「だいすき」と書いた紙掲げ、児童ら記念撮影試みて制止される…苦情で「廃止」の公園

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長野市が廃止の最終判断を示した公園「青木島遊園地」で17日、原状回復に向けた工事が始まった。
青木島遊園地は、市が隣接する児童センターの開業に合わせて2004年に設置したが、公園の草刈りなどの維持管理が担えなくなった地元区長会が昨年1月に廃止要望書を提出し、市が廃止を決めた。
その後、近隣の1軒が「子どもは5人程度に。声を出さず静かに遊ばせてほしい」といった苦情をセンターに寄せていたことや、市が廃止の方針を打ち出した経緯などが報道を通じて明らかになると、市への批判が高まった。
荻原健司市長は今年2月の住民説明会の後に、遊園地の存廃を再検討する考えを表明したが、市と地権者が一度契約解除に合意していたため調整は難航。荻原市長は市議会3月定例会で廃止の最終結論を示した。
この日は、午前8時半頃から工事を開始し、木の伐採などを行った。市は、28日までに植栽や遊具を撤去して更地にし、今月末に土地を地権者に返還する。
■市社協が謝罪
長野市の「青木島遊園地」への感謝のメッセージを記した紙を掲げ、記念撮影をしようとした近くの児童センターの子どもたちに対し、施設を管理する市社会福祉協議会が、「全員がそう思っているわけではない」などと言い、やめるよう指示していたことが分かった。市社協はその後、配慮に欠ける対応だったとして謝罪した。
同センターによると、小学1、2年生約80人と職員は14日午後3時半頃に、「だいすき☆ ありがとう☆」などと記した画用紙を公園内で掲げて写真を撮影する予定だった。同遊園地の廃止を前に、かつてセンターを利用していた先輩の児童や中学生を交えて文面を考えたという。
だが、その日居合わせた市社協職員が画用紙に気付き、「全員がそう思っているわけではない。外に持ち出さないでほしい」などと指示。子どもたちは紙を持たずに写真を撮ったが、心残りの様子だったという。
一部報道で経緯が明らかになると、市社協は翌15日、寺田裕明会長名で「子どもたちの気持ちに十分に寄り添えずに対応したことを深くおわび申し上げる」との談話を発表。荻原健司市長も同日、「子どもたちの主体性を尊重することを第一に考えるべきだった」とコメントした。市社協の担当者は17日、同センターを訪れ、子どもたちに直接謝罪したという。

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