待事件の現場となった集合住宅(撮影/集英社オンライン) そして女性は、こう続けた。 「沙喜ちゃんが犯した罪は決して許されることではないけど、同じ障がい者の子を持つ親としては、少し同情してしまいます。障がい児やハンデを抱えている子は、普通の子よりも親の影響を受けやすいんじゃないかと思うんです。小さいころから虐待を受け、暴力で押さえつけられてきたから、自分のお子さんにも同じことを繰り返してしまったのかもしれないですよね。だとしたらこの事件の責任は、沙喜ちゃんよりもお母さんの方が重いんじゃないかと思ってしまいました」 「私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない?」 一方、沙喜容疑者の高校時代の1学年上だった先輩女性は「あいつはとんでもない女やった」と一刀両断した。付き合っていた彼氏を奪われたというのだ。 「もともと中学時代からお互い『共同作業所』に通っていたし、家も近かったから、話したことはないけど沙喜とは顔なじみでした。高校に沙喜が後輩として入学してくると、美人でスタイルもいいから、私の学年でも彼女の存在はすぐに有名になりましたね。それこそ廊下ですれ違っても、いつも両隣には友達らしき女の子がいるような感じで…。いわゆる”人気者”って感じで、ちょっとうらやましく感じていました」 かつて一家が住んでいた集合住宅(撮影/集英社オンライン) ところが入学からしばらく経ったある日、異変が起きる。 「沙喜が私のクラスにいきなりやってきて『私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない』とケンカを売ってきたんです。『はぁ、何言ってんだコイツ?』と、その場で言い合いになりましたけど、結局、美人でスタイルのいい沙喜に彼氏を取られてしまって……。その一件以来、彼女のことは大嫌いになったんですけど、また半年後ぐらいにその男が『沙喜に捨てられたからもう一度付き合ってくれ』と言ってきて、ヨリを戻すことになりました。ところがそのまた1年後くらいに『彼氏と別れてくれない?』と沙喜がまたケンカを売ってきて。あの女は本当に付き合う気があるんじゃなくて、『ただ他人のモノを欲しかった』だけなんじゃないかと思います。私の他にも、似たような被害にあってる子もいましたし……」 「とんでもない女」に引っかき回された高校時代を思い出し、この「先輩」の声は怒気をはらんできた。 「とにかく沙喜は『都合がいいように使えるやつは使う』という態度で、人によってキャラを使い分ける子でした。同じクラスの友達とは仲良く接していたけど、私にはこんなひどいことをして……二度と関わりたくないです」 感情も欲望もコントロールできないまま、親になってしまったのだろうか。被虐と加虐の連鎖はいつ始まり、いつ終わるのか。取材を進めるほどに深い沼にハマっていくような感覚はおいそれとは消えない。 修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン) ※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
「古着あげたんやから、このペンダント買って」 神戸市垂水区の公営団地で育った沙喜容疑者は学習障害の傾向があり、地元の中学に進むとそこの支援学級で学び、高校は神戸市立の支援学校に通った。冒頭はその支援学校時代の同級生の母親のコメントだ。高校時代の沙喜容疑者は、輝いていたようだ。 移送される大地容疑者(写真/共同通信社) 「沙喜ちゃんはハーフ系の美人さんで、背も高いしスタイルもよくて、クラスの人気者でした。いわゆる“1軍女子”って感じの女の子で、部活もサッカー部に所属していて、運動神経もバツグン。毎年神戸で行われる『障碍者のじぎくスポーツ大会』にも、陸上の部門で出場していました。それだけ活発な生徒だったので、50~60人ほどの同級生は軽作業などが多い『B型作業所』に就職するなか、沙喜ちゃんだけはアパレル会社に就職したんですよ。だから同級生の間では憧れの的で、ウチの娘も『沙喜ちゃんは可愛いくてうらやましい』とよく話題にしていました。ほかの親御さんに聞いても、同じようなことを口にする方が多かったですね」(支援学校時代の同級生の母親) 沙喜容疑者の母親は保護者会などにも一切参加しなかったため、ママ友的なつながりは全くなかったが、地下鉄の車内で一度だけ顔をあわせたことがあったという。その印象が強烈だった。 「異様な雰囲気をまとっていました。神戸市営地下鉄で乗り合わせたんですが、沙喜ちゃんと妹さん2人だけを連れて座席に座っていました。お遍路さんのような真っ白な袈裟を着て、化粧っ気もまったくなくて、髪の毛も白髪交じりでボサボサでした。当時はまだ30代だったはずですけど、60歳ぐらいにしか見えないし、浮世離れしている感じがしました。あちらも私を同級生の母親と認識していたようで、なぜかニヤニヤとした視線を向けてくるので、ビックリして思わず目を逸らしてしまいました」(前同) 中学時代の沙喜容疑者(知人提供) 「一軍女子」は高校時代に、何かトラブルを起こしたことはなかったのだろうか。 「沙喜ちゃんは、表向きは先生ウケもいい子だったと思いますけど、実は何度かウチの子からお金をだまし取ったことがありました。ある日、娘が『これ沙喜ちゃんのお母さんからもらった』と古着のようなモノが入った紙袋を持って帰ってきたことがありました。その数日後、もしものためにと娘の財布に入れていた8千円のうち、5千円札がなくなっていたんです。そんなことが何度か続いたころに、娘の携帯に沙喜ちゃんから電話がかかってきたので、問い質してみたら、金づるみたいにされていたことがわかったんです。『この前、アレ渡したんやから、お金ちょうだい』とか『古着あげたんやから、このペンダント買って』みたいなことがそれまでに何度かあったそうで、ショックでした」 「○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…」 この女性は娘を通じて、沙喜容疑者が高校卒業後、ホスト遊びにハマってキャバクラで働くようになったことなども知っていた。 「娘と沙喜ちゃんはLINEでやり取りしたり、電話する仲が続いていました。沙喜ちゃんはアパレルブランドで働いていましたが、そのころにホストにハマって借金を作って、三ノ宮のキャバクラやガールズバーで働くようになったそうです。ちょうどそのころに一人暮らしを始めたそうで、ウチの娘も一度だけ遊びに行って『沙喜ちゃんがつくった手料理を食べた』と帰ってきたことがありました。最後に沙喜ちゃんと連絡を取ったのは、今から7~8年前くらい。そのころ、出会った男との間にお子さんを授かったそうですがうまくいかなかったようで『シングルマザーでもなんとか頑張っていく』と話していたそうです」 まもなく生まれた子が、修くんだった。シングルマザーを決意した沙喜容疑者だが、友人に父親への憧れを口にしたこともあったという。 「沙喜ちゃんが家庭の事情について話すことはほとんどありませんでしたが、何度か『ウチ、小学校1年生のころから家事やらされてるねん』と不満を漏らしたことがあったそうです。同時に『○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…』とため息をつくようなこともあったようです。 あと、ウチの娘はたまに『沙喜ちゃんの腕は、どうして白いの?』と言っていました。どうやら皮膚が白く変色している部分があったようで、今思えば打撲傷の跡だったのかもしれません。当時は、沙喜ちゃんがお母さんから暴行を受けているとまでは知らなかったので、事件後の報道に考えさせられることはあります」 虐待事件の現場となった集合住宅(撮影/集英社オンライン) そして女性は、こう続けた。 「沙喜ちゃんが犯した罪は決して許されることではないけど、同じ障がい者の子を持つ親としては、少し同情してしまいます。障がい児やハンデを抱えている子は、普通の子よりも親の影響を受けやすいんじゃないかと思うんです。小さいころから虐待を受け、暴力で押さえつけられてきたから、自分のお子さんにも同じことを繰り返してしまったのかもしれないですよね。だとしたらこの事件の責任は、沙喜ちゃんよりもお母さんの方が重いんじゃないかと思ってしまいました」 「私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない?」 一方、沙喜容疑者の高校時代の1学年上だった先輩女性は「あいつはとんでもない女やった」と一刀両断した。付き合っていた彼氏を奪われたというのだ。 「もともと中学時代からお互い『共同作業所』に通っていたし、家も近かったから、話したことはないけど沙喜とは顔なじみでした。高校に沙喜が後輩として入学してくると、美人でスタイルもいいから、私の学年でも彼女の存在はすぐに有名になりましたね。それこそ廊下ですれ違っても、いつも両隣には友達らしき女の子がいるような感じで…。いわゆる”人気者”って感じで、ちょっとうらやましく感じていました」 かつて一家が住んでいた集合住宅(撮影/集英社オンライン) ところが入学からしばらく経ったある日、異変が起きる。 「沙喜が私のクラスにいきなりやってきて『私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない』とケンカを売ってきたんです。『はぁ、何言ってんだコイツ?』と、その場で言い合いになりましたけど、結局、美人でスタイルのいい沙喜に彼氏を取られてしまって……。その一件以来、彼女のことは大嫌いになったんですけど、また半年後ぐらいにその男が『沙喜に捨てられたからもう一度付き合ってくれ』と言ってきて、ヨリを戻すことになりました。ところがそのまた1年後くらいに『彼氏と別れてくれない?』と沙喜がまたケンカを売ってきて。あの女は本当に付き合う気があるんじゃなくて、『ただ他人のモノを欲しかった』だけなんじゃないかと思います。私の他にも、似たような被害にあってる子もいましたし……」 「とんでもない女」に引っかき回された高校時代を思い出し、この「先輩」の声は怒気をはらんできた。 「とにかく沙喜は『都合がいいように使えるやつは使う』という態度で、人によってキャラを使い分ける子でした。同じクラスの友達とは仲良く接していたけど、私にはこんなひどいことをして……二度と関わりたくないです」 感情も欲望もコントロールできないまま、親になってしまったのだろうか。被虐と加虐の連鎖はいつ始まり、いつ終わるのか。取材を進めるほどに深い沼にハマっていくような感覚はおいそれとは消えない。 修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン) ※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
神戸市垂水区の公営団地で育った沙喜容疑者は学習障害の傾向があり、地元の中学に進むとそこの支援学級で学び、高校は神戸市立の支援学校に通った。冒頭はその支援学校時代の同級生の母親のコメントだ。高校時代の沙喜容疑者は、輝いていたようだ。 移送される大地容疑者(写真/共同通信社) 「沙喜ちゃんはハーフ系の美人さんで、背も高いしスタイルもよくて、クラスの人気者でした。いわゆる“1軍女子”って感じの女の子で、部活もサッカー部に所属していて、運動神経もバツグン。毎年神戸で行われる『障碍者のじぎくスポーツ大会』にも、陸上の部門で出場していました。それだけ活発な生徒だったので、50~60人ほどの同級生は軽作業などが多い『B型作業所』に就職するなか、沙喜ちゃんだけはアパレル会社に就職したんですよ。だから同級生の間では憧れの的で、ウチの娘も『沙喜ちゃんは可愛いくてうらやましい』とよく話題にしていました。ほかの親御さんに聞いても、同じようなことを口にする方が多かったですね」(支援学校時代の同級生の母親) 沙喜容疑者の母親は保護者会などにも一切参加しなかったため、ママ友的なつながりは全くなかったが、地下鉄の車内で一度だけ顔をあわせたことがあったという。その印象が強烈だった。 「異様な雰囲気をまとっていました。神戸市営地下鉄で乗り合わせたんですが、沙喜ちゃんと妹さん2人だけを連れて座席に座っていました。お遍路さんのような真っ白な袈裟を着て、化粧っ気もまったくなくて、髪の毛も白髪交じりでボサボサでした。当時はまだ30代だったはずですけど、60歳ぐらいにしか見えないし、浮世離れしている感じがしました。あちらも私を同級生の母親と認識していたようで、なぜかニヤニヤとした視線を向けてくるので、ビックリして思わず目を逸らしてしまいました」(前同) 中学時代の沙喜容疑者(知人提供) 「一軍女子」は高校時代に、何かトラブルを起こしたことはなかったのだろうか。 「沙喜ちゃんは、表向きは先生ウケもいい子だったと思いますけど、実は何度かウチの子からお金をだまし取ったことがありました。ある日、娘が『これ沙喜ちゃんのお母さんからもらった』と古着のようなモノが入った紙袋を持って帰ってきたことがありました。その数日後、もしものためにと娘の財布に入れていた8千円のうち、5千円札がなくなっていたんです。そんなことが何度か続いたころに、娘の携帯に沙喜ちゃんから電話がかかってきたので、問い質してみたら、金づるみたいにされていたことがわかったんです。『この前、アレ渡したんやから、お金ちょうだい』とか『古着あげたんやから、このペンダント買って』みたいなことがそれまでに何度かあったそうで、ショックでした」 「○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…」 この女性は娘を通じて、沙喜容疑者が高校卒業後、ホスト遊びにハマってキャバクラで働くようになったことなども知っていた。 「娘と沙喜ちゃんはLINEでやり取りしたり、電話する仲が続いていました。沙喜ちゃんはアパレルブランドで働いていましたが、そのころにホストにハマって借金を作って、三ノ宮のキャバクラやガールズバーで働くようになったそうです。ちょうどそのころに一人暮らしを始めたそうで、ウチの娘も一度だけ遊びに行って『沙喜ちゃんがつくった手料理を食べた』と帰ってきたことがありました。最後に沙喜ちゃんと連絡を取ったのは、今から7~8年前くらい。そのころ、出会った男との間にお子さんを授かったそうですがうまくいかなかったようで『シングルマザーでもなんとか頑張っていく』と話していたそうです」 まもなく生まれた子が、修くんだった。シングルマザーを決意した沙喜容疑者だが、友人に父親への憧れを口にしたこともあったという。 「沙喜ちゃんが家庭の事情について話すことはほとんどありませんでしたが、何度か『ウチ、小学校1年生のころから家事やらされてるねん』と不満を漏らしたことがあったそうです。同時に『○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…』とため息をつくようなこともあったようです。 あと、ウチの娘はたまに『沙喜ちゃんの腕は、どうして白いの?』と言っていました。どうやら皮膚が白く変色している部分があったようで、今思えば打撲傷の跡だったのかもしれません。当時は、沙喜ちゃんがお母さんから暴行を受けているとまでは知らなかったので、事件後の報道に考えさせられることはあります」 虐待事件の現場となった集合住宅(撮影/集英社オンライン) そして女性は、こう続けた。 「沙喜ちゃんが犯した罪は決して許されることではないけど、同じ障がい者の子を持つ親としては、少し同情してしまいます。障がい児やハンデを抱えている子は、普通の子よりも親の影響を受けやすいんじゃないかと思うんです。小さいころから虐待を受け、暴力で押さえつけられてきたから、自分のお子さんにも同じことを繰り返してしまったのかもしれないですよね。だとしたらこの事件の責任は、沙喜ちゃんよりもお母さんの方が重いんじゃないかと思ってしまいました」 「私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない?」 一方、沙喜容疑者の高校時代の1学年上だった先輩女性は「あいつはとんでもない女やった」と一刀両断した。付き合っていた彼氏を奪われたというのだ。 「もともと中学時代からお互い『共同作業所』に通っていたし、家も近かったから、話したことはないけど沙喜とは顔なじみでした。高校に沙喜が後輩として入学してくると、美人でスタイルもいいから、私の学年でも彼女の存在はすぐに有名になりましたね。それこそ廊下ですれ違っても、いつも両隣には友達らしき女の子がいるような感じで…。いわゆる”人気者”って感じで、ちょっとうらやましく感じていました」 かつて一家が住んでいた集合住宅(撮影/集英社オンライン) ところが入学からしばらく経ったある日、異変が起きる。 「沙喜が私のクラスにいきなりやってきて『私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない』とケンカを売ってきたんです。『はぁ、何言ってんだコイツ?』と、その場で言い合いになりましたけど、結局、美人でスタイルのいい沙喜に彼氏を取られてしまって……。その一件以来、彼女のことは大嫌いになったんですけど、また半年後ぐらいにその男が『沙喜に捨てられたからもう一度付き合ってくれ』と言ってきて、ヨリを戻すことになりました。ところがそのまた1年後くらいに『彼氏と別れてくれない?』と沙喜がまたケンカを売ってきて。あの女は本当に付き合う気があるんじゃなくて、『ただ他人のモノを欲しかった』だけなんじゃないかと思います。私の他にも、似たような被害にあってる子もいましたし……」 「とんでもない女」に引っかき回された高校時代を思い出し、この「先輩」の声は怒気をはらんできた。 「とにかく沙喜は『都合がいいように使えるやつは使う』という態度で、人によってキャラを使い分ける子でした。同じクラスの友達とは仲良く接していたけど、私にはこんなひどいことをして……二度と関わりたくないです」 感情も欲望もコントロールできないまま、親になってしまったのだろうか。被虐と加虐の連鎖はいつ始まり、いつ終わるのか。取材を進めるほどに深い沼にハマっていくような感覚はおいそれとは消えない。 修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン) ※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
