「羽田空港が雷雨で着陸できないから『関空に行く』」と言われても… 大阪で乗客はどうなる?費用は誰持ち?航空会社に聞いてみた

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日本付近に複数の台風が発生するなど台風シーズンが続いているが、飛行機に乗る予定のある人にとっては天候が気になるところではないだろうか。大雨や強風などの場合、飛行機は欠航になるだけでなく、離陸はしたものの引き返したり、目的地とは別の空港に降りたり、というケースもある。そんなとき、乗客はどうなるのだろうか。【写真を見る】「羽田空港が雷雨で着陸できないから『関空に行く』」と言われても… 大阪で乗客はどうなる?費用は誰持ち?航空会社に聞いてみた■楽しかった夏休み 最終日に事件が…今年は3年ぶりに新型コロナによる行動制限がない夏休みとなった。ということで、筆者も夏休みを利用して四国を旅行した。しかし、東京へ帰る日に想定外のことが…。

予定通りレンタカーを返却し、ふとスマホに目をやると、全日空から一通のメールが届いていた。「出発時刻変更のお知らせ」羽田空港の天候が悪く、乗る予定の飛行機が羽田を飛び立てないのだという。「遅延によりご迷惑をおかけしております。ご搭乗のお客様には食事券を用意しておりますので、係員までお知らせください」搭乗手続きをすると、空港で使用できる1000円分の食事券と現金1000円を手渡された。飛行機は遅延に遅延を重ね、結局2時間20分遅れで飛び立った。しかし、羽田上空に到着するも、まだ東京近辺には雷雲があり着陸できるかどうか微妙な状況だという。そこで機長からのアナウンスが…。「当便はこれから着陸態勢に入りますが、万が一着陸ができない場合は関西国際空港へと向かいます」え?関空へ戻る?大阪から新幹線で帰京?それとも大阪に泊まる?費用は自腹?頭の中はクエスチョンマークだらけだった。幸いにもこの後、飛行機は無事羽田空港に着陸することができたのだが、頭の中にはクエスチョンマークが残った。そこで、全日空に直接疑問をぶつけてみることにした。■大阪に着陸、その後どうなる?費用は自腹?ーー羽田に降りる予定の飛行機が関空に降りてしまった場合、その後どうなるのでしょうか?全日空「目的地は羽田空港ですので、一度関空に降りて羽田の天候回復を待って、再度羽田に向かうというのが一番ベーシックな考え方です。雷の場合は一定の時間で抜けることが多いので、戻れることが多いんですけど。抜けるまであと1時間かかる、となったときに、今この時間で判断すれば新幹線に乗れる、ということであれば新幹線に乗っていただく、ということもあります」ーーその場合、新幹線の運賃は誰が払うんですか?全日空「目的地までお連れできなかったということで、会社の責任として羽田空港までの地上交通費を全日空がお支払いさせていただきます」ーーあ、出してもらえるんですね!ちなみに、“プレミアムクラス”のようなランクの高い席に座っていた方が「新幹線もグリーン車じゃないと嫌です」といった場合は出してもらえるんでしょうか?全日空「基本的には普通席での費用のみ負担させていただいています」ーー新幹線の終電がもう終わってしまっている場合は?全日空「おそらく関西地区でお泊まりいただくことになると思ってください」ーーその際の宿泊費は?全日空「翌日の便に振り替えさせていただき、宿泊が必要と判断された場合には宿泊費の負担をさせていただきます」関空に降りてしまった場合、新幹線に振り替える場合は新幹線代を、宿泊せざるを得ない場合には宿泊費も全日空が負担してくれるのだそうだ。また、自分が乗っていた便がそのまま羽田に戻らなかったとしても、他の定期便やあるいは他社の便が羽田に向かう場合はそれらの便に振り替えるというケースもあるのだという。手数料などもかからない。■一度に大勢が振り替えしたら?希望の便に乗れるのか?しかし、ここで次の疑問が湧いてきた。1つの便の乗客が一気に振り替えを訴えたら、希望が叶うとは限らないのではないか?ということだ。ーー関空に戻った飛行機は羽田に戻れない、となって、便を振り替えなくてはならないが次の便の空きが十分でない、といった場合、乗れる人はどのように決まるんでしょうか?全日空「そういう場合はもう本当に早く振り替えた方から、という形になります。