総理側近・小野寺五典元防衛相が“6月解散”を激白

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内閣支持率も上り調子の岸田政権。永田町では来月広島で行われるG7サミット後に、岸田総理が衆議院の解散に踏み切るとの見方が出てきている。そんな中、岸田派幹部の小野寺五典元防衛相が4月20日、「文藝春秋 電子版」のオンライン番組「青山和弘の永田町未来caf」で総理の“解散戦略”を語りつくした。
【写真】この記事の写真を見る(2枚)「文藝春秋 電子版」のオンライン番組に出演した小野寺氏「選挙で政策を前に進める」 6月には極めて重い課題が待ち受けている。それは岸田総理肝いりの「異次元の少子化対策」の財源をどのように賄うのか、政府がまとめる「骨太の方針」で明らかにされるからだ。番組の中で筆者は「少子化対策の財源は国民に大きな負担を強いることになり、岸田政権に逆風となるのではないか」と指摘したが、小野寺氏は「だからこそ選挙が必要だ」と解散の大義を語った。

「財源の問題によって(政権に)向かい風が吹いても、前に進む力は選挙です。選挙で支持を受けることが必要だということは、(総理)本人も思っていると思います。少子化対策の財源が明確に出てきたら、(国民の)判断を仰ぐタイミングになるんじゃないかと思います」 さらに異次元の少子化対策だけでなく、防衛費の大幅な増額、原発の再稼働と新増設についても、国民の信を得て進めるべきだと強調した。「進めたい政策があり、財源を含めて国民の皆さんにご負担を頂くということであれば、『ご協力頂けないか』と信を問うことが筋ですよね。それを経ておかないと、簡単には(政策が)前に進んでいかないと思います。これまでの選挙はそれ(争点)を隠して、今人気があるとか、イメージで行う選挙が多かったと思うんですよ。岸田総理はそういうことは好まない。筋論で行くんじゃないかと思います」自民党総裁選に近づける考えは「なし」 一方、岸田総理が長期政権を狙う場合、大きな関門となるのが来年9月の自民党総裁選だ。衆院選での勝利を総裁選再選に結び付けるには、選挙のタイミングをなるべく総裁選に近づけた方がいいという考えは自民党内に根強い。しかし、小野寺氏はこの考えに真っ向から反論した。「(近づける考えは)ないです。議員の心理は、あとどのくらい自分に任期が残っていて、今の支持率に一喜一憂する局面かどうかというのが大きい。仮に今年の夏に衆議院選挙で堅調に勝って、来年9月の総裁選の前に少し支持率が下がったとしても、選挙がないのに(自民党議員が)そんなに騒ぐかなと思うんです」解散前の内閣改造も否定的 また自民党内には、先に内閣支持率の上昇が期待できる内閣改造・党役員人事を行って、解散総選挙は臨時国会が開かれる秋以降でいいのではないかという声もある。しかし小野寺氏は、筋を大事にする岸田総理であれば内閣改造はないだろうと、否定的な見方を示した。「今までやってきたことの信を問うことを考えれば、今の布陣で評価を受けるのが筋だと思います。解散の前にラインナップを新鮮にするやり方もあると思いますが、今のメンバーでやってきた話を評価してもらうわけですから。また選挙の準備は今の幹事長、選対委員長がずっとやっているわけです。その人たちを信頼して選挙をするというのが筋です」環境を整えつつある岸田総理 そして小野寺氏は問わず語りでこう話し始めた。「今私が感じているのは、10増10減などの候補者調整が、ここにきて急にワッと決まり始めたなと。4月はずいぶんいろんなことが進んできた。また国会も法案の採決が順調に進んでいる。すべてが前に進みつつあるなと感じています」 これに対して朝日新聞の曽我豪編集委員は、「岸田総理は解散風をうまくつかっていると思う。解散は決め打ちせずに、選択肢を持っていてやれるんだったらやるということだろう」と指摘した。だが、岸田派幹部・小野寺氏の一連の発言は、6月の解散風を嵐に変えていくことになりそうだ。小野寺氏の“解散戦略”の詳細や防衛政策への強い思い、総理への意欲などは、「文藝春秋 電子版」から観ることができる。(青山 和弘/文藝春秋 電子版)
「文藝春秋 電子版」のオンライン番組に出演した小野寺氏
6月には極めて重い課題が待ち受けている。それは岸田総理肝いりの「異次元の少子化対策」の財源をどのように賄うのか、政府がまとめる「骨太の方針」で明らかにされるからだ。番組の中で筆者は「少子化対策の財源は国民に大きな負担を強いることになり、岸田政権に逆風となるのではないか」と指摘したが、小野寺氏は「だからこそ選挙が必要だ」と解散の大義を語った。
