目をこらし、茂みの中を見つめる警察官。視線の先にいたのは、1匹のサル。
茂みの中から現れたサル。何やら、大事そうに銀色の缶を抱えている。
複数の丸い穴が開いた形状から、灰皿のよう。
どこから持ってきたのかは不明だが、手でとんとんたたくなどして、遊んでいるように見える。
FNNのカメラがこの姿を捉えたのは、28日午前8時ごろ。宮城・石巻市にある平屋建ての空き家の上。
サルは、灰皿を抱えたまま屋根の上を堂々と歩き、屋根に座ると、木の実をぱくり。
すると、食べることに夢中になりすぎたためか、足に灰皿が当たって、ころりころり。
サルは転がる灰皿を追いかけるが、間に合わず、屋根から転がり落ちてしまった。
空き家の屋根に現れたサル。この場所の近くでは、27日も騒ぎが起きていた。
集合住宅の2階に現れたサルが、撮影者に向かって飛びかかってきたのだ。
石巻市内では5月9日以降、サルの目撃情報が相次ぎ、市や警察が警戒中。
28日に現れたのは、27日に出没した集合住宅から30メートルほどしか離れていない空き家の上だった。
27日のサルと見比べてみると、毛並みや体格などから、同じサルに見える。
ニホンザルの生態にくわしい専門家は、住宅地に連日姿を見せるサルについて、「年齢としては3歳から5歳くらいの若いオス。まだ子どもっぽさが残っている年代なので」と指摘した。
そして、どこかから持ってきたあの灰皿は、やはりおもちゃ代わりだったよう。
石巻専修大学・辻大和准教授「何か面白い物を見つけると、それをおもちゃにして遊ぶことはあります。たまたま見つけた灰皿に興味を持って、いじくり回している感じですかね」
これまでに、サルによる人的被害は確認されていないが、警察と市は、サルに遭遇しても近づいたり大きな声を出したりせず、通報してほしいと呼び掛け、警戒を続けている。