ウェブサイトでの振り替えもできますし、カウンターでも先に並ばれた方から、申し出があった順に希望の便に振り替えと言う形になります」ーー早いもの勝ちってことなんですね。欠航や引き返す場合には、本来予約の変更ができないチケットであっても振り替えができるので、いち早く情報を得て、少しでも早く手続きをすることが、希望の便に振り替えるためには必要なのだ。■遅延によるお詫び 金券や現金がもらえるケースは?ーーところで、今回、15時55分発予定だった便の出発時刻が17時45分に遅れたことによって、出発空港で使える1000円分の食事券のクーポンと現金1000円をいただいたんですが、これも細かいルールが決まっているんですか?全日空「これは規定で定めている指標がありまして、機材故障など弊社の都合によるものか、天候などの不可抗力によるものかによって金額は変わってきます」ーー何時間でいくら、とか決まっている?全日空「お詫びとして大体どれくらいの遅延でいくらお支払いする、などの指標がございますが、細かい時間や金額は内規になりますので…」ーー教えてもらえないんですね…。全日空「すみません…」ーークーポンと現金半分ずつだったことが不思議だったんですが。全日空「現金にするかクーポンにするかは各空港で責任者が判断します。クーポンは出発空港でしか使用できないという制約がありますが、例えば出発時刻までかなり時間があって、店舗も多数空いているのであればクーポンの方が早くお渡しできる利点がありますので」ーークーポンの方が早く用意できる?全日空「各端末で必要な分発行できますので」ーーなるほど。千円札をいっぱい配る、となったら現金の調達は大変なんですね。■飛んだ飛行機が目的地に降りられないケース どれくらいの頻度で起きる?ーーまだ台風シーズンですし、天候による遅延や欠航なども多い時期かと思いますが、乗客の方にお願いやアドバイスなどありますか?全日空「基本的な考え方として、我々は『わかっていることに関してはなるべく早くお伝えする』ということにしているので、ツイッターやウェブサイトでできるだけ情報を発信するようにしています。我々も“飛ばしたい”という思いがあるので、ギリギリまで待ちたい気持ちもあるんですけど、ある一定の時間を区切って、その時持っている情報で判断しましょう、ということになってきていますので、ぜひウェブやアプリで情報を早めに得ていただけたらと思います」ーー今回のように飛んだ飛行機が目的地に降りられずに引き返したり、別の空港に降りるというケースはどのくらいの割合で起きているんですか?全日空「パーセンテージでいきますと、年間0.03%~0.04%ですね。平均すると4日に1便あるかないかというくらいです。ただ、そういうことがある日は集中しますが」■結局のところ すべて「ケース・バイ・ケース」0.03%と聞いて、貴重な体験をしそびれて惜しかったような気もしてくるから不思議だ。今回、天候理由で出発が遅延、羽田に降りるはずが、もしかしたら関空に…という経験をもとにお話を伺った。ただ、どの場合もケース・バイ・ケースになるので、降りた空港で最適な方法を案内してもらってほしいとのことだ。全日空の方の「イレギュラーの場合は何をやっても正解にはならない。毎回悩ましさがあるし、これで良かっただろうかっていうのは常にずっと残ります」という言葉が印象的だった。※記事の内容は全日空の場合の対応例で、航空会社により異なります。
日本付近に複数の台風が発生するなど台風シーズンが続いているが、飛行機に乗る予定のある人にとっては天候が気になるところではないだろうか。大雨や強風などの場合、飛行機は欠航になるだけでなく、離陸はしたものの引き返したり、目的地とは別の空港に降りたり、というケースもある。そんなとき、乗客はどうなるのだろうか。
【写真を見る】「羽田空港が雷雨で着陸できないから『関空に行く』」と言われても… 大阪で乗客はどうなる?費用は誰持ち?航空会社に聞いてみた■楽しかった夏休み 最終日に事件が…今年は3年ぶりに新型コロナによる行動制限がない夏休みとなった。ということで、筆者も夏休みを利用して四国を旅行した。しかし、東京へ帰る日に想定外のことが…。

