「風の子学園」監禁事件 園生死亡のコンテナ撤去 30年以上放置

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広島県三原市沖の小佐木(こさぎ)島にあった不登校児らを預かる民間施設「風の子学園」(廃園)で1991年7月、園生2人が監禁され死亡した事件で、監禁に使われた貨物コンテナの撤去作業が22日始まった。瀬戸内海の離島の私有地に放置されてきた事件の痕跡は、30年以上を経てようやく消えることになる。
「風の子学園」放置コンテナ撤去を 三原市に要望 事件は三原市の女性(当時16歳)と兵庫県姫路市の男性(同14歳)が「喫煙の罰」として、真夏の炎天下、コンテナに約45時間閉じ込められ、脱水症状を起こして衰弱死した。園長の男性が監禁致死容疑で逮捕され、有罪判決を受けた。

コンテナは鉄道輸送で使われていた金属製で幅2・4メートル、奥行き3・6メートル、高さ2・3メートル。窓はなく、両開きの扉が付いており、内部にはテーブルや便器が残されていた。 島民は三原市にコンテナの撤去を要望してきたが、現場の地権者が長年はっきりしていなかった。近年になって地権者が見つかり、市が対応を求めていた。撤去費用は全額、地権者が負担する。 作業開始に先立ち、コンテナ前に作業員が集まって手を合わせ、約30分かけて重機で解体した。周辺の食堂やシャワー室など関連する8棟はコンテナに先んじて解体されていた。廃材はフェリーで本州に運ばれ、7月中に更地となる見通し。 コンテナ撤去を求める島民らの署名を三原市長に提出した前小佐木区長の岡本正穂さん(93)は「長年気がかりになっていたコンテナが撤去されることになり、ほっとしている。若い2人はかわいそうだった。同じようなことは二度と起きてほしくない」と話した。【渕脇直樹】
事件は三原市の女性(当時16歳)と兵庫県姫路市の男性(同14歳)が「喫煙の罰」として、真夏の炎天下、コンテナに約45時間閉じ込められ、脱水症状を起こして衰弱死した。園長の男性が監禁致死容疑で逮捕され、有罪判決を受けた。
コンテナは鉄道輸送で使われていた金属製で幅2・4メートル、奥行き3・6メートル、高さ2・3メートル。窓はなく、両開きの扉が付いており、内部にはテーブルや便器が残されていた。
島民は三原市にコンテナの撤去を要望してきたが、現場の地権者が長年はっきりしていなかった。近年になって地権者が見つかり、市が対応を求めていた。撤去費用は全額、地権者が負担する。
作業開始に先立ち、コンテナ前に作業員が集まって手を合わせ、約30分かけて重機で解体した。周辺の食堂やシャワー室など関連する8棟はコンテナに先んじて解体されていた。廃材はフェリーで本州に運ばれ、7月中に更地となる見通し。
コンテナ撤去を求める島民らの署名を三原市長に提出した前小佐木区長の岡本正穂さん(93)は「長年気がかりになっていたコンテナが撤去されることになり、ほっとしている。若い2人はかわいそうだった。同じようなことは二度と起きてほしくない」と話した。【渕脇直樹】

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