甲子園21回出場・関西高校で1年生部員が自殺 野球部保護者が「上級生のイジメ」証言 警察は部員を事情聴取か

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岡山県の甲子園常連校・私立関西(かんぜい)高校野球部の1年生部員が自殺していたとみられる問題で、上級生によるイジメを苦にしていた疑いがあることが、「週刊文春」の取材でわかった。野球部の保護者が取材に対し、証言した。
【画像】イジメがあったという関西高校野球部HPを見る
関西高校は1887年創立の伝統校。県内唯一の男子校で、硬式野球部は甲子園に春夏合わせて21回出場した強豪だ。
「2006 年のセンバツでは、斎藤佑樹擁する早稲田実業と延長15回引き分け再試合の死闘を繰り広げるなど、高校野球ファンにはお馴染みの常連校です。2021年からは元ヤクルトでOBの上田剛史氏を臨時コーチに招聘。ただ昨年1月には、監督が部員を平手打ちするという体罰が発覚し、謹慎処分を受けました」(スポーツ紙記者)
プロ野球選手も輩出している名門野球部
そんな関西高校野球部の1年生部員・山田太郎君(仮名=享年16)が亡くなったのは、5月14日のこと。夜9時前、学校から約5キロの地点にある踏切で列車に撥ねられたのだ。
「電車の運転士は『踏切内に入った人影に気づき、ブレーキをかけたが間に合わなかった』と説明しています」(JR西日本中国統括本部担当者)
現場周辺には田園地帯が広がっており、自ら線路内に立ち入っていることなどから、警察は自殺した可能性が高いとみている。
小学4年生から野球を続けていた太郎君。ボーイズリーグでも活躍し、特待生で関西に進学した。母子家庭で、「お母さんを甲子園に連れていく」と口にする優しい子だったという。なぜ、太郎君は自ら命を絶ったのか。
野球部の保護者Aさんが語る。
「実は、野球部では、上級生から1年生部員に対する苛烈なイジメがあったのです」
イジメは、4月の入部当初から始まった。
「たびたび上級生が1年生の頭をバットで小突き、たんこぶができていた。一部の上級生はそれを“コンバット”という隠語で呼んでいました」(同前)
太郎君の葬儀は5月21日に行われた。2日後の5月23日には、警察の捜査員が1年生部員全員に事情聴取を行っているという。
「息子によると、イジメや暴力行為があったのか、太郎君はどんな様子だったのか聞かれたそうです。暴力行為をしていた上級生はすでに謹慎処分を受けている。野球部も活動を自粛しています」(同前)
太郎君の自宅を訪ねると、ユニフォーム姿の知人男性が母親に代わり、言葉少なにこう語った。
「学校の責任が重たい部分もあるんじゃろが、まだ亡くなって日も経っていないので……」
関西高校に、イジメの実態や死亡との因果関係などについて事実関係の確認を求めたところ、教頭が以下のように回答した。
「個別の事案については、全て回答を差し控えさせて頂きます」
2019年には福岡の県立高校野球部が、部内イジメで2年生部員が自殺した問題を受け、半年間の対外試合禁止処分を受けている。
前出のAさんが訴える。
「1年生は大きなショックを受けていますが、未だ保護者説明会の開催などはありません。学校側にはきちんと説明して欲しいと思います」
5月31日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および6月1日(木)発売の「週刊文春」では、太郎君が野球に打ち込んでいた様子や、太郎君が受けたと言われているイジメの被害、上級生による他の1年生部員に対するイジメなどについても報じている。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2023年6月8日号)

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