神戸市垂水区の公営団地で育った沙喜容疑者は学習障害の傾向があり、地元の中学に進むとそこの支援学級で学び、高校は神戸市立の支援学校に通った。冒頭はその支援学校時代の同級生の母親のコメントだ。高校時代の沙喜容疑者は、輝いていたようだ。
移送される大地容疑者(写真/共同通信社) 「沙喜ちゃんはハーフ系の美人さんで、背も高いしスタイルもよくて、クラスの人気者でした。いわゆる“1軍女子”って感じの女の子で、部活もサッカー部に所属していて、運動神経もバツグン。毎年神戸で行われる『障碍者のじぎくスポーツ大会』にも、陸上の部門で出場していました。それだけ活発な生徒だったので、50~60人ほどの同級生は軽作業などが多い『B型作業所』に就職するなか、沙喜ちゃんだけはアパレル会社に就職したんですよ。だから同級生の間では憧れの的で、ウチの娘も『沙喜ちゃんは可愛いくてうらやましい』とよく話題にしていました。ほかの親御さんに聞いても、同じようなことを口にする方が多かったですね」(支援学校時代の同級生の母親) 沙喜容疑者の母親は保護者会などにも一切参加しなかったため、ママ友的なつながりは全くなかったが、地下鉄の車内で一度だけ顔をあわせたことがあったという。その印象が強烈だった。 「異様な雰囲気をまとっていました。神戸市営地下鉄で乗り合わせたんですが、沙喜ちゃんと妹さん2人だけを連れて座席に座っていました。お遍路さんのような真っ白な袈裟を着て、化粧っ気もまったくなくて、髪の毛も白髪交じりでボサボサでした。当時はまだ30代だったはずですけど、60歳ぐらいにしか見えないし、浮世離れしている感じがしました。あちらも私を同級生の母親と認識していたようで、なぜかニヤニヤとした視線を向けてくるので、ビックリして思わず目を逸らしてしまいました」(前同) 中学時代の沙喜容疑者(知人提供) 「一軍女子」は高校時代に、何かトラブルを起こしたことはなかったのだろうか。 「沙喜ちゃんは、表向きは先生ウケもいい子だったと思いますけど、実は何度かウチの子からお金をだまし取ったことがありました。ある日、娘が『これ沙喜ちゃんのお母さんからもらった』と古着のようなモノが入った紙袋を持って帰ってきたことがありました。その数日後、もしものためにと娘の財布に入れていた8千円のうち、5千円札がなくなっていたんです。そんなことが何度か続いたころに、娘の携帯に沙喜ちゃんから電話がかかってきたので、問い質してみたら、金づるみたいにされていたことがわかったんです。『この前、アレ渡したんやから、お金ちょうだい』とか『古着あげたんやから、このペンダント買って』みたいなことがそれまでに何度かあったそうで、ショックでした」 「○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…」 この女性は娘を通じて、沙喜容疑者が高校卒業後、ホスト遊びにハマってキャバクラで働くようになったことなども知っていた。 「娘と沙喜ちゃんはLINEでやり取りしたり、電話する仲が続いていました。沙喜ちゃんはアパレルブランドで働いていましたが、そのころにホストにハマって借金を作って、三ノ宮のキャバクラやガールズバーで働くようになったそうです。ちょうどそのころに一人暮らしを始めたそうで、ウチの娘も一度だけ遊びに行って『沙喜ちゃんがつくった手料理を食べた』と帰ってきたことがありました。最後に沙喜ちゃんと連絡を取ったのは、今から7~8年前くらい。そのころ、出会った男との間にお子さんを授かったそうですがうまくいかなかったようで『シングルマザーでもなんとか頑張っていく』と話していたそうです」 まもなく生まれた子が、修くんだった。シングルマザーを決意した沙喜容疑者だが、友人に父親への憧れを口にしたこともあったという。 「沙喜ちゃんが家庭の事情について話すことはほとんどありませんでしたが、何度か『ウチ、小学校1年生のころから家事やらされてるねん』と不満を漏らしたことがあったそうです。同時に『○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…』とため息をつくようなこともあったようです。 あと、ウチの娘はたまに『沙喜ちゃんの腕は、どうして白いの?』と言っていました。どうやら皮膚が白く変色している部分があったようで、今思えば打撲傷の跡だったのかもしれません。当時は、沙喜ちゃんがお母さんから暴行を受けているとまでは知らなかったので、事件後の報道に考えさせられることはあります」 虐待事件の現場となった集合住宅(撮影/集英社オンライン) そして女性は、こう続けた。 「沙喜ちゃんが犯した罪は決して許されることではないけど、同じ障がい者の子を持つ親としては、少し同情してしまいます。障がい児やハンデを抱えている子は、普通の子よりも親の影響を受けやすいんじゃないかと思うんです。小さいころから虐待を受け、暴力で押さえつけられてきたから、自分のお子さんにも同じことを繰り返してしまったのかもしれないですよね。だとしたらこの事件の責任は、沙喜ちゃんよりもお母さんの方が重いんじゃないかと思ってしまいました」 「私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない?」 一方、沙喜容疑者の高校時代の1学年上だった先輩女性は「あいつはとんでもない女やった」と一刀両断した。付き合っていた彼氏を奪われたというのだ。 「もともと中学時代からお互い『共同作業所』に通っていたし、家も近かったから、話したことはないけど沙喜とは顔なじみでした。高校に沙喜が後輩として入学してくると、美人でスタイルもいいから、私の学年でも彼女の存在はすぐに有名になりましたね。それこそ廊下ですれ違っても、いつも両隣には友達らしき女の子がいるような感じで…。いわゆる”人気者”って感じで、ちょっとうらやましく感じていました」 かつて一家が住んでいた集合住宅(撮影/集英社オンライン) ところが入学からしばらく経ったある日、異変が起きる。 「沙喜が私のクラスにいきなりやってきて『私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない』とケンカを売ってきたんです。『はぁ、何言ってんだコイツ?』と、その場で言い合いになりましたけど、結局、美人でスタイルのいい沙喜に彼氏を取られてしまって……。その一件以来、彼女のことは大嫌いになったんですけど、また半年後ぐらいにその男が『沙喜に捨てられたからもう一度付き合ってくれ』と言ってきて、ヨリを戻すことになりました。ところがそのまた1年後くらいに『彼氏と別れてくれない?』と沙喜がまたケンカを売ってきて。あの女は本当に付き合う気があるんじゃなくて、『ただ他人のモノを欲しかった』だけなんじゃないかと思います。私の他にも、似たような被害にあってる子もいましたし……」 「とんでもない女」に引っかき回された高校時代を思い出し、この「先輩」の声は怒気をはらんできた。 「とにかく沙喜は『都合がいいように使えるやつは使う』という態度で、人によってキャラを使い分ける子でした。同じクラスの友達とは仲良く接していたけど、私にはこんなひどいことをして……二度と関わりたくないです」 感情も欲望もコントロールできないまま、親になってしまったのだろうか。被虐と加虐の連鎖はいつ始まり、いつ終わるのか。取材を進めるほどに深い沼にハマっていくような感覚はおいそれとは消えない。 修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン) ※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
移送される大地容疑者(写真/共同通信社) 「沙喜ちゃんはハーフ系の美人さんで、背も高いしスタイルもよくて、クラスの人気者でした。いわゆる“1軍女子”って感じの女の子で、部活もサッカー部に所属していて、運動神経もバツグン。毎年神戸で行われる『障碍者のじぎくスポーツ大会』にも、陸上の部門で出場していました。それだけ活発な生徒だったので、50~60人ほどの同級生は軽作業などが多い『B型作業所』に就職するなか、沙喜ちゃんだけはアパレル会社に就職したんですよ。だから同級生の間では憧れの的で、ウチの娘も『沙喜ちゃんは可愛いくてうらやましい』とよく話題にしていました。ほかの親御さんに聞いても、同じようなことを口にする方が多かったですね」(支援学校時代の同級生の母親) 沙喜容疑者の母親は保護者会などにも一切参加しなかったため、ママ友的なつながりは全くなかったが、地下鉄の車内で一度だけ顔をあわせたことがあったという。その印象が強烈だった。 「異様な雰囲気をまとっていました。神戸市営地下鉄で乗り合わせたんですが、沙喜ちゃんと妹さん2人だけを連れて座席に座っていました。お遍路さんのような真っ白な袈裟を着て、化粧っ気もまったくなくて、髪の毛も白髪交じりでボサボサでした。当時はまだ30代だったはずですけど、60歳ぐらいにしか見えないし、浮世離れしている感じがしました。あちらも私を同級生の母親と認識していたようで、なぜかニヤニヤとした視線を向けてくるので、ビックリして思わず目を逸らしてしまいました」(前同) 中学時代の沙喜容疑者(知人提供) 「一軍女子」は高校時代に、何かトラブルを起こしたことはなかったのだろうか。 「沙喜ちゃんは、表向きは先生ウケもいい子だったと思いますけど、実は何度かウチの子からお金をだまし取ったことがありました。ある日、娘が『これ沙喜ちゃんのお母さんからもらった』と古着のようなモノが入った紙袋を持って帰ってきたことがありました。その数日後、もしものためにと娘の財布に入れていた8千円のうち、5千円札がなくなっていたんです。そんなことが何度か続いたころに、娘の携帯に沙喜ちゃんから電話がかかってきたので、問い質してみたら、金づるみたいにされていたことがわかったんです。『この前、アレ渡したんやから、お金ちょうだい』とか『古着あげたんやから、このペンダント買って』みたいなことがそれまでに何度かあったそうで、ショックでした」 「○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…」 この女性は娘を通じて、沙喜容疑者が高校卒業後、ホスト遊びにハマってキャバクラで働くようになったことなども知っていた。 「娘と沙喜ちゃんはLINEでやり取りしたり、電話する仲が続いていました。沙喜ちゃんはアパレルブランドで働いていましたが、そのころにホストにハマって借金を作って、三ノ宮のキャバクラやガールズバーで働くようになったそうです。ちょうどそのころに一人暮らしを始めたそうで、ウチの娘も一度だけ遊びに行って『沙喜ちゃんがつくった手料理を食べた』と帰ってきたことがありました。最後に沙喜ちゃんと連絡を取ったのは、今から7~8年前くらい。そのころ、出会った男との間にお子さんを授かったそうですがうまくいかなかったようで『シングルマザーでもなんとか頑張っていく』と話していたそうです」 まもなく生まれた子が、修くんだった。シングルマザーを決意した沙喜容疑者だが、友人に父親への憧れを口にしたこともあったという。 「沙喜ちゃんが家庭の事情について話すことはほとんどありませんでしたが、何度か『ウチ、小学校1年生のころから家事やらされてるねん』と不満を漏らしたことがあったそうです。同時に『○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…』とため息をつくようなこともあったようです。 あと、ウチの娘はたまに『沙喜ちゃんの腕は、どうして白いの?』と言っていました。どうやら皮膚が白く変色している部分があったようで、今思えば打撲傷の跡だったのかもしれません。当時は、沙喜ちゃんがお母さんから暴行を受けているとまでは知らなかったので、事件後の報道に考えさせられることはあります」 虐待事件の現場となった集合住宅(撮影/集英社オンライン) そして女性は、こう続けた。 「沙喜ちゃんが犯した罪は決して許されることではないけど、同じ障がい者の子を持つ親としては、少し同情してしまいます。障がい児やハンデを抱えている子は、普通の子よりも親の影響を受けやすいんじゃないかと思うんです。小さいころから虐待を受け、暴力で押さえつけられてきたから、自分のお子さんにも同じことを繰り返してしまったのかもしれないですよね。だとしたらこの事件の責任は、沙喜ちゃんよりもお母さんの方が重いんじゃないかと思ってしまいました」 「私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない?」 一方、沙喜容疑者の高校時代の1学年上だった先輩女性は「あいつはとんでもない女やった」と一刀両断した。付き合っていた彼氏を奪われたというのだ。 「もともと中学時代からお互い『共同作業所』に通っていたし、家も近かったから、話したことはないけど沙喜とは顔なじみでした。高校に沙喜が後輩として入学してくると、美人でスタイルもいいから、私の学年でも彼女の存在はすぐに有名になりましたね。それこそ廊下ですれ違っても、いつも両隣には友達らしき女の子がいるような感じで…。いわゆる”人気者”って感じで、ちょっとうらやましく感じていました」 かつて一家が住んでいた集合住宅(撮影/集英社オンライン) ところが入学からしばらく経ったある日、異変が起きる。 「沙喜が私のクラスにいきなりやってきて『私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない』とケンカを売ってきたんです。『はぁ、何言ってんだコイツ?』と、その場で言い合いになりましたけど、結局、美人でスタイルのいい沙喜に彼氏を取られてしまって……。その一件以来、彼女のことは大嫌いになったんですけど、また半年後ぐらいにその男が『沙喜に捨てられたからもう一度付き合ってくれ』と言ってきて、ヨリを戻すことになりました。ところがそのまた1年後くらいに『彼氏と別れてくれない?』と沙喜がまたケンカを売ってきて。あの女は本当に付き合う気があるんじゃなくて、『ただ他人のモノを欲しかった』だけなんじゃないかと思います。私の他にも、似たような被害にあってる子もいましたし……」 「とんでもない女」に引っかき回された高校時代を思い出し、この「先輩」の声は怒気をはらんできた。 「とにかく沙喜は『都合がいいように使えるやつは使う』という態度で、人によってキャラを使い分ける子でした。同じクラスの友達とは仲良く接していたけど、私にはこんなひどいことをして……二度と関わりたくないです」 感情も欲望もコントロールできないまま、親になってしまったのだろうか。被虐と加虐の連鎖はいつ始まり、いつ終わるのか。取材を進めるほどに深い沼にハマっていくような感覚はおいそれとは消えない。 修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン) ※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
移送される大地容疑者(写真/共同通信社)
移送される大地容疑者(写真/共同通信社)

