初めて飛行機に乗った子連れに、客室乗務員が手紙を差し出した。手書きで書かれたポストカードには客室乗務員による温かいコメントが書かれていた。SNSで話題になっている「ファーストフライトカード」だ。2023年4月上旬、あるユーザーがJALでの体験を紹介したことをきっかけに注目を集めた。
JAL広報部によれば、客室乗務員が自主的に始めた取り組みだという。
子供を連れて飛行機に乗ったとする男性が4月13日、JALの客室乗務員の対応に感銘を受け、ツイッターで次のように紹介した。
男性が首にカメラを提げて搭乗すると、カメラに目を留めた乗務員が他の乗客が乗り込むまでの間に記念撮影をしてくれたという。目的地に到着し、飛行機を降りようとすると客室乗務員から、子供のファーストフライトを記念した手紙が差し出された。男性は「感激して泣くかと思った」と述べている。
男性のツイートは、232万9000回以上表示され、 4万7000件を超える「いいね」が寄せられた。
男性の投稿を見た後、JALに搭乗したとする別のユーザーからも次のような声が上がった。
このユーザーは0歳と3歳の息子を持つ母親で、今回は3歳の息子との2人旅行だった。生まれて半年の弟を支えてくれたことへの感謝と、本人の進級祝いとして、憧れだった飛行機に乗せた。取材に対し次のようにカードを受け取った経緯を説明する。
客室乗務員には搭乗時、「子供が今回初めての搭乗なので、大きな声を出したりして、迷惑かけるかもしれません」と相談していた。すると客室乗務員は「お母様不安ですよね。意外とお子様は飲み物飲んだりする事で、耳抜きなどもうまく自力で調整します。またあとで伺いますね!」と寄り添ってくれたという。
母親が受け取った手紙には、手書きで大きく「HAPPY FIRST FLIGHT!」と書かれ、次のようなメッセージがあった。
さらに飛行機の便名や機長らの名前、フライト時間なども記されている。母親は次のように感想を述べる。
初めての母子2人での旅行には不安もいっぱいだったが、客室乗務員たちのきめ細やかな心遣いに支えられた。
予約サービスにも感銘を受けたという。空席照会では、子連れであることが後から予約する人に対し表示される。「子供が近くにいる事を事前に了解いただいた上で予約してもらえるので、少しだけ気が楽になりました」と振り返る。
フライト当日の機内では、耳抜きができるよう、離陸前にジュースを蓋やストロー付きで用意してもらった。機外の様子を見るチャンネルも教えてもらえたため、飛行機の離着陸の様子を楽しんだ。子供が大好きな児童向けアニメも視聴できた。
無事に到着すると、客が少ないタイミングで記念撮影もしてもらったという。保安所のスタッフらも優しく声掛けをしてくれたそうだ。
その日の夜、子供は客室乗務員からもらった飛行機の玩具を手にしたまま眠りに落ちたそうだ。
取材に対し、JALの広報担当者は、ファーストフライトカードの贈呈は現場の客室乗務員が自主的に行っていると述べる。
客室乗務員が客との会話の中で、初めての飛行機利用であることを把握し、記入しているという。ファーストフライトカードに注目が集まったことについては、「現場の客室乗務員が自主的に行っている工夫が、このような形で好意的に取り上げていただき率直にうれしく思います」と受け止めた。
状況を見て記念撮影を提案したり、飛行機の模型や機内で遊べるおもちゃなどをプレゼントしたり、粉ミルクの調乳なども行ったりしているという。広報担当者は、これから初めて飛行機に乗る子供たちに対して、次のように伝えたいという。