22歳女子大生が絶句…キッチンから異臭がするほど汚い「ヤバすぎる飲食バイト」の実態

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近年、世間からの厳しい糾弾によって問題視されてきたブラック企業。だが同時に、そのアルバイト版とも言える“ブラックバイト”なるものも決して少なくはない。
ブラックバイトとは中京大学の大内裕和教授が提唱したもので、賃金の未払い、長時間労働をはじめ、非正規雇用という立場を逆手に取ったパワハラ、セクハラなどが横行するアルバイトを指す。特に大学生がターゲットにされることが多く、不運にもブラックなバイト先で働いてしまうと、学業に支障をきたすだけではなく、心身ともに破綻してしまうケースもあるようだ。
このようなブラックバイトが取りざたされるようになった背景として、社会的な非正規雇用の増加が挙げられる。企業は人件費削減のために正社員の数を減らし、従来彼らが担当してきたハードな業務や専門性が高い業務を、派遣社員、アルバイト、パートのような非正規雇用の労働者に押し付けるようになったと考えられる。
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また学費や生活費が足りなくなったり、奨学金を十分に受け取れなかったりすることにより、アルバイトをしなければいけない苦しい立場の学生をカモにする企業も増えているようだ。特にコロナ禍以降は、生活に困窮する学生がさらに増加し、ブラックバイトの餌食になるケースが珍しくなくなってきたという。ブラックバイトは社会の構造、時流によって誕生したものと言えるだろう。
――今回はとある老人ホームで劣悪すぎる調理スタッフバイトを経験した九条忍さん(仮名・23歳女性)の話をもとに、知られざるブラックバイトの実態を明らかにしていきたい。
まともなマニュアルがない職場九条さんは鬱々とした表情で当時を振り返る。「食べ物を取り扱う職場は清潔さに気を遣うのが基本中の基本だと思うのですが、あの現場はとにかく不衛生。そのうえ作業のルールやマニュアルが定められていなくて、おまけにパワハラ上司までいて最悪でした……」飲食系の職場で衛生環境が悪い、というのはブラックバイトの典型例だが、この老人ホームは常軌を逸するほどだったという。いったい、どれほどひどかったのか。今からおよそ1年前、就活を終え、すべての単位を取り終えていた大学4年生の九条さん。時間の余裕ができたので、卒論執筆のかたわら生活費を稼ぎたいと考える。そこで見つけたのが、老人ホームでの調理スタッフのバイトだった。「時給1200円と好待遇だったので、ガッツリ稼げると思ったんです。私はもともと料理が好きで、弁当屋でバイトをしていたこともあるので、そのときの経験が活かせると思い応募してみました」Photo by iStock 面接が終わり、無事合格した九条さんは出勤初日を迎える。しかし、出勤するや否や彼女は現場の実態に驚愕することになる。「調理スタッフのバイトは老人ホームに直接雇われているわけではなく、外部の委託業者に雇用されていました。実はこの業者は私がバイトを始めた直前に新しく委託されたばかりらしく、現場はまだまだ調理体制の管理や指導といった基本業務だけで手一杯で、少しも余裕がありませんでした。業務のマニュアルやルールすら作られていなかったんです」不信感を抱くには十分な第一印象であったものの、始まったばかり職場なのだからと、しばらくは目をつむることにした九条さん。バイトをするのも久しぶりだったので期待半分、不安半分で臨んでいたそうだが、残念なことに不安のほうが的中していくことになる。汚すぎる調理場九条さんいわく、作業マニュアルの有無以前に、それまでのバイト先と比べて衛生管理がずば抜けて杜撰すぎて唖然としたという。「本当にいまだに信じられないんですけど、この職場では手洗いが全く徹底されていなかったんです。飲食業に関わるのであれば、手洗いは基本中の基本だと思うのですが、ほとんどの人が全く手を洗わないまま料理の盛り付け、配膳をしていました。委託を受けたばかりでまだマニュアルが整備されていなかったとしても、さすがにそれは目を疑いましたね……。またこぼれた料理を拭く布巾はかなり汚れていましたが、水で手洗いするだけで使いまわしていた人もいましたし、床も掃除した気配が見られず腐ったような異臭が漂っていました。