【宮内庁・御料牧場の実態】ビール片手にトラクター、牧場内でゴルフ…職員の問題行動続々 地元からは「なくなってもいい」

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3年7か月ぶりの天皇ご一家の静養の地として選ばれた「御料牧場」。4月5日から5泊6日の日程で滞在されたご一家は、自転車で敷地内を散策されたり、野菜を収穫されたり、牛の出産に立ち会われたりした。しかし、皇族方の日常の食事をはじめ、海外賓客の歓待にも供される食材を生産する御料牧場で、「皇室の牧場」という誉れにあぐらをかいた「蛮行」がまん延しているという。愛子さまが幼少より親しまれる牧場の信じがたい実態を告発する。【前後編の後編。前編から読む】
【写真】栗毛の馬の口に近づかれる幼い悠仁さま。他、未舗装の道で笑顔の天皇皇后両陛下と愛子さま、雅子さまが頭をぶつけられ振り向く陛下、御料牧場のサフォーク種の黒い毛並みの羊も
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今回の静養中、ご一家は職員と一緒にたけのこ掘りを体験された。
「牧場の南東に、見事な竹林が広がっているのです。この時期には大変な数のたけのこが頭をのぞかせますが、それを狙って“たけのこ泥棒”が出たことがあったんです」(宮内庁関係者)
御料牧場の周囲は、高い塀や柵などに囲われているわけではない。御料牧場の敷地とは知らずに一般人が入ってきてしまうこともあった。
「そのため、本来は施設を警備する皇宮警察の人間が“たけのこ警備”に駆り出されていたこともあったそうです。犯人が外部の人だったのか、職員だったのかは藪の中ですけどね。また別のときには、牧場の西側で“やまいも警備”をしていたこともあったそうです」(前出・宮内庁関係者)
職員の奔放な勤務態度は当直時にも見られていた。
「動物たちは生き物ですし、ひどい天候不順で作物に被害が出ないよう、職員は交代で土日の出勤や宿直勤務を行っています。ただ、事務所でずっとテレビを見ているならまだマシな方で、中には食事のために一旦帰宅して、牧場を留守にするような職員もいました。生き物の命を預かるから24時間体制になっているのに、不在にしては意味がありません」(前出・宮内庁関係者)
なぜ、ここまで荒むのか。そこには御料牧場独特の事情があるという。御料牧場は、皇族がたびたび足を運ぶ場でありながら、普段は皇族が不在の地だ。今回のように皇族が滞在するときだけ警備体制が強化される。同じような立ち位置の施設に、国内3か所の御用邸があるが、はるか以前から皇宮警察が警備警戒のために常駐していた御用邸に対し、御料牧場に常駐するようになったのは2009年のことだ。
「当時、まだ幼かった愛子さまや佳子さま、悠仁さまが動物に興味を持たれ、御料牧場を訪れる機会が増えたことを契機に、常駐していないことが国会で問題視されました」(前出・皇室記者)
だが、警備の目を置くことに対し、御料牧場の職員から反対の声が上がったという。
「牧場の職員と、皇宮警察は別組織です。職員たちは、自分たちで規律正しく運営していると主張しましたが、早い話、自分たちの後ろめたい行いを監視されたくないという思いもあったのでしょう。
牧場の西側には、牛舎や豚舎、養鶏場などがあります。そのエリアは検疫を理由に職員以外、つまり皇宮警察などは立ち入りを制限されています。検疫と言えば聞こえはいいのですが、要は何か知られたくないことをやっているのでしょう」(前出・宮内庁関係者)
牧場を二分するように南北に走る道路は、敷地内ではあるものの、周辺住民の生活道路としても使われている。それでも、近隣住民は御料牧場を「皇室にゆかりのある特別な土地」として捉えている。
「お上のために働いているというのがマイナスに出ることもあって、職員の横柄な態度を嫌って、出入り禁止にしている地元の飲食店が複数あったと聞いています。近づきがたい場所と認識されているのをいいことに、白昼堂々、牧場内でゴルフに興じている職員もいました。素振りどころか、実際にボールをカコン、カコンと打っていたのですから呆れます。飼育している動物に当たりでもしたら、どう責任を取るつもりだったのでしょう」(前出・宮内庁関係者)
今回の静養で、ご一家は昨年末に御料牧場で死んだ愛馬・豊歓号の墓参りをされた。かつては、愛子さまが大変かわいがられた子豚もいた。
「そればかりか、ビール片手にトラクターを運転する光景も目にしました。公道ではないので法律上は罰せられないのかもしれませんが、信じがたい行いでした」(前出・宮内庁関係者)
こうした怠慢も、人の目に触れない御料牧場の奥深くで、密やかに行われていれば永遠に闇に葬られたのかもしれない。しかし2017年、飲酒後に車を運転した職員が処分された。この職員は、部下に暴力を振るっていた人物だった。
2021年7月には別の職員が酒気帯び運転で逮捕されたが、この職員は同年3月にもやはり酒気帯び運転で追突事故を起こして逮捕されていた。それどころか、2007年にも酒気帯び運転で人身事故を起こしていた。“三度目の正直”で、やっと懲戒免職処分になる甘さには失笑を禁じ得ない。
また、2017年には畜産課長を務めていた職員が、必要な許可を得ないまま散弾銃2丁と空気銃1丁を所持していた銃刀法違反容疑で逮捕された。
「当時大々的に報じられましたが、謹慎期間は1か月ほどで、すぐに職場復帰しました。その後定年まで務め、再雇用のような形で牧場で働いていました」(御料牧場関係者)
度重なる醜聞に、地元からは「御料牧場はなくなってもいい」という悲しい声まで上がる始末だ。
「もちろん天皇陛下のお食事になるものを作る牧場があるのは町の誉れです。でも、職員の問題は後を絶たないし、広大な敷地を使っているのに、それで町民の生活が豊かになるわけでもない。隣町に大きな自動車メーカーの工場があるけど、正直、税収や雇用の面からも、そっちの方がよっぽどうらやましいですよ」(地元住民)
一連の問題点について、宮内庁に見解を求めると、次のような回答だった。
「(生産品の持ち帰りを)私的に行っていたことはない。(元牧場長の野菜の栽培は)職員に貸与される宿舎地域の環境整備の一環として、野菜等の栽培を行っていた。私的な栽培はなかった。農機具は使用していない。(飲酒しながらの農機具の運転は)そのような事実は承知していない」
家畜も農作物も、長い時間と手間の上に育てられる。だが、御料牧場があるべき姿に戻るのに、そんな悠長なことは言っていられない。
(了。前編から読む)
※女性セブン2023年5月4日号

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