「同じ被害者生まないため」元院生、顔出し会見 早大セクハラ訴訟

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早稲田大大学院のセクハラ訴訟で東京地裁は6日、早大と指導教官の双方に計約60万円の支払いを命じた。
「(ハラスメントを)放置してきた周囲にも問題があることを知ってほしかった」。判決後、代理人弁護士らと記者会見に臨んだ深沢レナさんは、こう訴えた。訴訟を起こした当初、名前と顔は伏せていたが、この日は「このままでは被害が抽象化されてしまうと感じた」として詩人としての活動名を公表し、マスク越しに撮影にも応じた。
深沢さんによると、大学院で教授の権限は非常に強く、深沢さん自身も入りたいゼミがあったにもかかわらず、入試の際に渡部直己氏から「俺のゼミに来い」と言われたと明かした。
文芸評論家としても著名な渡部直己氏を慕う関係者は多く、「学内にいたときの人脈も、訴訟により失われてしまった」という。ただ、被害を相談した教授を含め、大学側の対応に不誠実さを感じ、「同じ被害者を生ませないためにも、裁判に踏み切った」と話した。
一方で、渡部氏から体を触られたり、2人きりでの食事に誘われたりといった行為について、判決ではこれらがハラスメントだとは認められなかった。代理人弁護士は「控訴についても検討する」と述べた。

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