「沙喜ちゃんはハーフ系の美人さんで、背も高いしスタイルもよくて、クラスの人気者でした。いわゆる“1軍女子”って感じの女の子で、部活もサッカー部に所属していて、運動神経もバツグン。毎年神戸で行われる『障碍者のじぎくスポーツ大会』にも、陸上の部門で出場していました。それだけ活発な生徒だったので、50~60人ほどの同級生は軽作業などが多い『B型作業所』に就職するなか、沙喜ちゃんだけはアパレル会社に就職したんですよ。だから同級生の間では憧れの的で、ウチの娘も『沙喜ちゃんは可愛いくてうらやましい』とよく話題にしていました。ほかの親御さんに聞いても、同じようなことを口にする方が多かったですね」(支援学校時代の同級生の母親) 沙喜容疑者の母親は保護者会などにも一切参加しなかったため、ママ友的なつながりは全くなかったが、地下鉄の車内で一度だけ顔をあわせたことがあったという。その印象が強烈だった。 「異様な雰囲気をまとっていました。神戸市営地下鉄で乗り合わせたんですが、沙喜ちゃんと妹さん2人だけを連れて座席に座っていました。お遍路さんのような真っ白な袈裟を着て、化粧っ気もまったくなくて、髪の毛も白髪交じりでボサボサでした。当時はまだ30代だったはずですけど、60歳ぐらいにしか見えないし、浮世離れしている感じがしました。あちらも私を同級生の母親と認識していたようで、なぜかニヤニヤとした視線を向けてくるので、ビックリして思わず目を逸らしてしまいました」(前同) 中学時代の沙喜容疑者(知人提供) 「一軍女子」は高校時代に、何かトラブルを起こしたことはなかったのだろうか。 「沙喜ちゃんは、表向きは先生ウケもいい子だったと思いますけど、実は何度かウチの子からお金をだまし取ったことがありました。ある日、娘が『これ沙喜ちゃんのお母さんからもらった』と古着のようなモノが入った紙袋を持って帰ってきたことがありました。その数日後、もしものためにと娘の財布に入れていた8千円のうち、5千円札がなくなっていたんです。そんなことが何度か続いたころに、娘の携帯に沙喜ちゃんから電話がかかってきたので、問い質してみたら、金づるみたいにされていたことがわかったんです。『この前、アレ渡したんやから、お金ちょうだい』とか『古着あげたんやから、このペンダント買って』みたいなことがそれまでに何度かあったそうで、ショックでした」 「○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…」 この女性は娘を通じて、沙喜容疑者が高校卒業後、ホスト遊びにハマってキャバクラで働くようになったことなども知っていた。 「娘と沙喜ちゃんはLINEでやり取りしたり、電話する仲が続いていました。沙喜ちゃんはアパレルブランドで働いていましたが、そのころにホストにハマって借金を作って、三ノ宮のキャバクラやガールズバーで働くようになったそうです。ちょうどそのころに一人暮らしを始めたそうで、ウチの娘も一度だけ遊びに行って『沙喜ちゃんがつくった手料理を食べた』と帰ってきたことがありました。最後に沙喜ちゃんと連絡を取ったのは、今から7~8年前くらい。そのころ、出会った男との間にお子さんを授かったそうですがうまくいかなかったようで『シングルマザーでもなんとか頑張っていく』と話していたそうです」 まもなく生まれた子が、修くんだった。シングルマザーを決意した沙喜容疑者だが、友人に父親への憧れを口にしたこともあったという。 「沙喜ちゃんが家庭の事情について話すことはほとんどありませんでしたが、何度か『ウチ、小学校1年生のころから家事やらされてるねん』と不満を漏らしたことがあったそうです。同時に『○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…』とため息をつくようなこともあったようです。 あと、ウチの娘はたまに『沙喜ちゃんの腕は、どうして白いの?』と言っていました。どうやら皮膚が白く変色している部分があったようで、今思えば打撲傷の跡だったのかもしれません。当時は、沙喜ちゃんがお母さんから暴行を受けているとまでは知らなかったので、事件後の報道に考えさせられることはあります」 虐待事件の現場となった集合住宅(撮影/集英社オンライン) そして女性は、こう続けた。 「沙喜ちゃんが犯した罪は決して許されることではないけど、同じ障がい者の子を持つ親としては、少し同情してしまいます。障がい児やハンデを抱えている子は、普通の子よりも親の影響を受けやすいんじゃないかと思うんです。小さいころから虐待を受け、暴力で押さえつけられてきたから、自分のお子さんにも同じことを繰り返してしまったのかもしれないですよね。だとしたらこの事件の責任は、沙喜ちゃんよりもお母さんの方が重いんじゃないかと思ってしまいました」 「私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない?」 一方、沙喜容疑者の高校時代の1学年上だった先輩女性は「あいつはとんでもない女やった」と一刀両断した。付き合っていた彼氏を奪われたというのだ。 「もともと中学時代からお互い『共同作業所』に通っていたし、家も近かったから、話したことはないけど沙喜とは顔なじみでした。高校に沙喜が後輩として入学してくると、美人でスタイルもいいから、私の学年でも彼女の存在はすぐに有名になりましたね。それこそ廊下ですれ違っても、いつも両隣には友達らしき女の子がいるような感じで…。いわゆる”人気者”って感じで、ちょっとうらやましく感じていました」 かつて一家が住んでいた集合住宅(撮影/集英社オンライン) ところが入学からしばらく経ったある日、異変が起きる。 「沙喜が私のクラスにいきなりやってきて『私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない』とケンカを売ってきたんです。『はぁ、何言ってんだコイツ?』と、その場で言い合いになりましたけど、結局、美人でスタイルのいい沙喜に彼氏を取られてしまって……。その一件以来、彼女のことは大嫌いになったんですけど、また半年後ぐらいにその男が『沙喜に捨てられたからもう一度付き合ってくれ』と言ってきて、ヨリを戻すことになりました。ところがそのまた1年後くらいに『彼氏と別れてくれない?』と沙喜がまたケンカを売ってきて。あの女は本当に付き合う気があるんじゃなくて、『ただ他人のモノを欲しかった』だけなんじゃないかと思います。私の他にも、似たような被害にあってる子もいましたし……」 「とんでもない女」に引っかき回された高校時代を思い出し、この「先輩」の声は怒気をはらんできた。 「とにかく沙喜は『都合がいいように使えるやつは使う』という態度で、人によってキャラを使い分ける子でした。同じクラスの友達とは仲良く接していたけど、私にはこんなひどいことをして……二度と関わりたくないです」 感情も欲望もコントロールできないまま、親になってしまったのだろうか。被虐と加虐の連鎖はいつ始まり、いつ終わるのか。取材を進めるほどに深い沼にハマっていくような感覚はおいそれとは消えない。 修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン) ※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
「沙喜ちゃんはハーフ系の美人さんで、背も高いしスタイルもよくて、クラスの人気者でした。いわゆる“1軍女子”って感じの女の子で、部活もサッカー部に所属していて、運動神経もバツグン。毎年神戸で行われる『障碍者のじぎくスポーツ大会』にも、陸上の部門で出場していました。それだけ活発な生徒だったので、50~60人ほどの同級生は軽作業などが多い『B型作業所』に就職するなか、沙喜ちゃんだけはアパレル会社に就職したんですよ。だから同級生の間では憧れの的で、ウチの娘も『沙喜ちゃんは可愛いくてうらやましい』とよく話題にしていました。ほかの親御さんに聞いても、同じようなことを口にする方が多かったですね」(支援学校時代の同級生の母親)
沙喜容疑者の母親は保護者会などにも一切参加しなかったため、ママ友的なつながりは全くなかったが、地下鉄の車内で一度だけ顔をあわせたことがあったという。その印象が強烈だった。 「異様な雰囲気をまとっていました。神戸市営地下鉄で乗り合わせたんですが、沙喜ちゃんと妹さん2人だけを連れて座席に座っていました。お遍路さんのような真っ白な袈裟を着て、化粧っ気もまったくなくて、髪の毛も白髪交じりでボサボサでした。当時はまだ30代だったはずですけど、60歳ぐらいにしか見えないし、浮世離れしている感じがしました。あちらも私を同級生の母親と認識していたようで、なぜかニヤニヤとした視線を向けてくるので、ビックリして思わず目を逸らしてしまいました」(前同) 中学時代の沙喜容疑者(知人提供) 「一軍女子」は高校時代に、何かトラブルを起こしたことはなかったのだろうか。 「沙喜ちゃんは、表向きは先生ウケもいい子だったと思いますけど、実は何度かウチの子からお金をだまし取ったことがありました。ある日、娘が『これ沙喜ちゃんのお母さんからもらった』と古着のようなモノが入った紙袋を持って帰ってきたことがありました。その数日後、もしものためにと娘の財布に入れていた8千円のうち、5千円札がなくなっていたんです。そんなことが何度か続いたころに、娘の携帯に沙喜ちゃんから電話がかかってきたので、問い質してみたら、金づるみたいにされていたことがわかったんです。『この前、アレ渡したんやから、お金ちょうだい』とか『古着あげたんやから、このペンダント買って』みたいなことがそれまでに何度かあったそうで、ショックでした」 「○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…」 この女性は娘を通じて、沙喜容疑者が高校卒業後、ホスト遊びにハマってキャバクラで働くようになったことなども知っていた。 「娘と沙喜ちゃんはLINEでやり取りしたり、電話する仲が続いていました。沙喜ちゃんはアパレルブランドで働いていましたが、そのころにホストにハマって借金を作って、三ノ宮のキャバクラやガールズバーで働くようになったそうです。ちょうどそのころに一人暮らしを始めたそうで、ウチの娘も一度だけ遊びに行って『沙喜ちゃんがつくった手料理を食べた』と帰ってきたことがありました。最後に沙喜ちゃんと連絡を取ったのは、今から7~8年前くらい。そのころ、出会った男との間にお子さんを授かったそうですがうまくいかなかったようで『シングルマザーでもなんとか頑張っていく』と話していたそうです」 まもなく生まれた子が、修くんだった。シングルマザーを決意した沙喜容疑者だが、友人に父親への憧れを口にしたこともあったという。 「沙喜ちゃんが家庭の事情について話すことはほとんどありませんでしたが、何度か『ウチ、小学校1年生のころから家事やらされてるねん』と不満を漏らしたことがあったそうです。同時に『○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…』とため息をつくようなこともあったようです。 あと、ウチの娘はたまに『沙喜ちゃんの腕は、どうして白いの?』と言っていました。どうやら皮膚が白く変色している部分があったようで、今思えば打撲傷の跡だったのかもしれません。当時は、沙喜ちゃんがお母さんから暴行を受けているとまでは知らなかったので、事件後の報道に考えさせられることはあります」 虐待事件の現場となった集合住宅(撮影/集英社オンライン) そして女性は、こう続けた。 「沙喜ちゃんが犯した罪は決して許されることではないけど、同じ障がい者の子を持つ親としては、少し同情してしまいます。障がい児やハンデを抱えている子は、普通の子よりも親の影響を受けやすいんじゃないかと思うんです。小さいころから虐待を受け、暴力で押さえつけられてきたから、自分のお子さんにも同じことを繰り返してしまったのかもしれないですよね。だとしたらこの事件の責任は、沙喜ちゃんよりもお母さんの方が重いんじゃないかと思ってしまいました」 「私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない?」 一方、沙喜容疑者の高校時代の1学年上だった先輩女性は「あいつはとんでもない女やった」と一刀両断した。付き合っていた彼氏を奪われたというのだ。 「もともと中学時代からお互い『共同作業所』に通っていたし、家も近かったから、話したことはないけど沙喜とは顔なじみでした。高校に沙喜が後輩として入学してくると、美人でスタイルもいいから、私の学年でも彼女の存在はすぐに有名になりましたね。それこそ廊下ですれ違っても、いつも両隣には友達らしき女の子がいるような感じで…。いわゆる”人気者”って感じで、ちょっとうらやましく感じていました」 かつて一家が住んでいた集合住宅(撮影/集英社オンライン) ところが入学からしばらく経ったある日、異変が起きる。 「沙喜が私のクラスにいきなりやってきて『私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない』とケンカを売ってきたんです。『はぁ、何言ってんだコイツ?』と、その場で言い合いになりましたけど、結局、美人でスタイルのいい沙喜に彼氏を取られてしまって……。その一件以来、彼女のことは大嫌いになったんですけど、また半年後ぐらいにその男が『沙喜に捨てられたからもう一度付き合ってくれ』と言ってきて、ヨリを戻すことになりました。ところがそのまた1年後くらいに『彼氏と別れてくれない?』と沙喜がまたケンカを売ってきて。あの女は本当に付き合う気があるんじゃなくて、『ただ他人のモノを欲しかった』だけなんじゃないかと思います。私の他にも、似たような被害にあってる子もいましたし……」 「とんでもない女」に引っかき回された高校時代を思い出し、この「先輩」の声は怒気をはらんできた。 「とにかく沙喜は『都合がいいように使えるやつは使う』という態度で、人によってキャラを使い分ける子でした。同じクラスの友達とは仲良く接していたけど、私にはこんなひどいことをして……二度と関わりたくないです」 感情も欲望もコントロールできないまま、親になってしまったのだろうか。被虐と加虐の連鎖はいつ始まり、いつ終わるのか。取材を進めるほどに深い沼にハマっていくような感覚はおいそれとは消えない。 修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン) ※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
沙喜容疑者の母親は保護者会などにも一切参加しなかったため、ママ友的なつながりは全くなかったが、地下鉄の車内で一度だけ顔をあわせたことがあったという。その印象が強烈だった。
「異様な雰囲気をまとっていました。神戸市営地下鉄で乗り合わせたんですが、沙喜ちゃんと妹さん2人だけを連れて座席に座っていました。お遍路さんのような真っ白な袈裟を着て、化粧っ気もまったくなくて、髪の毛も白髪交じりでボサボサでした。当時はまだ30代だったはずですけど、60歳ぐらいにしか見えないし、浮世離れしている感じがしました。あちらも私を同級生の母親と認識していたようで、なぜかニヤニヤとした視線を向けてくるので、ビックリして思わず目を逸らしてしまいました」(前同) 中学時代の沙喜容疑者(知人提供) 「一軍女子」は高校時代に、何かトラブルを起こしたことはなかったのだろうか。 「沙喜ちゃんは、表向きは先生ウケもいい子だったと思いますけど、実は何度かウチの子からお金をだまし取ったことがありました。ある日、娘が『これ沙喜ちゃんのお母さんからもらった』と古着のようなモノが入った紙袋を持って帰ってきたことがありました。その数日後、もしものためにと娘の財布に入れていた8千円のうち、5千円札がなくなっていたんです。そんなことが何度か続いたころに、娘の携帯に沙喜ちゃんから電話がかかってきたので、問い質してみたら、金づるみたいにされていたことがわかったんです。『この前、アレ渡したんやから、お金ちょうだい』とか『古着あげたんやから、このペンダント買って』みたいなことがそれまでに何度かあったそうで、ショックでした」 「○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…」 この女性は娘を通じて、沙喜容疑者が高校卒業後、ホスト遊びにハマってキャバクラで働くようになったことなども知っていた。 「娘と沙喜ちゃんはLINEでやり取りしたり、電話する仲が続いていました。沙喜ちゃんはアパレルブランドで働いていましたが、そのころにホストにハマって借金を作って、三ノ宮のキャバクラやガールズバーで働くようになったそうです。ちょうどそのころに一人暮らしを始めたそうで、ウチの娘も一度だけ遊びに行って『沙喜ちゃんがつくった手料理を食べた』と帰ってきたことがありました。最後に沙喜ちゃんと連絡を取ったのは、今から7~8年前くらい。そのころ、出会った男との間にお子さんを授かったそうですがうまくいかなかったようで『シングルマザーでもなんとか頑張っていく』と話していたそうです」 まもなく生まれた子が、修くんだった。シングルマザーを決意した沙喜容疑者だが、友人に父親への憧れを口にしたこともあったという。 「沙喜ちゃんが家庭の事情について話すことはほとんどありませんでしたが、何度か『ウチ、小学校1年生のころから家事やらされてるねん』と不満を漏らしたことがあったそうです。同時に『○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…』とため息をつくようなこともあったようです。 あと、ウチの娘はたまに『沙喜ちゃんの腕は、どうして白いの?』と言っていました。どうやら皮膚が白く変色している部分があったようで、今思えば打撲傷の跡だったのかもしれません。当時は、沙喜ちゃんがお母さんから暴行を受けているとまでは知らなかったので、事件後の報道に考えさせられることはあります」 虐待事件の現場となった集合住宅(撮影/集英社オンライン) そして女性は、こう続けた。 「沙喜ちゃんが犯した罪は決して許されることではないけど、同じ障がい者の子を持つ親としては、少し同情してしまいます。障がい児やハンデを抱えている子は、普通の子よりも親の影響を受けやすいんじゃないかと思うんです。小さいころから虐待を受け、暴力で押さえつけられてきたから、自分のお子さんにも同じことを繰り返してしまったのかもしれないですよね。だとしたらこの事件の責任は、沙喜ちゃんよりもお母さんの方が重いんじゃないかと思ってしまいました」 「私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない?」 一方、沙喜容疑者の高校時代の1学年上だった先輩女性は「あいつはとんでもない女やった」と一刀両断した。付き合っていた彼氏を奪われたというのだ。 「もともと中学時代からお互い『共同作業所』に通っていたし、家も近かったから、話したことはないけど沙喜とは顔なじみでした。高校に沙喜が後輩として入学してくると、美人でスタイルもいいから、私の学年でも彼女の存在はすぐに有名になりましたね。それこそ廊下ですれ違っても、いつも両隣には友達らしき女の子がいるような感じで…。いわゆる”人気者”って感じで、ちょっとうらやましく感じていました」 かつて一家が住んでいた集合住宅(撮影/集英社オンライン) ところが入学からしばらく経ったある日、異変が起きる。 「沙喜が私のクラスにいきなりやってきて『私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない』とケンカを売ってきたんです。『はぁ、何言ってんだコイツ?』と、その場で言い合いになりましたけど、結局、美人でスタイルのいい沙喜に彼氏を取られてしまって……。その一件以来、彼女のことは大嫌いになったんですけど、また半年後ぐらいにその男が『沙喜に捨てられたからもう一度付き合ってくれ』と言ってきて、ヨリを戻すことになりました。ところがそのまた1年後くらいに『彼氏と別れてくれない?』と沙喜がまたケンカを売ってきて。あの女は本当に付き合う気があるんじゃなくて、『ただ他人のモノを欲しかった』だけなんじゃないかと思います。私の他にも、似たような被害にあってる子もいましたし……」 「とんでもない女」に引っかき回された高校時代を思い出し、この「先輩」の声は怒気をはらんできた。 「とにかく沙喜は『都合がいいように使えるやつは使う』という態度で、人によってキャラを使い分ける子でした。同じクラスの友達とは仲良く接していたけど、私にはこんなひどいことをして……二度と関わりたくないです」 感情も欲望もコントロールできないまま、親になってしまったのだろうか。被虐と加虐の連鎖はいつ始まり、いつ終わるのか。取材を進めるほどに深い沼にハマっていくような感覚はおいそれとは消えない。 修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン) ※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
