熊本市中央区南坪井町の雑居ビルで、殺害された２９歳の女性の遺体が見つかった事件で、遺体の発見場所はビル７階の空きテナントだったことが、捜査関係者への取材でわかった。
８階建てのビルは７階以上が現在使われておらず、人の出入りがほとんどないため、熊本県警は、現場に土地鑑のある人物が遺体を遺棄した可能性があるとみて調べている。
捜査関係者らによると、７、８階は以前はカラオケ店だったが、少なくとも数年前に閉店していた。現在は空室で、遺体は５月２９日夜、７階で布にくるまれた状態で見つかった。
ビルは１、２階がテナントで、３階から６階までが住居。２基あるエレベーターのうち、１基は１～６階だけ止まる住民専用で、もう１基はカラオケ店があった７階への直通で、閉店後、使えなくなったという。
７階に行き来する非常階段はあるが、複数の住民は「７階に行ったことがない」と話している。普段は立ち入らない場所のため県警は、犯人が人目につきにくい場所を選んだ可能性があるとみている。
防犯カメラの映像から、女性は当時、バッグのようなものを所持していたことも捜査関係者への取材でわかった。女性の行方が分からなくなる前、交際相手にメッセージを送った携帯電話も見つかっておらず、犯人が合わせて持ち去った可能性があるという。