60歳でオタ活を始めた74歳アイドルオタク「握手会で沼に落ちてしまった…」年金を溶かし続けても通い続ける強烈な執念

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アイドルオタクでもある筆者のオタ仲間、大沢昭一(仮名)さん、74歳。現在派遣アルバイトとして働く大沢さんはオタ歴14年。結婚歴のない独身。還暦を迎えてからオタ活を始めたという珍しい人物である。
前編『60歳でオタ活をはじめて14年…74歳男性が「永遠の運命を感じた」ヤバすぎるアイドル握手会の実態』では60歳でアイドルオタクデビューを果たした大沢さん。その後、足繁く現場へと通うようになった。
PHOTO:iStock
アイドルによって違いはあるが、地下アイドルやマイナーアイドルであれば1000円か2000円でライブが観られ、同程度の金額を物販で使えば会話や握手ができて、チェキ(*)も撮れる。
(*ここで言う「チェキ」とはインスタントカメラを使い、撮ったその場でプリントした写真のこと(昔で言うポラロイドカメラ)。オタクと2ショットで撮影することも多く、プリントされた写真にはアイドルがサインやメッセージを書き込むのがお約束になっている。地下アイドルにとっては貴重な収入源。)「1回のオタ活で使う金額は2~3000円。無銭イベントで物販に行かなければ交通費だけで済んじゃう。言っちゃあなんだけど、ヘタな風俗行くより若くて可愛い子ばかりだし、風俗嬢を相手にするより全然お金もかからないし、顔見知りのオタ仲間とは友達みたいな付き合いもできる。ね、健全でしょ?」オタ活が老後のライフワークになった大沢さん。いくら割安で楽しめるとはいえ、毎週末毎にオタ活をしていたら出費もそれなりになるに違いない。「そうだね。オタクを初めて最初の10年で貯金も退職金も使い果たしちゃった。月11万の年金じゃとてもじゃないけど賄えなくなったんで、4年前から派遣会社に登録して日雇いみたいなアルバイトをしてるよ。肉体労働とかデスクワークは無理だから工場の軽作業みたいなやつばかりだけど、月に10万くらいにはなってるかな。節約のために、一昨年家賃6万のアパートから3万3千円のアパートに引っ越しもしたし、食費は1日500円以内。毎日閉店間際のスーパーに行って半額の弁当とか菓子パンを買い込んで3食分を調達してる。オタ活の時の外食費は別だけど、なるべく外ではお金を使わなくて済むように100均で買った水筒を持ち歩いてるんだ」 オタ活の必須アイテムとしてスマホと車も手離せない。「スマホはまあ当然として、車もさ、僕みたいに地方に住んでると足替わりに絶対必要だし、オタ活で遠征する時も電車賃とか出せないから車がないと無理なんだよね。どんなに遠方でも下道で行く。高速代がもったいないし、時間なら腐るほどあるからね。一度お金がなくて車検通せなくて、しばらく自転車で行動してたんだけど、アパートの駐輪場に停めてたら、ボロいせいか放置自転車だと思われて、管理会社に撤去されちゃった(笑)。足腰も限界だったし、やむを得ず車検通してまた車に乗り始めたよ」生きがいに出会い輝く第二の人生オタ活以外には最低限しかお金を使わない大沢さんは10年以上床屋に行かず、髪は自分で切っているし、洋服は上下合わせて10着にも満たないワードローブを年間を通して着回している。ついでに言うと、歯は全部で12本しかない。「アイドルさんに不潔な印象を与えないように最低限の身だしなみは気をつけてるつもり。将来働けなくなったとしても、今年96歳になる母親の遺産がそろろ入りそうだから、そっちの金でオタ活は続けられるしね。女性に縁がないままトシをとっちゃったけど、今になって、孫のような年齢の、それも可愛い子と交流できるんだもん。オタクは止められないよ」内閣府発表の「高齢者白書」のデータでは、高齢者の22.9%が「生きがい(喜びや楽しみ)十分感じている」と回答し、49.4%が「多少感じている」と回答しているが、大沢さんは前者であるに違いない。筆者は以前「オタ活に4億使った」富豪オタクを紹介したが、財力も実績も(桁違いに)足元にも及ばないにも関わらず、大沢さんの多幸感は富豪オタクの彼に負けていない。 まさに人生いろいろ。お金がなくてもひとりぼっちでも人生を充実させることはできる。筆者自身、大した稼ぎはないし、家族にも恵まれていないが、オタ活という趣味があれば人生はバラ色だと思っている。アイドル現場におけるオタクの高齢化も著しく、高齢者にとってオタ活は明日への活力になっているのを肌で感じる今日この頃。「オタ活」(最近は推し活とも言う)万歳!