「異様な雰囲気をまとっていました。神戸市営地下鉄で乗り合わせたんですが、沙喜ちゃんと妹さん2人だけを連れて座席に座っていました。お遍路さんのような真っ白な袈裟を着て、化粧っ気もまったくなくて、髪の毛も白髪交じりでボサボサでした。当時はまだ30代だったはずですけど、60歳ぐらいにしか見えないし、浮世離れしている感じがしました。あちらも私を同級生の母親と認識していたようで、なぜかニヤニヤとした視線を向けてくるので、ビックリして思わず目を逸らしてしまいました」(前同)
中学時代の沙喜容疑者(知人提供) 「一軍女子」は高校時代に、何かトラブルを起こしたことはなかったのだろうか。 「沙喜ちゃんは、表向きは先生ウケもいい子だったと思いますけど、実は何度かウチの子からお金をだまし取ったことがありました。ある日、娘が『これ沙喜ちゃんのお母さんからもらった』と古着のようなモノが入った紙袋を持って帰ってきたことがありました。その数日後、もしものためにと娘の財布に入れていた8千円のうち、5千円札がなくなっていたんです。そんなことが何度か続いたころに、娘の携帯に沙喜ちゃんから電話がかかってきたので、問い質してみたら、金づるみたいにされていたことがわかったんです。『この前、アレ渡したんやから、お金ちょうだい』とか『古着あげたんやから、このペンダント買って』みたいなことがそれまでに何度かあったそうで、ショックでした」 「○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…」 この女性は娘を通じて、沙喜容疑者が高校卒業後、ホスト遊びにハマってキャバクラで働くようになったことなども知っていた。 「娘と沙喜ちゃんはLINEでやり取りしたり、電話する仲が続いていました。沙喜ちゃんはアパレルブランドで働いていましたが、そのころにホストにハマって借金を作って、三ノ宮のキャバクラやガールズバーで働くようになったそうです。ちょうどそのころに一人暮らしを始めたそうで、ウチの娘も一度だけ遊びに行って『沙喜ちゃんがつくった手料理を食べた』と帰ってきたことがありました。最後に沙喜ちゃんと連絡を取ったのは、今から7~8年前くらい。そのころ、出会った男との間にお子さんを授かったそうですがうまくいかなかったようで『シングルマザーでもなんとか頑張っていく』と話していたそうです」 まもなく生まれた子が、修くんだった。シングルマザーを決意した沙喜容疑者だが、友人に父親への憧れを口にしたこともあったという。 「沙喜ちゃんが家庭の事情について話すことはほとんどありませんでしたが、何度か『ウチ、小学校1年生のころから家事やらされてるねん』と不満を漏らしたことがあったそうです。同時に『○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…』とため息をつくようなこともあったようです。 あと、ウチの娘はたまに『沙喜ちゃんの腕は、どうして白いの?』と言っていました。どうやら皮膚が白く変色している部分があったようで、今思えば打撲傷の跡だったのかもしれません。当時は、沙喜ちゃんがお母さんから暴行を受けているとまでは知らなかったので、事件後の報道に考えさせられることはあります」 虐待事件の現場となった集合住宅(撮影/集英社オンライン) そして女性は、こう続けた。 「沙喜ちゃんが犯した罪は決して許されることではないけど、同じ障がい者の子を持つ親としては、少し同情してしまいます。障がい児やハンデを抱えている子は、普通の子よりも親の影響を受けやすいんじゃないかと思うんです。小さいころから虐待を受け、暴力で押さえつけられてきたから、自分のお子さんにも同じことを繰り返してしまったのかもしれないですよね。だとしたらこの事件の責任は、沙喜ちゃんよりもお母さんの方が重いんじゃないかと思ってしまいました」 「私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない?」 一方、沙喜容疑者の高校時代の1学年上だった先輩女性は「あいつはとんでもない女やった」と一刀両断した。付き合っていた彼氏を奪われたというのだ。 「もともと中学時代からお互い『共同作業所』に通っていたし、家も近かったから、話したことはないけど沙喜とは顔なじみでした。高校に沙喜が後輩として入学してくると、美人でスタイルもいいから、私の学年でも彼女の存在はすぐに有名になりましたね。それこそ廊下ですれ違っても、いつも両隣には友達らしき女の子がいるような感じで…。いわゆる”人気者”って感じで、ちょっとうらやましく感じていました」 かつて一家が住んでいた集合住宅(撮影/集英社オンライン) ところが入学からしばらく経ったある日、異変が起きる。 「沙喜が私のクラスにいきなりやってきて『私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない』とケンカを売ってきたんです。『はぁ、何言ってんだコイツ?』と、その場で言い合いになりましたけど、結局、美人でスタイルのいい沙喜に彼氏を取られてしまって……。その一件以来、彼女のことは大嫌いになったんですけど、また半年後ぐらいにその男が『沙喜に捨てられたからもう一度付き合ってくれ』と言ってきて、ヨリを戻すことになりました。ところがそのまた1年後くらいに『彼氏と別れてくれない?』と沙喜がまたケンカを売ってきて。あの女は本当に付き合う気があるんじゃなくて、『ただ他人のモノを欲しかった』だけなんじゃないかと思います。私の他にも、似たような被害にあってる子もいましたし……」 「とんでもない女」に引っかき回された高校時代を思い出し、この「先輩」の声は怒気をはらんできた。 「とにかく沙喜は『都合がいいように使えるやつは使う』という態度で、人によってキャラを使い分ける子でした。同じクラスの友達とは仲良く接していたけど、私にはこんなひどいことをして……二度と関わりたくないです」 感情も欲望もコントロールできないまま、親になってしまったのだろうか。被虐と加虐の連鎖はいつ始まり、いつ終わるのか。取材を進めるほどに深い沼にハマっていくような感覚はおいそれとは消えない。 修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン) ※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
中学時代の沙喜容疑者(知人提供) 「一軍女子」は高校時代に、何かトラブルを起こしたことはなかったのだろうか。 「沙喜ちゃんは、表向きは先生ウケもいい子だったと思いますけど、実は何度かウチの子からお金をだまし取ったことがありました。ある日、娘が『これ沙喜ちゃんのお母さんからもらった』と古着のようなモノが入った紙袋を持って帰ってきたことがありました。その数日後、もしものためにと娘の財布に入れていた8千円のうち、5千円札がなくなっていたんです。そんなことが何度か続いたころに、娘の携帯に沙喜ちゃんから電話がかかってきたので、問い質してみたら、金づるみたいにされていたことがわかったんです。『この前、アレ渡したんやから、お金ちょうだい』とか『古着あげたんやから、このペンダント買って』みたいなことがそれまでに何度かあったそうで、ショックでした」 「○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…」 この女性は娘を通じて、沙喜容疑者が高校卒業後、ホスト遊びにハマってキャバクラで働くようになったことなども知っていた。 「娘と沙喜ちゃんはLINEでやり取りしたり、電話する仲が続いていました。沙喜ちゃんはアパレルブランドで働いていましたが、そのころにホストにハマって借金を作って、三ノ宮のキャバクラやガールズバーで働くようになったそうです。ちょうどそのころに一人暮らしを始めたそうで、ウチの娘も一度だけ遊びに行って『沙喜ちゃんがつくった手料理を食べた』と帰ってきたことがありました。最後に沙喜ちゃんと連絡を取ったのは、今から7~8年前くらい。そのころ、出会った男との間にお子さんを授かったそうですがうまくいかなかったようで『シングルマザーでもなんとか頑張っていく』と話していたそうです」 まもなく生まれた子が、修くんだった。シングルマザーを決意した沙喜容疑者だが、友人に父親への憧れを口にしたこともあったという。 「沙喜ちゃんが家庭の事情について話すことはほとんどありませんでしたが、何度か『ウチ、小学校1年生のころから家事やらされてるねん』と不満を漏らしたことがあったそうです。同時に『○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…』とため息をつくようなこともあったようです。 あと、ウチの娘はたまに『沙喜ちゃんの腕は、どうして白いの?』と言っていました。どうやら皮膚が白く変色している部分があったようで、今思えば打撲傷の跡だったのかもしれません。当時は、沙喜ちゃんがお母さんから暴行を受けているとまでは知らなかったので、事件後の報道に考えさせられることはあります」 虐待事件の現場となった集合住宅(撮影/集英社オンライン) そして女性は、こう続けた。 「沙喜ちゃんが犯した罪は決して許されることではないけど、同じ障がい者の子を持つ親としては、少し同情してしまいます。障がい児やハンデを抱えている子は、普通の子よりも親の影響を受けやすいんじゃないかと思うんです。小さいころから虐待を受け、暴力で押さえつけられてきたから、自分のお子さんにも同じことを繰り返してしまったのかもしれないですよね。だとしたらこの事件の責任は、沙喜ちゃんよりもお母さんの方が重いんじゃないかと思ってしまいました」 「私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない?」 一方、沙喜容疑者の高校時代の1学年上だった先輩女性は「あいつはとんでもない女やった」と一刀両断した。付き合っていた彼氏を奪われたというのだ。 「もともと中学時代からお互い『共同作業所』に通っていたし、家も近かったから、話したことはないけど沙喜とは顔なじみでした。高校に沙喜が後輩として入学してくると、美人でスタイルもいいから、私の学年でも彼女の存在はすぐに有名になりましたね。それこそ廊下ですれ違っても、いつも両隣には友達らしき女の子がいるような感じで…。いわゆる”人気者”って感じで、ちょっとうらやましく感じていました」 かつて一家が住んでいた集合住宅(撮影/集英社オンライン) ところが入学からしばらく経ったある日、異変が起きる。 「沙喜が私のクラスにいきなりやってきて『私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない』とケンカを売ってきたんです。『はぁ、何言ってんだコイツ?』と、その場で言い合いになりましたけど、結局、美人でスタイルのいい沙喜に彼氏を取られてしまって……。その一件以来、彼女のことは大嫌いになったんですけど、また半年後ぐらいにその男が『沙喜に捨てられたからもう一度付き合ってくれ』と言ってきて、ヨリを戻すことになりました。ところがそのまた1年後くらいに『彼氏と別れてくれない?』と沙喜がまたケンカを売ってきて。あの女は本当に付き合う気があるんじゃなくて、『ただ他人のモノを欲しかった』だけなんじゃないかと思います。私の他にも、似たような被害にあってる子もいましたし……」 「とんでもない女」に引っかき回された高校時代を思い出し、この「先輩」の声は怒気をはらんできた。 「とにかく沙喜は『都合がいいように使えるやつは使う』という態度で、人によってキャラを使い分ける子でした。同じクラスの友達とは仲良く接していたけど、私にはこんなひどいことをして……二度と関わりたくないです」 感情も欲望もコントロールできないまま、親になってしまったのだろうか。被虐と加虐の連鎖はいつ始まり、いつ終わるのか。取材を進めるほどに深い沼にハマっていくような感覚はおいそれとは消えない。 修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン) ※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
中学時代の沙喜容疑者(知人提供)
中学時代の沙喜容疑者(知人提供)

「一軍女子」は高校時代に、何かトラブルを起こしたことはなかったのだろうか。 「沙喜ちゃんは、表向きは先生ウケもいい子だったと思いますけど、実は何度かウチの子からお金をだまし取ったことがありました。ある日、娘が『これ沙喜ちゃんのお母さんからもらった』と古着のようなモノが入った紙袋を持って帰ってきたことがありました。その数日後、もしものためにと娘の財布に入れていた8千円のうち、5千円札がなくなっていたんです。そんなことが何度か続いたころに、娘の携帯に沙喜ちゃんから電話がかかってきたので、問い質してみたら、金づるみたいにされていたことがわかったんです。『この前、アレ渡したんやから、お金ちょうだい』とか『古着あげたんやから、このペンダント買って』みたいなことがそれまでに何度かあったそうで、ショックでした」 「○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…」 この女性は娘を通じて、沙喜容疑者が高校卒業後、ホスト遊びにハマってキャバクラで働くようになったことなども知っていた。 「娘と沙喜ちゃんはLINEでやり取りしたり、電話する仲が続いていました。沙喜ちゃんはアパレルブランドで働いていましたが、そのころにホストにハマって借金を作って、三ノ宮のキャバクラやガールズバーで働くようになったそうです。ちょうどそのころに一人暮らしを始めたそうで、ウチの娘も一度だけ遊びに行って『沙喜ちゃんがつくった手料理を食べた』と帰ってきたことがありました。最後に沙喜ちゃんと連絡を取ったのは、今から7~8年前くらい。そのころ、出会った男との間にお子さんを授かったそうですがうまくいかなかったようで『シングルマザーでもなんとか頑張っていく』と話していたそうです」 まもなく生まれた子が、修くんだった。シングルマザーを決意した沙喜容疑者だが、友人に父親への憧れを口にしたこともあったという。 「沙喜ちゃんが家庭の事情について話すことはほとんどありませんでしたが、何度か『ウチ、小学校1年生のころから家事やらされてるねん』と不満を漏らしたことがあったそうです。同時に『○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…』とため息をつくようなこともあったようです。 あと、ウチの娘はたまに『沙喜ちゃんの腕は、どうして白いの?』と言っていました。どうやら皮膚が白く変色している部分があったようで、今思えば打撲傷の跡だったのかもしれません。当時は、沙喜ちゃんがお母さんから暴行を受けているとまでは知らなかったので、事件後の報道に考えさせられることはあります」 虐待事件の現場となった集合住宅(撮影/集英社オンライン) そして女性は、こう続けた。 「沙喜ちゃんが犯した罪は決して許されることではないけど、同じ障がい者の子を持つ親としては、少し同情してしまいます。障がい児やハンデを抱えている子は、普通の子よりも親の影響を受けやすいんじゃないかと思うんです。小さいころから虐待を受け、暴力で押さえつけられてきたから、自分のお子さんにも同じことを繰り返してしまったのかもしれないですよね。だとしたらこの事件の責任は、沙喜ちゃんよりもお母さんの方が重いんじゃないかと思ってしまいました」 「私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない?」 一方、沙喜容疑者の高校時代の1学年上だった先輩女性は「あいつはとんでもない女やった」と一刀両断した。付き合っていた彼氏を奪われたというのだ。 「もともと中学時代からお互い『共同作業所』に通っていたし、家も近かったから、話したことはないけど沙喜とは顔なじみでした。高校に沙喜が後輩として入学してくると、美人でスタイルもいいから、私の学年でも彼女の存在はすぐに有名になりましたね。それこそ廊下ですれ違っても、いつも両隣には友達らしき女の子がいるような感じで…。いわゆる”人気者”って感じで、ちょっとうらやましく感じていました」 かつて一家が住んでいた集合住宅(撮影/集英社オンライン) ところが入学からしばらく経ったある日、異変が起きる。 「沙喜が私のクラスにいきなりやってきて『私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない』とケンカを売ってきたんです。『はぁ、何言ってんだコイツ?』と、その場で言い合いになりましたけど、結局、美人でスタイルのいい沙喜に彼氏を取られてしまって……。その一件以来、彼女のことは大嫌いになったんですけど、また半年後ぐらいにその男が『沙喜に捨てられたからもう一度付き合ってくれ』と言ってきて、ヨリを戻すことになりました。ところがそのまた1年後くらいに『彼氏と別れてくれない?』と沙喜がまたケンカを売ってきて。あの女は本当に付き合う気があるんじゃなくて、『ただ他人のモノを欲しかった』だけなんじゃないかと思います。私の他にも、似たような被害にあってる子もいましたし……」 「とんでもない女」に引っかき回された高校時代を思い出し、この「先輩」の声は怒気をはらんできた。 「とにかく沙喜は『都合がいいように使えるやつは使う』という態度で、人によってキャラを使い分ける子でした。同じクラスの友達とは仲良く接していたけど、私にはこんなひどいことをして……二度と関わりたくないです」 感情も欲望もコントロールできないまま、親になってしまったのだろうか。被虐と加虐の連鎖はいつ始まり、いつ終わるのか。取材を進めるほどに深い沼にハマっていくような感覚はおいそれとは消えない。 修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン) ※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
