お好み焼きにフィッシュアンドチップス? 広島に「G7サミット焼き」登場

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先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)が開幕した広島で、参加各国の食文化を取り入れたユニークなお好み焼きが提供されている。
サミットを盛り上げようとお好み焼き文化を発信する一般財団法人「お好み焼アカデミー」(広島市西区)が企画した、その名も「G7サミット焼き」。呼び掛けに応じた約140店が、各国の食材や調味料を使った一枚を提供しており、関係者は「広島のソウルフードを世界に発信したい」と期待を寄せる。
米国はハンバーガーのパティ、英国はフィッシュアンドチップス、イタリアはピザ風ソース-。熱々の鉄板の上で、お好み焼きにはなじみのない食材や調味料が躍る。
広島市中区の「味わいお好み 一力」は、7カ国すべてのメニューがそろう店舗の一つ。店ではベースとなる生地と山盛りのキャベツと麺に、豚肉や海鮮を重ねた?王道?が人気だが、店長の新田浩貴さん(46)が「サミットを機に広島の良さを知ってもらいたい」と企画への参加を決めた。各国を代表する食材や調味料を選んで店の味にマッチするように試行錯誤を重ね、7カ国分のメニューを約2カ月かけて完成させた。
「それぞれの国の食文化をうまく取り入れ、お好み焼きの素材も生かした一品に仕上がった」と新田さん。新型コロナウイルスによる入国制限の緩和を受けて増えている外国人観光客からも好評で、「広島で楽しいひとときを過ごしてもらえてうれしい」と笑顔を見せる。サミット閉幕後の6月末まで提供を続けるという。
お好み焼きは原爆で焦土と化した広島の戦後復興を支えた食文化でもある。アカデミーの松本重訓(しげのり)専務理事は「広島の人々に欠かせないお好み焼きが広まっていくのはうれしい。広島はもちろん、世界中でいろいろな種類のお好み焼きが誕生してほしい」と話している。(清水更沙)

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