広島市で19日に開幕する先進7か国首脳会議(G7サミット)を目前に控え、バイデン米大統領ら各国の首脳が18日、続々と広島入りした。
道路には至る所に警察官が立って目を光らせ、最高レベルの警戒態勢が敷かれた市街地は、物々しい雰囲気に包まれた。
18日午後5時過ぎ、バイデン氏は米軍岩国基地(山口県岩国市)で専用機からヘリコプターに乗り換え、「広島ヘリポート」(広島市西区)に到着。小雨の中、大統領専用車に乗り込んだ。
車は、日米首脳会談が開かれる広島市中区のホテルまでの約10キロの道のりを約30分かけて進んだ。バイデン氏が市民らに手を上げて応える場面もあった。
市中心部の沿道には高さ約1メートルの柵が設けられ、警察官が多いところでは約1メートル間隔で並んだ。沿道で見ていた同市中区の無職の男性(72)は「7年前にオバマ氏が来訪した時よりも警備は厳重になっており、不安はない」と話した。
今回のサミットで警察当局は最大時2万4000人で警備を行う。今年4月に岸田首相の選挙演説会場に爆発物が投げ込まれる事件が発生したことを受け、市民との距離が近くなる移動時の警備を強化した。
19日に各国首脳らが訪れる予定の平和記念公園(広島市中区)と世界遺産・厳島(いつくしま)神社がある宮島(広島県廿日市市)では18日午後、立ち入り規制が始まった。
宮島では対岸のフェリーターミナルに保安検査場が設けられ、島民や事業者以外の入島が規制され、閑散とした。観光で訪れた大阪府豊中市の会社員(31)は「規制は知らなかった。6時間かけて来たので残念だが、仕方ない」と困惑していた。
米国以外の首脳らも18日に次々と空路で広島入り。カナダやドイツ、英国の各首相が乗った専用機が着いた広島空港周辺の車道は、機動隊の車両で封鎖されるなど緊迫していた。