「一軍女子」は高校時代に、何かトラブルを起こしたことはなかったのだろうか。
「沙喜ちゃんは、表向きは先生ウケもいい子だったと思いますけど、実は何度かウチの子からお金をだまし取ったことがありました。ある日、娘が『これ沙喜ちゃんのお母さんからもらった』と古着のようなモノが入った紙袋を持って帰ってきたことがありました。その数日後、もしものためにと娘の財布に入れていた8千円のうち、5千円札がなくなっていたんです。そんなことが何度か続いたころに、娘の携帯に沙喜ちゃんから電話がかかってきたので、問い質してみたら、金づるみたいにされていたことがわかったんです。『この前、アレ渡したんやから、お金ちょうだい』とか『古着あげたんやから、このペンダント買って』みたいなことがそれまでに何度かあったそうで、ショックでした」 「○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…」 この女性は娘を通じて、沙喜容疑者が高校卒業後、ホスト遊びにハマってキャバクラで働くようになったことなども知っていた。 「娘と沙喜ちゃんはLINEでやり取りしたり、電話する仲が続いていました。沙喜ちゃんはアパレルブランドで働いていましたが、そのころにホストにハマって借金を作って、三ノ宮のキャバクラやガールズバーで働くようになったそうです。ちょうどそのころに一人暮らしを始めたそうで、ウチの娘も一度だけ遊びに行って『沙喜ちゃんがつくった手料理を食べた』と帰ってきたことがありました。最後に沙喜ちゃんと連絡を取ったのは、今から7~8年前くらい。そのころ、出会った男との間にお子さんを授かったそうですがうまくいかなかったようで『シングルマザーでもなんとか頑張っていく』と話していたそうです」 まもなく生まれた子が、修くんだった。シングルマザーを決意した沙喜容疑者だが、友人に父親への憧れを口にしたこともあったという。 「沙喜ちゃんが家庭の事情について話すことはほとんどありませんでしたが、何度か『ウチ、小学校1年生のころから家事やらされてるねん』と不満を漏らしたことがあったそうです。同時に『○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…』とため息をつくようなこともあったようです。 あと、ウチの娘はたまに『沙喜ちゃんの腕は、どうして白いの?』と言っていました。どうやら皮膚が白く変色している部分があったようで、今思えば打撲傷の跡だったのかもしれません。当時は、沙喜ちゃんがお母さんから暴行を受けているとまでは知らなかったので、事件後の報道に考えさせられることはあります」 虐待事件の現場となった集合住宅(撮影/集英社オンライン) そして女性は、こう続けた。 「沙喜ちゃんが犯した罪は決して許されることではないけど、同じ障がい者の子を持つ親としては、少し同情してしまいます。障がい児やハンデを抱えている子は、普通の子よりも親の影響を受けやすいんじゃないかと思うんです。小さいころから虐待を受け、暴力で押さえつけられてきたから、自分のお子さんにも同じことを繰り返してしまったのかもしれないですよね。だとしたらこの事件の責任は、沙喜ちゃんよりもお母さんの方が重いんじゃないかと思ってしまいました」 「私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない?」 一方、沙喜容疑者の高校時代の1学年上だった先輩女性は「あいつはとんでもない女やった」と一刀両断した。付き合っていた彼氏を奪われたというのだ。 「もともと中学時代からお互い『共同作業所』に通っていたし、家も近かったから、話したことはないけど沙喜とは顔なじみでした。高校に沙喜が後輩として入学してくると、美人でスタイルもいいから、私の学年でも彼女の存在はすぐに有名になりましたね。それこそ廊下ですれ違っても、いつも両隣には友達らしき女の子がいるような感じで…。いわゆる”人気者”って感じで、ちょっとうらやましく感じていました」 かつて一家が住んでいた集合住宅(撮影/集英社オンライン) ところが入学からしばらく経ったある日、異変が起きる。 「沙喜が私のクラスにいきなりやってきて『私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない』とケンカを売ってきたんです。『はぁ、何言ってんだコイツ?』と、その場で言い合いになりましたけど、結局、美人でスタイルのいい沙喜に彼氏を取られてしまって……。その一件以来、彼女のことは大嫌いになったんですけど、また半年後ぐらいにその男が『沙喜に捨てられたからもう一度付き合ってくれ』と言ってきて、ヨリを戻すことになりました。ところがそのまた1年後くらいに『彼氏と別れてくれない?』と沙喜がまたケンカを売ってきて。あの女は本当に付き合う気があるんじゃなくて、『ただ他人のモノを欲しかった』だけなんじゃないかと思います。私の他にも、似たような被害にあってる子もいましたし……」 「とんでもない女」に引っかき回された高校時代を思い出し、この「先輩」の声は怒気をはらんできた。 「とにかく沙喜は『都合がいいように使えるやつは使う』という態度で、人によってキャラを使い分ける子でした。同じクラスの友達とは仲良く接していたけど、私にはこんなひどいことをして……二度と関わりたくないです」 感情も欲望もコントロールできないまま、親になってしまったのだろうか。被虐と加虐の連鎖はいつ始まり、いつ終わるのか。取材を進めるほどに深い沼にハマっていくような感覚はおいそれとは消えない。 修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン) ※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
「沙喜ちゃんは、表向きは先生ウケもいい子だったと思いますけど、実は何度かウチの子からお金をだまし取ったことがありました。ある日、娘が『これ沙喜ちゃんのお母さんからもらった』と古着のようなモノが入った紙袋を持って帰ってきたことがありました。その数日後、もしものためにと娘の財布に入れていた8千円のうち、5千円札がなくなっていたんです。そんなことが何度か続いたころに、娘の携帯に沙喜ちゃんから電話がかかってきたので、問い質してみたら、金づるみたいにされていたことがわかったんです。『この前、アレ渡したんやから、お金ちょうだい』とか『古着あげたんやから、このペンダント買って』みたいなことがそれまでに何度かあったそうで、ショックでした」
「○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…」 この女性は娘を通じて、沙喜容疑者が高校卒業後、ホスト遊びにハマってキャバクラで働くようになったことなども知っていた。 「娘と沙喜ちゃんはLINEでやり取りしたり、電話する仲が続いていました。沙喜ちゃんはアパレルブランドで働いていましたが、そのころにホストにハマって借金を作って、三ノ宮のキャバクラやガールズバーで働くようになったそうです。ちょうどそのころに一人暮らしを始めたそうで、ウチの娘も一度だけ遊びに行って『沙喜ちゃんがつくった手料理を食べた』と帰ってきたことがありました。最後に沙喜ちゃんと連絡を取ったのは、今から7~8年前くらい。そのころ、出会った男との間にお子さんを授かったそうですがうまくいかなかったようで『シングルマザーでもなんとか頑張っていく』と話していたそうです」 まもなく生まれた子が、修くんだった。シングルマザーを決意した沙喜容疑者だが、友人に父親への憧れを口にしたこともあったという。 「沙喜ちゃんが家庭の事情について話すことはほとんどありませんでしたが、何度か『ウチ、小学校1年生のころから家事やらされてるねん』と不満を漏らしたことがあったそうです。同時に『○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…』とため息をつくようなこともあったようです。 あと、ウチの娘はたまに『沙喜ちゃんの腕は、どうして白いの?』と言っていました。どうやら皮膚が白く変色している部分があったようで、今思えば打撲傷の跡だったのかもしれません。当時は、沙喜ちゃんがお母さんから暴行を受けているとまでは知らなかったので、事件後の報道に考えさせられることはあります」 虐待事件の現場となった集合住宅(撮影/集英社オンライン) そして女性は、こう続けた。 「沙喜ちゃんが犯した罪は決して許されることではないけど、同じ障がい者の子を持つ親としては、少し同情してしまいます。障がい児やハンデを抱えている子は、普通の子よりも親の影響を受けやすいんじゃないかと思うんです。小さいころから虐待を受け、暴力で押さえつけられてきたから、自分のお子さんにも同じことを繰り返してしまったのかもしれないですよね。だとしたらこの事件の責任は、沙喜ちゃんよりもお母さんの方が重いんじゃないかと思ってしまいました」 「私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない?」 一方、沙喜容疑者の高校時代の1学年上だった先輩女性は「あいつはとんでもない女やった」と一刀両断した。付き合っていた彼氏を奪われたというのだ。 「もともと中学時代からお互い『共同作業所』に通っていたし、家も近かったから、話したことはないけど沙喜とは顔なじみでした。高校に沙喜が後輩として入学してくると、美人でスタイルもいいから、私の学年でも彼女の存在はすぐに有名になりましたね。それこそ廊下ですれ違っても、いつも両隣には友達らしき女の子がいるような感じで…。いわゆる”人気者”って感じで、ちょっとうらやましく感じていました」 かつて一家が住んでいた集合住宅(撮影/集英社オンライン) ところが入学からしばらく経ったある日、異変が起きる。 「沙喜が私のクラスにいきなりやってきて『私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない』とケンカを売ってきたんです。『はぁ、何言ってんだコイツ?』と、その場で言い合いになりましたけど、結局、美人でスタイルのいい沙喜に彼氏を取られてしまって……。その一件以来、彼女のことは大嫌いになったんですけど、また半年後ぐらいにその男が『沙喜に捨てられたからもう一度付き合ってくれ』と言ってきて、ヨリを戻すことになりました。ところがそのまた1年後くらいに『彼氏と別れてくれない?』と沙喜がまたケンカを売ってきて。あの女は本当に付き合う気があるんじゃなくて、『ただ他人のモノを欲しかった』だけなんじゃないかと思います。私の他にも、似たような被害にあってる子もいましたし……」 「とんでもない女」に引っかき回された高校時代を思い出し、この「先輩」の声は怒気をはらんできた。 「とにかく沙喜は『都合がいいように使えるやつは使う』という態度で、人によってキャラを使い分ける子でした。同じクラスの友達とは仲良く接していたけど、私にはこんなひどいことをして……二度と関わりたくないです」 感情も欲望もコントロールできないまま、親になってしまったのだろうか。被虐と加虐の連鎖はいつ始まり、いつ終わるのか。取材を進めるほどに深い沼にハマっていくような感覚はおいそれとは消えない。 修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン) ※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
「○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…」 この女性は娘を通じて、沙喜容疑者が高校卒業後、ホスト遊びにハマってキャバクラで働くようになったことなども知っていた。 「娘と沙喜ちゃんはLINEでやり取りしたり、電話する仲が続いていました。沙喜ちゃんはアパレルブランドで働いていましたが、そのころにホストにハマって借金を作って、三ノ宮のキャバクラやガールズバーで働くようになったそうです。ちょうどそのころに一人暮らしを始めたそうで、ウチの娘も一度だけ遊びに行って『沙喜ちゃんがつくった手料理を食べた』と帰ってきたことがありました。最後に沙喜ちゃんと連絡を取ったのは、今から7~8年前くらい。そのころ、出会った男との間にお子さんを授かったそうですがうまくいかなかったようで『シングルマザーでもなんとか頑張っていく』と話していたそうです」 まもなく生まれた子が、修くんだった。シングルマザーを決意した沙喜容疑者だが、友人に父親への憧れを口にしたこともあったという。 「沙喜ちゃんが家庭の事情について話すことはほとんどありませんでしたが、何度か『ウチ、小学校1年生のころから家事やらされてるねん』と不満を漏らしたことがあったそうです。同時に『○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…』とため息をつくようなこともあったようです。 あと、ウチの娘はたまに『沙喜ちゃんの腕は、どうして白いの?』と言っていました。どうやら皮膚が白く変色している部分があったようで、今思えば打撲傷の跡だったのかもしれません。当時は、沙喜ちゃんがお母さんから暴行を受けているとまでは知らなかったので、事件後の報道に考えさせられることはあります」 虐待事件の現場となった集合住宅(撮影/集英社オンライン) そして女性は、こう続けた。 「沙喜ちゃんが犯した罪は決して許されることではないけど、同じ障がい者の子を持つ親としては、少し同情してしまいます。障がい児やハンデを抱えている子は、普通の子よりも親の影響を受けやすいんじゃないかと思うんです。小さいころから虐待を受け、暴力で押さえつけられてきたから、自分のお子さんにも同じことを繰り返してしまったのかもしれないですよね。だとしたらこの事件の責任は、沙喜ちゃんよりもお母さんの方が重いんじゃないかと思ってしまいました」 「私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない?」 一方、沙喜容疑者の高校時代の1学年上だった先輩女性は「あいつはとんでもない女やった」と一刀両断した。付き合っていた彼氏を奪われたというのだ。 「もともと中学時代からお互い『共同作業所』に通っていたし、家も近かったから、話したことはないけど沙喜とは顔なじみでした。高校に沙喜が後輩として入学してくると、美人でスタイルもいいから、私の学年でも彼女の存在はすぐに有名になりましたね。それこそ廊下ですれ違っても、いつも両隣には友達らしき女の子がいるような感じで…。いわゆる”人気者”って感じで、ちょっとうらやましく感じていました」 かつて一家が住んでいた集合住宅(撮影/集英社オンライン) ところが入学からしばらく経ったある日、異変が起きる。 「沙喜が私のクラスにいきなりやってきて『私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない』とケンカを売ってきたんです。『はぁ、何言ってんだコイツ?』と、その場で言い合いになりましたけど、結局、美人でスタイルのいい沙喜に彼氏を取られてしまって……。その一件以来、彼女のことは大嫌いになったんですけど、また半年後ぐらいにその男が『沙喜に捨てられたからもう一度付き合ってくれ』と言ってきて、ヨリを戻すことになりました。ところがそのまた1年後くらいに『彼氏と別れてくれない?』と沙喜がまたケンカを売ってきて。あの女は本当に付き合う気があるんじゃなくて、『ただ他人のモノを欲しかった』だけなんじゃないかと思います。私の他にも、似たような被害にあってる子もいましたし……」 「とんでもない女」に引っかき回された高校時代を思い出し、この「先輩」の声は怒気をはらんできた。 「とにかく沙喜は『都合がいいように使えるやつは使う』という態度で、人によってキャラを使い分ける子でした。同じクラスの友達とは仲良く接していたけど、私にはこんなひどいことをして……二度と関わりたくないです」 感情も欲望もコントロールできないまま、親になってしまったのだろうか。被虐と加虐の連鎖はいつ始まり、いつ終わるのか。取材を進めるほどに深い沼にハマっていくような感覚はおいそれとは消えない。 修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン) ※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