おそらく布巾の取替えや床の掃除も担当者が決められておらず、誰も手を付けていなかったのでしょう」Photo by iStock 衛生面以外でも、この職場のヤバさは際立っていたそうだ。「たとえば火から上げたばかりで熱い巨大な鍋を、無理やり『運べ』と指示され、仕方なく手に取って火傷したこともありました。普通に考えて絶対に熱いと気づくはずですが、指示した人間は全く想定していなかった様子で頭を疑いました。また湿気が溜まるスペースにバットをしまっていたり、誤って乾燥機に入れてしまってグチャグチャに変形したプラスチックタッパーを使い続けたりと、信じられない行動も目立っていて。弁当屋でのアルバイトと比べると、あり得ないような光景の連続でしたね」食べ物を扱う仕事の衛生環境とはとうてい思えない状況に混乱している彼女を、さらに驚きの事態が待ち受けていたそうだ。後編記事『「盗まれるのを覚悟でロッカーに私物を入れてくれ」22歳女子大生が衝撃を受けた「ブラックバイト先の更衣室」』にて、九条さんが受けたパワハラやありえない職場環境など詳しく紹介していきたい。(取材・文=文月/A4studio)
九条さんは鬱々とした表情で当時を振り返る。
「食べ物を取り扱う職場は清潔さに気を遣うのが基本中の基本だと思うのですが、あの現場はとにかく不衛生。そのうえ作業のルールやマニュアルが定められていなくて、おまけにパワハラ上司までいて最悪でした……」
飲食系の職場で衛生環境が悪い、というのはブラックバイトの典型例だが、この老人ホームは常軌を逸するほどだったという。いったい、どれほどひどかったのか。
今からおよそ1年前、就活を終え、すべての単位を取り終えていた大学4年生の九条さん。時間の余裕ができたので、卒論執筆のかたわら生活費を稼ぎたいと考える。そこで見つけたのが、老人ホームでの調理スタッフのバイトだった。
「時給1200円と好待遇だったので、ガッツリ稼げると思ったんです。私はもともと料理が好きで、弁当屋でバイトをしていたこともあるので、そのときの経験が活かせると思い応募してみました」
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面接が終わり、無事合格した九条さんは出勤初日を迎える。しかし、出勤するや否や彼女は現場の実態に驚愕することになる。「調理スタッフのバイトは老人ホームに直接雇われているわけではなく、外部の委託業者に雇用されていました。実はこの業者は私がバイトを始めた直前に新しく委託されたばかりらしく、現場はまだまだ調理体制の管理や指導といった基本業務だけで手一杯で、少しも余裕がありませんでした。業務のマニュアルやルールすら作られていなかったんです」不信感を抱くには十分な第一印象であったものの、始まったばかり職場なのだからと、しばらくは目をつむることにした九条さん。バイトをするのも久しぶりだったので期待半分、不安半分で臨んでいたそうだが、残念なことに不安のほうが的中していくことになる。汚すぎる調理場九条さんいわく、作業マニュアルの有無以前に、それまでのバイト先と比べて衛生管理がずば抜けて杜撰すぎて唖然としたという。「本当にいまだに信じられないんですけど、この職場では手洗いが全く徹底されていなかったんです。飲食業に関わるのであれば、手洗いは基本中の基本だと思うのですが、ほとんどの人が全く手を洗わないまま料理の盛り付け、配膳をしていました。委託を受けたばかりでまだマニュアルが整備されていなかったとしても、さすがにそれは目を疑いましたね……。またこぼれた料理を拭く布巾はかなり汚れていましたが、水で手洗いするだけで使いまわしていた人もいましたし、床も掃除した気配が見られず腐ったような異臭が漂っていました。おそらく布巾の取替えや床の掃除も担当者が決められておらず、誰も手を付けていなかったのでしょう」Photo by iStock 衛生面以外でも、この職場のヤバさは際立っていたそうだ。「たとえば火から上げたばかりで熱い巨大な鍋を、無理やり『運べ』と指示され、仕方なく手に取って火傷したこともありました。普通に考えて絶対に熱いと気づくはずですが、指示した人間は全く想定していなかった様子で頭を疑いました。また湿気が溜まるスペースにバットをしまっていたり、誤って乾燥機に入れてしまってグチャグチャに変形したプラスチックタッパーを使い続けたりと、信じられない行動も目立っていて。弁当屋でのアルバイトと比べると、あり得ないような光景の連続でしたね」食べ物を扱う仕事の衛生環境とはとうてい思えない状況に混乱している彼女を、さらに驚きの事態が待ち受けていたそうだ。後編記事『「盗まれるのを覚悟でロッカーに私物を入れてくれ」22歳女子大生が衝撃を受けた「ブラックバイト先の更衣室」』にて、九条さんが受けたパワハラやありえない職場環境など詳しく紹介していきたい。(取材・文=文月/A4studio)
