障害者施策を議論する名古屋市の協議会が16日に開かれ、名古屋城のバリアフリー化を巡る市民討論会での差別発言問題を議論した。協議会委員の学識者や障害者団体メンバーからは差別発言を制止できなかった市への批判が相次いだ。
名古屋城バリアフリー化 昇降機導入どこまで 協議会は年に2~3回開催される。今回は市が策定する障害者基本計画などを議論する予定だったが、3日の市民討論会で一部参加者が車いす利用者に対する差別発言をしたことを受け、急きょ内容を変更した。
問題となった市民討論会を巡っては、市が事前に無作為抽出による市民アンケートを実施。回答者の中で希望した人が参加していた。 協議会会長の瀧誠・愛知淑徳大教授は「エレベーターの設置に否定的な意見が多数出る可能性があったのは分かっていたこと。それをどうフォローするか予防を考えないといけない」と指摘。さらに「バリアフリーを市民に決めさせることが一番の問題」と、討論会の開催自体に疑問を投げかけた。 河村たかし市長にも批判の矛先が向かった。討論会後に不適切発言について記者に問われた河村市長が「市民による発言は自由が原則」などと述べた点について、障害者団体のメンバーから「障害者や差別についてどこまで理解しているのか」と批判が上がった。 こうした指摘に対し、名古屋城総合事務所の上田剛所長は「知見が不足していた」と謝罪。「立場上申し上げづらいが、(河村)市長の日ごろからの言動に、私自身も非常にじくじたる思いを持っている」と胸の内を吐露する一幕もあった。【酒井志帆】
協議会は年に2~3回開催される。今回は市が策定する障害者基本計画などを議論する予定だったが、3日の市民討論会で一部参加者が車いす利用者に対する差別発言をしたことを受け、急きょ内容を変更した。
問題となった市民討論会を巡っては、市が事前に無作為抽出による市民アンケートを実施。回答者の中で希望した人が参加していた。
協議会会長の瀧誠・愛知淑徳大教授は「エレベーターの設置に否定的な意見が多数出る可能性があったのは分かっていたこと。それをどうフォローするか予防を考えないといけない」と指摘。さらに「バリアフリーを市民に決めさせることが一番の問題」と、討論会の開催自体に疑問を投げかけた。
河村たかし市長にも批判の矛先が向かった。討論会後に不適切発言について記者に問われた河村市長が「市民による発言は自由が原則」などと述べた点について、障害者団体のメンバーから「障害者や差別についてどこまで理解しているのか」と批判が上がった。
こうした指摘に対し、名古屋城総合事務所の上田剛所長は「知見が不足していた」と謝罪。「立場上申し上げづらいが、(河村)市長の日ごろからの言動に、私自身も非常にじくじたる思いを持っている」と胸の内を吐露する一幕もあった。【酒井志帆】