この女性は娘を通じて、沙喜容疑者が高校卒業後、ホスト遊びにハマってキャバクラで働くようになったことなども知っていた。 「娘と沙喜ちゃんはLINEでやり取りしたり、電話する仲が続いていました。沙喜ちゃんはアパレルブランドで働いていましたが、そのころにホストにハマって借金を作って、三ノ宮のキャバクラやガールズバーで働くようになったそうです。ちょうどそのころに一人暮らしを始めたそうで、ウチの娘も一度だけ遊びに行って『沙喜ちゃんがつくった手料理を食べた』と帰ってきたことがありました。最後に沙喜ちゃんと連絡を取ったのは、今から7~8年前くらい。そのころ、出会った男との間にお子さんを授かったそうですがうまくいかなかったようで『シングルマザーでもなんとか頑張っていく』と話していたそうです」 まもなく生まれた子が、修くんだった。シングルマザーを決意した沙喜容疑者だが、友人に父親への憧れを口にしたこともあったという。 「沙喜ちゃんが家庭の事情について話すことはほとんどありませんでしたが、何度か『ウチ、小学校1年生のころから家事やらされてるねん』と不満を漏らしたことがあったそうです。同時に『○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…』とため息をつくようなこともあったようです。 あと、ウチの娘はたまに『沙喜ちゃんの腕は、どうして白いの?』と言っていました。どうやら皮膚が白く変色している部分があったようで、今思えば打撲傷の跡だったのかもしれません。当時は、沙喜ちゃんがお母さんから暴行を受けているとまでは知らなかったので、事件後の報道に考えさせられることはあります」 虐待事件の現場となった集合住宅(撮影/集英社オンライン) そして女性は、こう続けた。 「沙喜ちゃんが犯した罪は決して許されることではないけど、同じ障がい者の子を持つ親としては、少し同情してしまいます。障がい児やハンデを抱えている子は、普通の子よりも親の影響を受けやすいんじゃないかと思うんです。小さいころから虐待を受け、暴力で押さえつけられてきたから、自分のお子さんにも同じことを繰り返してしまったのかもしれないですよね。だとしたらこの事件の責任は、沙喜ちゃんよりもお母さんの方が重いんじゃないかと思ってしまいました」 「私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない?」 一方、沙喜容疑者の高校時代の1学年上だった先輩女性は「あいつはとんでもない女やった」と一刀両断した。付き合っていた彼氏を奪われたというのだ。 「もともと中学時代からお互い『共同作業所』に通っていたし、家も近かったから、話したことはないけど沙喜とは顔なじみでした。高校に沙喜が後輩として入学してくると、美人でスタイルもいいから、私の学年でも彼女の存在はすぐに有名になりましたね。それこそ廊下ですれ違っても、いつも両隣には友達らしき女の子がいるような感じで…。いわゆる”人気者”って感じで、ちょっとうらやましく感じていました」 かつて一家が住んでいた集合住宅(撮影/集英社オンライン) ところが入学からしばらく経ったある日、異変が起きる。 「沙喜が私のクラスにいきなりやってきて『私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない』とケンカを売ってきたんです。『はぁ、何言ってんだコイツ?』と、その場で言い合いになりましたけど、結局、美人でスタイルのいい沙喜に彼氏を取られてしまって……。その一件以来、彼女のことは大嫌いになったんですけど、また半年後ぐらいにその男が『沙喜に捨てられたからもう一度付き合ってくれ』と言ってきて、ヨリを戻すことになりました。ところがそのまた1年後くらいに『彼氏と別れてくれない?』と沙喜がまたケンカを売ってきて。あの女は本当に付き合う気があるんじゃなくて、『ただ他人のモノを欲しかった』だけなんじゃないかと思います。私の他にも、似たような被害にあってる子もいましたし……」 「とんでもない女」に引っかき回された高校時代を思い出し、この「先輩」の声は怒気をはらんできた。 「とにかく沙喜は『都合がいいように使えるやつは使う』という態度で、人によってキャラを使い分ける子でした。同じクラスの友達とは仲良く接していたけど、私にはこんなひどいことをして……二度と関わりたくないです」 感情も欲望もコントロールできないまま、親になってしまったのだろうか。被虐と加虐の連鎖はいつ始まり、いつ終わるのか。取材を進めるほどに深い沼にハマっていくような感覚はおいそれとは消えない。 修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン) ※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
この女性は娘を通じて、沙喜容疑者が高校卒業後、ホスト遊びにハマってキャバクラで働くようになったことなども知っていた。
「娘と沙喜ちゃんはLINEでやり取りしたり、電話する仲が続いていました。沙喜ちゃんはアパレルブランドで働いていましたが、そのころにホストにハマって借金を作って、三ノ宮のキャバクラやガールズバーで働くようになったそうです。ちょうどそのころに一人暮らしを始めたそうで、ウチの娘も一度だけ遊びに行って『沙喜ちゃんがつくった手料理を食べた』と帰ってきたことがありました。最後に沙喜ちゃんと連絡を取ったのは、今から7~8年前くらい。そのころ、出会った男との間にお子さんを授かったそうですがうまくいかなかったようで『シングルマザーでもなんとか頑張っていく』と話していたそうです」 まもなく生まれた子が、修くんだった。シングルマザーを決意した沙喜容疑者だが、友人に父親への憧れを口にしたこともあったという。 「沙喜ちゃんが家庭の事情について話すことはほとんどありませんでしたが、何度か『ウチ、小学校1年生のころから家事やらされてるねん』と不満を漏らしたことがあったそうです。同時に『○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…』とため息をつくようなこともあったようです。 あと、ウチの娘はたまに『沙喜ちゃんの腕は、どうして白いの?』と言っていました。どうやら皮膚が白く変色している部分があったようで、今思えば打撲傷の跡だったのかもしれません。当時は、沙喜ちゃんがお母さんから暴行を受けているとまでは知らなかったので、事件後の報道に考えさせられることはあります」 虐待事件の現場となった集合住宅(撮影/集英社オンライン) そして女性は、こう続けた。 「沙喜ちゃんが犯した罪は決して許されることではないけど、同じ障がい者の子を持つ親としては、少し同情してしまいます。障がい児やハンデを抱えている子は、普通の子よりも親の影響を受けやすいんじゃないかと思うんです。小さいころから虐待を受け、暴力で押さえつけられてきたから、自分のお子さんにも同じことを繰り返してしまったのかもしれないですよね。だとしたらこの事件の責任は、沙喜ちゃんよりもお母さんの方が重いんじゃないかと思ってしまいました」 「私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない?」 一方、沙喜容疑者の高校時代の1学年上だった先輩女性は「あいつはとんでもない女やった」と一刀両断した。付き合っていた彼氏を奪われたというのだ。 「もともと中学時代からお互い『共同作業所』に通っていたし、家も近かったから、話したことはないけど沙喜とは顔なじみでした。高校に沙喜が後輩として入学してくると、美人でスタイルもいいから、私の学年でも彼女の存在はすぐに有名になりましたね。それこそ廊下ですれ違っても、いつも両隣には友達らしき女の子がいるような感じで…。いわゆる”人気者”って感じで、ちょっとうらやましく感じていました」 かつて一家が住んでいた集合住宅(撮影/集英社オンライン) ところが入学からしばらく経ったある日、異変が起きる。 「沙喜が私のクラスにいきなりやってきて『私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない』とケンカを売ってきたんです。『はぁ、何言ってんだコイツ?』と、その場で言い合いになりましたけど、結局、美人でスタイルのいい沙喜に彼氏を取られてしまって……。その一件以来、彼女のことは大嫌いになったんですけど、また半年後ぐらいにその男が『沙喜に捨てられたからもう一度付き合ってくれ』と言ってきて、ヨリを戻すことになりました。ところがそのまた1年後くらいに『彼氏と別れてくれない?』と沙喜がまたケンカを売ってきて。あの女は本当に付き合う気があるんじゃなくて、『ただ他人のモノを欲しかった』だけなんじゃないかと思います。私の他にも、似たような被害にあってる子もいましたし……」 「とんでもない女」に引っかき回された高校時代を思い出し、この「先輩」の声は怒気をはらんできた。 「とにかく沙喜は『都合がいいように使えるやつは使う』という態度で、人によってキャラを使い分ける子でした。同じクラスの友達とは仲良く接していたけど、私にはこんなひどいことをして……二度と関わりたくないです」 感情も欲望もコントロールできないまま、親になってしまったのだろうか。被虐と加虐の連鎖はいつ始まり、いつ終わるのか。取材を進めるほどに深い沼にハマっていくような感覚はおいそれとは消えない。 修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン) ※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
「娘と沙喜ちゃんはLINEでやり取りしたり、電話する仲が続いていました。沙喜ちゃんはアパレルブランドで働いていましたが、そのころにホストにハマって借金を作って、三ノ宮のキャバクラやガールズバーで働くようになったそうです。ちょうどそのころに一人暮らしを始めたそうで、ウチの娘も一度だけ遊びに行って『沙喜ちゃんがつくった手料理を食べた』と帰ってきたことがありました。最後に沙喜ちゃんと連絡を取ったのは、今から7~8年前くらい。そのころ、出会った男との間にお子さんを授かったそうですがうまくいかなかったようで『シングルマザーでもなんとか頑張っていく』と話していたそうです」
まもなく生まれた子が、修くんだった。シングルマザーを決意した沙喜容疑者だが、友人に父親への憧れを口にしたこともあったという。 「沙喜ちゃんが家庭の事情について話すことはほとんどありませんでしたが、何度か『ウチ、小学校1年生のころから家事やらされてるねん』と不満を漏らしたことがあったそうです。同時に『○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…』とため息をつくようなこともあったようです。 あと、ウチの娘はたまに『沙喜ちゃんの腕は、どうして白いの?』と言っていました。どうやら皮膚が白く変色している部分があったようで、今思えば打撲傷の跡だったのかもしれません。当時は、沙喜ちゃんがお母さんから暴行を受けているとまでは知らなかったので、事件後の報道に考えさせられることはあります」 虐待事件の現場となった集合住宅(撮影/集英社オンライン) そして女性は、こう続けた。 「沙喜ちゃんが犯した罪は決して許されることではないけど、同じ障がい者の子を持つ親としては、少し同情してしまいます。障がい児やハンデを抱えている子は、普通の子よりも親の影響を受けやすいんじゃないかと思うんです。小さいころから虐待を受け、暴力で押さえつけられてきたから、自分のお子さんにも同じことを繰り返してしまったのかもしれないですよね。だとしたらこの事件の責任は、沙喜ちゃんよりもお母さんの方が重いんじゃないかと思ってしまいました」 「私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない?」 一方、沙喜容疑者の高校時代の1学年上だった先輩女性は「あいつはとんでもない女やった」と一刀両断した。付き合っていた彼氏を奪われたというのだ。 「もともと中学時代からお互い『共同作業所』に通っていたし、家も近かったから、話したことはないけど沙喜とは顔なじみでした。高校に沙喜が後輩として入学してくると、美人でスタイルもいいから、私の学年でも彼女の存在はすぐに有名になりましたね。それこそ廊下ですれ違っても、いつも両隣には友達らしき女の子がいるような感じで…。いわゆる”人気者”って感じで、ちょっとうらやましく感じていました」 かつて一家が住んでいた集合住宅(撮影/集英社オンライン) ところが入学からしばらく経ったある日、異変が起きる。 「沙喜が私のクラスにいきなりやってきて『私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない』とケンカを売ってきたんです。『はぁ、何言ってんだコイツ?』と、その場で言い合いになりましたけど、結局、美人でスタイルのいい沙喜に彼氏を取られてしまって……。その一件以来、彼女のことは大嫌いになったんですけど、また半年後ぐらいにその男が『沙喜に捨てられたからもう一度付き合ってくれ』と言ってきて、ヨリを戻すことになりました。ところがそのまた1年後くらいに『彼氏と別れてくれない?』と沙喜がまたケンカを売ってきて。あの女は本当に付き合う気があるんじゃなくて、『ただ他人のモノを欲しかった』だけなんじゃないかと思います。私の他にも、似たような被害にあってる子もいましたし……」 「とんでもない女」に引っかき回された高校時代を思い出し、この「先輩」の声は怒気をはらんできた。 「とにかく沙喜は『都合がいいように使えるやつは使う』という態度で、人によってキャラを使い分ける子でした。同じクラスの友達とは仲良く接していたけど、私にはこんなひどいことをして……二度と関わりたくないです」 感情も欲望もコントロールできないまま、親になってしまったのだろうか。被虐と加虐の連鎖はいつ始まり、いつ終わるのか。取材を進めるほどに深い沼にハマっていくような感覚はおいそれとは消えない。 修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン) ※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
まもなく生まれた子が、修くんだった。シングルマザーを決意した沙喜容疑者だが、友人に父親への憧れを口にしたこともあったという。
「沙喜ちゃんが家庭の事情について話すことはほとんどありませんでしたが、何度か『ウチ、小学校1年生のころから家事やらされてるねん』と不満を漏らしたことがあったそうです。同時に『○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…』とため息をつくようなこともあったようです。 あと、ウチの娘はたまに『沙喜ちゃんの腕は、どうして白いの?』と言っていました。どうやら皮膚が白く変色している部分があったようで、今思えば打撲傷の跡だったのかもしれません。当時は、沙喜ちゃんがお母さんから暴行を受けているとまでは知らなかったので、事件後の報道に考えさせられることはあります」 虐待事件の現場となった集合住宅(撮影/集英社オンライン) そして女性は、こう続けた。 「沙喜ちゃんが犯した罪は決して許されることではないけど、同じ障がい者の子を持つ親としては、少し同情してしまいます。障がい児やハンデを抱えている子は、普通の子よりも親の影響を受けやすいんじゃないかと思うんです。小さいころから虐待を受け、暴力で押さえつけられてきたから、自分のお子さんにも同じことを繰り返してしまったのかもしれないですよね。だとしたらこの事件の責任は、沙喜ちゃんよりもお母さんの方が重いんじゃないかと思ってしまいました」 「私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない?」 一方、沙喜容疑者の高校時代の1学年上だった先輩女性は「あいつはとんでもない女やった」と一刀両断した。付き合っていた彼氏を奪われたというのだ。 「もともと中学時代からお互い『共同作業所』に通っていたし、家も近かったから、話したことはないけど沙喜とは顔なじみでした。高校に沙喜が後輩として入学してくると、美人でスタイルもいいから、私の学年でも彼女の存在はすぐに有名になりましたね。それこそ廊下ですれ違っても、いつも両隣には友達らしき女の子がいるような感じで…。いわゆる”人気者”って感じで、ちょっとうらやましく感じていました」 かつて一家が住んでいた集合住宅(撮影/集英社オンライン) ところが入学からしばらく経ったある日、異変が起きる。 「沙喜が私のクラスにいきなりやってきて『私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない』とケンカを売ってきたんです。『はぁ、何言ってんだコイツ?』と、その場で言い合いになりましたけど、結局、美人でスタイルのいい沙喜に彼氏を取られてしまって……。その一件以来、彼女のことは大嫌いになったんですけど、また半年後ぐらいにその男が『沙喜に捨てられたからもう一度付き合ってくれ』と言ってきて、ヨリを戻すことになりました。ところがそのまた1年後くらいに『彼氏と別れてくれない?』と沙喜がまたケンカを売ってきて。あの女は本当に付き合う気があるんじゃなくて、『ただ他人のモノを欲しかった』だけなんじゃないかと思います。私の他にも、似たような被害にあってる子もいましたし……」 「とんでもない女」に引っかき回された高校時代を思い出し、この「先輩」の声は怒気をはらんできた。 「とにかく沙喜は『都合がいいように使えるやつは使う』という態度で、人によってキャラを使い分ける子でした。同じクラスの友達とは仲良く接していたけど、私にはこんなひどいことをして……二度と関わりたくないです」 感情も欲望もコントロールできないまま、親になってしまったのだろうか。被虐と加虐の連鎖はいつ始まり、いつ終わるのか。取材を進めるほどに深い沼にハマっていくような感覚はおいそれとは消えない。 修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン) ※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
