ネット販売開始の抗原検査キット 精度不明の「研究用」に注意

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新型コロナウイルス感染症の抗原検査キットのインターネット販売が解禁され、処方箋なしでいつでも気軽に購入できるようになった。体調不良の人が自分で検査でき、医療負荷の軽減も期待されている。ただしネット上では国が承認した「医療用」と未承認の「研究用」が流通している。研究用は検査精度を国が確認したわけではなく、厚生労働省は陽性かどうか確かめるのには不適当だとして誤って購入しないよう呼びかけている。
鳩山元首相「接種者、入院確率3倍高い」は誤り 国の承認を受けた医療用は、これまで医療機関での検査で使用されており、昨年秋に薬局での販売が特例で認められていた。医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査を経て厚労省が承認しており、現在100種類ほどある。 感染「第7波」では検査や受診を希望する人で医療機関があふれ、重症化リスクがある人のコロナとの診断が遅れる問題が発生したことから、厚労省は8月末、条件付きでネット販売することを認めた。メーカーが承認申請し、認められれば可能となり、現在は4製品が承認されている。「体外診断用医薬品」と表示され、購入時には薬剤師からメールなどで説明を受ける必要がある。 一方、国の承認を受けていない「研究用」も多数販売されている。薬剤師の説明なしに買えるが、どのくらいの確率で正しく判定されるか国は確認していない。仮に陽性判定となっても、都道府県が設置する「健康フォローアップセンター(名称は自治体により異なる)」の登録などには使えない。 厚労省が一般市民450人を対象に実施したアンケートでは、回答者の約6割が医療用と研究用の違いがあることを知らず、厚労省は「性能等が確認されたものではない」と注意を促している。 抗原検査はPCR検査より精度は劣るが、唾液や鼻の入り口付近の体液を使って感染の有無を簡単に調べられ、15分ほどで結果が出る。厚労省はメーカーに対し、医療機関などへの供給を優先し、在庫に余裕のあるものをネット販売に回すよう求めている。 承認を受けた4製品は厚労省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27779.html)で紹介している。【矢澤秀範】
国の承認を受けた医療用は、これまで医療機関での検査で使用されており、昨年秋に薬局での販売が特例で認められていた。医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査を経て厚労省が承認しており、現在100種類ほどある。
感染「第7波」では検査や受診を希望する人で医療機関があふれ、重症化リスクがある人のコロナとの診断が遅れる問題が発生したことから、厚労省は8月末、条件付きでネット販売することを認めた。メーカーが承認申請し、認められれば可能となり、現在は4製品が承認されている。「体外診断用医薬品」と表示され、購入時には薬剤師からメールなどで説明を受ける必要がある。
一方、国の承認を受けていない「研究用」も多数販売されている。薬剤師の説明なしに買えるが、どのくらいの確率で正しく判定されるか国は確認していない。仮に陽性判定となっても、都道府県が設置する「健康フォローアップセンター(名称は自治体により異なる)」の登録などには使えない。
厚労省が一般市民450人を対象に実施したアンケートでは、回答者の約6割が医療用と研究用の違いがあることを知らず、厚労省は「性能等が確認されたものではない」と注意を促している。
抗原検査はPCR検査より精度は劣るが、唾液や鼻の入り口付近の体液を使って感染の有無を簡単に調べられ、15分ほどで結果が出る。厚労省はメーカーに対し、医療機関などへの供給を優先し、在庫に余裕のあるものをネット販売に回すよう求めている。
承認を受けた4製品は厚労省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27779.html)で紹介している。【矢澤秀範】

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