老齢年金をもらっていますが、年金額が減ってしまうこともあるのでしょうか?

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老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。
今回は、もらっている年金額が減ってしまうこともあるのかについてです。
Q:老齢年金をもらっていますが、年金額が減ってしまうこともあるのでしょうか?「私は老齢年金をもらっていますが、来年度の年金は、下がってしまうこともあるのでしょうか?」(Hさん)
A:物価と賃金の変動率、さらに「マクロ経済スライド」により、毎年度、年金額が改定されますので、下がることもありえます公的年金額は、賃金・物価の変動に応じて、毎年度、見直されていますので年金額は上がることも下がることもあります。
年金給付の財源は、主に、現役世代からの保険料で賄われています。現役世代の賃金や物価が下がれば、年金額は下がってしまうことになります。たとえば、現役世代の賃金変動率がマイナスで、物価の変動率を下回る場合には、賃金変動率を用いますので年金額は下がります。
とはいえ、賃金や物価が上がったからといって、そのまま年金額に反映されるわけではありません。なぜなら年金額を決定する際には「マクロ経済スライド」という仕組みが用いられているからです。
マクロ経済スライドとは、少子高齢化が進む中で、将来の現役世代の負担が過重なものとならないよう年金額の給付をおさえる仕組みのことです。賃金や物価が上がったとしても、「マクロ経済スライド」が用いられて、年金額の給付水準がおさえられることがあるので覚えておいてください。
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

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