「沙喜ちゃんが家庭の事情について話すことはほとんどありませんでしたが、何度か『ウチ、小学校1年生のころから家事やらされてるねん』と不満を漏らしたことがあったそうです。同時に『○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…』とため息をつくようなこともあったようです。
あと、ウチの娘はたまに『沙喜ちゃんの腕は、どうして白いの?』と言っていました。どうやら皮膚が白く変色している部分があったようで、今思えば打撲傷の跡だったのかもしれません。当時は、沙喜ちゃんがお母さんから暴行を受けているとまでは知らなかったので、事件後の報道に考えさせられることはあります」
虐待事件の現場となった集合住宅(撮影/集英社オンライン) そして女性は、こう続けた。 「沙喜ちゃんが犯した罪は決して許されることではないけど、同じ障がい者の子を持つ親としては、少し同情してしまいます。障がい児やハンデを抱えている子は、普通の子よりも親の影響を受けやすいんじゃないかと思うんです。小さいころから虐待を受け、暴力で押さえつけられてきたから、自分のお子さんにも同じことを繰り返してしまったのかもしれないですよね。だとしたらこの事件の責任は、沙喜ちゃんよりもお母さんの方が重いんじゃないかと思ってしまいました」 「私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない?」 一方、沙喜容疑者の高校時代の1学年上だった先輩女性は「あいつはとんでもない女やった」と一刀両断した。付き合っていた彼氏を奪われたというのだ。 「もともと中学時代からお互い『共同作業所』に通っていたし、家も近かったから、話したことはないけど沙喜とは顔なじみでした。高校に沙喜が後輩として入学してくると、美人でスタイルもいいから、私の学年でも彼女の存在はすぐに有名になりましたね。それこそ廊下ですれ違っても、いつも両隣には友達らしき女の子がいるような感じで…。いわゆる”人気者”って感じで、ちょっとうらやましく感じていました」 かつて一家が住んでいた集合住宅(撮影/集英社オンライン) ところが入学からしばらく経ったある日、異変が起きる。 「沙喜が私のクラスにいきなりやってきて『私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない』とケンカを売ってきたんです。『はぁ、何言ってんだコイツ?』と、その場で言い合いになりましたけど、結局、美人でスタイルのいい沙喜に彼氏を取られてしまって……。その一件以来、彼女のことは大嫌いになったんですけど、また半年後ぐらいにその男が『沙喜に捨てられたからもう一度付き合ってくれ』と言ってきて、ヨリを戻すことになりました。ところがそのまた1年後くらいに『彼氏と別れてくれない?』と沙喜がまたケンカを売ってきて。あの女は本当に付き合う気があるんじゃなくて、『ただ他人のモノを欲しかった』だけなんじゃないかと思います。私の他にも、似たような被害にあってる子もいましたし……」 「とんでもない女」に引っかき回された高校時代を思い出し、この「先輩」の声は怒気をはらんできた。 「とにかく沙喜は『都合がいいように使えるやつは使う』という態度で、人によってキャラを使い分ける子でした。同じクラスの友達とは仲良く接していたけど、私にはこんなひどいことをして……二度と関わりたくないです」 感情も欲望もコントロールできないまま、親になってしまったのだろうか。被虐と加虐の連鎖はいつ始まり、いつ終わるのか。取材を進めるほどに深い沼にハマっていくような感覚はおいそれとは消えない。 修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン) ※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
虐待事件の現場となった集合住宅(撮影/集英社オンライン) そして女性は、こう続けた。 「沙喜ちゃんが犯した罪は決して許されることではないけど、同じ障がい者の子を持つ親としては、少し同情してしまいます。障がい児やハンデを抱えている子は、普通の子よりも親の影響を受けやすいんじゃないかと思うんです。小さいころから虐待を受け、暴力で押さえつけられてきたから、自分のお子さんにも同じことを繰り返してしまったのかもしれないですよね。だとしたらこの事件の責任は、沙喜ちゃんよりもお母さんの方が重いんじゃないかと思ってしまいました」 「私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない?」 一方、沙喜容疑者の高校時代の1学年上だった先輩女性は「あいつはとんでもない女やった」と一刀両断した。付き合っていた彼氏を奪われたというのだ。 「もともと中学時代からお互い『共同作業所』に通っていたし、家も近かったから、話したことはないけど沙喜とは顔なじみでした。高校に沙喜が後輩として入学してくると、美人でスタイルもいいから、私の学年でも彼女の存在はすぐに有名になりましたね。それこそ廊下ですれ違っても、いつも両隣には友達らしき女の子がいるような感じで…。いわゆる”人気者”って感じで、ちょっとうらやましく感じていました」 かつて一家が住んでいた集合住宅(撮影/集英社オンライン) ところが入学からしばらく経ったある日、異変が起きる。 「沙喜が私のクラスにいきなりやってきて『私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない』とケンカを売ってきたんです。『はぁ、何言ってんだコイツ?』と、その場で言い合いになりましたけど、結局、美人でスタイルのいい沙喜に彼氏を取られてしまって……。その一件以来、彼女のことは大嫌いになったんですけど、また半年後ぐらいにその男が『沙喜に捨てられたからもう一度付き合ってくれ』と言ってきて、ヨリを戻すことになりました。ところがそのまた1年後くらいに『彼氏と別れてくれない?』と沙喜がまたケンカを売ってきて。あの女は本当に付き合う気があるんじゃなくて、『ただ他人のモノを欲しかった』だけなんじゃないかと思います。私の他にも、似たような被害にあってる子もいましたし……」 「とんでもない女」に引っかき回された高校時代を思い出し、この「先輩」の声は怒気をはらんできた。 「とにかく沙喜は『都合がいいように使えるやつは使う』という態度で、人によってキャラを使い分ける子でした。同じクラスの友達とは仲良く接していたけど、私にはこんなひどいことをして……二度と関わりたくないです」 感情も欲望もコントロールできないまま、親になってしまったのだろうか。被虐と加虐の連鎖はいつ始まり、いつ終わるのか。取材を進めるほどに深い沼にハマっていくような感覚はおいそれとは消えない。 修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン) ※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
虐待事件の現場となった集合住宅(撮影/集英社オンライン)
虐待事件の現場となった集合住宅(撮影/集英社オンライン)

そして女性は、こう続けた。 「沙喜ちゃんが犯した罪は決して許されることではないけど、同じ障がい者の子を持つ親としては、少し同情してしまいます。障がい児やハンデを抱えている子は、普通の子よりも親の影響を受けやすいんじゃないかと思うんです。小さいころから虐待を受け、暴力で押さえつけられてきたから、自分のお子さんにも同じことを繰り返してしまったのかもしれないですよね。だとしたらこの事件の責任は、沙喜ちゃんよりもお母さんの方が重いんじゃないかと思ってしまいました」 「私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない?」 一方、沙喜容疑者の高校時代の1学年上だった先輩女性は「あいつはとんでもない女やった」と一刀両断した。付き合っていた彼氏を奪われたというのだ。 「もともと中学時代からお互い『共同作業所』に通っていたし、家も近かったから、話したことはないけど沙喜とは顔なじみでした。高校に沙喜が後輩として入学してくると、美人でスタイルもいいから、私の学年でも彼女の存在はすぐに有名になりましたね。それこそ廊下ですれ違っても、いつも両隣には友達らしき女の子がいるような感じで…。いわゆる”人気者”って感じで、ちょっとうらやましく感じていました」 かつて一家が住んでいた集合住宅(撮影/集英社オンライン) ところが入学からしばらく経ったある日、異変が起きる。 「沙喜が私のクラスにいきなりやってきて『私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない』とケンカを売ってきたんです。『はぁ、何言ってんだコイツ?』と、その場で言い合いになりましたけど、結局、美人でスタイルのいい沙喜に彼氏を取られてしまって……。その一件以来、彼女のことは大嫌いになったんですけど、また半年後ぐらいにその男が『沙喜に捨てられたからもう一度付き合ってくれ』と言ってきて、ヨリを戻すことになりました。ところがそのまた1年後くらいに『彼氏と別れてくれない?』と沙喜がまたケンカを売ってきて。あの女は本当に付き合う気があるんじゃなくて、『ただ他人のモノを欲しかった』だけなんじゃないかと思います。私の他にも、似たような被害にあってる子もいましたし……」 「とんでもない女」に引っかき回された高校時代を思い出し、この「先輩」の声は怒気をはらんできた。 「とにかく沙喜は『都合がいいように使えるやつは使う』という態度で、人によってキャラを使い分ける子でした。同じクラスの友達とは仲良く接していたけど、私にはこんなひどいことをして……二度と関わりたくないです」 感情も欲望もコントロールできないまま、親になってしまったのだろうか。被虐と加虐の連鎖はいつ始まり、いつ終わるのか。取材を進めるほどに深い沼にハマっていくような感覚はおいそれとは消えない。 修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン) ※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
そして女性は、こう続けた。
「沙喜ちゃんが犯した罪は決して許されることではないけど、同じ障がい者の子を持つ親としては、少し同情してしまいます。障がい児やハンデを抱えている子は、普通の子よりも親の影響を受けやすいんじゃないかと思うんです。小さいころから虐待を受け、暴力で押さえつけられてきたから、自分のお子さんにも同じことを繰り返してしまったのかもしれないですよね。だとしたらこの事件の責任は、沙喜ちゃんよりもお母さんの方が重いんじゃないかと思ってしまいました」 「私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない?」 一方、沙喜容疑者の高校時代の1学年上だった先輩女性は「あいつはとんでもない女やった」と一刀両断した。付き合っていた彼氏を奪われたというのだ。 「もともと中学時代からお互い『共同作業所』に通っていたし、家も近かったから、話したことはないけど沙喜とは顔なじみでした。高校に沙喜が後輩として入学してくると、美人でスタイルもいいから、私の学年でも彼女の存在はすぐに有名になりましたね。それこそ廊下ですれ違っても、いつも両隣には友達らしき女の子がいるような感じで…。いわゆる”人気者”って感じで、ちょっとうらやましく感じていました」 かつて一家が住んでいた集合住宅(撮影/集英社オンライン) ところが入学からしばらく経ったある日、異変が起きる。 「沙喜が私のクラスにいきなりやってきて『私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない』とケンカを売ってきたんです。『はぁ、何言ってんだコイツ?』と、その場で言い合いになりましたけど、結局、美人でスタイルのいい沙喜に彼氏を取られてしまって……。その一件以来、彼女のことは大嫌いになったんですけど、また半年後ぐらいにその男が『沙喜に捨てられたからもう一度付き合ってくれ』と言ってきて、ヨリを戻すことになりました。ところがそのまた1年後くらいに『彼氏と別れてくれない?』と沙喜がまたケンカを売ってきて。あの女は本当に付き合う気があるんじゃなくて、『ただ他人のモノを欲しかった』だけなんじゃないかと思います。私の他にも、似たような被害にあってる子もいましたし……」 「とんでもない女」に引っかき回された高校時代を思い出し、この「先輩」の声は怒気をはらんできた。 「とにかく沙喜は『都合がいいように使えるやつは使う』という態度で、人によってキャラを使い分ける子でした。同じクラスの友達とは仲良く接していたけど、私にはこんなひどいことをして……二度と関わりたくないです」 感情も欲望もコントロールできないまま、親になってしまったのだろうか。被虐と加虐の連鎖はいつ始まり、いつ終わるのか。取材を進めるほどに深い沼にハマっていくような感覚はおいそれとは消えない。 修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン) ※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
「沙喜ちゃんが犯した罪は決して許されることではないけど、同じ障がい者の子を持つ親としては、少し同情してしまいます。障がい児やハンデを抱えている子は、普通の子よりも親の影響を受けやすいんじゃないかと思うんです。小さいころから虐待を受け、暴力で押さえつけられてきたから、自分のお子さんにも同じことを繰り返してしまったのかもしれないですよね。だとしたらこの事件の責任は、沙喜ちゃんよりもお母さんの方が重いんじゃないかと思ってしまいました」
「私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない?」 一方、沙喜容疑者の高校時代の1学年上だった先輩女性は「あいつはとんでもない女やった」と一刀両断した。付き合っていた彼氏を奪われたというのだ。 「もともと中学時代からお互い『共同作業所』に通っていたし、家も近かったから、話したことはないけど沙喜とは顔なじみでした。高校に沙喜が後輩として入学してくると、美人でスタイルもいいから、私の学年でも彼女の存在はすぐに有名になりましたね。それこそ廊下ですれ違っても、いつも両隣には友達らしき女の子がいるような感じで…。いわゆる”人気者”って感じで、ちょっとうらやましく感じていました」 かつて一家が住んでいた集合住宅(撮影/集英社オンライン) ところが入学からしばらく経ったある日、異変が起きる。 「沙喜が私のクラスにいきなりやってきて『私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない』とケンカを売ってきたんです。『はぁ、何言ってんだコイツ?』と、その場で言い合いになりましたけど、結局、美人でスタイルのいい沙喜に彼氏を取られてしまって……。その一件以来、彼女のことは大嫌いになったんですけど、また半年後ぐらいにその男が『沙喜に捨てられたからもう一度付き合ってくれ』と言ってきて、ヨリを戻すことになりました。ところがそのまた1年後くらいに『彼氏と別れてくれない?』と沙喜がまたケンカを売ってきて。あの女は本当に付き合う気があるんじゃなくて、『ただ他人のモノを欲しかった』だけなんじゃないかと思います。私の他にも、似たような被害にあってる子もいましたし……」 「とんでもない女」に引っかき回された高校時代を思い出し、この「先輩」の声は怒気をはらんできた。 「とにかく沙喜は『都合がいいように使えるやつは使う』という態度で、人によってキャラを使い分ける子でした。同じクラスの友達とは仲良く接していたけど、私にはこんなひどいことをして……二度と関わりたくないです」 感情も欲望もコントロールできないまま、親になってしまったのだろうか。被虐と加虐の連鎖はいつ始まり、いつ終わるのか。取材を進めるほどに深い沼にハマっていくような感覚はおいそれとは消えない。 修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン) ※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