面接が終わり、無事合格した九条さんは出勤初日を迎える。しかし、出勤するや否や彼女は現場の実態に驚愕することになる。
「調理スタッフのバイトは老人ホームに直接雇われているわけではなく、外部の委託業者に雇用されていました。実はこの業者は私がバイトを始めた直前に新しく委託されたばかりらしく、現場はまだまだ調理体制の管理や指導といった基本業務だけで手一杯で、少しも余裕がありませんでした。業務のマニュアルやルールすら作られていなかったんです」
不信感を抱くには十分な第一印象であったものの、始まったばかり職場なのだからと、しばらくは目をつむることにした九条さん。バイトをするのも久しぶりだったので期待半分、不安半分で臨んでいたそうだが、残念なことに不安のほうが的中していくことになる。
九条さんいわく、作業マニュアルの有無以前に、それまでのバイト先と比べて衛生管理がずば抜けて杜撰すぎて唖然としたという。
「本当にいまだに信じられないんですけど、この職場では手洗いが全く徹底されていなかったんです。飲食業に関わるのであれば、手洗いは基本中の基本だと思うのですが、ほとんどの人が全く手を洗わないまま料理の盛り付け、配膳をしていました。委託を受けたばかりでまだマニュアルが整備されていなかったとしても、さすがにそれは目を疑いましたね……。
またこぼれた料理を拭く布巾はかなり汚れていましたが、水で手洗いするだけで使いまわしていた人もいましたし、床も掃除した気配が見られず腐ったような異臭が漂っていました。おそらく布巾の取替えや床の掃除も担当者が決められておらず、誰も手を付けていなかったのでしょう」
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衛生面以外でも、この職場のヤバさは際立っていたそうだ。「たとえば火から上げたばかりで熱い巨大な鍋を、無理やり『運べ』と指示され、仕方なく手に取って火傷したこともありました。普通に考えて絶対に熱いと気づくはずですが、指示した人間は全く想定していなかった様子で頭を疑いました。また湿気が溜まるスペースにバットをしまっていたり、誤って乾燥機に入れてしまってグチャグチャに変形したプラスチックタッパーを使い続けたりと、信じられない行動も目立っていて。弁当屋でのアルバイトと比べると、あり得ないような光景の連続でしたね」食べ物を扱う仕事の衛生環境とはとうてい思えない状況に混乱している彼女を、さらに驚きの事態が待ち受けていたそうだ。後編記事『「盗まれるのを覚悟でロッカーに私物を入れてくれ」22歳女子大生が衝撃を受けた「ブラックバイト先の更衣室」』にて、九条さんが受けたパワハラやありえない職場環境など詳しく紹介していきたい。(取材・文=文月/A4studio)
衛生面以外でも、この職場のヤバさは際立っていたそうだ。
「たとえば火から上げたばかりで熱い巨大な鍋を、無理やり『運べ』と指示され、仕方なく手に取って火傷したこともありました。普通に考えて絶対に熱いと気づくはずですが、指示した人間は全く想定していなかった様子で頭を疑いました。
また湿気が溜まるスペースにバットをしまっていたり、誤って乾燥機に入れてしまってグチャグチャに変形したプラスチックタッパーを使い続けたりと、信じられない行動も目立っていて。弁当屋でのアルバイトと比べると、あり得ないような光景の連続でしたね」
食べ物を扱う仕事の衛生環境とはとうてい思えない状況に混乱している彼女を、さらに驚きの事態が待ち受けていたそうだ。後編記事『「盗まれるのを覚悟でロッカーに私物を入れてくれ」22歳女子大生が衝撃を受けた「ブラックバイト先の更衣室」』にて、九条さんが受けたパワハラやありえない職場環境など詳しく紹介していきたい。
(取材・文=文月/A4studio)

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