予定通りレンタカーを返却し、ふとスマホに目をやると、全日空から一通のメールが届いていた。「出発時刻変更のお知らせ」羽田空港の天候が悪く、乗る予定の飛行機が羽田を飛び立てないのだという。「遅延によりご迷惑をおかけしております。ご搭乗のお客様には食事券を用意しておりますので、係員までお知らせください」搭乗手続きをすると、空港で使用できる1000円分の食事券と現金1000円を手渡された。飛行機は遅延に遅延を重ね、結局2時間20分遅れで飛び立った。しかし、羽田上空に到着するも、まだ東京近辺には雷雲があり着陸できるかどうか微妙な状況だという。そこで機長からのアナウンスが…。「当便はこれから着陸態勢に入りますが、万が一着陸ができない場合は関西国際空港へと向かいます」え?関空へ戻る?大阪から新幹線で帰京?それとも大阪に泊まる?費用は自腹?頭の中はクエスチョンマークだらけだった。幸いにもこの後、飛行機は無事羽田空港に着陸することができたのだが、頭の中にはクエスチョンマークが残った。そこで、全日空に直接疑問をぶつけてみることにした。■大阪に着陸、その後どうなる?費用は自腹?ーー羽田に降りる予定の飛行機が関空に降りてしまった場合、その後どうなるのでしょうか?全日空「目的地は羽田空港ですので、一度関空に降りて羽田の天候回復を待って、再度羽田に向かうというのが一番ベーシックな考え方です。雷の場合は一定の時間で抜けることが多いので、戻れることが多いんですけど。抜けるまであと1時間かかる、となったときに、今この時間で判断すれば新幹線に乗れる、ということであれば新幹線に乗っていただく、ということもあります」ーーその場合、新幹線の運賃は誰が払うんですか?全日空「目的地までお連れできなかったということで、会社の責任として羽田空港までの地上交通費を全日空がお支払いさせていただきます」ーーあ、出してもらえるんですね!ちなみに、“プレミアムクラス”のようなランクの高い席に座っていた方が「新幹線もグリーン車じゃないと嫌です」といった場合は出してもらえるんでしょうか?全日空「基本的には普通席での費用のみ負担させていただいています」ーー新幹線の終電がもう終わってしまっている場合は?全日空「おそらく関西地区でお泊まりいただくことになると思ってください」ーーその際の宿泊費は?全日空「翌日の便に振り替えさせていただき、宿泊が必要と判断された場合には宿泊費の負担をさせていただきます」関空に降りてしまった場合、新幹線に振り替える場合は新幹線代を、宿泊せざるを得ない場合には宿泊費も全日空が負担してくれるのだそうだ。また、自分が乗っていた便がそのまま羽田に戻らなかったとしても、他の定期便やあるいは他社の便が羽田に向かう場合はそれらの便に振り替えるというケースもあるのだという。手数料などもかからない。■一度に大勢が振り替えしたら?希望の便に乗れるのか?しかし、ここで次の疑問が湧いてきた。1つの便の乗客が一気に振り替えを訴えたら、希望が叶うとは限らないのではないか?ということだ。ーー関空に戻った飛行機は羽田に戻れない、となって、便を振り替えなくてはならないが次の便の空きが十分でない、といった場合、乗れる人はどのように決まるんでしょうか?全日空「そういう場合はもう本当に早く振り替えた方から、という形になります。ウェブサイトでの振り替えもできますし、カウンターでも先に並ばれた方から、申し出があった順に希望の便に振り替えと言う形になります」ーー早いもの勝ちってことなんですね。欠航や引き返す場合には、本来予約の変更ができないチケットであっても振り替えができるので、いち早く情報を得て、少しでも早く手続きをすることが、希望の便に振り替えるためには必要なのだ。■遅延によるお詫び 金券や現金がもらえるケースは?ーーところで、今回、15時55分発予定だった便の出発時刻が17時45分に遅れたことによって、出発空港で使える1000円分の食事券のクーポンと現金1000円をいただいたんですが、これも細かいルールが決まっているんですか?全日空「これは規定で定めている指標がありまして、機材故障など弊社の都合によるものか、天候などの不可抗力によるものかによって金額は変わってきます」ーー何時間でいくら、とか決まっている?全日空「お詫びとして大体どれくらいの遅延でいくらお支払いする、などの指標がございますが、細かい時間や金額は内規になりますので…」ーー教えてもらえないんですね…。全日空「すみません…」ーークーポンと現金半分ずつだったことが不思議だったんですが。全日空「現金にするかクーポンにするかは各空港で責任者が判断します。