まるで「リアル万引き家族」…!車上生活をしながら盗みを繰り返して逮捕された父子3人が「窃盗一家」に転落するまで

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埼玉県内の道の駅で、車上生活をしながら窃盗を繰り返していた父子3人が逮捕された事件。6月19日、さいたま地裁熊谷支部で初公判が開かれ、父子が窃盗一家に転落するまでの経緯が明らかになった。
最初に入廷したのは、次男の原田優斗被告(21歳)。部活動を思わせるシルエットの上下ジャージ姿で髪の毛は無造作に伸びている。色白のどこにでもいそうな青年だ。
続いて、短髪ながら寝癖が目立つ長男の原田魁斗被告(22歳)が入廷し、弟にチラリと視線を向ける。弟に比べると若干ヤンチャそうに見え、Tシャツにスウェットパンツ姿だが、パンツはずり落ちており、トランクスがむき出しになっていた。
photo by istock
最後に、恰幅の良い体を柄モノのTシャツで包んだ父親の上原巌被告(50歳)が入廷する。白髪交じりで実年齢よりも老けて見える上原被告は、手錠と腰縄につながれた息子たちの姿を目にすると、何とも言えない表情を見せた。
検察官による冒頭陳述から浮かび上がってきたのは、格差社会の底辺を生きる一家を描いた映画さながらの「万引き家族」の情景であった。
中学卒業後、飲食店勤務やトラック運転手などをしていた上原被告。やがて結婚して2人の息子をもうけたが、妻とは離婚。それから1年後の2013年、上原被告がくも膜下出血で倒れると、人生の歯車が一気に狂い始めていく。
一命こそ取り留めた上原被告だが、運転手を続けることはできなくなり、親戚や知人の世話になりながら建設関係の仕事に就いた。息子たちと苗字が違うのは、2018年にこの知人と養子縁組をして姓を変えたためだ。このころには窃盗罪で逮捕されている。
その後、知人とケンカ別れした上原被告は、一念発起して建設会社を立ち上げる。息子たちも会社を手伝うようになったが、世の中はコロナ禍へ。
経営が立ち行かなくなり、日雇い生活を始めたものの、次第に家賃の支払いにも窮するようになり、2022年3月から3人で車上生活を始めたという。
やがて彼らは深夜、工事現場などに忍び込み、小型の建設機械などを盗み出して買い取り業者に売却。利益は生活資金などに費やしていたとされる。
そうした日常と、それぞれが抱えていた複雑な思いについては、続く記事『父に言われるがまま、息子2人は手を汚し続けて…まるで「リアル万引き家族」!窃盗一家の生活ぶりと「盗みの手口」』で紹介する。

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