(*ここで言う「チェキ」とはインスタントカメラを使い、撮ったその場でプリントした写真のこと(昔で言うポラロイドカメラ)。オタクと2ショットで撮影することも多く、プリントされた写真にはアイドルがサインやメッセージを書き込むのがお約束になっている。地下アイドルにとっては貴重な収入源。)
「1回のオタ活で使う金額は2~3000円。無銭イベントで物販に行かなければ交通費だけで済んじゃう。言っちゃあなんだけど、ヘタな風俗行くより若くて可愛い子ばかりだし、風俗嬢を相手にするより全然お金もかからないし、顔見知りのオタ仲間とは友達みたいな付き合いもできる。ね、健全でしょ?」
オタ活が老後のライフワークになった大沢さん。いくら割安で楽しめるとはいえ、毎週末毎にオタ活をしていたら出費もそれなりになるに違いない。
「そうだね。オタクを初めて最初の10年で貯金も退職金も使い果たしちゃった。月11万の年金じゃとてもじゃないけど賄えなくなったんで、4年前から派遣会社に登録して日雇いみたいなアルバイトをしてるよ。肉体労働とかデスクワークは無理だから工場の軽作業みたいなやつばかりだけど、月に10万くらいにはなってるかな。
節約のために、一昨年家賃6万のアパートから3万3千円のアパートに引っ越しもしたし、食費は1日500円以内。毎日閉店間際のスーパーに行って半額の弁当とか菓子パンを買い込んで3食分を調達してる。
オタ活の時の外食費は別だけど、なるべく外ではお金を使わなくて済むように100均で買った水筒を持ち歩いてるんだ」
オタ活の必須アイテムとしてスマホと車も手離せない。「スマホはまあ当然として、車もさ、僕みたいに地方に住んでると足替わりに絶対必要だし、オタ活で遠征する時も電車賃とか出せないから車がないと無理なんだよね。どんなに遠方でも下道で行く。高速代がもったいないし、時間なら腐るほどあるからね。一度お金がなくて車検通せなくて、しばらく自転車で行動してたんだけど、アパートの駐輪場に停めてたら、ボロいせいか放置自転車だと思われて、管理会社に撤去されちゃった(笑)。足腰も限界だったし、やむを得ず車検通してまた車に乗り始めたよ」生きがいに出会い輝く第二の人生オタ活以外には最低限しかお金を使わない大沢さんは10年以上床屋に行かず、髪は自分で切っているし、洋服は上下合わせて10着にも満たないワードローブを年間を通して着回している。ついでに言うと、歯は全部で12本しかない。「アイドルさんに不潔な印象を与えないように最低限の身だしなみは気をつけてるつもり。将来働けなくなったとしても、今年96歳になる母親の遺産がそろろ入りそうだから、そっちの金でオタ活は続けられるしね。女性に縁がないままトシをとっちゃったけど、今になって、孫のような年齢の、それも可愛い子と交流できるんだもん。オタクは止められないよ」内閣府発表の「高齢者白書」のデータでは、高齢者の22.9%が「生きがい(喜びや楽しみ)十分感じている」と回答し、49.4%が「多少感じている」と回答しているが、大沢さんは前者であるに違いない。筆者は以前「オタ活に4億使った」富豪オタクを紹介したが、財力も実績も(桁違いに)足元にも及ばないにも関わらず、大沢さんの多幸感は富豪オタクの彼に負けていない。 まさに人生いろいろ。お金がなくてもひとりぼっちでも人生を充実させることはできる。筆者自身、大した稼ぎはないし、家族にも恵まれていないが、オタ活という趣味があれば人生はバラ色だと思っている。アイドル現場におけるオタクの高齢化も著しく、高齢者にとってオタ活は明日への活力になっているのを肌で感じる今日この頃。「オタ活」(最近は推し活とも言う)万歳!
オタ活の必須アイテムとしてスマホと車も手離せない。
「スマホはまあ当然として、車もさ、僕みたいに地方に住んでると足替わりに絶対必要だし、オタ活で遠征する時も電車賃とか出せないから車がないと無理なんだよね。どんなに遠方でも下道で行く。高速代がもったいないし、時間なら腐るほどあるからね。一度お金がなくて車検通せなくて、しばらく自転車で行動してたんだけど、アパートの駐輪場に停めてたら、ボロいせいか放置自転車だと思われて、管理会社に撤去されちゃった(笑)。足腰も限界だったし、やむを得ず車検通してまた車に乗り始めたよ」
オタ活以外には最低限しかお金を使わない大沢さんは10年以上床屋に行かず、髪は自分で切っているし、洋服は上下合わせて10着にも満たないワードローブを年間を通して着回している。ついでに言うと、歯は全部で12本しかない。
「アイドルさんに不潔な印象を与えないように最低限の身だしなみは気をつけてるつもり。将来働けなくなったとしても、今年96歳になる母親の遺産がそろろ入りそうだから、そっちの金でオタ活は続けられるしね。女性に縁がないままトシをとっちゃったけど、今になって、孫のような年齢の、それも可愛い子と交流できるんだもん。オタクは止められないよ」
内閣府発表の「高齢者白書」のデータでは、高齢者の22.9%が「生きがい(喜びや楽しみ)十分感じている」と回答し、49.4%が「多少感じている」と回答しているが、大沢さんは前者であるに違いない。
筆者は以前「オタ活に4億使った」富豪オタクを紹介したが、財力も実績も(桁違いに)足元にも及ばないにも関わらず、大沢さんの多幸感は富豪オタクの彼に負けていない。
まさに人生いろいろ。お金がなくてもひとりぼっちでも人生を充実させることはできる。筆者自身、大した稼ぎはないし、家族にも恵まれていないが、オタ活という趣味があれば人生はバラ色だと思っている。アイドル現場におけるオタクの高齢化も著しく、高齢者にとってオタ活は明日への活力になっているのを肌で感じる今日この頃。「オタ活」(最近は推し活とも言う)万歳!
まさに人生いろいろ。お金がなくてもひとりぼっちでも人生を充実させることはできる。
筆者自身、大した稼ぎはないし、家族にも恵まれていないが、オタ活という趣味があれば人生はバラ色だと思っている。
アイドル現場におけるオタクの高齢化も著しく、高齢者にとってオタ活は明日への活力になっているのを肌で感じる今日この頃。「オタ活」(最近は推し活とも言う)万歳!

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