クーポンは出発空港でしか使用できないという制約がありますが、例えば出発時刻までかなり時間があって、店舗も多数空いているのであればクーポンの方が早くお渡しできる利点がありますので」ーークーポンの方が早く用意できる?全日空「各端末で必要な分発行できますので」ーーなるほど。千円札をいっぱい配る、となったら現金の調達は大変なんですね。■飛んだ飛行機が目的地に降りられないケース どれくらいの頻度で起きる?ーーまだ台風シーズンですし、天候による遅延や欠航なども多い時期かと思いますが、乗客の方にお願いやアドバイスなどありますか?全日空「基本的な考え方として、我々は『わかっていることに関してはなるべく早くお伝えする』ということにしているので、ツイッターやウェブサイトでできるだけ情報を発信するようにしています。我々も“飛ばしたい”という思いがあるので、ギリギリまで待ちたい気持ちもあるんですけど、ある一定の時間を区切って、その時持っている情報で判断しましょう、ということになってきていますので、ぜひウェブやアプリで情報を早めに得ていただけたらと思います」ーー今回のように飛んだ飛行機が目的地に降りられずに引き返したり、別の空港に降りるというケースはどのくらいの割合で起きているんですか?全日空「パーセンテージでいきますと、年間0.03%~0.04%ですね。平均すると4日に1便あるかないかというくらいです。ただ、そういうことがある日は集中しますが」■結局のところ すべて「ケース・バイ・ケース」0.03%と聞いて、貴重な体験をしそびれて惜しかったような気もしてくるから不思議だ。今回、天候理由で出発が遅延、羽田に降りるはずが、もしかしたら関空に…という経験をもとにお話を伺った。ただ、どの場合もケース・バイ・ケースになるので、降りた空港で最適な方法を案内してもらってほしいとのことだ。全日空の方の「イレギュラーの場合は何をやっても正解にはならない。毎回悩ましさがあるし、これで良かっただろうかっていうのは常にずっと残ります」という言葉が印象的だった。※記事の内容は全日空の場合の対応例で、航空会社により異なります。
今年は3年ぶりに新型コロナによる行動制限がない夏休みとなった。ということで、筆者も夏休みを利用して四国を旅行した。しかし、東京へ帰る日に想定外のことが…。
予定通りレンタカーを返却し、ふとスマホに目をやると、全日空から一通のメールが届いていた。
「出発時刻変更のお知らせ」
羽田空港の天候が悪く、乗る予定の飛行機が羽田を飛び立てないのだという。
「遅延によりご迷惑をおかけしております。ご搭乗のお客様には食事券を用意しておりますので、係員までお知らせください」
搭乗手続きをすると、空港で使用できる1000円分の食事券と現金1000円を手渡された。
飛行機は遅延に遅延を重ね、結局2時間20分遅れで飛び立った。しかし、羽田上空に到着するも、まだ東京近辺には雷雲があり着陸できるかどうか微妙な状況だという。そこで機長からのアナウンスが…。
「当便はこれから着陸態勢に入りますが、万が一着陸ができない場合は関西国際空港へと向かいます」
え?関空へ戻る?大阪から新幹線で帰京?それとも大阪に泊まる?費用は自腹?頭の中はクエスチョンマークだらけだった。
幸いにもこの後、飛行機は無事羽田空港に着陸することができたのだが、頭の中にはクエスチョンマークが残った。そこで、全日空に直接疑問をぶつけてみることにした。
ーー羽田に降りる予定の飛行機が関空に降りてしまった場合、その後どうなるのでしょうか?
全日空「目的地は羽田空港ですので、一度関空に降りて羽田の天候回復を待って、再度羽田に向かうというのが一番ベーシックな考え方です。雷の場合は一定の時間で抜けることが多いので、戻れることが多いんですけど。抜けるまであと1時間かかる、となったときに、今この時間で判断すれば新幹線に乗れる、ということであれば新幹線に乗っていただく、ということもあります」
ーーその場合、新幹線の運賃は誰が払うんですか?
全日空「目的地までお連れできなかったということで、会社の責任として羽田空港までの地上交通費を全日空がお支払いさせていただきます」
ーーあ、出してもらえるんですね!ちなみに、“プレミアムクラス”のようなランクの高い席に座っていた方が「新幹線もグリーン車じゃないと嫌です」といった場合は出してもらえるんでしょうか?
