看護師の大量退職で病床稼働率を最大7割に 鹿児島市立病院 コロナ禍の過酷な職場状況も要因か

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鹿児島市立病院が今月から、一般の入院病床の稼働率を最大7割まで減らすことが分かりました。緊急性がない手術を延期する可能性があるとしています。
鹿児島市立病院は、内科や外科などの診療に加えて、救急や周産期医療などを担う県の中核病院の一つです。病床数は574と鹿児島大学病院に次ぐ規模で、救急などを除いた一般の入院病床はおよそ400床です。
病院への取材で、今月から入院病床の稼働率を最大で7割まで減らすことが分かりました。去年の夏、新型コロナのピーク時に病床がひっ迫した際の稼働率と同じ程度になる見通しで、「緊急性がない手術を延期する可能性がある」としています。
背景にあるのが看護師の退職で、ここ数年は50人ほどでしたが、昨年度はおよそ70人に上りました。病院は各地で見られるようなコロナ禍での過酷な職場環境が要因の一つとみています。
(鹿児島市立病院 新穂昌和事務局長)「このような多くの看護師の退職は非常に痛いところ。残ってもらう取り組みを進めていく必要がある。(病床稼働率を最大7割にするのは)初めてのこと。緊急性を要する患者は、これまで通り引き受ける予定」
病院は「退職者とほぼ同数の看護師を採用できた」としていますが、数か月の研修が必要なため、病床の制限は6月ごろまで続く予定です。
病院は今年度から看護師の退職を防ぐため「チューター制度」を設け、先輩が悩みを聞くなどの取り組みを進める方針です。
(2023/04/04 20:02)

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