「私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない?」 一方、沙喜容疑者の高校時代の1学年上だった先輩女性は「あいつはとんでもない女やった」と一刀両断した。付き合っていた彼氏を奪われたというのだ。 「もともと中学時代からお互い『共同作業所』に通っていたし、家も近かったから、話したことはないけど沙喜とは顔なじみでした。高校に沙喜が後輩として入学してくると、美人でスタイルもいいから、私の学年でも彼女の存在はすぐに有名になりましたね。それこそ廊下ですれ違っても、いつも両隣には友達らしき女の子がいるような感じで…。いわゆる”人気者”って感じで、ちょっとうらやましく感じていました」 かつて一家が住んでいた集合住宅(撮影/集英社オンライン) ところが入学からしばらく経ったある日、異変が起きる。 「沙喜が私のクラスにいきなりやってきて『私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない』とケンカを売ってきたんです。『はぁ、何言ってんだコイツ?』と、その場で言い合いになりましたけど、結局、美人でスタイルのいい沙喜に彼氏を取られてしまって……。その一件以来、彼女のことは大嫌いになったんですけど、また半年後ぐらいにその男が『沙喜に捨てられたからもう一度付き合ってくれ』と言ってきて、ヨリを戻すことになりました。ところがそのまた1年後くらいに『彼氏と別れてくれない?』と沙喜がまたケンカを売ってきて。あの女は本当に付き合う気があるんじゃなくて、『ただ他人のモノを欲しかった』だけなんじゃないかと思います。私の他にも、似たような被害にあってる子もいましたし……」 「とんでもない女」に引っかき回された高校時代を思い出し、この「先輩」の声は怒気をはらんできた。 「とにかく沙喜は『都合がいいように使えるやつは使う』という態度で、人によってキャラを使い分ける子でした。同じクラスの友達とは仲良く接していたけど、私にはこんなひどいことをして……二度と関わりたくないです」 感情も欲望もコントロールできないまま、親になってしまったのだろうか。被虐と加虐の連鎖はいつ始まり、いつ終わるのか。取材を進めるほどに深い沼にハマっていくような感覚はおいそれとは消えない。 修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン) ※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
一方、沙喜容疑者の高校時代の1学年上だった先輩女性は「あいつはとんでもない女やった」と一刀両断した。付き合っていた彼氏を奪われたというのだ。 「もともと中学時代からお互い『共同作業所』に通っていたし、家も近かったから、話したことはないけど沙喜とは顔なじみでした。高校に沙喜が後輩として入学してくると、美人でスタイルもいいから、私の学年でも彼女の存在はすぐに有名になりましたね。それこそ廊下ですれ違っても、いつも両隣には友達らしき女の子がいるような感じで…。いわゆる”人気者”って感じで、ちょっとうらやましく感じていました」 かつて一家が住んでいた集合住宅(撮影/集英社オンライン) ところが入学からしばらく経ったある日、異変が起きる。 「沙喜が私のクラスにいきなりやってきて『私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない』とケンカを売ってきたんです。『はぁ、何言ってんだコイツ?』と、その場で言い合いになりましたけど、結局、美人でスタイルのいい沙喜に彼氏を取られてしまって……。その一件以来、彼女のことは大嫌いになったんですけど、また半年後ぐらいにその男が『沙喜に捨てられたからもう一度付き合ってくれ』と言ってきて、ヨリを戻すことになりました。ところがそのまた1年後くらいに『彼氏と別れてくれない?』と沙喜がまたケンカを売ってきて。あの女は本当に付き合う気があるんじゃなくて、『ただ他人のモノを欲しかった』だけなんじゃないかと思います。私の他にも、似たような被害にあってる子もいましたし……」 「とんでもない女」に引っかき回された高校時代を思い出し、この「先輩」の声は怒気をはらんできた。 「とにかく沙喜は『都合がいいように使えるやつは使う』という態度で、人によってキャラを使い分ける子でした。同じクラスの友達とは仲良く接していたけど、私にはこんなひどいことをして……二度と関わりたくないです」 感情も欲望もコントロールできないまま、親になってしまったのだろうか。被虐と加虐の連鎖はいつ始まり、いつ終わるのか。取材を進めるほどに深い沼にハマっていくような感覚はおいそれとは消えない。 修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン) ※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
一方、沙喜容疑者の高校時代の1学年上だった先輩女性は「あいつはとんでもない女やった」と一刀両断した。付き合っていた彼氏を奪われたというのだ。
「もともと中学時代からお互い『共同作業所』に通っていたし、家も近かったから、話したことはないけど沙喜とは顔なじみでした。高校に沙喜が後輩として入学してくると、美人でスタイルもいいから、私の学年でも彼女の存在はすぐに有名になりましたね。それこそ廊下ですれ違っても、いつも両隣には友達らしき女の子がいるような感じで…。いわゆる”人気者”って感じで、ちょっとうらやましく感じていました」 かつて一家が住んでいた集合住宅(撮影/集英社オンライン) ところが入学からしばらく経ったある日、異変が起きる。 「沙喜が私のクラスにいきなりやってきて『私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない』とケンカを売ってきたんです。『はぁ、何言ってんだコイツ?』と、その場で言い合いになりましたけど、結局、美人でスタイルのいい沙喜に彼氏を取られてしまって……。その一件以来、彼女のことは大嫌いになったんですけど、また半年後ぐらいにその男が『沙喜に捨てられたからもう一度付き合ってくれ』と言ってきて、ヨリを戻すことになりました。ところがそのまた1年後くらいに『彼氏と別れてくれない?』と沙喜がまたケンカを売ってきて。あの女は本当に付き合う気があるんじゃなくて、『ただ他人のモノを欲しかった』だけなんじゃないかと思います。私の他にも、似たような被害にあってる子もいましたし……」 「とんでもない女」に引っかき回された高校時代を思い出し、この「先輩」の声は怒気をはらんできた。 「とにかく沙喜は『都合がいいように使えるやつは使う』という態度で、人によってキャラを使い分ける子でした。同じクラスの友達とは仲良く接していたけど、私にはこんなひどいことをして……二度と関わりたくないです」 感情も欲望もコントロールできないまま、親になってしまったのだろうか。被虐と加虐の連鎖はいつ始まり、いつ終わるのか。取材を進めるほどに深い沼にハマっていくような感覚はおいそれとは消えない。 修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン) ※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
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かつて一家が住んでいた集合住宅(撮影/集英社オンライン) ところが入学からしばらく経ったある日、異変が起きる。 「沙喜が私のクラスにいきなりやってきて『私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない』とケンカを売ってきたんです。『はぁ、何言ってんだコイツ?』と、その場で言い合いになりましたけど、結局、美人でスタイルのいい沙喜に彼氏を取られてしまって……。その一件以来、彼女のことは大嫌いになったんですけど、また半年後ぐらいにその男が『沙喜に捨てられたからもう一度付き合ってくれ』と言ってきて、ヨリを戻すことになりました。ところがそのまた1年後くらいに『彼氏と別れてくれない?』と沙喜がまたケンカを売ってきて。あの女は本当に付き合う気があるんじゃなくて、『ただ他人のモノを欲しかった』だけなんじゃないかと思います。私の他にも、似たような被害にあってる子もいましたし……」 「とんでもない女」に引っかき回された高校時代を思い出し、この「先輩」の声は怒気をはらんできた。 「とにかく沙喜は『都合がいいように使えるやつは使う』という態度で、人によってキャラを使い分ける子でした。同じクラスの友達とは仲良く接していたけど、私にはこんなひどいことをして……二度と関わりたくないです」 感情も欲望もコントロールできないまま、親になってしまったのだろうか。被虐と加虐の連鎖はいつ始まり、いつ終わるのか。取材を進めるほどに深い沼にハマっていくような感覚はおいそれとは消えない。 修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン) ※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
かつて一家が住んでいた集合住宅(撮影/集英社オンライン) ところが入学からしばらく経ったある日、異変が起きる。 「沙喜が私のクラスにいきなりやってきて『私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない』とケンカを売ってきたんです。『はぁ、何言ってんだコイツ?』と、その場で言い合いになりましたけど、結局、美人でスタイルのいい沙喜に彼氏を取られてしまって……。その一件以来、彼女のことは大嫌いになったんですけど、また半年後ぐらいにその男が『沙喜に捨てられたからもう一度付き合ってくれ』と言ってきて、ヨリを戻すことになりました。ところがそのまた1年後くらいに『彼氏と別れてくれない?』と沙喜がまたケンカを売ってきて。あの女は本当に付き合う気があるんじゃなくて、『ただ他人のモノを欲しかった』だけなんじゃないかと思います。私の他にも、似たような被害にあってる子もいましたし……」 「とんでもない女」に引っかき回された高校時代を思い出し、この「先輩」の声は怒気をはらんできた。 「とにかく沙喜は『都合がいいように使えるやつは使う』という態度で、人によってキャラを使い分ける子でした。同じクラスの友達とは仲良く接していたけど、私にはこんなひどいことをして……二度と関わりたくないです」 感情も欲望もコントロールできないまま、親になってしまったのだろうか。被虐と加虐の連鎖はいつ始まり、いつ終わるのか。取材を進めるほどに深い沼にハマっていくような感覚はおいそれとは消えない。 修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン) ※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
かつて一家が住んでいた集合住宅(撮影/集英社オンライン)
かつて一家が住んでいた集合住宅(撮影/集英社オンライン)

ところが入学からしばらく経ったある日、異変が起きる。 「沙喜が私のクラスにいきなりやってきて『私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない』とケンカを売ってきたんです。『はぁ、何言ってんだコイツ?』と、その場で言い合いになりましたけど、結局、美人でスタイルのいい沙喜に彼氏を取られてしまって……。その一件以来、彼女のことは大嫌いになったんですけど、また半年後ぐらいにその男が『沙喜に捨てられたからもう一度付き合ってくれ』と言ってきて、ヨリを戻すことになりました。ところがそのまた1年後くらいに『彼氏と別れてくれない?』と沙喜がまたケンカを売ってきて。あの女は本当に付き合う気があるんじゃなくて、『ただ他人のモノを欲しかった』だけなんじゃないかと思います。私の他にも、似たような被害にあってる子もいましたし……」 「とんでもない女」に引っかき回された高校時代を思い出し、この「先輩」の声は怒気をはらんできた。 「とにかく沙喜は『都合がいいように使えるやつは使う』という態度で、人によってキャラを使い分ける子でした。同じクラスの友達とは仲良く接していたけど、私にはこんなひどいことをして……二度と関わりたくないです」 感情も欲望もコントロールできないまま、親になってしまったのだろうか。被虐と加虐の連鎖はいつ始まり、いつ終わるのか。取材を進めるほどに深い沼にハマっていくような感覚はおいそれとは消えない。 修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン) ※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
ところが入学からしばらく経ったある日、異変が起きる。
「沙喜が私のクラスにいきなりやってきて『私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない』とケンカを売ってきたんです。『はぁ、何言ってんだコイツ?』と、その場で言い合いになりましたけど、結局、美人でスタイルのいい沙喜に彼氏を取られてしまって……。その一件以来、彼女のことは大嫌いになったんですけど、また半年後ぐらいにその男が『沙喜に捨てられたからもう一度付き合ってくれ』と言ってきて、ヨリを戻すことになりました。ところがそのまた1年後くらいに『彼氏と別れてくれない?』と沙喜がまたケンカを売ってきて。あの女は本当に付き合う気があるんじゃなくて、『ただ他人のモノを欲しかった』だけなんじゃないかと思います。私の他にも、似たような被害にあってる子もいましたし……」 「とんでもない女」に引っかき回された高校時代を思い出し、この「先輩」の声は怒気をはらんできた。 「とにかく沙喜は『都合がいいように使えるやつは使う』という態度で、人によってキャラを使い分ける子でした。同じクラスの友達とは仲良く接していたけど、私にはこんなひどいことをして……二度と関わりたくないです」 感情も欲望もコントロールできないまま、親になってしまったのだろうか。被虐と加虐の連鎖はいつ始まり、いつ終わるのか。取材を進めるほどに深い沼にハマっていくような感覚はおいそれとは消えない。 修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン) ※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
「沙喜が私のクラスにいきなりやってきて『私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない』とケンカを売ってきたんです。『はぁ、何言ってんだコイツ?』と、その場で言い合いになりましたけど、結局、美人でスタイルのいい沙喜に彼氏を取られてしまって……。その一件以来、彼女のことは大嫌いになったんですけど、また半年後ぐらいにその男が『沙喜に捨てられたからもう一度付き合ってくれ』と言ってきて、ヨリを戻すことになりました。ところがそのまた1年後くらいに『彼氏と別れてくれない?』と沙喜がまたケンカを売ってきて。あの女は本当に付き合う気があるんじゃなくて、『ただ他人のモノを欲しかった』だけなんじゃないかと思います。私の他にも、似たような被害にあってる子もいましたし……」
「とんでもない女」に引っかき回された高校時代を思い出し、この「先輩」の声は怒気をはらんできた。 「とにかく沙喜は『都合がいいように使えるやつは使う』という態度で、人によってキャラを使い分ける子でした。同じクラスの友達とは仲良く接していたけど、私にはこんなひどいことをして……二度と関わりたくないです」 感情も欲望もコントロールできないまま、親になってしまったのだろうか。被虐と加虐の連鎖はいつ始まり、いつ終わるのか。取材を進めるほどに深い沼にハマっていくような感覚はおいそれとは消えない。 修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン) ※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
「とんでもない女」に引っかき回された高校時代を思い出し、この「先輩」の声は怒気をはらんできた。
「とにかく沙喜は『都合がいいように使えるやつは使う』という態度で、人によってキャラを使い分ける子でした。同じクラスの友達とは仲良く接していたけど、私にはこんなひどいことをして……二度と関わりたくないです」 感情も欲望もコントロールできないまま、親になってしまったのだろうか。被虐と加虐の連鎖はいつ始まり、いつ終わるのか。取材を進めるほどに深い沼にハマっていくような感覚はおいそれとは消えない。 修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン) ※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
「とにかく沙喜は『都合がいいように使えるやつは使う』という態度で、人によってキャラを使い分ける子でした。同じクラスの友達とは仲良く接していたけど、私にはこんなひどいことをして……二度と関わりたくないです」
感情も欲望もコントロールできないまま、親になってしまったのだろうか。被虐と加虐の連鎖はいつ始まり、いつ終わるのか。取材を進めるほどに深い沼にハマっていくような感覚はおいそれとは消えない。 修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン) ※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
感情も欲望もコントロールできないまま、親になってしまったのだろうか。被虐と加虐の連鎖はいつ始まり、いつ終わるのか。取材を進めるほどに深い沼にハマっていくような感覚はおいそれとは消えない。
修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン) ※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
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修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン)
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※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
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