容疑者宅周辺では1年ほど前から男女の言い争う声、近隣住民が通報も…女子大生刺殺

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なぜ、こんな惨劇が――。
横浜市鶴見区東寺尾中台のマンション敷地内で29日午前、住人の大学1年、冨永紗菜(さな)さん(18)が刺殺された白昼の事件。神奈川県警は近くの鶴見署に出頭してきた同区本町通、自称会社員の伊藤龍稀(はるき)容疑者(22)を殺人の疑いで緊急逮捕した。2人には交際歴があり、近隣住民には驚きや悲しみの声が広がった。
発表などによると、事件は29日午前10時15分頃、マンションの駐車場で発生。伊藤容疑者が、冨永さんの上半身を複数回刺すなどして殺害した疑い。伊藤容疑者は事件直後に、凶器とみられる包丁を持って近くの鶴見署に自首し、「マンションから出てくるところを待ち伏せして刺した」と説明したという。
県警によると、2人には交際歴があり、2021年10月から今年6月までに、県警にはDV(配偶者や恋人による暴力)などを巡って計4件の通報があったという。事件から1週間前の22日にも、伊藤容疑者が運転する車の中で問題が生じたという。鶴見署が双方を注意し、親族を交えて2人の交際について話し合ったり、県警が継続的に確認したりする段階にあったという。
事件が発生し、現場は騒然となった。10年ほど前から近くに住む50歳代の男性会社員は「いつも静かな住宅街だったので、こんな事件が起きるとはびっくり」と驚いた様子。マンションから冨永さんと同じ小学校に通っていたという大学3年の女性(21)は「幼い頃から手を振ってくれるいい子だった。ショックが大きすぎる……」と言葉を詰まらせた。
現場周辺には学校や病院もあり、住民の30歳代女性は「息子の帰宅が不安になったので迎えに来た」と険しい表情を見せた。別の50歳代女性は「(冨永さんは)息子と年齢も近い。怖くて鳥肌が立った」と表情を曇らせた。
伊藤容疑者の自宅周辺では、1年ほど前から男女が大声で言い争う声が聞こえていたという。同じアパートに住む20歳代女性は「痛い。出て行く」と女性の叫び声が続き、通報したことがあり、「けんかは事件になるのではないかというくらいの激しさがあった」と声を震わせた。近くに住む主婦(37)は「若い子が犠牲になって痛ましく悲しい。容疑者が近くに住んでいたなんて……」と話した。

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