“指” 切断後も配達を継続 心理学者「アドレナリンは出ていないはず」背景にドライバーの過重労働も?

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「痛い」というレベルをはるかに超えていたはず。
【映像】配達員が「痛み」より優先したこととは? 24日、京都府舞鶴市の車道で小学生が見つけた指は60代の男性配達員のもの。警察によると、男性は配達作業中に車のスライドドアに指をはさんで切断したがその指を路上に落としたまま配達を続けたとのこと。背景には配達員の過重労働もあるものと推測される。 ニュース番組『ABEMAヒルズ』は、臨床心理士・公認心理師で明星大学心理学部教授の藤井靖氏がその心理に迫る。

藤井教授は「過去には、体の一部が切断されたり大きなケガをしても、運転中や運動中だったりして脳内におけるアドレナリンやドーパミンの放出が想定される状況だったために、自身が気づかなかった、痛みを感じにくかったという事象はあった。しかし、今回のケースの配達員の方は配達作業中であり、それらと類似の興奮や快感が伴う状態ではなかったのではないか」 と推測する。藤井教授によると、人間が自分の行動の順番を決める際、何らかの「感情」がベースになっていることが多いという側面から、今回の状況を分析した。「実は、『指が落ちてしまった』というだけでは人間は動かない。『大変だ、悲しい、痛い、辛い』という感情があってはじめて病院に向かうのだ。本来なら最優先事項としてすぐに病院に行くが、それ以上に『急いで配達しなければ』『とにかく早く仕事を終えたい』などのより優先すべき状況や感情があったのではないか。頭ではピンチを理解していても、感情が伴わず行動が起きない、ということはあり得ることだ」 今回の配達員について詳細は不透明だが、配達員の過酷な労働環境も要因だと推測できる。1日およそ500件の再配達があり、3度同じ配達先に向かっても報酬は変わらない、という配達員もいる。 藤井教授は「これほど過酷だと、いろいろ考えてしまっては仕事が進まない。『何も考えないでとにかく運んでいる状態』になっていたのでは。そうなると時として優先順位が逆になってしまう」(『ABEMAヒルズ』より)
24日、京都府舞鶴市の車道で小学生が見つけた指は60代の男性配達員のもの。警察によると、男性は配達作業中に車のスライドドアに指をはさんで切断したがその指を路上に落としたまま配達を続けたとのこと。背景には配達員の過重労働もあるものと推測される。
ニュース番組『ABEMAヒルズ』は、臨床心理士・公認心理師で明星大学心理学部教授の藤井靖氏がその心理に迫る。
藤井教授は「過去には、体の一部が切断されたり大きなケガをしても、運転中や運動中だったりして脳内におけるアドレナリンやドーパミンの放出が想定される状況だったために、自身が気づかなかった、痛みを感じにくかったという事象はあった。しかし、今回のケースの配達員の方は配達作業中であり、それらと類似の興奮や快感が伴う状態ではなかったのではないか」
と推測する。藤井教授によると、人間が自分の行動の順番を決める際、何らかの「感情」がベースになっていることが多いという側面から、今回の状況を分析した。
「実は、『指が落ちてしまった』というだけでは人間は動かない。『大変だ、悲しい、痛い、辛い』という感情があってはじめて病院に向かうのだ。本来なら最優先事項としてすぐに病院に行くが、それ以上に『急いで配達しなければ』『とにかく早く仕事を終えたい』などのより優先すべき状況や感情があったのではないか。頭ではピンチを理解していても、感情が伴わず行動が起きない、ということはあり得ることだ」
今回の配達員について詳細は不透明だが、配達員の過酷な労働環境も要因だと推測できる。1日およそ500件の再配達があり、3度同じ配達先に向かっても報酬は変わらない、という配達員もいる。
藤井教授は「これほど過酷だと、いろいろ考えてしまっては仕事が進まない。『何も考えないでとにかく運んでいる状態』になっていたのでは。そうなると時として優先順位が逆になってしまう」
(『ABEMAヒルズ』より)

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