全日空「基本的には普通席での費用のみ負担させていただいています」
ーー新幹線の終電がもう終わってしまっている場合は?
全日空「おそらく関西地区でお泊まりいただくことになると思ってください」
ーーその際の宿泊費は?
全日空「翌日の便に振り替えさせていただき、宿泊が必要と判断された場合には宿泊費の負担をさせていただきます」
関空に降りてしまった場合、新幹線に振り替える場合は新幹線代を、宿泊せざるを得ない場合には宿泊費も全日空が負担してくれるのだそうだ。また、自分が乗っていた便がそのまま羽田に戻らなかったとしても、他の定期便やあるいは他社の便が羽田に向かう場合はそれらの便に振り替えるというケースもあるのだという。手数料などもかからない。
しかし、ここで次の疑問が湧いてきた。1つの便の乗客が一気に振り替えを訴えたら、希望が叶うとは限らないのではないか?ということだ。
ーー関空に戻った飛行機は羽田に戻れない、となって、便を振り替えなくてはならないが次の便の空きが十分でない、といった場合、乗れる人はどのように決まるんでしょうか?
全日空「そういう場合はもう本当に早く振り替えた方から、という形になります。ウェブサイトでの振り替えもできますし、カウンターでも先に並ばれた方から、申し出があった順に希望の便に振り替えと言う形になります」
ーー早いもの勝ちってことなんですね。
欠航や引き返す場合には、本来予約の変更ができないチケットであっても振り替えができるので、いち早く情報を得て、少しでも早く手続きをすることが、希望の便に振り替えるためには必要なのだ。
ーーところで、今回、15時55分発予定だった便の出発時刻が17時45分に遅れたことによって、出発空港で使える1000円分の食事券のクーポンと現金1000円をいただいたんですが、これも細かいルールが決まっているんですか?
全日空「これは規定で定めている指標がありまして、機材故障など弊社の都合によるものか、天候などの不可抗力によるものかによって金額は変わってきます」
ーー何時間でいくら、とか決まっている?
全日空「お詫びとして大体どれくらいの遅延でいくらお支払いする、などの指標がございますが、細かい時間や金額は内規になりますので…」
ーー教えてもらえないんですね…。
全日空「すみません…」
ーークーポンと現金半分ずつだったことが不思議だったんですが。
全日空「現金にするかクーポンにするかは各空港で責任者が判断します。クーポンは出発空港でしか使用できないという制約がありますが、例えば出発時刻までかなり時間があって、店舗も多数空いているのであればクーポンの方が早くお渡しできる利点がありますので」
ーークーポンの方が早く用意できる?
全日空「各端末で必要な分発行できますので」
ーーなるほど。千円札をいっぱい配る、となったら現金の調達は大変なんですね。
ーーまだ台風シーズンですし、天候による遅延や欠航なども多い時期かと思いますが、乗客の方にお願いやアドバイスなどありますか?
全日空「基本的な考え方として、我々は『わかっていることに関してはなるべく早くお伝えする』ということにしているので、ツイッターやウェブサイトでできるだけ情報を発信するようにしています。我々も“飛ばしたい”という思いがあるので、ギリギリまで待ちたい気持ちもあるんですけど、ある一定の時間を区切って、その時持っている情報で判断しましょう、ということになってきていますので、ぜひウェブやアプリで情報を早めに得ていただけたらと思います」
ーー今回のように飛んだ飛行機が目的地に降りられずに引き返したり、別の空港に降りるというケースはどのくらいの割合で起きているんですか?
全日空「パーセンテージでいきますと、年間0.03%~0.04%ですね。平均すると4日に1便あるかないかというくらいです。ただ、そういうことがある日は集中しますが」
0.03%と聞いて、貴重な体験をしそびれて惜しかったような気もしてくるから不思議だ。
今回、天候理由で出発が遅延、羽田に降りるはずが、もしかしたら関空に…という経験をもとにお話を伺った。ただ、どの場合もケース・バイ・ケースになるので、降りた空港で最適な方法を案内してもらってほしいとのことだ。
全日空の方の「イレギュラーの場合は何をやっても正解にはならない。毎回悩ましさがあるし、これで良かっただろうかっていうのは常にずっと残ります」という言葉が印象的だった。

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