「財源の問題によって(政権に)向かい風が吹いても、前に進む力は選挙です。選挙で支持を受けることが必要だということは、(総理)本人も思っていると思います。少子化対策の財源が明確に出てきたら、(国民の)判断を仰ぐタイミングになるんじゃないかと思います」
さらに異次元の少子化対策だけでなく、防衛費の大幅な増額、原発の再稼働と新増設についても、国民の信を得て進めるべきだと強調した。
「進めたい政策があり、財源を含めて国民の皆さんにご負担を頂くということであれば、『ご協力頂けないか』と信を問うことが筋ですよね。それを経ておかないと、簡単には(政策が)前に進んでいかないと思います。これまでの選挙はそれ(争点)を隠して、今人気があるとか、イメージで行う選挙が多かったと思うんですよ。岸田総理はそういうことは好まない。筋論で行くんじゃないかと思います」
一方、岸田総理が長期政権を狙う場合、大きな関門となるのが来年9月の自民党総裁選だ。衆院選での勝利を総裁選再選に結び付けるには、選挙のタイミングをなるべく総裁選に近づけた方がいいという考えは自民党内に根強い。しかし、小野寺氏はこの考えに真っ向から反論した。
「(近づける考えは)ないです。議員の心理は、あとどのくらい自分に任期が残っていて、今の支持率に一喜一憂する局面かどうかというのが大きい。仮に今年の夏に衆議院選挙で堅調に勝って、来年9月の総裁選の前に少し支持率が下がったとしても、選挙がないのに(自民党議員が)そんなに騒ぐかなと思うんです」
解散前の内閣改造も否定的 また自民党内には、先に内閣支持率の上昇が期待できる内閣改造・党役員人事を行って、解散総選挙は臨時国会が開かれる秋以降でいいのではないかという声もある。しかし小野寺氏は、筋を大事にする岸田総理であれば内閣改造はないだろうと、否定的な見方を示した。「今までやってきたことの信を問うことを考えれば、今の布陣で評価を受けるのが筋だと思います。解散の前にラインナップを新鮮にするやり方もあると思いますが、今のメンバーでやってきた話を評価してもらうわけですから。また選挙の準備は今の幹事長、選対委員長がずっとやっているわけです。その人たちを信頼して選挙をするというのが筋です」環境を整えつつある岸田総理 そして小野寺氏は問わず語りでこう話し始めた。「今私が感じているのは、10増10減などの候補者調整が、ここにきて急にワッと決まり始めたなと。4月はずいぶんいろんなことが進んできた。また国会も法案の採決が順調に進んでいる。すべてが前に進みつつあるなと感じています」 これに対して朝日新聞の曽我豪編集委員は、「岸田総理は解散風をうまくつかっていると思う。解散は決め打ちせずに、選択肢を持っていてやれるんだったらやるということだろう」と指摘した。だが、岸田派幹部・小野寺氏の一連の発言は、6月の解散風を嵐に変えていくことになりそうだ。小野寺氏の“解散戦略”の詳細や防衛政策への強い思い、総理への意欲などは、「文藝春秋 電子版」から観ることができる。(青山 和弘/文藝春秋 電子版)
また自民党内には、先に内閣支持率の上昇が期待できる内閣改造・党役員人事を行って、解散総選挙は臨時国会が開かれる秋以降でいいのではないかという声もある。しかし小野寺氏は、筋を大事にする岸田総理であれば内閣改造はないだろうと、否定的な見方を示した。
「今までやってきたことの信を問うことを考えれば、今の布陣で評価を受けるのが筋だと思います。解散の前にラインナップを新鮮にするやり方もあると思いますが、今のメンバーでやってきた話を評価してもらうわけですから。また選挙の準備は今の幹事長、選対委員長がずっとやっているわけです。その人たちを信頼して選挙をするというのが筋です」
そして小野寺氏は問わず語りでこう話し始めた。
「今私が感じているのは、10増10減などの候補者調整が、ここにきて急にワッと決まり始めたなと。4月はずいぶんいろんなことが進んできた。また国会も法案の採決が順調に進んでいる。すべてが前に進みつつあるなと感じています」
これに対して朝日新聞の曽我豪編集委員は、「岸田総理は解散風をうまくつかっていると思う。解散は決め打ちせずに、選択肢を持っていてやれるんだったらやるということだろう」と指摘した。だが、岸田派幹部・小野寺氏の一連の発言は、6月の解散風を嵐に変えていくことになりそうだ。小野寺氏の“解散戦略”の詳細や防衛政策への強い思い、総理への意欲などは、「文藝春秋 電子版」から観ることができる。
(青山 和弘/文藝春秋 電子版)

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